★「白山手取川ジオパーク」4年に1度の現地審査を前に「水問題」相次ぐ

冬場のひと時の青空に映える白山の眺望を楽しんだ。先日(今月19日)石川県小松市で所用があり、その帰りの午後4時半ごろの光景だ。日本海側から光りに照らされ、大汝峰が白く輝き、その右側に最高峰の御前峰がくっきりと見えた=写真・上、小松市から撮影=。白山は北陸3県ほか岐阜県にまたがる標高2702㍍の活火山であり、富士山、立山と並んで「日本三名山」あるいは「三霊山」と古(いにしえ)より称される。奈良時代には禅定道(ぜんじょうどう)と呼ばれた登山ルートが開拓され、山岳信仰のメッカでもあった。
その白山を源流とする手取川は加賀平野を流れ、日本海に注ぎこむ。手取峡谷にある落差32㍍のダイナミックな綿ヶ滝は見る人を圧倒する。先月、雪が舞う白山市を訪れると、峡谷を流れる手取川はまるで山水画のような幻想的な風景を描いていた=写真・下、1月30日午後3時ごろ撮影=。さらに下ると、手取川の水は扇状地を流れ、加賀平野へと広がる。こうして、白山と手取川を眺めると、まさに「大地の公園」だ。

ユネスコが定める世界ジオパークに「白山手取川ジオパーク」が認定されたのは2023年5月だった。世界ジオパークは48ヵ国・213地域が認定されていて、日本からは洞爺湖有珠山、糸魚川、島原半島、山陰海岸、室戸、隠岐、阿蘇、アポイ岳、伊豆半島、そして白山手取川の10ヵ所の登録となる。世界ジオパークは4年に1度の審査があり、結果には「再認定」「条件付き再認定」「認定取り消し」がある。白山手取川ジオパークは2022年9月にユネスコの現地審査を受け、翌年5月に世界認定を受けた。それから4年経ったことし夏以降で現地審査となる。が、このところ困ったことが相次いでいる。
今月10日に手取川で油の混入が確認され、金沢市など13市町への水道水の供給が一時停止するという問題が起きた。メディア各社の報道によると、県の水道をまかなう鶴来浄水場(白山市)で手取川の水に油の混入が確認された。上流の事業者から油漏れ事故の報告が県にあったという。
また、その後17日には河川水ではないが、白山市にある化学メーカー工場の地下水から国の指針値の2000倍の有機フッ素化合物が検出され、さらに、20日にはJR西日本の車両所跡地の地下水から基準値を超える化学物質テトラクロロエチレンが検出された。いずれも長期にわたって摂取すると、人体に影響を及ぼしかねない有害物質とされる。この2件の水質事故を受け、同市ではそれぞれの地区で半径500㍍の世帯に井戸水の使用自粛を呼びかけている。
相次いで露見した水問題。白山手取川ジオパークは「美しい水の旅がもたらす豊かな自然の恵み」がコンセプトなので、この夏以降のジオパーク現地審査に影響はあるのか。ただ、それぞれ個別案件なので、現地審査には直接影響は考えにくいとしても、行政に対しては企業や地域に向けてジオパーク教育や啓蒙活動の徹底が求められそうだ。
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