★ブリ起こしの雷の季節 能登高級ブランド「煌」初競り400万円

★ブリ起こしの雷の季節 能登高級ブランド「煌」初競り400万円

発達した積乱雲が近づいているとして、気象庁はきょう午後0時42分に、石川県能登地方に「竜巻注意情報」を発表した。積乱雲が近づくと雷や急な風の変化、それに雹(ひょう)が降るなど荒れ模様となる。ただ、雷は「待ってました」と言わんばかりの季節の訪れでもある。「ブリ起こしの雷」。石川や富山など北陸ではこの時期、雷が鳴ると「寒ブリ」が揚がるとの言い伝えがある。ブリの季節の訪れだ。

きのう1日朝、能登半島の七尾港や能登町宇出津港に、定置網に入った寒ブリ552本が水揚げされた。その中でも重さ14㌔以上で、カタチの良さなどから選ばれた高級ブランド「煌(きらめき)」の初競りが金沢市の石川県漁協かなざわ総合市場であり、重さ14.5㌔、長さ92㌢のブリに400万円の値が付いた(2日付・地元メディア各社の報道)。「煌」の認定制度は県漁協が2022年から始め、七尾市に本社がある食品スーパーが4年連続で初競りモノを競り落としている。

その400万円で落札された天然能登寒ブリが食品スーパーできょうまで展示されているというので、さっそく見学に行ってきた。発砲スチロールの箱に横たわる14.5㌔のブリはさすがに貫禄がある=写真=。寒ブリは眼のふちが黒いのが特徴だが、じっと睨まれているようにも感じ、恐れ多い。この寒ブリは能登町の鵜川漁港で水揚げされたもので、この日、規格基準の厳しい「煌」ブランドに認定されたのはこの一本のみ。

重さ14㌔以上のブリはほかにも数本あったものの、胴回りが十分なサイズではなかったため、認定されなかった。ちなみに、「煌」になり損ねた寒ブリは15万円から50万円で落札されたようだ(2日付・地元メディア各社の報道)。

食品スーパーの店員に「(煌を)いつさばくのか」と尋ねると、きょうの夕方にさばき、あす3日に寿司として限定販売するとのことだった。ところで、能登で寒ブリの話でよく誤解されるのは、雷鳴に驚いて、ブリが能登や富山湾に逃げ込んで来るという説。むしろ、時化(しけ)で日本海も荒れるので、イワシといった魚が沿岸に寄って来る。それをブリが追いかけてきて、定置網にかかるというのが定説のようだ。たかがブリ、されどブリ。冬の訪れとともにブリの話は尽きない。

⇒2日(火)午後・金沢の天気 くもり時々あめ

☆中国「反日」攻勢は続くも、一貫した総理の姿勢は高支持率に

☆中国「反日」攻勢は続くも、一貫した総理の姿勢は高支持率に

中国による「反日」の煽り、日本への怒りが止まない。直近では、日本のアーティストの中国での公演が次々と中止に追い込まれている。メディア各社の報道によると、歌手の浜崎あゆみさんは11月29日に開催予定だった中国・上海での公演が直前で中止に追い込まれ、無観客(1万4千席)のステージで歌ったという。

中国によるこの行為の発端は、今月7日の衆院予算委員会で台湾有事について問われた高市総理が 「戦艦を使って武力行使を伴うのであれば、存立危機事態になり得る」と答弁したことだった。翌日、中国の薛剣(セツ・ケン)駐大阪総領事が SNSで「汚い首は斬ってやるしかない」と投稿した (※現在は削除)。これがエスカレートし、中国政府は日本の治安への不安を理由として中国国民に日本への渡航自粛や、留学に慎重な行動を求めた。さらに、日本政府に対し日本産の水産物の輸入を停止すると通達した。また、中国の国連大使は安保理で高市総理の台湾有事をめぐる国会答弁を批判するなど、拡散に躍起となっているようだ。(※写真は、日米首脳会談で署名された合意文書を掲げる高市総理とトランプ大統領=10月28日付・総理官邸公式サイトより)

中でも違和感を感じるのは、中国側が日本で中国人への犯罪多発を理由に「治安悪化」を訴え、渡航自粛を呼びかけていることだ。これに対し日本の外務省は、過去3年に国内で中国国籍の人が被害者となった殺人、強盗、放火の認知件数は減少傾向にある統計をSNSで紹介し、否定している(11月21日付)。

中国側は高市総理に発言撤回を求めて攻勢をかけているが、総理は応じる様子を見せていない。むしろ、この総理の動じない態度に国民は支持を寄せている。直近の世論調査の内閣支持率でそれが分かる。日経新聞の世論調査(11月28-30日)では内閣を「支持する」が75%となり、「支持しない」18%をはるかに上回った。10月の内閣発足後、2ヵ月連続で7割台の高い支持率を維持している。読売新聞の世論調査(11月21-23日)でも内閣支持率は72%だった。

国家のあり方に関わるこの台湾事案。高市総理は発言を撤回したり、外交的な小細工を講じない方がいい。一貫した姿勢に国民は信頼を寄せている。それが数字となって表れている。

⇒1日(月)午後・金沢天気   くもり時々あめ

★被災地と地域FM 被災者の安心感にこだわった新潟の事例

★被災地と地域FM 被災者の安心感にこだわった新潟の事例

前回ブログの続き。被災地とFMラジオの役割を調査したことがある。2007年7月16日に震度6強の新潟県中越沖地震が発生した際、柏崎市のコミュニティー放送「FMピッカラ」のスタッフは臨機応変な対応をしたことで評価されていると金沢のFMスタッフから話を聞いたことがきっかけだった。現地を訪れたのは3ヵ月後の10月21日。柏崎駅前の商店街の歩道はあちこちでひずみが残っていて歩きにくく、復旧は半ばという印象だった。FMピッカラはそうした商店街の一角にあった=写真、当時=。

ヒアリングに対応してくれたのはパーソナリティーの船崎幸子さんだった。FMピッカラの公式サイトをチェックするとあれから18年になるが現役のパーソナリティーとして頑張っておられるようだ。震災当日の話はリアリティがあった。祝日の午前の静けさを破る揺れがあったのは午前10時13分だった。その1分45秒後には、「お聞きの放送は76.3メガヘルツ。ただいま大きな揺れを感じましたが、皆さんは大丈夫ですか」と緊急放送に入った。午前11時から始まるレギュラーの生番組の準備をしていたタイミングだったので立ち上がりは速かった。

通常のピッカラの生放送は平日およそ9時間だが、災害時の緊急編成は24時間の生放送とした。柏崎市では75ヵ所、およそ6000人が避難所生活を余儀なくされた。このため、市の災害対策本部にスタッフを常駐させ、被災者が当面最も必要とする避難所や炊き出し時刻、物資の支給先、仮設浴場の場所、開店店舗の情報などライフライン情報を中心に4人のパーソナリティーが交代で流し続けた。

なるほどと思ったのは、行政からの一方的な情報を流すのではなく、市民からの声を吸い上げることでより被災者にとって価値のある情報として伝えたいという想いだった。たとえば、水道やガスの復旧が遅れ、夏場だけに洗髪に不自由さを感じた人も多かった。「水を使わないシャンプーはどこに行けばありますか」という被災者からの質問を放送で紹介。すると、リスナーから「どこそこのお店に行けばあります」などの情報が寄せられた。行政から得られない細やかな情報だった。また、知人の消息を知りたいと「尋ね人」の電話やメールも寄せられた。放送を通して安否情報や生活情報をリスナー同士がキャッチボールした。

24時間放送の緊急編成は8月25日まで続けた。この間、応援スタッフのオファーも他のFM局からあったが、4人のパーソナリティーは交代しなかった。「聞き慣れた声が被災者に安心感を与える」(船崎さん)という理由だった。このため、リスナーから「疲れはないの、大丈夫ですか」とスタッフを気遣うメールが届いたほどだった。この話を聞いて、被災地での地域メディアの果たす役割について考えさせられた。

⇒29日(土)夜・金沢の天気  はれ

☆能登被災地・町野のFMラジオ NHK連続ドラマのモデルに

☆能登被災地・町野のFMラジオ NHK連続ドラマのモデルに

能登がNHKの連続ドラマの舞台となるのは2015年放送の『まれ』以来ではないだろうか。NHKの公式サイトによると、来年2026年春放送の連続ドラマ『ラジオスター』の制作が能登の輪島市で始まり、NHKはきのう(27日)出演者のコメントを発表した。

ドラマは、主人公の柊カナデ(福地桃子)は大阪で働いていて、恋人の故郷である能登を旅行中に地震に遭い、避難所で松本功介(甲本雅裕)の世話になる。松本はコメ農家で米粉を使ったパン屋を営んでいたものの、地震と豪雨で田んぼと店を失い、妻と息子とは離れて暮らしていた。カナデはボランティアとして再び能登に入り、松本と再会する。そのころ、地元では笑えるFMラジオを開設する話で盛り上がり、番組づくりの経験がない主婦の小野さくら(常盤貴子)ら町の人たちが集まっていた。予算もない、スタジオもない、電波もない状況だが、気持ちは盛り上がる。そんな中で、恩人の松本からの頼みでカナデがラジオのパーソナリティーを担当することになる、というストーリーだ。

出演者のコメントによると、福地は「演じるカナデも生まれも育ちも別の場所で、いろいろなご縁があって能登にやって来ます。この町の人ではない彼女だからこそ、ドラマを見る人の心に届けられるものがあると信じています」とアピールした。甲本は「僕らはうつむいている場合ではなく、このドラマを明るくて楽しい作品にしないといけないなと思っています」と語った。『まれ』にも出演した常盤は「1ヵ月ぶりに能登を訪れて、いまの能登は(被災した建物の)解体が終わって時間がたち、『さて、ここからどうしよう』という局面に立たされているんだなと感じました。今だからこそ、みんなで盛り上げていきたい」と能登にエールを送った。

連続ドラマ『ラジオスター』にはモデルがある。輪島市町野町には地元の有志らがことし2月23日に臨時に開設したFMラジオがあり、当日、その様子を見学に行った。被災地のこうしたFM放送は「災害FM」と呼ばれ、災害の軽減に役立つ情報を伝える目的で開局が可能だ。この日は公開スタジオが設けられ、元NHKアナウンサーの女性とフリーパーソナリティの男性が司会を務め、地元の住民がゲスト出演していた=写真=。主催する団体「町野復興プロジェクト実行委員会」ではその後、クラウドファンディングなどで開業資金を集め、7月7日に「まちのラジオ」のネーミングで開局にこぎつけた。農家や医師、消防士など10人のボランティアが、パーソナリティも含めた運営を担っている。

被災者にとっては「情報こそライフライン」である。NHKの連続ドラマがさらに後押しとなって、地域の人たちの輪をつなぐ和やかなラジオ局となることに期待している。

⇒28日(金)夜・金沢の天気   あめ

★晩秋の兼六園、松の古木に「りんご吊り」、紅葉の絨毯に風情

★晩秋の兼六園、松の古木に「りんご吊り」、紅葉の絨毯に風情

金沢21世紀美術館に近い、兼六園の入り口の坂の一つ、真弓坂の近くを通ると、枝を大きく広げた松の古木に雪吊りが施されていた=写真・上=。兼六園では今月1日から雪吊りが始まり、唐崎松(からさきのまつ)などの名木に順次、雪吊りが施されている。木の横にモウソウ竹の芯(しん)柱を立て、柱の先頭から縄をたらして枝を吊る。天を突くような円錐状の雪吊りはアートのようにも見え、そして、樹木を守り庭園の価値を高める作業でもある。

雪吊りは一般的な称し方で、画像のようなモウソウ竹の柱の先頭から縄をたらして枝を吊る方法は、金沢では「りんご吊り」と呼ばれる。この名称は、金沢では江戸時代に庭にリンゴの木を植えていて、果実がたわわに実ると枝が折れるのを補強するためそのような手法を用いたようだ。それが冬の樹木にも応用されたと伝えられている。このほかにも、竹を立てて縄を張る「竹又吊り」や、低木の枝を全て上に集め、縄で結ぶ「しぼり」など樹木の形状に応じてさまざまな雪吊りが施されていて、12月中旬ごろまで800ヵ所で行われる。

晩秋の兼六園の名所は「もみじ山」とも称される山崎山だ。高さ9㍍ほどの、いわゆる築山(つきやま)、造られた山だ。山頂にある茅葺き屋根の四阿(あずまや)からは兼六園の紅葉が見渡すことができる。ここから眺める景色は唐崎松の雰囲気とはまったく異なる風景で、カエデやトチノキなどが赤や黄に色づいている。そして、山のふもとの地面には紅葉の落ち葉がまるで絨毯のように広がっている=写真・下=。地面いっぱいに落葉した風景はやはり晩秋のこの時期だけしか見れない風物詩ではある。

雪吊りと紅葉、そして落葉の絨毯。まるでいいとこどりの情景に風情を感じながら眺めていると、気のせいかふと冷たい風を感じた。そしてサラサラと落ち葉が降ってきた。冬の足音のように聞こえた。

⇒27日(木)夜・金沢の天気   はれ

☆世論調査から読む、高市総理の一貫した対中姿勢への評価

☆世論調査から読む、高市総理の一貫した対中姿勢への評価

けさの読売新聞で掲載されている世論調査(今月21-23日)によると、内閣支持率は72%で、内閣発足時の前回調査(10月21、22日)と横ばいの高い支持率を維持している。注目したのが中国に対する外交関係で、高市内閣の中国に対する姿勢を「評価する」は56%で半数を超え、「評価しない」は29%だった。

毎日新聞の世論調査(今月22、23日)の内閣支持率も前回調査と横ばいの65%となっている。そして、高市総理が台湾有事について集団的自衛権を行使できる「存立危機事態になり得る」と国会で答弁したことについて、「問題があったとは思わない」が50%となり、「問題があったと思う」の25%を大きく上回っている。

連日のように中国は「反日」を煽り、日本に怒りをぶつけている。今月7日の衆院予算委員会で台湾有事について問われた高市総理が 「戦艦を使って武力行使を伴うのであれば、存立危機事態になり得る」と答弁した。翌日、中国の薛剣(セツ・ケン)駐大阪総領事が SNSで「汚い首は斬ってやるしかない」と投稿した (※現在は削除)。これがエスカレートし、中国政府は日本の治安への不安を理由として中国国民に日本への渡航自粛、留学の慎重な検討を求めた。また、中国大手旅行社は日本旅行の販売を停止。日本のアニメ映画などの中国上映も一部が延期。中国政府は日本政府に対し、日本産の水産物の輸入を停止すると通達。さらに、中国の国連大使は安全保障理事会で高市総理の台湾有事をめぐる国会答弁を批判している。

読売、毎日の世論調査から、こうした中国側の一連の動きを民意は冷静に見ている、という印象だ。これまで報道されているように、中国の経済は不動産不況に端を発して厳しい状況が続いている。失業率も高いとされ、人びとの不満の矛先が中央政権に向かいつつある。このようなタイミングであえて外敵をつくることで文民を統制するやり方は一党独裁の中国ではありうる、と世論は見ているのだろう。その上で高市総理の対中姿勢を世論は評価。「高市総理には一貫してこの対中姿勢を続けてほしい」。これが72%の内閣支持率の世論なのだろう。

⇒24日(月)午後・金沢の天気   くもり

★横綱・大の里が千秋楽を休場、「唯一無二」の悔しさか

★横綱・大の里が千秋楽を休場、「唯一無二」の悔しさか

きょうの残念なニュースは石川県の郷土力士、横綱・大の里が千秋楽を休場したこと。3敗で首位に並んでいたが、きょう日本相撲協会に「左肩鎖けんさ 関節脱臼で1ヵ月間の安静・加療が必要」との診断書を提出した(メディア各社の報道)。確かに、琴桜に敗れたきのう14日目の取組後は、顔をしかめながら左肩を気にする様子がテレビで映っていた。まさか、千秋楽を休場するとは誰も想像しなかっただろう。大の里の休場は初土俵以来初めてで、「唯一無二」の悔しさを噛みしめているに違いない。(※写真・上は、JR金沢駅の観光案内所で展示されている石川県の郷土力士の等身大パネル)

話は変わる。自宅近くの山にクマが現れるようになった。きのう22日、午前10時半ごろ、金沢市山科町の大乗寺丘陵公園の登山道で、施設の管理人が体長0.7㍍ほどの1頭を目撃した。市役所では防災メールで注意を呼びかけ、警察署や猟友会がパトロールを行った(地元メディアの報道)。この丘陵公園は自宅から東に1.6㌔ほどのところにあり、きょう午前に丘陵公園のふもとあるガソリンスタンドで洗車をしてきた。

このクマ出没のニュースで地域の人たちは神経をピリピリさせていることだろう。2023年10月には丘陵公園でウオーキングしていた80代の男性がクマに襲われる人身被害があった=写真・下=。丘陵公園は住宅地に近く、周囲には小学校や中学校、大学もある。また、野田山墓地という市営墓地なども広がっていて、クマの出没はこの時季の最大のリスクかもしれない。近くの小学校や中学校では、児童・生徒に鈴の貸し出しを行っていて、「クマと遭遇しても大声を出さない」「複数人で登下校する」などの注意指導を行っている。

もともと丘陵公園周辺にはクマは生息していなかった。クマの目撃情報などがニュースになるようになったのは、2000年代に入ってからではないだろうか。クマはもともと奥山と呼ばれる山の高地で生息している。ところが、エサ不足に加え、これまで緩衝帯になっていた中山間地(里山)で人口減少が進み荒れ放題になっきた。住宅地近くに隠れ場所となる茂みが増え、クマが生息できる環境が広がっている。そして、丘陵公園の周辺ではリンゴや柿などの果樹栽培も行わていて、この周辺での出没が近年増えている。

最近では、「アーバンベア(都市型クマ)」と呼ばれる、市街地周辺で暮らし、街中に出没するクマも増えている。ペットフードや生ごみなどをあさる。また、設置された箱わななどの仕組みを学習していて決してわなに入らない「スマートベア」もいるそうだ。環境省のまとめによると、ことしのクマによる被害者(10月末時点)は全国で197人、うち12人が亡くなっていて、過去最悪となっている。放っておけばクマはさらに頭数が増え、人的被害は拡大する。クマとの向き合い方が問われている。

⇒23日(日)夕・金沢の天気   くもり

☆冠雪の白山を眺め 紅葉の那谷寺を歩く

☆冠雪の白山を眺め 紅葉の那谷寺を歩く

紅葉も散り始めている。きょう午前中は寒冷前線も遠ざかり、石川県内は秋晴れだったので、加賀地方へドライブに出かけた。小松市の木場潟周辺は白山がよく見えるので向かった。

白山は今月18日からの寒波で冠雪していた=写真・上=。「風かをる越しの白嶺を国の華」。江戸時代の俳人、松尾芭蕉が『奥の細道』の旅で加賀を訪れたときに詠んだ句だ。白山のまわりには、さわやかな風が吹き渡っていて、まるで国を代表するような山だ、と解釈する。白山は北陸3県(石川・富山・福井)のほか岐阜県にまたがる標高2702㍍の活火山で、富士山、立山と並んで「日本三名山」あるいは「三霊山」と古(いにしえ)より称される。奈良時代には禅定道(ぜんじょうどう)と呼ばれた登山ルートが開拓され、山岳信仰のメッカでもあった。2023年5月に白山と下を流れる手取川がセットになってユネスコ世界ジオパークに認定されている。

木場潟周辺から白山を望むと、ふもとの山々は紅葉の盛りで、白山の冠雪の白さがいっそう引き立つ。山容は穏やかでやさしいが、ひとつ気になったのは眺望所の「クマの出没注意」の貼り紙。クマよけの鈴を無料で貸し出すとのこと。「白山を眺めるもいいけど、油断しないで」との行政の配慮なのだろう。

その後、小松市にある名刹、那谷寺(なたでら)を訪れた。「石山の石より白し秋の風」。芭蕉が那谷寺で詠んだ『奥の細道』の句だ。奇岩がそびえ立つ景観で知られ、紅葉の名所でもある。境内ではモミジや、カエデなどが赤々と燃えて、見事な景観だった=写真・下=。

境内を巡っていて、「紅葉良媒(こうようりょうばい)」という四字熟語が脳裏に浮かんだ。男女のカップルが紅葉を見に行くことがきっかけとなって良縁が結ばれるという意味の言葉だ。さらに、奇岩がそびえ立つ那谷寺はパワースポットとしても知られ、若い人たちにとっては人気がある。

展望台から臨んだ「奇岩遊仙境」(国の名勝指定)。遊仙境には、寺でありながら赤い鳥居と稲荷社が点在するのが見える。パンフによると、奈良時代に創建された白山信仰の寺院とのこと。確かに、那谷寺の周辺から白山が見え、青空に映えた冠雪の白山はじつに神々しい。神社のような寺、そんな雰囲気を感じた。ちなみに拝観料は大人1000円。強気な価格設定だ。

⇒22日(土)夜・金沢の天気   くもり

★不穏な中国の動き 反日を煽り、怒りをぶつける狙いは何か

★不穏な中国の動き 反日を煽り、怒りをぶつける狙いは何か

きょう午後3時ごろ、金沢の東の空を眺めると、雲行きが怪しくなっている=写真・上=。北陸では寒冷前線が通過する見込みで、夜遅くにかけて落雷や竜巻などの激しい突風、降雹(ひょう)、急な強い雨など大気が非常に不安定となるようだ(金沢地方気象台発表)。気象だけでない、中国の動向もとても不穏だ。

今月7日の衆院予算委員会で台湾有事について問われた高市総理が 「戦艦を使って武力行使を伴うのであれば、存立危機事態になり得る」と答弁した。翌日、中国の薛剣(セツ・ケン)駐大阪総領事が SNSで「汚い首は斬ってやるしかない」と投稿した (※現在は削除)。これがエスカレートし、中国政府は日本の治安への不安を理由として中国国民に日本への渡航自粛、留学の慎重な検討を求めた。また、中国大手旅行社は日本旅行の販売を停止。日本のアニメ映画などの中国上映も一部が延期。中国政府は19日に日本政府に対し、日本産の水産物の輸入を停止すると通達。さらに、スパイの摘発を担う中国の国家安全省は、日本人の摘発を念頭に取締りを強化すると発表した(メディア各社の報道)。

こうした中国のヒステリックとも思える反応に日本国内でもさまざまなネガティブな動きが出てきた。きょうの地元メディアによると、中国政府が国民に対して日本への渡航自粛を勧告したことを受けて、石川県の馳知事は記者会見(20日)で、中国・上海向けの誘客イベントを凍結すると発表した。ネットで影響力がある中国のインフルエンサーを招いて県内の観光スポットを発信してもらう予定だった。

そもそも中国が「反日」を煽り、日本に怒りをぶつける背景に何があるのか。以下自身の憶測だ。中国の経済は不動産不況に端を発して厳しい状況が続いているとの分析がさまざまにある。大規模なインフラの建設が経済発展を担った時代は終わり、人口が減少に転じる中でとくに地方は厳しい財政状況に直面しているといわれる。失業率も高いとされ、人びとの不満の矛先が中央政権に向かっても不思議ではない。その矛先を逸らす必要があった。このタイミングで日本の総理の「存立危機事態になり得る」発言が浮かんだ。さっそく中国側は中台が不可分であるとする「一つの中国」原則を日本が踏みにじったという宣伝を繰り広げ、対立を煽っている。

あえて外敵をつくることで文民を統制するノウハウは独裁的な国家ではよく見られることだ。その後はさまざまな外交カードを持ち出し、相手国に対し有利に決着を図ろうとすることもよくあることだ。ひょっとして、習近平主席から高市総理に和平会談が持ち込まれるかもしれない。両氏は先月10月31日に韓国・慶州で会談を行ったばかり=写真・下、外務省公式サイト「日中首脳会談」より=。もし、実現すれば、習氏は国内経済の苦境を訴え、日米首脳会談(10月28日)でトランプ大統領と約束した5500億㌦(約84兆円)とされる巨額な対米投資を、「ぜひ中国にも」と詰め寄ってくるかもしれない。根拠のある話ではない。

⇒21日(金)夜・金沢の天気   くもり

☆能登震災復興の足音 「被災農地の再開7割」「祭り復活は5割」

☆能登震災復興の足音 「被災農地の再開7割」「祭り復活は5割」

去年元日の能登半島地震と9月の記録的な大雨の被災地をめぐると、農地のダメージがいたるところで目に付く。地震で水田や畑地に亀裂が入り沈下、農道や水路でも亀裂が目立つ。法面が崩れたため池も見かけた。豪雨では、水田に土砂や流木の流れ込みが目に付いた。そうした農地も徐々に以前に戻りつつあるようだ。

石川県のまとめ(11月14日発表)によると、能登地震と豪雨で被災した農地2800㌶のうち、7割にあたる2000㌶で営農が再開された。再開に至っていない800㌶のうち、水路の損傷など生産基盤に原因がある500㌶は被害規模に応じ3つに区分して再開を進めている。被害が小さい200㌶は2026年の再開を目指す。中規模被害の150㌶は測量設計などを進めて2027年の再開を目標とする。大規模な崩落など被害が深刻な150㌶は今年度中に復旧方針を決め2027年に工事に着手、2028年以降の再開を目指すとしている。(※写真・上は、亀裂が入った輪島の白米千枚田=2024年3月4日撮影)

問題は、金沢など他地域への避難や移住などで耕作が再開されていない、人的な要因による300㌶の農地。県では今後の営農意向を把握するため、本来の耕作者800人に現在、アンケートを実施している。今月(11月)末までに回収を終わらせ内容を分析する。結果をもとに「奥能登営農復旧・復興センター」(穴水町・2024年11月設置)が農地利用に向けた話し合いを本来の耕作者と進める。また、外部からの農業スタートアップの募集も視野に入れ、耕作を受託する農業者との仲介などマッティングも行うことで、営農の再開に結び付けていくとしている(今月14日・馳知事会見)。

話は変わる。これも県の発表(11月14日)。能登地震以降で中止が相次いでいた能登の祭りについて、ことしは地震前の半数となる119件まで復活したことが分かった。地震の前まで226件の祭りがあったものの、地震の後は担ぎ手が確保できないなど、去年は68件に留まっていた。県では神輿や奉灯キリコの担ぎ手を派遣する祭りボランティア「祭りお助け隊」を設置するなどし、祭りの復活を支援。あばれ祭(能登町宇出津)やお熊甲祭(七尾市中島町)など、要望のあった21の祭りに451人を派遣した。(※写真・下は、「イヤサカヤッサイ」と若者たちが声を上げて担ぐあばれ祭りのキリコ=2025年7月4日撮影)

馳知事は発表当日の記者会見で能登の祭りに意義について語った。以下要約。「祭りお助け隊として参加した方からは、祭りの開催に貢献ができ、貴重な経験となった。祭りへの参加を通じて能登がもっと好きになった。来年以降も是非参加したいといった感想が寄せられた」、「祭り実施団体からは、祭りの開催が復興に向けた弾みとなった。祭りお助け隊との交流を通じて、自分たちの祭りの価値を再認識し、祭りを継承する意志が強まった。こうした声をいただき、一つでも多くの祭りが再開し、能登が元気に復活することを願っております」

被災農地の復旧は7割、伝統の祭りの復活は5割・・・。能登のキリコ祭りは豊作・豊漁を祈る祭りでもあり、一次産業と一体化した伝統的な催しでもある。徐々にではあるが、こうした数値から能登復活の足音が響いてくる。行政のアイデアと努力には敬意を表する。

⇒20日(木)夕・金沢の天気 くもり