☆輪島市長選は無投票で再選 能登の復興を照らす施策を期待
少々言葉遣いが荒い輪島の知人と先月会ったときにこんなことを言っていた。「選挙、選挙、もういらんわい。サカグチがまじめにやればいい」と。これは現地の人しか分からない会話だ。解説すると、衆院選、石川県知事選、そしてきのう1日に告示だった輪島市長選があり、同市の有権者にとっては3回目の選挙となる。サカグチは現職の坂口茂氏のことで、「選挙ばかり続き、もう止めてほしい。現職の坂口市長が一生懸命に職務を果たせはそれでいい」との意味だろう。知人は輪島塗の職人で2024年元日の能登半島地震で住宅兼工房が半壊し、去年暮れに公費解体を終えた。現在は仮設住宅で暮らしている。
知人が語っていた言葉はある意味で民意を映していたのだときのう理解した。輪島市長選は対抗馬が現れず、無投票で坂口氏が再選となった。テレビの県内ニュース(1日付)によると、坂口氏は「震災から3年目なので、目に見えて復興が進む大切な年にしたい。もっと豊かで安心して暮らせる輪島市にしたい」と抱負を選挙事務所で語っていた。そして、万歳は止め、ガンバローを三唱していた。

輪島市では能登半島地震で震度7の揺れがあり、多大な被害が出ている。石川県危機対策課がまとめた「人的・建物被害の状況」(先月27日付)によると、亡くなった人は244人(うち災害関連死143人)、家屋の全壊が2311棟、半壊が3971棟となっている。さらに同じ年の9月に起きた輪島市を中心とした奥能登の記録的な大雨では、21人(うち関連死5人)が犠牲となり、334棟が全半壊となった。
ただ、難題はこれだけにとどまらない。人口流出だ。震災前の2023年12月1日時点の同市の人口は2万3192人だった。それが、ことし2月1日時点で1万9523人と3700人近く減った。では、このような被害状況から3年目のいま、坂口氏はどのような復興施策を具体化していくのだろうか。
坂口氏は地元メディア各社のインタビューに対し、こう答えている。まず、住まい。災害公営住宅を2027年度末までに975戸を完成させて、生活再建につなげる。また、基幹産業の輪島塗については若手人材の育成事業や海外へのブランド化を進めると述べている。
以下は、自身の提案だが、インバウンド観光客に能登のダークツーリズム(Dark tourism)を売る込むチャンスではないだろうか。ダークツーリズムは日本では使われていない言葉だが、欧米では被災跡地や戦場跡地などを訪ね、死者を悼むとともに、悲しみを共有する観光とされている。いまの能登は震災によって、山崩れや海岸の隆起が激しく起きた。まさに地球のダイナミズムを感じさせる「ジオパーク(Geopark)」でもある。ダークツーリズムとしてインバウンド観光客を積極的に呼び込む機会ではないだろうか。
(※写真は、能登半島地震による海岸の山崩れで現れた新たな風景。県では「絶景海道」として輪島市など奥能登の新名所をつなげる構想を描いている)
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