☆石川の「水がめ」手取川ダムの貯水率32% 雨よ降れ降れ

☆石川の「水がめ」手取川ダムの貯水率32% 雨よ降れ降れ

「暗雲垂れこめる」という言葉があるが、まさにこのことを指すのだろう。きょう午後3時半ごろ金沢の上空を分厚い雲が覆い、午後4時ごろから雨音が激しくなってきた。気象庁は午後3時32分、石川県の加賀地方に「竜巻注意情報」を発表した。竜巻などの突風は、発達した積乱雲が近づいたときに発生する。気象台は、雷や急な風の変化、それに「ひょう」が降るなど、積乱雲が近づく兆しがある場合は突風に十分注意し、頑丈な建物などの中で安全を確保するようにと呼びかけている。まさに不穏な空模様だ。

きょう午後、石川県の「水がめ」でもある手取川ダムの様子を見てきた=写真=。県内は猛暑続きで、熱中症警戒アラートがおととい(2日)までに37回(初回7月4日)も出されていて、年間の発出回数ではこれまで最多だった2023年の36回を更新している。この猛暑、いつまで続くのかと思うと同時に水不足の事態になりはしないかと懸念を抱く。県内13の市と町に水を供給し、人口の7割の水道をまかなっている手取川ダムの貯水率は、きょう午後4時時点で32%となっている(「石川県防災ポータル」より)。

白山市白峰の手取川ダムに行くと、ダム上流の河川は半ば干上がった状態のようにも見え、心細く感じた。なにしろ、先に述べたように梅雨時の7月から8月初めにかけては極端な高温と少雨が続いた。一方で、8月6日から10日を中心には極端な大雨となり、石川県では線状降水帯が発生し7日の金沢の降水量は332㍉を観測、短期集中の大雨となった。ところが、その雨水は手取川ダムには届かなかったようだ。

前述した2023年の渇水期には手取川ダムの貯水率が9月末に一時16%まで低下した。行政が節水を呼び掛ける際の基準とされる20%を割り込んだが、その後に雨天となり節水にまでに至らなかった。天気予報では今月中旬ごろから加賀地方で雨の日が続くので余計な心配なのかもしれない。「暗雲が垂れこめる」、ある意味で実にありがたい。

⇒4日(木)午後・金沢の天気   くもり時々あめ

★石破総理の発言に翻弄されるメディア 読売の検証記事から

★石破総理の発言に翻弄されるメディア 読売の検証記事から

ドル円相場で急に円安が進んでいる。きのう午前中は147円だったが、午後にかけて148円に、さらに149円に迫ろうとしていた。きょうも148円台後半で値動きしていた。この円の値動き誘引したのが政治情勢だ。自民党幹部の辞意表明で日本の政治が不透明になるとの見方から円売りが進んだようだ。

もう少し詳しく見てみる。自民党の森山幹事長は2日午後の両院議員総会で、7月の参院選で大敗した責任をとる形で辞意を表明し、小野寺政調会長や鈴木総務会長も辞任するとの意向が伝えられた。そして、自民党総裁の石破総理は総会で「地位にしがみつくつもりは全くない。責任から逃れず、しかるべき時にきちんとした決断をする」(メディア各社の報道)と語った。これが、日本の政治情勢に不透明感があると世界に伝わり、円売り・ドル買いにつながったようだ。

話は変わる。読売新聞はきょ3日付の1面で、7月24日付の1面で「石破首相退陣へ」と報じたことの検証記事を掲載している=写真=。それによると、石破氏は7月22日夜、日米関税交渉が合意に達した場合には「記者会見を開いて辞意を表明する。辞めろという声があるのなら辞める。責任は取る」などと周囲に明言したことを踏まえて報道に至った。しかし、報道の後に石破氏は「態度を一変させた」と指摘。「翻意する可能性への思慮が足りなかった」として「結果として誤報となったことを読者の皆様に深くおわびします」と検証記事で記している。

「態度を一変」「翻意する」ことの背景には石破氏の責任を取らない性格がにじんでいるのではないだろうか。「ヒゲの隊長」として知られる、前自民党参院議員の佐藤正久氏(元陸上自衛隊イラク先遺隊長)がテレビ番組(先月30日・ABC番組『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』)で面白いことを語っていた。2003年12月、イラク先遣隊を派遣する際の防衛庁長官は石破氏だった。当時の世論はイラク派遣反対の声が高まっていて、防衛庁の正門には反対デモが行われていた。派遣にあたって佐藤氏ほか多くの隊員は家族と涙の別れをして、多くの隊員が遺書を書いていた。出発に当たって石破長官は反対デモとのもめ事を避けるために先遣隊に(正門でなく)裏門から出なさい、と指示した。

その時、佐藤氏は「我々の名誉や誇りはどうなるんだ」と怒りを込み上げたそうだ。それを同席していた自民党議員が石破氏に猛反対し、裏門ではなく堂々と正門から出ることになった。デモ隊とのもめ事を回避するため、逃げの姿勢がこの一件で見えたという。そして、「責任を取らない」「トップの器ではない」と石破氏を批判していた。

前述した「態度を一変」「翻意する」こそ、まさにこの責任を取らない姿勢ではないだろうか。「誤報」と言うより、読売新聞は石破氏に翻弄されたのだろう。

⇒3日(木)夜・金沢の天気  くもり

☆底引き網漁が解禁 金沢の近江町市場を彩る旬の海の幸

☆底引き網漁が解禁 金沢の近江町市場を彩る旬の海の幸

きょうは朝から熱風が吹いている。金沢の最高気温はきのうと同じ36度の予想(日本気象協会「tenki.jp」公式サイト)。気象庁と環境省による熱中症警戒アラートはきょうも石川県に出されていて、ことし37回目(初回7月4日)となる。年間の発出回数はこれまで2023年の36回が最多だったので、記録を更新したことになる。この猛暑、いつまで続くのか。

この暑さの中できのう1日、日本海側の底引き網漁が解禁となった。底引き網漁は、袋状の網を海に入れて海底の魚をとるやり方。ある意味で一網打尽の漁法なので、海の資源を守るために7月と8月を禁漁とする期間を設けている。きのう漁が解禁、きょうが初競りの日で、金沢のスーパーなどの鮮魚売り場はにぎやかしくなる。何しろ、地元で取れた魚なので鮮度が違う。普段見かけることもない魚も並び、売り場では「底引き解禁だよー」と声が響くのがきょう2日だ。

午前中、「金沢の台所」でもある近江町市場をのぞいた。鮮魚店の売り棚には、水揚げされたばかりの甘エビやカレイ=写真=、ハタハタ、メギス、ノドグロなどがずらりと並び、店員が「底引き解禁だよ、脂がのっておいしいよ」と張り切っていて、多くの客が初物を買い求めていた。隣の青果店ではナシやモモなどが店頭を彩っていて、里山里海の味覚の秋の雰囲気を醸していた。

地元メディアの報道によると、解禁日に向けて8月31日夜に出漁した底引き網漁船は県内の各漁港から延べ72隻に上った。石川県沖の底引き網漁は、台風などのため2年連続で9月1日の解禁日に漁を開始できなかったので、ことしは3年ぶりに解禁初日に水揚げが始まったことになる。ただ、初日は海はあいにくのシケ。このため、漁を午前中に切り上げ、港に戻った漁船もあったようだ。きょう2日午前3時半から金沢市中央卸売市場で初競りが行われたが、初競りの入荷量は11.7㌧と例年の6割程度だったという。

去年元日の能登半島地震で漁港の海底が隆起したことから漁船を港外に出せず、11月になってようやく出漁が可能になった輪島漁港の底引き船団25隻もことしは解禁初日に初物を求めて出漁した。輪島沖では、ノドグロやカレイ、マダイなどが採れる。こうして底引き網漁の解禁日のニュースや近江町市場で並んだ初物を見ると、震災を超えて旬の味覚の日常が戻ってきたようで消費者の一人として率直にうれしくなる。

⇒2日(火)午後・金沢の天気  はれ

★きょうから施行「改正鳥獣保護法」 クマ問題の根深さ浮かぶ

★きょうから施行「改正鳥獣保護法」 クマ問題の根深さ浮かぶ

きょうから9月、残暑どころか猛暑が続く。予報によると、きょうの金沢の最高気温は36度になる(日本気象協会「tenki.jp」公式サイト)。そしてきょう1日は「防災の日」。関東大震災が発生した1923年9月1日にちなんで、震災の惨禍を忘れず、防災・減災を進めるために制定された。そして、きょうから「改正鳥獣保護管理法」が施行される。このブログでも何度か取り上げているクマ問題と関わる改正法なので検証してみる。

石川県自然環境課に寄せられたことしのクマの目撃情報は204件(8月27日時点)となっていて、その多くが金沢市の医王山や、白山のふもとの白山市、能美市、小松市となっている。懸念されるのはこの秋だ。同課がクマの餌となる植物3種(ブナ、ミズナラ、コナラ)の雄花の落下数を調査した結果、クマの主要な餌であるブナは22地点のうち20地点で大凶作、2地点で凶作となり、今秋は全体で大凶作が予想されると判断した。これまでのデータで、ブナが大凶作だった2020年にはクマの目撃件数は869件となり、県内の人身被害は15人に上った。同課では、6月27日にツキノワグマに対する「出没注意情報」を出して警戒を広く呼びかけている。(※イラストは、石川県公式サイト「ツキノワグマによる人身被害防止のために」から)

エサ不足のクマが人里に下りてきて、ペットフードや生ごみなどをあさるケースも増えている。最近では「アーバンベア(都市型クマ)」と呼ばれ、市街地周辺で暮らし、街中に出没するクマもいる。改正鳥獣保護管理法では、クマが市街地に出没し、建物内に立てこもったり、木の上に登ったりするなど膠着状態が続いた場合、それぞれの自治体の判断でハンターの銃猟が可能性になった。ただ、ハンターにとっては重圧ではないだろうか。

これまでハンターは森の中での銃猟だった。ところが、市街地となると銃弾がコンクリートなどで跳ね返りどこに飛んでいくか行くか分からない。このため、ハンターに銃猟を依頼する自治体は住民退避の誘導や交通規制などに当たる。また、銃弾が民家の壁面に当たり損傷が発生するなどしたケースでは自治体が補償することになる。

市街地でのクマの駆除が新たなステージに入った。同時に懸念するのは、人々がいわゆる里山と呼ぶ中山間地そのものに危険を感じて入らなくなったことだ。キノコや山菜を白山のふもとで採っていた人たちが能登で採ることが増えている。人が山に入らなければ、クマの領域を増やすことになる。むしろ生い茂った里山の木を伐採して活用、苗木を植えるという循環を図らなければ、クマのエリアが広がり、頭数がさらに増えることになる。クマ問題は根深い。

⇒1日(月)午前・金沢の天気  はれ

☆国会議員の秘書給与詐欺事件 読売の誤報の背景には何が

☆国会議員の秘書給与詐欺事件 読売の誤報の背景には何が

新聞社の役割とは何だろう。今さらこのような問いを発すると識者から叱られそうだが、明確に答えた人を知らない。ただ一人、もう14年前だが、アメリカの週刊誌「ニューズウィーク」の元編集者スティーブン・ワルドマン氏がインタビューに分かりやすく答えていたことを覚えている。以下、2011年10月29日付・朝日新聞の記事からの引用。

「ニュースの鉱石を地中から掘り出す作業をしているのは今日でももっぱら新聞です。テレビは、新聞の掘った原石を目立つように加工して周知させるのは巧みだが、自前ではあまり掘らない。ネットは新聞やテレビが報じたニュースを高速ですくって世界へ広めるチカラは抜群だが、坑内にもぐることはしない。新聞記者がコツコツと採掘する作業を止めたら、ニュースは埋もれたままで終わってしまう」

新聞記者のニュース発掘の作業はたとえば、「夜討ち朝駆け」という言葉で言い表される。捜査ネタを発掘するために警察や検察関係者の自宅を夜、あるいは朝に訪れて取材する。関係者も庁舎内では言いにくいことも、自宅というプライベイトな場であればつい言葉の弾みで語ってしまうこともある。新聞記者は夜討ち朝駆けを繰り返しながら、捜査関係者との阿吽(あうん)の呼吸をつかんでいく。

読売新聞社は今月28日付の一面で、前日27日付の一面で日本維新の会の池下卓衆院議員が採用していた公設秘書2人について、東京地検の強制捜査が行われると報じたことに対し、記事は誤報で訂正しておわびしますと謝罪記事を掲載した=写真=。そして28日付の一面では維新の石井章参院議員が国から公設秘書の給与をだまし取っていた疑いがあるとして東京地検は国会議員会館の事務所や茨木県取手市の自宅を詐欺容疑で捜索したと報じている。読売新聞は27日付の記事で本来、石井章参院議員とすべきところを、池下卓衆院議員と取り違えて報道してしまった、というわけだ。間違えていなければスクープになっていた。

なぜこのような取り違えが起きたのか。以下、自身の憶測だ。読売の記者は26日の捜査関係者への夜討ち朝駆けで27日の強制捜査のネタを仕入れた。そのとき、イシイをイケシタと聞き違えたのだろうか。記者は原稿の締め切り時間に追われ無我夢中で書いたので、名前を確認する時間もなかったに違いない。一連の記事、おわび記事を読んでそんなことを思った。

⇒30日(土)夜・金沢の天気  はれ

★ノンアルコールがアルコール文化を変える日が来るのか

★ノンアルコールがアルコール文化を変える日が来るのか

年齢も古希を超えたのでアルコールを少々控えようと思い、飲んだ翌日は飲まないことにした。もう1年になる。飲むのが習慣となっていた自身にとってこれは結構、人生の試練となった。「誰かと約束したわけではない。自分に甘える日があってもいい」と連日飲んだこともある。「いやいや自分を甘やかしていけない。自分の身は自分で守る」と翌日は飲まないを厳格に自分に言い聞かせたこともある。そんなことを繰り返しているうちに、妙にアルコールを飲む回数そのものが減ってきた。自制しているわけではない。自然とそうなってきた。

そうなったきっかがノンアルコールビールだった。コンビニにビールを買いに行くと、「ノンアルコール ALC 0.00%」というレッテルが目に入った。銘柄は「Asahi」とある。買って自宅で飲んでみるとビールの風味は変わらず、普通のアサヒビールだった。ただ、しっとりと体に落ちてくるアルコール感がない。なんとも不思議なビールだと思ったのが、去年9月のことだった。

そのころワインやビール、日本酒を飲んだ翌日はアルコールは一切飲まないと肝に銘じていたころだ。とは言え、冒頭で述べたように自己制御ができずに連日飲んだりと試練が続く日々だった。10月ごろに、ふとノンアルコールビールのことを思い出し、どうしても翌日飲みたければ代替にノンアルコールを飲めば気持ちが収まると思い、始めた。続けているうちに、飲まないことでイライラとしていたストレスがなくなっていた。そして不思議なことに、アルコールを飲む日にノンアルコールを飲んでいることが多くなってきた。でも飲んだ気分になっている。もちろん、酔ってはいない。

ふと思ったことだが、ノンアルコールビールはビールの飲料感があり、なんとなく気持ちが落ち着く。そして普通の炭酸飲料でもあるわけで、職場や仕事中に飲んでもいい。もちろん、飲んだ後で車を運転してもいい。これは「ノンアルコール文化」ではないだろうか。

ネットによると、アサヒビールはビール好きの働く人たちが「仕事」と「ビールを楽しむ時間」をうまく両立させ、どちらも充実させる生活を意味する「ワークビールバランス」を提唱しているようだ。確かに、職場の上司が「仕事に疲れたら冷たいビールでも飲んで一服して、また頑張ろう」と部下を励ます日が来ているのかもしれない。そして、この夏は猛暑日が続き、とてつもなく暑かった。この「ワークビールバランス」が広まったのではないだろうか。

⇒29日(金)午後・金沢の天気  はれ

☆石川産ブランド梨「加賀しずく」 1個600㌘に秘められた物語

☆石川産ブランド梨「加賀しずく」 1個600㌘に秘められた物語

前日の激しい雨とは打って変わってきょうの金沢は朝から晴れ渡っている。午前中、買い物に出かけた。お目当ては「加賀しずく」。秋の訪れを感じさせる石川県産の梨のこと。近所のJA販売店「ほがらか村」に行くと、果物売り場に並んでいた。「お一人様2個まで」と貼り紙が出ていた。次々と客が訪れていて、開店から40分ほどで品切れの状態となった。自身もぎりぎりで2個買うことができた。

値段は1個700円。店員によると、もう少し大きめになると1個900円だという。毎年この時季に買い求めているが、「ジューシーで酸味がなく上品な甘さ」とでも表現しようか、さすが名産品だと納得する。ちなみに、横の棚の「幸水」(金沢産)は4個入りの袋で1400円だった。それにしても、梨は400㌘程度のものが多い中、加賀しずくは600㌘程度とずっしり感があるのも特徴だ。

この石川のブランド梨にはちょっとしたドラマがある。県農林総合研究センターの開発チームがオリジナルブランドを世に出すまでに16年の歳月をかけた。1998年、日本の梨を代表する「幸水」と石川県の希少梨である「鞍月(くらつき)」の良いところを受け継いだ高級品種の栽培に挑んだ。ちなみに鞍月は、豊水と幸水、20世紀などの畑から出来た突然変異種とされ、金沢の一部の農家で栽培されるブランド梨だ。開発チームは、1個600㌘の大きな果実を1本の木に実らせるために、果実の数を一般的な梨の60%程度に抑え、養分を集中させることで新種の開発にこぎつけた。

2013年、栽培に成功した6種の中からもっとも食味のよかった1種に絞り込んだ。ところが、甘さはあるものの、一般的な和梨の特徴とされるシャリ感が少なく、 どちらかというと洋梨に近い食感だった。そのため当初、青果市場の関係者や生産者には評価されなかった。そこで、開発チームは消費者1050人に協力してもらい、新種と既存のブランド梨2種の3種を品種が分からないかたちで食してもらい、どれがおいしいか(好きか)を調査をした。すると圧倒的に新種に票が集まった。この結果をベースにして消費者に支持される新ブランドを目指し、2014年に農林水産省に品種登録を申請。2016年に名称を「加賀しずく」と決定し、2017年に市場デビューを果たした。

今月26日から出荷が始まり、初競りでは最も高級な「プレミアム」の1箱(6個入り)に過去最高の20万円の値がついたと地元メディアでニュースになっていた。変遷をたどりながら、ブランドを確立した加賀しずくの物語だ。金沢市や白山市、加賀市の農家94軒が8.4㌶の畑で栽培している。これから出荷本番を迎える。

⇒28日(木)夜・金沢の天気  はれ

★金沢に雷鳴とどろく 1時間に61㍉の激しい雨、避難指示も

★金沢に雷鳴とどろく 1時間に61㍉の激しい雨、避難指示も

雷鳴とともに激しい雨が降って来た。午前10時ごろだった。ヤバイと思い、すぐにパソコンの電源ケーブルを抜いた。雷が直接落ちなくても、近くで落ちた場合でも「雷サージ」と呼ばれる現象が広範囲に起きる。いわゆる電気の津波のこと。この雷サージがパソコンの電源ケーブルから機器内に侵入した場合、データなどが一瞬にして破壊される。「雷が鳴ったら電源抜き」は自身の反射的な行動パターンになっている。何しろ金沢はカミナリ銀座だ。雷日数の平年値(1991-2020年)で、年間の雷日数が全国でもっとも多いは金沢の45.1日なので、心がけている。

ウエザーニュースによると、金沢市では午前中の1時間で61.5㍉の非常に激しい雨が観測されたようだ。10時53分に金沢市を対象に大雨警報が発表され、局地的に非常に激しい雨となっている。きょうは小中学校の児童・生徒たちの登校日だった。自宅前は通学路なので、雷雨の中を帰宅する子どもたちの声が聞こえる。稲光がするたびに、「コワイッ」「アブナイッ」と叫び声が上っていた。確かに、雷雨の中で傘を差して歩いているので、傘に雷が落ちてくるかもしれないと思っただけでこれほど怖いことはないかもしれない。(※写真は、金沢市内の上空を覆った雨雲=27日午前10時半ごろ、自宅2階から撮影)

予報によると、夕方にかけて、落雷や竜巻などの激しい突風、急な強い雨となる所があり、金沢地方気象台では安全確保に努めるよう呼びかけている。大雨警報にともない、金沢市は正午に市内9地区、2万7520世帯・6万3730人に避難指示を出した。この地域周辺を流れる金腐川の一部では午前11時50分ごろ氾濫危険水位を超えている。

それにしても雷は鳴り止まない。午後0時35分ごろ、落雷の強烈な音がした。金沢の山手だ。いまのところ火の手など上がってはいない。ようやく雷雨が落ち着いてきて、パソコンに電源ケーブルを入れたのは午後1時ごろだった。また、金沢市が出していた河川の氾濫の危険性による避難指示は午後2時に解除された。

⇒27日(水)午後・金沢の天気  あめ

☆能登・祭りの輪~万博盛り上げるお熊甲、燈籠山、あばれ祭~

☆能登・祭りの輪~万博盛り上げるお熊甲、燈籠山、あばれ祭~

きょうも金沢は35度の猛暑日。熱中症警戒アラートも10日間連続で出ている。そんな暑さを吹き飛ばす、熱い催しが能登の祭りかもしれない。あす27日、大阪・関西万博のEXPOアリーナ「Matsuri」で「石川の日祭りイベント」が開催される。テーマは、「いしかわの祭り~未来へつなぐ伝統と能登復興の響き~」、能登と加賀を代表する祭りが一堂に会する。以下、大阪・関西万博イベント出展「石川の日」Webサイトより。

祭りイベントには石川県内の20の祭り団体、1000人余りが出演する。中でも注目は七尾市中島の「お熊甲(くまかぶと)祭り」だろう。毎年9月20日に行われることから、地元では「二十日祭り」とも呼ばれている。天狗面を着けた猿田彦が軽妙な舞をしながら先導し、男衆が高さ20㍍余りの深紅の枠旗を掲げ、「イヤサカサー」の掛け声と鉦‧太鼓を打ち鳴らし町内を練り歩く。見どころは「島田くずし」と呼ばれる旗を地面すれすれまで傾ける妙技だ=写真・上、「和倉温泉お祭り会館」公式サイトより=。約400年の歴史を持ち、国の重要無形民俗文化財に指定されている。あすは200人に及ぶ派遣団が万博会場で妙技を披露する。

きらびやかな山車は珠洲市飯田町の「燈籠山(とろやま)」だろう。高さが16㍍あり、「えびす様」の人形を載せている。夜になると、煌々と明かりを灯して、8基の曳山とともに街中を練る=写真・中、珠洲市公式サイト「GO TO SUZU  飯田燈籠山祭り」より=。毎年7月20日と21日に行われる江戸時代が起源とされる祭礼で、去年は能登半島地震で開催できなかったものの、ことしは2年ぶりに巡行した。木遣り歌『きゃーらげ』を大声で歌いながら、山車と曳山が万博会場を練る。

そして能登町宇出津の「あばれ祭」も万博であばれる。能登でキリコと呼ぶ「切子灯籠(きりことうろう)」を老若男女が担ぎ、「イヤサカヤッサイ」の掛け声で港町を練る=写真・下=。絶好調になると、神輿を川に投げ込んだり、火の中に放り込むなど、担ぎ手が思う存分に暴れる。それを神が喜ぶという伝説がある祭りだ。毎年7月4日と5日に開催され、夏場の能登のキリコ祭りの先陣を切る祭りでもある。

深紅の枠旗をたなびかせ、えびす様の山車と曳山が練り、イヤサカヤッサイとキリコがあばれる。祭りの担ぎ手は全国からの震災支援への感謝の気持ちを込めて担ぐだろう。 能登の祭りは万博会場を盛り上げるに違いない。

⇒26日(火)夜・金沢の天気  はれ

★読売調査で内閣支持率が急上昇、ところで「防災庁」はどうなった

★読売調査で内閣支持率が急上昇、ところで「防災庁」はどうなった

内閣支持率が急上昇している。きょう付の読売新聞の世論調査(22-24日・電話調査・有効回答991人)によると、石破内閣について「支持する」との回答は39%で前回調査(7月21、22日)の22%を大幅に上回った=写真・上=。「支持しない」は50%で前回調査より17ポイント減ったものの、過半数を占めている。また、参院選の結果を受けて、総理は辞任すべきだと思うか、との問いには、「思う」が42%、「思わない」が50%だった。

朝日新聞(今月18日付)の世論調査(今月16、17日・電話調査・有効回答1211人)も同様の傾向を示していて、内閣支持率は36%で前回調査(7月26、27日)の29%を上回り、不支持は50%で前回調査より6ポイント減った。そして、参院選の結果を受けて辞めるべきだと思うか、との問いには、「辞めるべきだ」が36%、「その必要はない」が54%だった。朝日の調査について記した今月20日付のブログでも述べたが、衆参両選挙で自民が大敗を喫したそもそもの原因は裏金問題であり、自民党内の「石破降ろし」の動きは責任の転嫁ではないのか、というのが有権者の目線ではないだろうか。内閣支持率の上昇は石破氏へのある意味で同情票のように感じる。

ところで、有権者の一人として、「アレはどうなりましたか」と石破総理に尋ねたいことがある。防災庁の創設のことだ。自身が初めて耳にしたのは、石破総理が就任早々の去年10月5日に、元日の能登半島地震、そして9月の「記録的な大雨」の被災現場を輪島市を訪れ視察した。そのとき、インタビューに答え、「日本国中どこで何が起きても、同じ支援が受けられるよう内閣として尽力していく。そのための防災庁を創設する」と述べた(2024年10月5日付・NHKニュース)。その後、政府は12月20日に全閣僚が参加する「防災立国推進閣僚会議」の初会合を総理官邸で開催し、2026年度中の創設を目指すことを確認している。

ことし7月4日、参院選で党公認候補の応援のため能登空港を訪れた石破総理の演説=写真・下=を直に聴いた。石破氏は「世界有数の災害大国ならば世界一の防災大国にしなければならない」と述べ、事前防災と災害対応の司令塔となる「防災庁」の必要性について強調した。ただ、どこに本部を置くかなどの具体案はなかった。そして、参院選以降、防災庁構想は進展しているのだろうか。

新しい省庁の新設で思い起こすのが、東日本大震災や福島第1原発事故の発生翌年の2012年2月に発足した「復興庁」だ。設立時は「スーパー官庁」と位置付けられ、複数省庁にまたがる課題を「ワンストップ対応」で調整し、予算を含めた復興政策を一元的に統括することが主な役割だったが、13年を経てその役割は最終ステージの段階に入っている。石破氏が構想するのは復興庁の「後継庁」なのだろうか。総理肝いりの防災庁だ。国民に早くビジョンを示してほしい。

⇒25日(月)午後・金沢の天気  はれ