★来年の世界の旅先ベスト20に「石川県」 能登ツーリズムに弾み

★来年の世界の旅先ベスト20に「石川県」 能登ツーリズムに弾み

100年余りの歴史を刻むイギリス国営放送のBBCはグローバルメディアだ。BBCがニュースとして取り上げると、フランスのAFP通信やアメリカのニューヨーク・タイムズなども追いかけるように取り上げることもある。ニュースの取り上げ方も、グローバルメディアにありがちな上から目線ではなく、視聴者の目線に徹している。そうした影響力のあるBBCが今月12日(日本時間)に発表した「The 20 best places to travel in 2026」(2026年に訪れたい旅行先ベスト20)に、なんと「Ishikawa, Japan」が選ばれた。

国内のメディア各社が報じていたので、BBC公式サイトで調べてみた。中世の数々の建築で知られるサントドミンゴ(ドミニカ共和国)、美術館やオペラハウスラなどが集積する文化芸術都市として知られるフィラデルフィア(アメリカ)などと並んで石川県が紹介されている=写真・上=。画像部分は大名庭園で知られる金沢城の玉泉院丸庭園。見出しは「Why go: Traditional crafts and award-winning sake」、そして、紹介文の冒頭はこう記されている。「On New Year‘s Day 2024, a 7.6-magnitude earthquake devastated Japan’s remote Noto peninsula in Ishikawa Prefecture. Two years on, local leaders are urging visitors to return to help support the area‘s renewal.」

紹介文を以下、意訳する。見出し「なぜ行くのか:伝統工芸と誉(ほまれ)のある日本酒」。紹介文「2024年元日、マグニチュード7.6の地震が能登半島を襲った。2年が経ち、地元の人たちは地域再生を支援するためにぜひ能登を訪れてほしいと呼びかけている。金沢市は東京から新幹線で行け、有名な庭園である兼六園、そして伝統工芸の世界が広がる。金箔や加賀友禅で自分の作品をつくることもできる。そして、訪問者が最も心動かされるのは被災した能登だ。農家民宿では稲作などに参加でき、宿泊することで何世紀も続く白米千枚田を支えることにもなる。能登は海の幸や輪島塗、能登杜氏が造る日本酒で知られる。被災した能登の酒蔵を立て直すために『能登の酒を止めない』プロジェクトの取り組みが行われている」

上記の内容からも分かるように、BBCが「The 20 best places to travel in 2026」に「石川」を選んだ大きな理由に能登半島地震がある。欧米では被災地を巡る旅行を「ダ-クツーリズム(Dark tourism)」と呼んでいる。被災地や戦場跡地などを訪ね、死者を悼むとともに、悲しみを共有する観光とされている。すでに、能登ではインバウンド観光客が多く訪れている。ことし9月18日に輪島市の白米千枚田に立ち寄ると、インバウンド観光客が目立っていた。稲刈りは半分ほど終わっていたが、展望ができる高台からわざわざ下に降りてあぜ道を歩いて見学するグループの姿もあった=写真・下=。今回のBBCの選定で能登へのインバウンド観光にさらに弾みがつくかもしれない。

⇒25日(木)午後・金沢の天気   あめ

☆冬至の頃、冬将軍はいつやって来るのか

☆冬至の頃、冬将軍はいつやって来るのか

ことし冬の北陸の降雪量は「平年並み」との予報を金沢地方気象台が発表している(23日付)。一時的に冬型の気圧配置が強まり、大雪となる可能性もあるようだ。3月の気温は平年並みか高い見込みで、春の訪れも平年並みか早くなりそうだ、との予報。とは言え、冬将軍は来るときに来て大雪をもたらす。

ことし2月20日前後には金沢市内で30㌢余りの積雪となった。JR金沢駅前にある「もてなしドーム」も雪に覆われた=写真=。ドームは3019枚の強化ガラスで造られているが、雪がさらに積もって、その重みでガラスが壊れはしないかと実際に眺めて心配になった。何しろ金沢の雪は湿気を含んでいて重い。調べてみると、強化ガラスは180㌢の積雪に耐える強度をもっている(金沢市役所公式サイト)とあり、少しは安心できた。

大陸で冬型の気圧配置が強まり、強い寒気が日本海に南下すると、雪雲が急激に発達し、局地的な短時間強雪になりやすい。2023年12月22日には北陸に「顕著な大雪に関する気象情報」が発表され、輪島では24時間の降雪量が53㌢と12月の観測史上1位を更新する短時間強雪となったこともある。

雪国に住んでいて、この時節の気象予報士の言葉遣いに耳を傾ける。キーワードは2つ、「ラニーニャ」と「JPCZ」だ。「ラニーニャ現象」は、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象をいう。ラニーニャの年には豪雪がやってくる。あの1963年の「三八豪雪」も、1981年の「五六豪雪」もラニーニャだったと言われている。今冬はどうか。世界気象機関(WMO)によると、ことし12月から2026年2月の気温は、北半球の多くの地域と南半球の広範囲で平年より高く、「弱いラニーニャ現象が発生する可能性は55%」と発表している。

そして近年よく使われる気象用語が「JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)」。シベリアから寒気団が日本海に向かって流れてくる際に朝鮮半島北部の白頭山によって、いったん二分されるが、その風下で再び合流することで雪雲が発達し、北陸地方などになだれ込んでくる。2021年1月にJPCZが若狭湾付近に停滞して大雪が降り続き、福井県の北陸自動車で1600台が2日間動けなくなったことが大きなニュースとなった。日本気象協会「tenki.jp」公式サイトによると、あす25日夜からJPCZが山陰地方にかかり、26日は雪や風が強まり大荒れの天気。27日朝にかけて中国地方の日本海側や山地沿いを中心に大雪となる見込みとの予報だ。

北陸地方も予報で26、27日は雪マークがついている。大雪となるのかどうか。いよいよ本格的な冬の季節がやって来る。

⇒24日(水)夜・金沢の天気    あめ

★「核を持つべき」総理官邸幹部オフレコ発言の波紋広がる

★「核を持つべき」総理官邸幹部オフレコ発言の波紋広がる

残すところあと9日。この1年を振り返って、どんな年だったのだろうかと思いめぐらしてみても、ぴったりとはまる言葉が思い浮かばない。ふと出た言葉が、ケセラセラ(Que será, será)。若いころの流行語で、「どうにかなるさ」という意味のスペイン語だ。ところが、ケセラセラでは済まされないような怪しい雰囲気が漂い始めている。安全保障政策を担当する総理官邸の幹部が今月18日に記者団とのオフレコ発言の中で、「核を持つべきだと思っている」と語ったことが波紋を広げている。

メディア各社の報道によると、この発言に真っ先に反応したのは北朝鮮だった。北朝鮮外務省の傘下機関にある日本研究所は20日、「極めて挑発的な妄言だ」と反発する談話を発表した。21日付の朝鮮中央通信が伝えた。日本政府は表では世界で唯一の被爆国だとして非核化を唱えつつも、裏では核保有を目指していると主張した。さらに北朝鮮側は、アメリカが韓国の原子力潜水艦の建造を承認したことを契機に、日本でも原潜の必要性が議論されるようになったとも指摘した。「アメリカを背に核武装化へと突き進んでいる戦犯国・日本の危険極まりない妄動を断固として阻止しなければならない」と批判した、と報道されている。

日本海側に住む一人として懸念するのは、総理官邸幹部の発言が北朝鮮に弾道ミサイルを日本海側に打ち込む口実を与えるのではないか、ということだ。北朝鮮は10月22日、数発の短距離弾道ミサイルを発射し、日本海に撃ち込んでいる。この日は高市総理が総理に就任した翌日。高市氏は自民党「北朝鮮核実験・ミサイル問題対策本部」の本部長代理を務めていた。(※写真は、10月22日の北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて記者会見に応じる高市総理=首相官邸公式サイトの動画から)

そもそも、冒頭の「オフレコ発言」とは何か。記者取材の用語に、「オンレコ」と「オフレコ」がある。オン・レコードはメモ取り、オフ・レコードはメモ取りなし。オンレコは記者会見といった実名で発言内容がニュースになることが多い。オフレコは一応記事にしないことを前提とした取材を指す。情報のニュースが高く、記事にする場合は、オフレコの発言者を今回の場合のように「総理官邸幹部」や「政府筋」といった匿名の表現にとどめる。発言内容も一切報道しない「完オフ」(完全オフレコ)という場合もある。

もし、総理官邸幹部のオフレコ発言を口実にして北朝鮮が弾道ミサイルを日本海に放ったら、どのような事態になるのか。高市総理は官邸に入り、防衛、外務両大臣に必要な情報の収集と分析を指示することになるだろう。それでもメディア各社は匿名を続けるのか、あるいはこの際、実名とするのか。ケセラセラと言ってはおれない事態になる。

⇒23日(火)午前・金沢の天気   はれ

☆高市内閣2ヵ月の支持率、各紙の世論調査で軒並み7割

☆高市内閣2ヵ月の支持率、各紙の世論調査で軒並み7割

季節は移ろい、きょうは冬至。一年でもっとも昼が短く、夜が長い頃を言う。逆に言えば、これから日が延びていく始まりの日でもある。などと、悠長なことは言ってられない。年の瀬も迫ってきて、片付けるべきことが山のように。ユズ湯に浸かる余裕もなく、長野から送っていただいたリンゴを食べて、冬至の日を迎えた次第。

話は変わる。きょう付の読売新聞が報じている世論調査(今月19-21日)によると、高市内閣の支持率は73%で、前回調査(11月21-23日)72%を若干上回り、10月の内閣発足以降で最高となった。不支持率は14%で前回17%より下回った。内閣の発足直後から2ヵ月後も支持率70%以上を維持したのは、1978年発足の大平内閣以降では細川、小泉の両内閣に続く3例目、と報じられている。朝日新聞の世論調査(今月20、21日)も内閣支持率が68%で、前回調査(11月15、16日)69%を下回ったものの、3ヵ月連続で7割近い支持率となった。不支持率は19%だった。毎日新聞の世論調査(今月20、21日)は支持率67%、不支持率22%だった。日経新聞の世論調査(今月19-21日)は支持率75%、不支持率18%、共同通信の世論調査(今月20、21日)は支持率67.5%、不支持率20.4%だった。

この内閣支持率の高さはどこにあるのかと考えてみる。世論調査の中から浮かび上がってくるのは、高市内閣の中国に対する姿勢ではないだろうか。11月7日の国会で、総理は台湾有事に関し「戦艦を使って武力行使を伴うのであれば、存立危機事態になり得る」と答弁した。翌日、中国の駐大阪総領事が SNSで「汚い首は斬ってやるしかない」と投稿した (※現在は削除)。さらにエスカレートし、中国政府は国民に日本への渡航自粛を求め、日本のアニメ映画の上映やコンサートの中止、日本産の水産物の輸入を停止。そして上野動物園のパンダは来月に中国へ返還されることになった。

中国側はこの総理答弁の撤回を求めて圧力を強めているが、本人は動じない。この中国に対する総理の姿勢に対する世論の反応は、読売調査では「評価する」が62%、「評価しない」が25%だった。朝日調査では「評価する」が55%、「評価しない」が30%となっている。毎日調査は答弁を撤回すべきか尋ねていて、回答は「撤回する必要はない」が67%で、「撤回すべきだ」の11%を大きく上回った。共同通信調査では、総理の答弁について不用意な発言かどうか尋ねていて、回答は「不用意だったとは思わない」が57.0%、「不用意だったと思う」が37.6%だった。

上記の調査数値から、高市総理の中国に対する不動の姿勢が内閣支持率につながっていると読めなくもない。そう思える数値をもう一つ。朝日調査は、来月いなくなるパンダの再来日に向けて、政府は中国側に働きかけたほうがよいかと尋ねている。回答は「その必要はない」が70%にのぼり、「働きかけたほうがよい」は26%だった。この結果には自身も納得する。

⇒22日(月)夜・金沢の天気    くもり

★首都直下地震で大停電1600万軒 キャッシュレス時代の「不都合な真実」

★首都直下地震で大停電1600万軒 キャッシュレス時代の「不都合な真実」

首都直下地震が東京で起きたらどうなるのか。政府の中央防災会議の作業部会「首都直下地震対策検討ワーキンググループ」が19日、被害想定と対策についての報告書を公表した。ページをめくると、冒頭で「首都直下地震は、その被害想定からして、まさに国難級の災害」と記している。この国難級地震とはどのような事態なのか。

報告書によると、地震の揺れや火災に伴う死者は最大1万8000人となり、前回想定(2013年)より5000人減っている。住宅や多くの人が利用する建物の耐震化率が約90%(全国平均)に向上していることを挙げている。今回初めて試算された災害関連死は最大4万1000人としている。報告書は「避難行動や避難生活に伴い心身の負担が増えたり、平時に受けていた医療や看護、介護サービスを受けられなくなって健康状態が悪化したりするなど、多数の災害関連死が発生するおそれがある」と記している。

「これは問題」と注目したのが、「停電」について。関東9都県で前回想定の1220万軒より1.3倍増え、1600万軒に及ぶ。通信やインターネット環境を直撃することになり、復旧が遅れれば首都の政府・行政の中枢機能や企業の本社機能、経済活動などに多大な影響が出る。そして、照明のない生活となり、通勤通学の電車も止まる。(※写真は、能登半島地震で倒れた電柱。地震直後に最大で約4万軒が停電した)

報告書での停電に関する項目を読んで、能登半島で起きた「事件」を思い出した。地震が発生した去年元日の夜、ある県立高校に設置されていた自動販売機3台が避難してきた住民らによって破壊され、飲料が持ち出された。停電で硬貨を入れても自販機は使えず、しかも地域は断水となっていた。同校は指定避難所ではなかったので、水や食糧などの生活必需品の備蓄品はストックされていなかった。自販機は、災害時には鍵で扉を開け、無料で商品を取り出せる「災害支援型」だった。その鍵は学校が飲料会社から預かり、事務室で管理していたが、正月休みで職員はいなかった。寒く、暗く、水も食糧もない中での事件。飲料会社は壊した人たちに賠償請求はしなかった。

小さな事件だが、首都直下地震で停電が起きれば、能登で起きたようなことが各地で起きるかもしれない。消費支出額に占めるキャッシュレス決済比率は43%にまで増加している(※経産省「2024 年のキャッシュレス決済比率を算出」)。そのキャッシュレス決済が震災後の大規模停電で使えず、現金以外での決済は出来なくなる。ATMで現金を下ろせない。コンビニやスーパーは混乱するのではないだろうか。震災と停電がもたらす「不都合な真実」ではある。

⇒21日(日)夜・金沢の天気  あめ

☆ホットな話題 季節外れ金沢22度/加賀料理が国文化財に

☆ホットな話題 季節外れ金沢22度/加賀料理が国文化財に

けさから生温かな風が吹いている。天気は晴朗で、予報ではなんと22度にまで上がるとのこと。季節外れの暖かさだ。写真は午前10時30分ごろに撮影した金沢の近所の様子。雪吊りされた五葉松とさんさんと照らす太陽が妙に絵になっている=写真・上=。それにしても、きのう(19日)朝は石川県内各地が氷点下となり、輪島市ではマイナス2.2度の冷え込みとのニュースが流れていた。それがきょうは一転、暖かい空気が流れ込んで、平年よりも10度ほど高く、10月下旬並みの暖かさとの予想だ。きのうは外出にダウンジャケットを着ていたが、さて、きょうはどうするか。仕舞った上着を出すか。

ホットなニュースも。以前このブログ(ことし10月25日付)でも述べたが、金沢では伝統料理のことを「じわもん」と呼ぶ。伝統の料理は、小麦粉をまぶしたカモ肉を煮込んで作る「治部煮(じぶに)」や、魚のタイを背開きし、具材入りのおからを腹部に詰めて蒸し上げる「鯛の唐蒸し(たいのからむし)」=写真・下=などがある。こうした金沢の料理は「加賀料理」とも称される。その加賀料理が国の登録無形文化財に登録されることになった。国の文化審議会は10月24日、文部科学大臣に答申し、今月18日の官報に告示、正式に登録された。登録無形文化財制度は2021年に新設され、料理関係では「京料理」に次いで2例目となる。

もう一つ、上げの話題。日銀はきのう19日の金融政策決定会合で、政策金利を現行の0.5%から0.75%に引き上げると決めた。30年ぶりの高さとなる。植田総裁は決定後の記者会見で今の金利水準がまだ金融環境を引き締めていないとの認識を示し、利上げ路線を続ける意向を述べた(メディア各社の報道)。

欧米の中央銀行が高い政策金利を維持する一方で、日本が極めて低い金利を続けていれば、資金はより高い利回りを求めてドルなどの外貨へと流れる。これが円安を加速させ、食糧やエネルギーなどの輸入価格の高騰の要因となっている。まさに、日々の生活を直撃しているインフレ、物価高の根源だ。なので、円安にブレーキをかけるために利上げへと舵を切った。しかし、利上げには痛みも伴う。住宅ローンのある人は利払い負担が増加する。そして、実質的なゼロ金利で延命してきた、借入金依存度の高い企業にとって金利が上がれば、利払いは困難になる。逆の見方をすれば、「金利ある世界」への回帰は日本経済の転換点となるのではないだろうか。

⇒20日(土)午後・金沢の天気    はれ時々くもり

★のとキリシマツツジを守るNPO法人に「松下幸之助賞」の栄誉

★のとキリシマツツジを守るNPO法人に「松下幸之助賞」の栄誉

深紅の花をつける能登の花木と言えば、「のとキリシマツツジ」が代表的だ。素封家の家々では座敷から眺めるこの花木を大切に育ててきた。かつて九州地方から伝わったキリシマツツジの亜種とされる。街路で見かけるツツジよりも花は小さく、真っ赤な花を咲かせるのが特徴。樹木の成長は遅く、樹齢400年でも高さは3㍍ほどとされる。見事に咲き、しかも小ぶりなので庭木の主役の一つとして能登では重宝されてきた。

のとキリシマツツジの保全活動に取り組んでいるNPO法人「のとキリシマツツジの郷」(能登町)が、松下幸之助記念志財団による「第34回松下幸之助花の万博記念賞」の松下正治記念賞に選ばれたと地元メディア各社が報じている(今月17日付)。記念賞は、自然と人間の共生に貢献する活動をテーマに個人や団体を表彰している。今回、NPO法人がのとキリシマツツジの古木調査や保護、普及活動に長年取り組んできたことが評価された。

毎年3月中ごろに、のとキリシマツツジの鑑賞会が金沢市で開催されている=写真=。能登の庭では4月中ごろから5月中旬にかけて見頃を迎えるが、植木鉢を温室に入れることで開花時期を調整し、早めのお披露目となる。金沢の市民にもこの花木のことを広く知ってもらい、実際に能登に足を運んでほしいという想いを込めている。受け入れる能登では、この時期に庭先を開放する「オープンガーデン」を実施し、家々で自慢ののとキリシマツツジの古木などが観賞できる。能登半島地震で家々は少なからず被災したものの、来年ものとキリシマツツジはいつものように美しく迎えてくれるだろう。

話は変わる。今月16日に開かれた石川県議会の予算委員会で自民党の重鎮議員が、金沢市内にある陸上自衛隊の駐屯地を能登に移転してはどうか提案した。これに対し、馳知事が「議論を喚起する価値がある」と答えたことが議論を呼んでいる。地元メディア各社の報道によると、提案した福村章県議は「能登半島地震からの復興には起爆剤となる事業が必要だ」と前置きし、「隊員と家族で2000人を超える移住で、能登の活性化を見込める」と強調した。

この発言をニュースで知って、「孤立」という言葉が浮かんだ。これは能登地震で大きな問題となったが、半島という地形で主要道路が崩壊するなどした場合、半島の尖端部分h孤立化する。実際、金沢と能登を結ぶ自動車専用道路「のと里山海道」は北部を中心に道路が20ヵ所余りで崩れ、通行可能になるまで7ヵ月余りを要した。今後、この提言はどのように展開していくのか。

⇒19日(金)夜・金沢の天気  はれ

☆政権肝いりでガソリン値下げ、卵価は高値続くも次なる一手は  

☆政権肝いりでガソリン値下げ、卵価は高値続くも次なる一手は  

近所のガソリンスタンドの前を通ると、「会員価格151円」の表示が出ていた=写真・上=。会員ではないが、安くなっているので給油した。非会員の単価は1㍑156円だ。同じスタンドで11月27日に給油したときは161円、10月24日は173円だったので、この数ヵ月で随分と価格が下がった。金沢市内でガソリンの小売価格が150円だったのは2021年と記憶しているので、4年ぶりではないだろうか。

先日からのメディア各社の報道によると、政府は物価高対策として、ガソリン税の暫定税率25.1円を12月31日に廃止して補助金支給を終え、年明けの2026年1月1日には、減税対応に移行するとのこと。これを受けて、金沢市内でも1㍑当たりの販売を140円台を表示するスタンドも現れたようだ。高市政権の肝煎りのガソリン値下げ政策ではある。果たしてガソリンの値下がりは年明けも続くのか。ガソリンスタンド業界への影響はないのだろうか。EVやハイブリッド車の普及でガソリン需要そのものが減少しているだけに業界は今後どのような動きを見せるのか。

一方、鶏卵は高値止まりが続いている。「物価の優等生」と称され、長らく価格が安定していた。スーパーでは10個入りパックが200円前後で売られていて、特売日では160円だった。それが、2022年12月ごろから1パック「269円」、今では「店長おすすめ品」ではあるものの、1パック299円(税込み323円)だ=写真・下=。

鶏卵の高値の理由は理解できなくもない。ニワトリの飼料の多くを海外からの輸入に頼っていて、円安やロシアによるウクライナ侵攻の影響などで輸入飼料の価格が高騰、さらに国内での鳥インフルエンザの影響が価格高騰をまねているとメディアが繰り返し報じている。

その鶏卵の価格高騰で新しく出てきた言葉が「冷凍液卵」。卵の殻を取り除いた「液卵」を冷凍することで保存期間を1年半程度延ばすことができる。夏に鶏卵の需要が減るのでこの時期に業界では液卵を製造し、冬場の需要期に売り出している。この冷凍液卵の生産を増やすことで秋から冬の卵の価格が安定するとの見方から、農水省では今年度の補正予算案に4億5000万円を盛り込み、業者が冷凍液卵の保管施設を新設する際に補助金を出すことにしている。

確かに冬場はケーキなどの洋菓子需要が高くなり鶏卵も高騰するが、それを鶏卵の需要が下がる夏場でつくった冷凍液卵で補うことで卵価を抑える。果たして話はうまく運ぶのか。

⇒18日(木)夜・金沢の天気    くもり

★あの歌手が広報誌におちゃめなポーズ /「絶景海道」通行可能に

★あの歌手が広報誌におちゃめなポーズ /「絶景海道」通行可能に

きのう(16日)所用で中能登町役場を訪れた。入り口で町の広報誌があったので手に取ると、表紙を飾っていたのは歌手の一青窈さんだった=写真・上=。おちゃめなポーズで。2ヵ月前のブログ(10月12日付)でも記したが、この町は一青窈さんの先祖の地でもあり、「一青」という地名もある。彼女はこの町出身の母親と台湾人の父親との間で生まれた。ヒット曲に『ハナミズキ』という曲があるが、この町にも「花見月(はなみづき)」という地名の田園地帯が広がる。

10月12日に開催された町制20周年記念の音楽イベントでは、メインゲストとして出演。町と関わるエピソードも披露した。『もらい泣き』でデビューした時、町の酒造蔵から純米吟醸酒「一青(ひとと)」をお祝いにもらい感動したと話した。そして、去年元日の能登半島地震の被災者が入る仮設住宅を訪れ、入居する人たちと交流したことにも触れていた。

では、なぜ広報の表紙がJR七尾線の駅「能登部」でのポーズ写真なのか。これは町の人は知っていることだが、町ではJR西日本金沢支社に働きかけ、2015年に列車の発着を知らせるメロディーを『ハナミズキ』に変更してもらった。町内にある良川、能登二宮、能登部、金丸の4つの駅で、電車が通るたびにこのメロディーが流れる。「♪果てない夢が ちゃんと終わりますように 君と好きな人が百年 続きますように」。駅で列車が近づいてくると、このメロディーがじんわりと心に響いてくる。一青窈さんはこのことを聞いて駅に確認に行き、メロディーが流れるのを聴いてうれしくなったのかもしれない。それがこのおちゃめなポーズに。

話は変わる。 能登半島をめぐる幹線道路の国道249号は能登地震、そして同年9月の記録的な大雨により一部区間で不通が続いていたが去年12月末から全線で通行が可能になった。ただ、一部区間は1車線となり、地元住民や緊急車両に限っての利用となっていた。それが、今月23日から一般車両も通行が可能になる。

その一部が半島の尖端で「塩田村」として知られる珠洲市仁江町と観光ホテルなどがある同市真浦町を結ぶ2.7㌔の道路。本来通っていたトンネルが土砂で埋まり通行不能となっていたが、国土交通省がトンネルの海側沿いにバイパス道路を造成していた。日本海の荒波が岩場に当たって舞い上がり、地震で崩れた山の岩肌がむき出しになった場所をバイパス道路で通る=写真・下=。素人目線でも「絶景」という言葉が浮かんでくる。そして、この光景はまさにジオパーク(Geopark)ではないだろうか。大地の造形物が何千年、何万年と歴史を刻みながら少しづつ姿を変えきたのだと実感する。一般車両も通行可能になる絶景海道をぜひ車で走ってみたい。

⇒17日(水)午後・金沢の天気   くもり

☆東北の「後発地震」注意から1週間余 能登では震度4の揺れ

☆東北の「後発地震」注意から1週間余 能登では震度4の揺れ

青森県東方沖を震源とするマグニチュード(M)7.5の地震発生からきょうで8日となる。北陸に住んでいて気になっていたのは、内閣府と気象庁が今月9日午前2時に出していた「後発地震注意情報」だった。北海道沖から三陸沖にかけて巨大地震が発生する可能性が平常時よりも高まったとして、事前避難は求めないものの、今後1週間、避難経路の確認や家具の固定など地震への備えを呼びかけていた。きょう16日午前0時でこの「特別な備え」の呼びかけは終了したことになる。

「北海道・三陸沖後発地震注意報」の呼びかけは2022年12月に国が運用を始め、今回初めて発表されたものだった。国による「特別な備え」の呼びかけが終了したとしても大規模地震が起きる可能性がなくなったわけではなく、突発的に巨大地震が発生することはありうる。政府の地震調査委員会では、今後30年間に青森県東方沖などでM7.9程度の巨大地震が起きる確率は「20%~40%」と予測している。

能登半島の地震にも注意したい。14日午後11時26分に石川県志賀町で震度4の揺れがあった。自身が住む金沢もグラッと揺れ、震度1だった。震源は能登半島沖で、震源の深さは約10㌔、M4.9と推定される。その後、15日午前4時3分に能登半島沖が震源のM4.7、震度3の地震があった(気象庁公式サイト「地震情報」)。(※図は、青森県とその周辺の主な被害地震=地震調査研究推進本部公式サイト「青森県の地震活動の特徴」より)

地震と合わせて警戒するのが津波だ。ことし7月30日にロシアのカムチャツカ半島付近で発生したM8.7の巨大地震で、震源から1500㌔離れた日本でも津波警報が発令された。太平洋沿岸部に津波の影響が広く及んだが、このとき、これが日本海側を直撃していたらどうなったことかと考えてゾッとしたものだ。

日本海に突き出る能登半島ではこれまでも地震による津波の惨事に見舞われている。石川県庁がまとめた『石川県災異誌』(1993年版)によると、1833年12月7日に新潟沖を震源とする大きな津波があり、半島尖端に位置する珠洲市では流出家屋が345戸、死者は約100人に上ったとされる。1964年の新潟地震や1983年の日本海中部沖地震、1993年の北海道南西沖地震でも珠洲に津波が押し寄せている。このため、同市では海岸沿いの道路に「想定津波高」という電柱看板を付けている。中には「想定津波高 20.0m以上」もある=写真=。同市では2018年1月に「津波ハザードマップ」を改訂した際にリスクがある地域への周知の意味を込めて電柱看板で表記した。

半島の尖端という立地では、震源地が遠く離れていたとしても常に津波を警戒する心構えが必要なのだ。地震の被害は揺れによるものだではない。地域によって被災のパターンは異なる、そんなことを教えてくれる「津波看板」ではある。

⇒16日(火)午前・金沢の天気   くもり時々はれ