☆異例の代表質問で議長沈黙 また弾道ミサイルが

☆異例の代表質問で議長沈黙 また弾道ミサイルが

   衆議院の「TVインターネット審議中継」の公式サイトにはライブラリー映像が掲載されている。参院選後で初の国家論戦なので、まさに安倍元総理の国葬や世界平和統一家庭連合(旧「統一教会」)と政治家の関係をめぐる不透明な関係をめぐって、追及する野党側の質問も熱を帯びて、言葉はふさわしくないかもしれないが、まるで「国会ワイドショー」の様相だ。

   きのうの衆院代表質問で立憲民主党の泉代表は、本来ならば岸田総理の所信表明演説に対する質疑となるが、矢面に立ったのは細田議長だった=写真・上=。旧統一教会の関連団体の会合に4回出席し、地元の島根1区で選挙支援を受けたことをA4用紙一枚でまとめ、記者に配布していた(9月29日)。ところが、その後も教団組織票の差配などの証言が次々と出ている。

   泉代表は真後ろの議長席を見上げて、細田議長に異例の質問を浴びせた=写真・下=。「細田議長、あなた自身その中心人物として、4つの会合への出席、関連団体の名誉会長就任、選挙の支持を得ていた、これを認めましたね。今うなずいていただきましたね」

   さらに、「あなたが示した一枚紙では全く説明不足で、もっと真相を語るべきです。議長、答弁していただけませんか。答弁できぬようでしたら、しぐさで答えていただきたい」と。質問は続く。「パーティー券の購入はありませんか。関連イベントの挨拶で『安倍総理にさっそく報告したい』。議長はこのように発言していました。その後の報告は、なされましたか」

   代表質問では議長に対する質疑をもともと想定していないので、細田議長は終始沈黙していた。ただ、臨時国会では物価高・インフレ対策など難問が山積している。重要な国会がこのあり様でよいのか。

   反社会的な宗教団体との関係性を絶つには、税務調査と警察による情報収集で実態解明に着手すること。その上で、問題が露呈すれば非課税などの優遇措置の解除、場合によっては解散命令(宗教法人法第81条)を検討すると総理が有権者に公約すればよい。信頼回復を急ぎ、本来の難問に議論を深めてほしい。 

   きょうも北朝鮮は午前6時と同15分の2回、弾道ミサイルを計2発発射した(6日付・防衛省公式サイト)。2発は飛翔距離が800㌔と推定され、日本のEEZ近く落下した。EEZ内では能登半島から漁船が出て、スルメイカのイカ釣り漁が行われている。北朝鮮の弾道ミサイルから安全操業をどう守るのか、早急に国会で議論してほしい。

⇒6日(木)午前・金沢の天気    くもり

★北朝鮮の挑発的な弾道ミサイル ロシアの終末的な核兵器

★北朝鮮の挑発的な弾道ミサイル ロシアの終末的な核兵器

   強烈なバトルとなるのか。NHKニュースWeb版(5日付)によると、きのう北朝鮮が中距離弾道ミサイル1発を発射したことへの対抗措置として、韓国軍とアメリカ軍はきょう未明に日本海に向けて地対地ミサイル4発を発射した。韓国軍が公開した映像では、移動式発射台から激しい光と煙を伴って発射されたミサイルが上昇していく様子が確認できる。米韓両軍による北朝鮮への対抗措置は、6月5日に短距離弾道ミサイルを8発発射したときも行っている。

   BBCニュースWeb版(5日付)=写真=も「North Korea fires ballistic missile over Japan」の見出しで日本列島を越えた北朝鮮の中距離弾道ミサイルの発射を伝えている。記事では、「Japan issued an alert to some citizens to take cover.」と、日本でのJアラートによる避難勧告の様子も伝えている。

   それにしても、世界の人々がこの北朝鮮の弾道ミサイルのニュースに接してどのような印象を抱いただろうか。日本を含め東アジアは戦争状態になりつつある、と。おそらく、インバウンド観光などへの影響も今度出てくるのではないだろうか。

   ここは終末期のバトルの様相だ。共同通信Web版(5日付)は、イギリスの『タイムズ(The Times)』の記事を引用して、ロシアのプーチン大統領がウクライナとの国境近辺で核実験を計画し、核兵器を使う意志を示そうとしているとの見方があり、NATOは加盟国に警告した、と報じている。その根拠として、ロシア国防省で核兵器の管理を担う秘密部門に関連があるとみられる列車がウクライナ方面に向けて動き出した、と報じている。

   プーチン氏はウクライナ侵攻についてのテレビ演説(9月22日)で、「西側諸国によるロシアへの核の脅威」と述べ、「反撃すべき兵器を多く持っている」「わが国の領土保全が脅かされるとき、ロシアと国民を守るために、ロシアが持つすべての手段を用いる。はったりではない」と発言していた(同日付・BBCニュースWeb版)。

   「はったりではない」とすれば、いよいよ本気だ。核兵器の使用がヒロシマとナガサキに続き現実となるのか。国連安保理が機能しない、混沌とした21世紀を象徴する展開となるのか。

⇒5日(水)夜・金沢の天気   くもり時々あめ

☆挑発のレベル高める北の核・弾道ミサイル

☆挑発のレベル高める北の核・弾道ミサイル

   北朝鮮が弾道ミサイルを発射するたびにこのブログで取り上げている。だから分かることがある。この10日間で5回(9月25日、28日、29日、10月1日、4日)合計8発、これほど頻繁な発射はある意味で異常な事態だ。この国は何を企んでいるのか。

   防衛省公式サイトによると、北朝鮮はきょう4日午前7時22分ごろ、北朝鮮内陸部から東に向けて弾道ミサイル1発を発射した。同28分から29分ごろに青森県上空を通過した後、同44分ごろに太平洋上の日本のEEZの外に落下した。最高高度は1000㌔、飛翔距離は4600㌔と推定される。日本政府は、Jアラート(全国瞬時警報システム)で、北海道と青森を対象に警戒を呼びかけた。

   日本列島の上空を通る弾道ミサイルを発射したのは、2017年9月15日以来となる。このとき発射されたのは、北朝鮮が「火星12」と称していた中距離弾道ミサイルで、北海道の襟裳岬の上空を通り、飛翔距離は3700㌔だった。同年8月29日に発射した中距離弾道ミサイルもほぼ同じ北海道上空を通る飛行コースだった。憶測だが、北朝鮮は東北地方から北海道の上空を中距離弾道ミサイルの「発射実験ル-ト」として設定しているのではないか。航空機や船舶はもとより、上空を弾道ミサイルが通過したと判断される地域の安全確保の観点からも極めて問題のある行為だ。

   いったい何を想定して今回、中距離弾道ミサイルを発射したのか。飛翔距離は4600㌔だ。距離としてはこれまでの弾道ミサイルで最長と言える(防衛省資料「北朝鮮による核・弾道ミサイル開発について」より推定)。この射程内には、アメリカ軍のアジア太平洋地域の戦略拠点であるグアムがすっぽりと入る。核弾頭が搭載でき高いステルス性能を持つB2戦略爆撃機などが展開するアンダーセン基地がある。

   さらに、北朝鮮にとっては、中距離弾道ミサイルと核実験はセットとも言える。別の言い方をすれば、「車の両輪」である。2017年9月15日の中距離弾道ミサイル発射の前の同月3日に6回目となる核実験を豊渓里(プンゲリ)で行っている。このとき、北朝鮮は「ICBMに搭載可能な水爆実験に成功」と発表している。推測の域を出ないが、今回も核実験が伴うのではないか。

   ここ10日間で、迎撃が困難とされる変則軌道の短距離弾道ミサイル、そして4600㌔という最長距離の中距離弾道ミサイルを発射させた。今後の展開はICBMなのかと憶測する。ことし3月24日に新しいICBM「火星17型」の発射させ、「実験は成功した」と公表している。このときは、最高高度は6248.5㌔に達し、1090㌔の距離を67分32秒飛行した。角度を変えて発射すれば1万5000㌔を超える射程距離となり、アメリカの東海岸を含む全土が射程内に入る(当時の岸防衛大臣の会見)。北朝鮮による挑発のレベルが高まっている。

(※写真・上は過去の中距離弾道ミサイルの発射、写真・中は今回の推定される飛行ルート、写真・下は北朝鮮の弾道ミサイルの射程=出典は防衛省資料「北朝鮮による核・弾道ミサイル開発について」ほか)

⇒4日(火)午後・金沢の天気   くもり 

★「内閣支持率」はどう動く きょうから臨時国会

★「内閣支持率」はどう動く きょうから臨時国会

   けさの読売新聞と朝日新聞の紙面で、それぞれの世論調査の結果が掲載されている。読売の調査(1、2日)では岸田内閣の支持率が45%、不支持が46%となり、「初の逆転」と見出しで伝えている。前回調査(9月2-4日)では支持率は50%だったので、5ポイントの下落。逆に不支持は41%だったので、5ポイント上昇した。

   一方、朝日の調査(1、2日)では内閣支持率が40%、不支持率が50%となり、記事では「不支持率が初めて半数に達した」「不支持率が支持率を上回るのは2ヵ月連続」としている。前回調査(9月10、11日)では支持率41%、不支持率47%だったので、支持率はほぼ同じ、不支持率がやや上昇した。読売と朝日の世論調査を比較すると、数字の上がり下がりは読売の方が大きい。

   そして、読売、朝日ともに内閣不支持の要因となっているのは、政府・自民党の世界平和統一家庭連合(旧「統一教会」)に対する不透明な対応だろう。旧統一教会と政治家の関係をめぐる問題で、読売の「岸田総理が指導力を発揮していると思うか」との問いでは、「思わない」が80%、「思う」が13%となっている。朝日の「岸田総理の対応を評価するか」との問いでは、「評価しない」が67%、「評価する」が22%だった。また、安倍元総理と旧統一教会の関係について「調査を行うべきだと思うか」との問いでは、読売の調査は「思う」59%、「思わない」37%、また、朝日では「調査すべき」64%、「必要はない」31%となっている。

   先月27日に営まれた国葬について、読売の「よかったと思うか」との問いに、「思わない」54%、「思う」41%だった。朝日の「評価するか」との問いでは、「評価しない」59%、「評価する」35%だった。

   旧統一教会との関係をめぐり、自民党は所属する国会議員全体の半数近くにあたる179人が何らかの接点があり、選挙で支援を受けるなど、一定以上の関係を認めた121人の氏名を公表した(9月8日付・NHKニュースWeb版)。また、立憲民主党の辻元議員も統一教会の教会の関係団体の勉強会に出席し、会費を支払っていた(27日付・同)。では、政党支持率はどうなっているのか。読売の調査では、「自民党」40%、「立憲民主党」5%と続いた。両党の支持率は前回と同じだった。朝日の調査では「自民党」34%、「立憲民主党」6%と続いた。前回は自民が31%だったので、むしろ支持を伸ばしている。

   きょう臨時国会が召集される。国会論戦は7月の参院選後で初めてとなる。読売と朝日がこの日に世論調査を掲載したのも、臨時国会の論戦を意識してのことだろう。会期中(12月10日まで)に岸田内閣の支持率がさらに「危険水域」(20%台)に落ち込むのか、あるいは起死回生の矢を放つのか。

⇒3日(月)午後・金沢の天気    くもり

☆セイオウボが一輪、キンモクセイの香る街・金沢

☆セイオウボが一輪、キンモクセイの香る街・金沢

   「国葬が」、「統一教会が」、「円安が」と世間は騒ぎながらも季節は移ろい、庭ではセイオウボとキンモクセイが花を咲かせている。

   セイオウボは淡いピンクの花=写真・上=。秋から春先にかけて一輪、また一輪とゆっくりと咲く姿が上品さを感じさせる。金沢では茶花として重宝されている。セイオウボを漢字で書くと「西王母」。ネットで調べてみると、西王母は『西遊記』にも登場する、不老不死の桃の木を持つ仙女の名前から名付けられているようだ。「西王母」の名前の由来は、格調の高い上品な趣の花ということなのだろう。

   一斉に咲いて秋の青空に映えるのがキンモクセイ=写真・下=。花と同時に独特の香りを周囲に放つ。植物に詳しい研究者からかつて聞いた話だが、キンモクセイの花の匂いに寄って来る訪花昆虫はハチやハエの仲間が多く、一方で一部の昆虫を忌避させる成分も含まれていて、モンシロチョウなどは寄って来ないのだという。この季節に金沢市内の名所である兼六園や武家屋敷界わいを散策すると、キンモクセイの香りが漂ってくる。

    ある意味でキンモクセイは金沢のシンボルの一つでもある。1980年に作詞作曲された金沢市民憲章の歌の題名が『金木犀の匂う道』。市主催のイベントなどでよく聴く。歌詞は公募だったが、作曲はあの『シクラメンのかほり』で有名な小椋佳氏が手掛けた。「♪歩いてみたい 秋が好きだという君と この街の 金沢の街の ああ 金木犀の匂う道 君と君と」

   キンモクセイの香りからトイレの芳香剤を思い出す人も多いが、金沢の人たちにとっては季節の香りではある。

⇒2日(日)午前・金沢の天気    はれ

★1週間で4回の弾道ミサイル発射 狙いはどこに

★1週間で4回の弾道ミサイル発射 狙いはどこに

   10月に入った途端にこのニュース。防衛省公式サイトによると、北朝鮮はきょう1日午前6時42分と同58分に平壌近くの半島西岸付近から、計2発の弾道ミサイルを東方向の日本海に向けて発射した。いずれも最高高度50㌔程度で、飛距離は400㌔程度と350㌔程度と見られ、落下は日本のEEZ外だった。この1週間で4回(25日、28日、29日、1日)合計7発の弾道ミサイルを発射している。この間で行われてきた米韓、あるいは日米韓の合同訓練をけん制する狙いがあるにしても、頻繁だ。何に執着しているのか。

   前回ブログをアップして、ふと気が付いたことがある。防衛省サイトで一連の弾道ミサイルの落下場所(想定)を見ると、核実験がこれまで行われてきた北朝鮮北東部にある豊渓里(プンゲリ)と近い。9月28日に発射された弾道ミイサルは2発。午後6時10分の弾道ミサイルは最高高度約50㌔程度の低い高度で、約350km程度飛翔。午後6時17分の弾道ミサイルも最高高度約50㌔程度の低い高度で、約300㌔程度飛んだとみられる。その発射場所と落下場所を防衛省は略図で示している。落下場所は上の図の豊渓里ととても近いことが見て取れる。

           落下場所は日本海とされているが、それにしても豊渓里と一部重なっているようにも見える。あと3回の弾道ミサイルの落下場所をチェックしても、この豊渓里がある咸鏡北道の沖合になる。韓国の中央日報Web版日本語(29日付)は、28日の弾道ミサイルは2発ともに咸鏡北道吉州郡沖の無人島に向けて発射したと報じている。

   無人島という目標地に確実に着弾するか、弾道ミサイルの精度を試す目的があったのだろうか。以下はあくまでも憶測だが、とすれば、これは単に米韓、あるいは日米韓の合同訓練へのけん制ではなく、攻撃目標を見定めた上での着弾実験ではないか。それにしても、豊渓里と近い。ほかに意図があるのだろうか。見ようによっては、はやく核実験を行えと催促しているようにも読める、のだが。

⇒1日(土)午前・金沢の天気    はれ

☆弾道ミサイルの次は核実験なのか 北朝鮮の思惑は

☆弾道ミサイルの次は核実験なのか 北朝鮮の思惑は

   連日の弾道ミサイルの発射だ。防衛省公式サイトによると、北朝鮮は29日午後8時47分と同53分に平壌近くの半島西岸付近から、計2発の弾道ミサイルを東方向の日本海に向けて発射した。いずれも最高高度50㌔程度で、300㌔程度飛翔したと見られ、落下は日本のEEZ外だった。前日28日にも午後6時10分と17分に計2発の弾道ミサイルを発射している。

    連日の弾道ミサイルの発射についてメディア各社は、29日にアメリカのハリス副大統領が韓国入りし、尹大統領と会談した後、南北の軍事境界線を挟む非武装地帯(DMZ)を訪れたことから、北朝鮮が強くけん制したと報じている。

   そして、もう一つの理由が、きょう30日に日本海で行われる日米韓3ヵ国の共同訓練へのけん制だ。NHKニュースWeb版(29日付)によると、海上自衛隊の護衛艦1隻、アメリカ海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」や潜水艦など5隻、韓国海軍の駆逐艦1隻が参加する。訓練は潜水艦を探索・識別・追跡しながら、情報を相互交換する形で行われる。日米韓の海上共同訓練は2017年12月以来となる。

   この対潜水艦の共同訓練は明らかに、北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を想定したものだろう。防衛省サイトによると、北朝鮮は「新型潜水艦発射弾道弾」と称するSLBMをこれまで2021年10月19日と2022年5月7日に2度発射させている。SLBMは変則的な軌道で、低高度(最高高度50㌔程度)を飛ぶため、ミサイル防衛システムによる迎撃は困難とされる。

   日本海側に住む者として、SLBMもさることながら、さらに懸念するのは北朝鮮による核実験だ。IAEAのグロッシ事務局長が警告しているように、北朝鮮北部の豊渓里(プンゲリ)の核実験場の坑道の1つが再び開かれ、核実験の可能性が高くなっている(6月7日付・NHKニュースWeb版)。プンゲリでは2006年10月9日に最初となる核実験が行われ、2017年9月3日までに6回行われている。長崎大学核兵器廃絶研究センター公式サイトによると、6回目のとき、北朝鮮は「ICBMに搭載可能な水爆実験に成功」と発表している。このとき、核実験の地震規模は最大でマグニチュード6.3だった(米国地質調査所)。

   では、核実験はいつ行われるのか。韓国メディアは、10月16日に開催される中国共産党第20回党大会以降から11月8日のアメリカ中間選挙の間に行う可能性が高いと報じている(29日付・ハンギョレ新聞Web版)。ただ、北朝鮮では、「建国以来の大動乱」と称された新型コロナウイルスとみられる発熱症状の拡大で国全体が混乱し、農作物の不作で食糧難と飢えがまん延しているとも言われる。このような状況の中でも、最高権力者には核実験を実行するモチベーションがあるのかどうか。

⇒30日(金)午後・金沢の天気    はれ

★「沈黙」の弾道ミサイルまた2発 北朝鮮の狙い

★「沈黙」の弾道ミサイルまた2発 北朝鮮の狙い

   今月25日に続いて、北朝鮮はまた弾道ミサイルを発射した。防衛省公式サイト(28日付)によると、北朝鮮は28日午後6時10分と17分に平壌近くの半島西岸付近から、2発の弾道ミサイルを、東方向に向けて発射した。いずれも落下したのは北朝鮮東岸に近い日本海であり、日本のEEZ外と推定される。弾道ミサイルはいずれも変則軌道で飛翔した可能性がある。

    飛翔距離については以下が記されている。午後6時10分の弾道ミサイルは最高高度約50㌔程度の低い高度で、約350km程度飛翔。午後6時17分の弾道ミサイルも最高高度約50㌔程度の低い高度で、約300㌔程度飛んだとみられる。25日に発射された弾道ミサイルは同じく最高高度約50㌔程度で、飛んだ距離は約400㌔程度だった。

   防衛省サイトで公開されている資料「2019年以降に北朝鮮が発射した弾道ミサイル等」によると、高度と飛距離から、一連の弾道ミサイルは北朝鮮が「極超音速ミサイル」と称しているミサイルと推測できる。ことし1月11日発射した「極超音速ミサイル」は最高高度約50km程度を最大速度約マッハ10で飛翔し、水平機動を含め変則的な軌道で飛翔した可能性がある。飛翔距離は約500㌔だった。「滑空再跳躍し、強い旋回機動」と北朝鮮の発表も記載している。

   防衛省の資料を読んでいて、一つ気が付いたことがある。この「極超音速ミサイル」の飛翔距離が1月11日は500㌔、9月25日は400㌔、そしてきのう28日は350㌔と300㌔だ。つまり、高度が同じでで距離が短縮されているのだ。飛翔距離は「最大射程距離」あるいは「限界射程距離」とも言われる。弾道ミサイルが大きく放物線を描いて到達できる最大の距離のこと。この最大射程距離が短くなれば、それだけ目標が定めやすくなる。

   平壌とソウル市内の距離は世界地図で見ると、およそ200㌔だ。マッハ10でしかも変則軌道の弾道ミサイルは、ミサイル防衛システムによる迎撃は困難とされている。さらに「核兵器の小型化・弾頭化を実現しているとみられる」(防衛省)。北朝鮮の狙いは、「瞬時にして火の海にする」奇襲攻撃の能力の向上を狙っているのかもしれない。

   それにしても、 きのうと今月25日の発射について、労働新聞Web版などをチェックしたが報道されていない。ことし5月4日の弾道サミイル発射以降、北朝鮮の国営メディアは「沈黙」を続けている。むしろ気になる。

(※写真は、北朝鮮が「極超音速ミサイル」と称する新型弾道ミサイル=防衛省公式サイト資料「2019年以降に北朝鮮が発射した弾道ミサイル等」より)

⇒29日(木)午前・金沢の天気    はれ

☆ロシアの「理不尽な病」に効く薬はあるのか

☆ロシアの「理不尽な病」に効く薬はあるのか

   安倍元総理の国葬がきのう営まれたが、前回のブログでも述べたように、「めりはりのない形式的な追悼式」だった。ただ、苦楽を共にした友人の目線で述べたで菅前総理の追悼の辞には昭恵夫人が涙し、そして終わると会場からは異例の拍手が起きた。これがなければ、今の若者言葉で言う、「なんちゃって」国葬で終わっていたかもしれない。国葬問題に目線が奪われていたが、世界の動きを眺めて見る。

   共同通信やウォールストリートジャーナルなど日米のメディア各社がアルツハイマー病の新しい治療薬について報道している。日本の「エーザイ」とアメリカのバイオ医薬品「バイオジェン」が、開発中の治療薬「レカネマブ」について、臨床試験(治験)で症状の悪化を抑制する効果を確認したと発表した。この新薬を投与したグループと偽薬のグループを比較し、レカネマブのグループでは、記憶や判断力などの症状の悪化が27%抑制された。本年度中に日本や欧米で承認申請を目指す。

   両社は昨年6月にもアルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」を開発し、アメリカのFDAに承認された。タンパク質「アミロイドβ」を取り除き、認知機能を回復させることが見込まれていたものの、効果が不十分だとしてアメリカでは高齢者向け保険が適用されなかった。試行錯誤を繰り返しながら医薬は進歩する。

   ロシアは自己矛盾をさらけ出している。プーチン大統領はウクライナ侵攻をめぐり、軍務経験のある予備役を30万人招集する「部分的な動員令」を発動したたものの、ゴタゴタ続き。CNNニュースWeb版日本語(28日付)によると、ロシア国営メディアの司会者が生中継で「就業者や音楽家、病人、学生が招集されている」と疑問を投げかけ、動員担当者を処罰すべきと報道した。(※写真は、今月22日付・BBCニュースWeb版)

   ロシアをめぐっては、ウクライナ東部と南部の4州で親ロシアの指導者らが、ロシアへの編入を問う「住民投票」を行い、9割賛成で支持されたと発表している、今後はロシア議会が承認に動く。また、ロシア連邦保安局が、スパイ活動をしたとして極東ウラジオストクの日本総領事館の領事を一時拘束した。理不尽な病(やまい)がまん延するロシアに効くクスリはあるのだろうか。

   ところで、話は冒頭に戻る。弔問に訪れたIOCのバッハ会長は岸田総理らと面談したのだろうか。気になるのは、五輪汚職事件についてだ。五輪招致の段階で、高橋容疑者は招致委員会から820万㌦(8億9000万円)の資金を受け、IOC委員にロビー活動を行っていたと報じられている(2020年3月31日付・ロイター通信Web版)。ロビー活動については、フランス司法当局の捜査対象となったJOCの当時の竹田恒和会長が2019年6月に退任している。国際的にもオリンピックにまつわる汚職には厳しい眼が注がれている。五輪汚職事件を受けて、IOCはドーピングと同様に、日本に対してペナルティーを検討しているかもしれない。メディアの続報を待ちたい。

⇒28日(水)午後・金沢の天気    くもり

★安倍国葬後の課題 「今より後の 世をいかにせむ」

★安倍国葬後の課題 「今より後の 世をいかにせむ」

   きょう日本武道館で営まれた安倍元総理の国葬の中継番組をNHKなどで視聴した=写真=。見ていた時間は午後1時50分から午後3時50分ごろまで2時間。この間、安倍氏の昭恵夫人が遺骨を抱いて車から降りて会場に入る。開式の辞で始まり、国歌演奏、黙とう、政府が制作した生前の安倍氏の映像を映写、追悼の辞(三権の長がそれぞれ、友人代表)、皇族による供花、献花(海外参列者、駐日大使ら)までを視聴した。

   あくまでもテレビ視聴での感想だが、めりはりのない形式的な追悼式というイメージだった。目立ったのはきびきびとした動きの自衛隊の儀杖隊だった。そもそも、10分にも及ぶ生前の安倍氏の映像を流す必要性が一体どこにあったのか。故人の功績や人柄をしのぶのは追悼の辞で十分ではなかったか。追悼式は追想の場であり、映像シーンを次々見せてしのぶものではない。

   追悼の辞で、友人代表として菅前総理が興味深いエピソードを紹介していた。平成12年(2000年)、日本政府は北朝鮮にコメを送ろうとしていた。当選2回目だった菅氏は「草の根の国民に届くのならよいが、その保証がない限り、軍部を肥やすようなことはすべきでない」と自民党総務会で反対意見を大々的に述べた。紙面で掲載され、記事を見た安倍氏が「会いたい」と電話をかけてきた。これが、安倍氏と菅氏が北朝鮮の拉致問題にタッグを組んで取り組むきっかけだった。当時の森喜朗内閣や外務省などは日朝正常化交渉を優先していて、拉致問題はむしろ交渉の阻害要因というスタンスだった。

   安倍政権の7年8ヵ月、官房長官として苦楽を共にした菅氏は、明治の政治家・山県有朋が長年の盟友、伊藤博文に先立たれて故人をしのんだ歌を一首詠んで追悼の辞を締めくくった。「かたりあひて 尽しゝ人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ」。追悼の辞で拍手があったのは菅氏だけだった。

   民放チャンネルも中継番組を流していた。横並びの中継には当初、総務省からの圧力かと違和感があった。日本テレビ系とテレビ朝日系は海外参列者の献花のタイミングで、安倍氏と世界平和統一家庭連合(旧「統一教会」)の関係や、いわゆるモリカケ問題など取り上げ、安倍長期政権の光と陰にスポットを当てていた。日テレ系は、この国葬を統一教会がプロパガンダとして使っていく可能性があると、霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士のコメントを中継で紹介していた。

   来週3日から秋の臨時国会が始まる。自民党は旧統一教会と絶縁宣言(今月8日)をする一方で、安倍氏と教団の関係を調査することについては「本人が亡くなった今、限界がある」(岸田総理)として否定している。国葬をプロパガンダにさせないためにも、この問題にけじめをつけてもらいたい。まさに、菅氏が詠んだ山県有朋の歌、「今より後の 世をいかにせむ」だ。

⇒27日(火)夜・金沢の天気    くもり時々あめ