★IEAがまとめた普通の家庭でできるオイル対策とは

★IEAがまとめた普通の家庭でできるオイル対策とは

ホルムズ海峡封鎖にともなうオイル価格の高騰はいつまで続くのか。前回ブログでは、政府による石油備蓄の放出と補助金で「1㍑当たり170円程度」に抑える緊急措置について述べた。では、海外ではどのような措置が講じられているのか。

興味深いのはパリに本部を置くIEA(国際エネルギー機関)が加盟各国に求めている提言。IEAは1974年の第一次オイルショックをきっかけにOECD(経済開発協力機構)の加盟国で構成され、産油国の窓口や加盟国の互助・協力をつなぐ役割を担っている。IEA公式サイトには今月20日付のリポートが掲載されている。「New IEA report highlights options to ease oil price pressures on consumers in response to Middle East supply disruptions」。原油価格の高騰を受けて、IEAは加盟国に対して備蓄石油の協調放出を求めている。リポートで興味深いのは、加盟国の政府や産業界だけの対策では混乱の規模を完全に抑えられず、消費者サイドの対応も重要だと強調し、一般の家庭レベルでできる具体的な対応策をまとめ提案している。「Immediate actions to reduce demand(需要削減のための即時対策)」の10項目は以下(意訳)。

1. 「可能な限り在宅勤務」
特にリモートワークに適した仕事は、在宅通勤により石油使用を削減することにもなる

2. 「高速道路の制限速度を少なくとも10 ㌔削減」
高速道路の制限速度を低速化することで乗用車やバン、トラックなどの燃料消費を減らす

3. 「公共交通の促進」
自家用車からバスや列車への利用移行によって、石油需要を迅速に減少させることができる

4. 「大都市において曜日ごとに自家用車の通行を交互に制限」
ナンバープレートによるローテーション制度を設けることで、渋滞や燃料消費を軽減する

5. 「カーシェアリングの拡大と効率的な運転習慣の導入」
自家用車の相乗りなど高い乗車率とエコ運転によって燃料消費を迅速に削減できる

6. 「道路商用車および貨物配送の効率的な運転」
より良い運転方法、車両のメンテナンス、積載の最適化によりディーゼル使用量を削減できる

7. 「輸送からLPG(液化石油ガス)の使用を転換する」
バイフューエルや車両をLPGからガソリンに転換することで、料理やその他の必需品に使えるLPGを確保する

8. 「代替手段がある場合は航空機利用を避ける」
ビジネスフライトの削減はジェット燃料市場の圧力を迅速に和らげることができる

9. 「可能な限り、他の現代的な調理ソリューションへの切り替え」
電気器具による調理や、調理済みの食品の利用など現代的な選択肢を推奨することで、LPGへの依存を減らす

10. 「石油化学原料の柔軟性を活用し、短期的な効率化とメンテナンス対策を実施」
産業界は迅速な運用改善を通じて石油消費を削減しつつ、LPGを必要不可欠な用途に振り向ける

⇒22日(日)夜・金沢の天気    くもり

☆オイルショックで高騰する石油価格、日米首脳は何を語ったのか

☆オイルショックで高騰する石油価格、日米首脳は何を語ったのか

これは「第3次オイルショック」なのか。きのう(19日)金沢の自宅近くのガソリンスタンドに給油に行くと、1㍑190円だった=写真・上=。今月3日に給油したときは1㍑157円だったので、33円も上昇していた。ところが、きょうスタンドの前を通ると1㍑169円に落ちていた。このガソリン価格の乱高下こそ「ヤバイ」のではないだろうか。

高市総理は今月11日、イラン情勢の緊迫化を受けて日本単独で石油備蓄の放出を行うと表明し、補助金を加えて1㍑当たりの小売価格を全国平均で170円程度に抑える緊急措置を行うと発表していた(メディア各社の報道)。きょうの「169円」はその政府補助の成果なのだろう。ただ先が読めない。というのも、政府としては当面の間、補助金を継続する方針のようだが、原油価格がさらに上がり続ければ補助金の額も膨らみ、長期的に170円程度に抑えることは厳しくなる。端的に言えば、今回の処置は短期的な対症療法に過ぎないのではないか。

では、原油逼迫の原因となっているホルムズ海峡の封鎖をどうすれば解除できるのか。以下、外交のプロでもない、単なる素人の発想、思いつきだ。アメリカはイスラエルとともにイラク攻撃を開始したものの、トランプ大統領はエネルギー価格の上昇に神経を尖らせているようだ。このため、トランプ政権は今月12日、イランとの攻防が長期化する中で、ウクライナ侵攻を理由に課しているロシア産原油への制裁を1ヵ月間(4月11日まで)、一時的に解除すると発表した(3月13日付・CNNニュースWeb版日本語)。こうした情勢の中で、けさ高市総理はワシントンで日米首脳会談に臨んだ=写真・下、「ホワイト・ハウス」公式サイトから=。高市氏はトランプ氏にこう話しかけた(20日付・日経新聞Web版から引用)。

I also brought specific proposals to calm down the global energy market. So today, I really look forward to having our discussion particularly focusing on our collaboration in economic security in the important areas such as energy and rare earth minerals. And also, I look forward to discussing with you how we can make our two economies stronger moving forward.(世界のエネルギーマーケットを落ち着かせるための提案を持ってきた。主に経済安全保障、重要鉱物だとかエネルギーに関する協力、そしてお互いに強い経済をつくるための成長のための話し合い、経済成長のための話し合いをしたいと思っている)

トランプ氏の暴走でアメリカ国内では「Normalization of Deviance(逸脱の常態化)」と称される雰囲気になっている。人々が逸脱行為に慣れ、直接的な損失や被害が見えない限り、その逸脱が社会的に許容されていくプロセスを指す。そんな状況の中で、高市氏の前述のコメントは冷静さを保ちながら、どうトランプ氏と接するか決意を述べたのだろう。

以下、あくまでも思いつきだ。会談の詳細な中身は報じられていないが、高市氏はホルムズ海峡の封鎖を解除するための、何らかの提案を行ったのではないだろうか。たとえば、高市氏がアメリカ大統領の「調整役」としてイランに渡り、停戦ならびに海峡封鎖の解除について話し合うと、買って出たかもしれない。日本にとってイランは重要な石油供給国であり、友好的な関係を築いてきた。停戦合意に向けて、アメリカとイランの双方から条件を聞き、調整するという役割は日本しかできない、とトランプ氏に強調したかもしれない。友好ムードの首脳会談の様子から、そんなことを勝手に想像した。何ら根拠のある話ではない。

⇒20日(金)夕・金沢の天気   はれ

★早咲き寒桜が見ごろ、まぶしい深紅の「のとキリシマツツジ」

★早咲き寒桜が見ごろ、まぶしい深紅の「のとキリシマツツジ」

金沢の自宅から歩いて10分ほどにある「六斗の広見(ろくとうのひろみ)では、泉野菅原神社の早咲きの寒桜が見ごろを迎えている=写真・上=。寒桜の横にはソメイヨシノの木がある。ソメイヨシノの開花予想は今月30日なので、寒桜の後を追うようにソメイヨシノが咲くとまるで競い咲きのような華やかさが毎年ここで楽しめる。ちなみに広見はいわゆる広場のことで、市内の何ヵ所で設けられている。これは藩政時代から火災の延焼を防ぐため火除け地としての役割があったとされる場所だ。この広見の近くには「忍者寺」として知られる妙立寺もある。

もう一つ花の話。奥能登の春を彩るソメイヨシノと競うように咲くのが「のとキリシマツツジ」だ。金沢市の「しいのき迎賓館」で展示会が開催されている(22日まで)。花は満開で目にまぶしい6鉢が並べられている=写真・下=。展示されているのは、推定樹齢100年の能登独自の品種「能登あかり」と、深紅の花を咲かせる「本霧島」の2品種。花の色やカタチはそれぞれ異なる。主催者の能登町「花の力」プロジェクト実行員会のメンバーの話によると、温室に持ち込み、開花時期を調整し、満開の状態で今月17日に展示した。のとキリシマツツジを知ってほしいと毎年開催している。

のとキリシマツツジは、かつて九州地方から伝わったキリシマツツジの亜種とされる。街路で見かけるツツジよりも花は小さく、真っ赤な花を咲かせるのが特徴。樹木の成長は遅く、樹齢400年でも高さは3㍍ほどとされる。見事に咲き、しかも小ぶりなので庭木、そして盆栽として能登では重宝されてきた。

奥能登の庭先では4月中ごろから5月中旬にかけて見頃を迎える。「花の力」プロジェクト実行員会のメンバーほか地域の有志はこの時季に庭先を開放する「オープンガーデン」を実施し、家々で自慢ののとキリシマツツジの古木などが観賞できる。能登半島地震で家々は少なからず被災したものの、庭ののとキリシマツツジはいつものように美しい花を咲かせ、人々の心を和ませてくれる。

⇒19日(木)夜・金沢の天気   くもり

☆春の訪れ告げるウグイスの初鳴きと兼六園の花見ぼんぼり

☆春の訪れ告げるウグイスの初鳴きと兼六園の花見ぼんぼり

けさウグイスの鳴き声が隣家の庭先から聞こえてきた。ただ、ホーペケキョ、ホーホキョとぎこちない。初鳴きだ。午前6時50分ごろのことで、金沢の天気はくもり空。しばらくすると、ホーホケキョと上手に鳴いていた。じっと聴いていると、五感に染み渡るほどに清澄な旋律として耳に入って来る。まさに春の訪れ告げる鳴き声だ。

ネットで金沢地方気象台が作成した「気象年報」をチェックすると、「令和2年(2020)の生物季節観測表」に掲載されているウグイスの初鳴きは3月21日だった。平年は3月24日とある。気象台の観測ポイントと拙宅の場所は離れてはいるものの、春の訪れを実感した次第。それにしても、厳しい冬だった。「顕著な大雪」の警報が出され、金沢の1月の降雪量が152㌢にもなり、平年の2.2倍。150㌢を超えたのは15年ぶりだった。そんなドカ雪の中で衆院選挙(2月8日投開票)が行われるなど、何かと印象深い冬ではあった

春の訪れを告げる、いつもながらの風景もある。金沢の兼六園では花見のシーズンを控え、「ぼんぼり」が設置されている=写真=。金沢の桜の開花予想は3月30日で平年は4月3日なので4日早く咲きそうだ。そして満開は4月4日となっている(日本気象協会「tenki.jp」公式サイト「2026年各地の桜開花予想日一覧」より)。

兼六園は桜の名所といわれ、代表的なソメイヨシノのほかにもヒガンザクラ、シオガマザクラなど40種類、400本を超える木々がある。中でも希少なのが、「兼六園菊桜(ケンロクエンキクザクラ)」という遅咲きの桜。ソメイヨシノが散るころに花を咲かせ、3回色が変わり、最後は花ごとポロリと落ちる。桜の季節を終わりまで楽しませてくれて、潔く花の命を終わらせる。まさに散り際の美学である。武家の庭園らしい見事な花だと語り継がれる桜でもある。慶應年間(1865-68)に天皇より加賀藩主が賜わったものと伝えられ、別名「御所桜」ともいわれている。

兼六園の花見のぼんぼりは70基。金沢城側の紺夜坂などに設置されていて、今夜(18日)から点灯し、花見客を迎える。兼六園の夜桜見学は例年、ソメイヨシノの開花宣言が出されてから5日後くらいから始まり、ライトアップされた桜が1週間ほど楽しめる。

⇒18日(水)午後・金沢の天気   くもり

★「覆面のパロディ画家」の素性を晒すのか メディアが問われた記事

★「覆面のパロディ画家」の素性を晒すのか メディアが問われた記事

「覆面のパロディ画家」として知られるバンクシー。公共空間にスプレーと型紙で作品を描き去るストリートアーティストだ。印象に残る作品は「JUDO」=写真・上=。柔道少年が大人の柔道家を投げるシーンが描かれている。2022年11月にウクライナの首都キーウ近郊にある街で発見された作品という。同年2月に始まったウクライナ侵攻でロシアは世界から批判にさらされることになる。プーチン大統領は柔道家としても知られる。少年がウクライナで大人の柔道家がロシアと見立てると、この絵は「ロシアに負けるな」というウクライナに対する応援メッセージと読み取れる。

そしてバンクシーの代表的な作品とされるのが、「FLOWER THROWER」=写真・下=。パレスチナのベツレヘムの壁に2005年に描かれた。野球帽を反対に被り、バンダナで顔を隠した男が花束を投げる様子が描かれている。2003年にパレスチナとイスラエルを分断する分離壁が建設された時に、反対する暴徒が火炎瓶を投げる描写がモチーフとされる。それをバンクシーは花束を投げるという描写に仕立てた。火炎瓶(暴力)よりも、花束(愛)を投げて戦えというポジティブなメッセージを作品に込めた、と読める。

絶妙に風刺を込めたバンクシー作品だが、ではバンクシーは誰なのか。イギリスのロンドンに本社を置くロイター通信は今月13日付の記事でバンクシーの実名を掲載した。以下、ロイターニュースWeb版日本語(16日付)で掲載された同記事。
                    ◇
世界各地に作品を残している謎の芸術家バンクシー。ロイターは関係者への取材や資料に基づき、バンクシーは英南西部ブリストル出身の男性ロビン・ガニンガム氏だと結論づけた。

バンクシーの弁護士マーク・スティーブンス氏はロイターに対し、書面で「(バンクシーは)貴社の問い合わせに含まれる詳細の多くが正確であるとは認めていない」​と述べた。バンクシーの正体について肯定も否定もせず、取材内容を公表すればバンクシーのプライバシーを侵害し、芸術活動に支障をきたし、危‌険にさらすとして、公表を見送るよう要請した。

ロイターは、プライバシー侵害というバンクシーの主張、彼のファンの多くが匿名性の維持を望んでいるという事実を考慮した。報道活動で適用するあらゆる基準に照らしつつ、文化、アート業界、そして国際的な政治的議論にも深く永続的な影響力を持つ人物の素性や経歴を理解することについて、公衆が深い関心を持っていると判断した。
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ロイターとすると詳細な経歴や顔写真などは避け、実名だけを公表した。報道機関としてギリギリの選択だったに違いない。権力批判を続ける画家をどこまで守るのか、取材した事実を公表することで万が一のことが起きた場合は誰が責任を持つのか、むしろ問われたのはロイターの報道姿勢だったのかもしれない。

⇒17日(火)午後・金沢の天気   はれ

☆万博大屋根リングを能登の尖端で災害公営住宅に再活用へ

☆万博大屋根リングを能登の尖端で災害公営住宅に再活用へ

庭先に春の訪れを告げるかのように、ヒメリュウキンカの黄色い花が咲き始めた。小ぶりの花は愛くるしいまなざしのようで目を引く=写真・上=。ヒメリュウキンカはヨーロッパが原産のいわゆる外来種だ。1950年代ごろに園芸用として国内に入り、花の少ないこの時節に金沢では茶花の一つとして重宝されている。英語名はセランダイン(celandine)で、ヨーロッパ製のファッションやバッグなどの花柄として用いられている。ブログでこのようなことを書くと、知り合いの植物学者からは、「外来種を床の間に生けるなんて、そんなのんきなことをやっているから在来種が駆逐されるんだ」と言われそうだが。

話は変わる。大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」で使われた木材が、能登半島の尖端に位置する珠洲市に持ち込まれ、能登半島地震の被災者が住む公営住宅の一部として再活用される。同市の公式サイトにその完成予想図が掲載されている。建設される場所は大陸に面した、外浦と呼ばれる海沿いの大谷地区。ここに木造長屋型住宅40戸の建設が計画されている。地元メディア各社の報道によると、大屋根リングの木材を活用するプロジェクトを提案したのは世界的な建築家で知られる坂茂(ばん・しげる)氏で、ことし1月26日に坂氏と木材の運搬などを支援する団体の関係者、そして珠洲市が連携協定を結んで、着工に向けて動き出している。

同市では、大屋根リングに使われていた木材の一部の約1500本(1200立方㍍)を博覧会協会から無償譲渡を受け、災害公営住宅の建設資材(柱や梁)として活用する。大屋根リングの木材は連携協定に基づき、木材加工販売会社(東京)が大阪から木材を運んで福井市の工場で保管。今年末から着工が始まり、随時現地に運び込まれる。

坂氏はこれまで珠洲市の仮設住宅の建設などにも携わり、また、大屋根リングの木材の活用を呼びかけてきた。連携協定の締結に当たって、坂氏は「住まわれる方、市の方に自慢になる、誇りになる、新しい歴史になるようなことを一緒にやっていきたい」と述べた(1月27日付・朝日新聞ニュースWeb版)。2028年1月ごろの完成を目指す。

大屋根リングは1周2㌔、高さ最大20㍍の世界最大の木造建築物としてギネス世界記録にも認定された。その万博のシンボルを再活用して、災害復興の公営住宅が創られる。そして建物には生活・暮らし、防災などに、建築家のさまざまなアイデアが凝らされるに違いない。この完成予想図を眺めると、能登の新たなレガシーの風景ではないかと、想像を膨らませてしまう。

⇒16日(月)午後・金沢の天気   はれ

★北朝鮮また弾道ミサイルを日本海に、旧統一教会との「深い闇」

★北朝鮮また弾道ミサイルを日本海に、旧統一教会との「深い闇」

日本海側に住む者としてどうしても気になるのはこのニュースだ。防衛省の公式サイトでの発表(14日付)によると、北朝鮮は同日午後1時24分、北朝鮮の西岸付近から、複数発の弾道ミサイルを北東方向に向けて発射した。発射された弾道ミサイルは最高高度約80㌔で、340㌔を飛翔した。落下したのは朝鮮半島東岸付近の日本海で、日本のEEZ(排他的経済水域)外だったと推定される=イメージ図、防衛省公式サイトより=。

時事通信の公式サイトは、北朝鮮の朝鮮中央通信(15日付)の記事を引用して、朝鮮人民軍西部地区の砲兵部隊が口径600㍉の大型多連装ロケット砲12発を日本海に発射する訓練を行ったと報じている。多連装ロケット砲は、複数のロケット弾を一斉発射することを目的としたロケット砲で、同時に多数発射することで命中率を高める効果があるとされる。(※写真は、北朝鮮が打ち上げた多連装ロケット砲=15日付・NHKニュースより)

また、韓国の中央日報の公式サイト(14日付)によると、韓国大統領府の安全保障室の発表として、北朝鮮が発射した弾道ミサイルは約10発で、「弾道ミサイルの発射は国連安全保障理事会決議に違反する挑発行為」と批判。今月9日から19日まで、アメリカと韓国の両軍が合同演習「フリーダムシールド(自由の盾)」を実施していることから、それに対する威嚇とも想定され、関係機関に万全を期すよう指示した。去年2025年3月の米韓合同演習の際も北朝鮮は弾道ミサイルを発射している。弾道ミサイルの発射はことしに入って1月4日と27日に続き3回目となる。それにしも10発の弾道ミサイルは異例だ。

北朝鮮の弾道ミサイル開発をめぐっては、旧統一教会が集めた高額献金との関係性も気になる。『文藝春秋』(2023年1月号)は「北朝鮮ミサイル開発を支える旧統一教会マネー4500億円」の見出しで報じている。旧統一教会と北朝鮮の接近を観察していたアメリカ国防総省の情報局(DIA)のリポートの一部が機密解除され、韓国在住ジャーナリストの柳錫氏が記事を書いている。旧統一教会の文鮮明教祖は1991年12月に北朝鮮を訪れ、金日成主席とトップ会談をした見返りとして4500億円を寄贈していた。

さらにDIA報告書では、1994年1月にロシアから北朝鮮にミサイル発射装置が付いたままの潜水艦が売却された事例がある。売却を仲介したのが東京・杉並区にあった貿易会社だった。潜水艦を「鉄くず」と偽って申告して取引を成立させていた。韓国の国防部は2016年8月の国会報告で、北朝鮮が打ち上げたSLBM潜水艦発射型弾道ミサイルは北朝鮮に渡った「鉄くず」潜水艦が開発の元になっていたと明かした。この貿易会社の従業員は全員が旧統一教会の合同結婚式に出席した信者だった。

東京高裁は今月4日、旧統一教会の解散命令請求を巡る即時抗告審で、解散を命じた東京地裁決定を支持し、教団側の即時抗告を退ける決定をした。命令の効力が生じ、裁判所が選任する清算人が教団財産を調査・管理し、献金被害者への弁済などの清算手続きが始まる。高額献金をめぐる旧統一教会の「深い闇」をこの際、北朝鮮の弾道ミサイル開発を含めて徹底的に洗い出してほしいものだ。

⇒15日(日)午後・金沢の天気   くもり時々あめ

☆ワインの話 能登の塩飴との相性/限りなくミルクに近く

☆ワインの話 能登の塩飴との相性/限りなくミルクに近く

能登半島の尖端の珠洲市では、400年の伝統を受け継ぐ塩づくりが営まれている。塩をつくる場合、瀬戸内海では潮の干満が大きいので、満潮時に広い塩田に海水を取り込み、引き潮になれば水門を閉める(入り浜式塩田)。ところが、日本海は潮の干満が差がさほどないため、満潮とともに海水が自然に塩田に入ってくることはない。そこで、浜で海水を汲んで塩田まで人力で運ぶ(揚げ浜式塩田)。いまはポンプで海水を引くケースもあるが、かたくなに伝統の製法を守る浜士(はまじ=塩づくりに携わる人)もいる。一握りの塩をつくるために、浜士は空を眺め、海水を汲み、知恵を絞り汗して、釜で火を燃やし続けている。

先日、能登の「道の駅」に立ち寄ると、『能登の塩飴』という商品が棚にあった。「地場産素材にこだわって奥能登珠洲市の海水塩を使用しました」と書いてある。製造会社は愛知県の製菓会社。どんな飴の味がするのか興味がわいて買った。飴は無色透明の円型で、直径2㌢、厚さ1㌢ほど。

夕方、食事が終わって飴を買ったことを思い出して、口に入れた。甘味の中に残る、昔風のやさしい塩味だった。食事で白ワインを飲んでいたので、飴の後にイワンを飲むと、これがなんとも口の中で融け込んでまろやかな風味が広がる=写真・上=。ちなみに、ワインはボルトガル産でアルコール度数は12%。能登産の塩飴と白ワインがこれほど相性がいいのかと初めて知った次第。

ワインの話は続く。先日、金沢で催された日本料理とワインを楽しむ会に参加した。講師はフランス・ブルゴ-ニュ地方のヴォーヌ・ロマネで8㌶のブドウ畑を耕し、ワインを生産する女性経営者のリュシ・テイヨー・ミュニュレさん=写真・下の左側=。収穫から醸造までを親戚を含めた家族経営で行っている。会場では年に5本ほどしか生産しないという希少なダブルマグナムボトル(3000ml)の「Ruchottes  Chambertin Grand Cru 2017」が振舞われた。

質問タイムがあったので手を挙げた。日本酒では原酒ブームが続き、欧米では「ペティアン・ナチュレ」というワインの原酒ブームがあると聞いているが、いまもそのブームは続いているのかと問うと、「いまもブームは続いている」とのこと。もう一つ。日本酒は限りなく水に近い酒がおいしいとされるが、フランスのワインのおいしさも水に近いのかと質問。すると、「フランスではミルクに近いワインが最高」とのこと。確かに、会場で振舞われたイワンはほんのりと柔らかい日本酒のような風味で、能登カキのしぐれ煮や昆布じめの刺し身と絶妙に合って、まさにマリアージュの世界が口の中で広がった。

⇒14日(土)夕・金沢の天気   くもり時々あめ

★白山を眺め、その恵みと可能性ついて膨らむイメージ

★白山を眺め、その恵みと可能性ついて膨らむイメージ

この時季の加賀の風景と言えば、白い高嶺が青空に浮かぶ白山だ。写真はきのう(12日)午後5時過ぎごろ、小松市の木場潟公園近くから望んだ白山連邦=写真=。日本海側からの夕陽に照らされ、大汝峰(標高2684㍍)が白く輝き、その右側に最高峰の御前峰(同2702㍍)がくっきりと見えた。眺望していて印象に残るのは、白い冬の白山、ふもとの残雪の山々、手間の雪の全くない春の里山で、季節の移ろいを山々が映し出している。

白山の麗しい姿は小松市だけでなく金沢市の平野部からも望める。能登生まれ育った自身が金沢の高校に進学して、初めて白山を意識したのは校歌だったかもしれない。「伝統を 語らむか 高きこと 白山に 尽きせざるを 霊沢(れいたく)に よそへ言ふ 我がほこり・・・」(金沢二水高校校歌の一節)。このほか、金沢以南の小中学校を始め学校の校歌に「白山」が歌詞として出てくる。ちなみに金沢大学の校歌(作詞・室生犀星)でも「天うつなみ けぶらひ 天そそる 白ねの 北方のみやこに学府のありて・・・」と。「天そそる 白ねの」は、「天にそびえ立つ白山」、という意味だ。

眺めることができて、口ずさむほどに身近な白山ではあるが、感謝の気持ちを込めて使うときもある。台風などの自然災害を白山が防いでくれているという意味で、「白山のおかげ」と言う。台風は反時計回りで北上してくるので、白山が盾となって立ちはだかり、加賀地方への暴風が遮られることになる。このことを、最近の言葉で「白山ブロック」と言ったりする。白山の恩恵はこれだけにとどまらない。

石川県内の人口の7割の水道をまかなっている「石川の水がめ」とも称される手取川ダムの水は白山を源流とする。さらに、注目されているのが白山の伏流水だ。手取川の流域には、加賀東芝エレクトロニクスや金沢村田製作所、JDIといった半導体などを製造する大小含め50の先端企業が集積している。ハイテク企業では地下から伏流水をくみ上げて、半導体の基板となるシリコンウエハーやプリント基板、液晶関連部品の洗浄に使っている。白山の伏流水は、不純物や酸性度、アルカリ度などが高くない、純水、真水に近いとされる。その量も膨大にある。そして、洗った洗浄液は汚染に配慮しながら薄めて手取川に流すという作業が行われている。豊富な地下水と大きな川があるという立地が先端産業を支えている。

白山は北陸3県ほか岐阜県にまたがる活火山でもあり、富士山、立山と並んで「日本三名山」あるいは「三霊山」と称されてきた。見方を変えれば、水のある暮らしを支え、加賀平野を潤し、時には暴風の盾となり、企業を呼び込み、ハイテク産業を支えている。まさに資源であり、資産であり、そして資本ではないだろうか。「三資山」と言えないか。

⇒13日(金)午後・金沢の天気  くもり時々はれ

☆まるで春の嵐~大相撲荒れ、裏山崩れ、風車の羽根折れる~

☆まるで春の嵐~大相撲荒れ、裏山崩れ、風車の羽根折れる~

まさに荒れる春場所だ。石川県の郷土力士、横綱の大の里は3連敗できのう休場した=写真・上=。日本相撲協会に「左肩関節脱臼で3週間の安静加療」の診断書を提出したようだ。大の里の休場は千秋楽を休んだ去年の九州場所以来で2度目となる。同じく横綱の豊昇龍は初黒星を喫した。綱取りを目指す大関の安青錦は2敗に後退。同じく大関の琴桜も初黒星。横綱、大関が総崩れの状態。

「崩れ」と言えば、石川県白山市の高齢者が入るケアハウス(4階建て)の裏山で地滑りが発生し大変なことなっている。地元メディア各社の報道によると、おととい(10日)朝にメキメキと木が倒れる音がして、施設の入居者48人や職員、近所の住人ら77人が近くの小学校やコミュニティセンターなどへ避難した。きのう午後、現場に行ってみると、施設の真上に当たる山の斜面地で幅100㍍、200㍍ほど崩れていた=写真・中=。発生現場は地滑り防止区域になっていて、近くでは2022年8月に大雨で斜面が崩れたため、対策工事が施されていた。

白山麓でもあるこの地域は以前から「春先の地滑り」で知られている。豪雪地帯でもあるこの地域の山中では冬の間で数㍍もの積雪となる。本格的な春が近づいてくると、長時間の融雪が始まる。雪融け水は山の地盤に深く浸透していき、土砂災害をもたらすとされる。この地域の山を眺めると、点々と大規模な地滑りの跡が見える。なのでこの地域一帯は白山市のハザードマップで土砂災害警戒区域にも指定されている。雪国北陸のリスクではある。

以下は「落下」の話。日本海に突き出た能登半島では風が絶え間なく流れる。春から夏にかけては沖から生暖かい風が吹く。この生暖かい風のことを能登では「あいの風」や「あえの風」と言ったりする。車で走行していて、能登の風を意識するのは風力発電かもしれない。能登には長さ30㍍クラスのブレイド(羽根)の風力発電が73基もあり、見慣れた風景でもある。2024年元旦の能登半島地震で一時ストップした状態が続いていたが、再びブレイドが回り始めている。

おととい能登半島の中ほどに位置する七尾市中島町に行くと、回っていない風車があり、よく見てみると3枚のブレイドのうち1枚がない=写真・下=。羽根の根元の部分はあるので、おそらく強風か落雷で折れて落下したのだろう。あくまでも憶測だ。

風力発電は再生可能エネルギーのシンボルでもある。風速3㍍でブレイドが回りはじめ、風速13㍍/秒で最高出力1500KWが出るとされる。能登半島の沿岸部、特に北側と西側は年間の平均風速が6㍍/秒を超え、風力発電には最適の立地条件のようだ。壊れた風車は山の頂の部分に設置されていて、アクセスが難しく、修復に時間がかかっているのだろうか。とりとめなくブログを綴った。

⇒12日(木)正午すぎ・金沢の天気  はれ