☆長びく避難所生活 懸念されるエコノミークラス症候群
能登半島地震の被災地をこの目で確かめようと思い、元日からこれまで17回、能登をめぐっている。そのとき、道路でよくすれちがったのは救急車だった=写真、1月5日撮影=。とくに、1月と2月はよく目にした。きょうのメディア各社の報道によると、元日から4月末までの4ヵ月間で、能登各地の避難所から病院などに救急搬送された人は771人に上る
こと分かった。能登の9市町の地元消防署への取材を基に共同通信が集計した(5月16日付・北陸中日新聞)。
記事では4月24日に輪島市内の避難所から救急搬送された74歳の男性の事例を取り上げている。就寝中に呼吸の苦しさを訴えて病院に緊急搬送されたが、数時間後に病院で死亡した。死因は「塞栓症の疑い」とされた。関係者は「エコノミークラス症候群の疑いがある」と指摘しているという。長時間同じ姿勢を取ることで血栓ができて死亡するケースだ。
前回ブログでも述べた「災害関連死」が今後、急増するのではないかと懸念している。地震による建物の倒壊や津波などが原因で亡くなる「直接死」とは別に、避難生活の疲労や環境変化のストレスなどから体調が悪化して亡くなるケースだ。先のエコノミークラス症候群のほか、自殺も含まれる。被災した市町の学校の体育館や公民館、集会所などの避難所でいまも1967人が暮らしている。長期化する避難生活で体調を悪化させる人も今後増えるのではないだろうか。
避難所や仮設住宅についての不満やストレスとはどういうものなのか。少々古いデータになるが、2007年3月25日の能登半島地震で行った金沢大学能登半島地震学術調査部会の報告の中に被害がもっとも大きかった輪島市門前町で住民から聞いたアンケートが調査がある。同地区は当時、65歳以上が47%を占める高齢化が進む地区で、ほとんどが持ち家だった。
<避難所について>
・畳一畳分のスペースは狭い。
・狭くて、よく眠れなかった。人にぶつかる。踏まれる。
・配られた毛布はかぶるに重く、暖かくなかった。
<仮設住宅での生活について>
・エアコンが嫌いだから暑くて困る。
・浴槽のまたぎの部分の高さが高く、高齢者には不便。風呂の湯船が深すぎる。風呂の床が滑りやすい。お湯と水の調整が難しい。タクシーで風呂に入りに行く人もいる。
・内側から鍵をかけてしまうと外から誰も入れなくなってしまう。一人暮らしの人など心配。
・買わなくちゃいけないから野菜不足。
避難所や仮設住宅ならではの事情でいろいろとストレスがたまる。能登の人たちは一軒家で暮らしてきたのでなおさらだ。
⇒16日(木)夜・金沢の天気 くもり
戸惑いがいくつかある。審査が行われたのは3市町の35人(珠洲19人、輪島9人、能登7人)だった。認定されたのは30人(珠洲14人、輪島9人、能登7人)。珠洲の5人ついては、委員が追加資料の提出を求めたため次回以降に再審査となる。戸惑いというのも、今回審査された人数が少ないのではと感じるからだ。遺族からの申請数は輪島市だけでも53人に上っている。ところが、今回は9人しか審査されていない。このペースだと輪島市の申請数の審査を終えるのにあと5ヵ月はかかることになる。もちろん、数をこなす単純な作業ではなく、ある意味で「書面上の検死」なので時間がかかるのは分かる。
輪島市里町で完成した木造長屋の仮設住宅は周囲の里山とマッチしていて景観的にも合っている=写真、5月3日撮影=。27棟・100戸が建てられ、コンパクトな1DKや車椅子の利用を考慮した部屋、さらに和室のあるタイプもあり、入居者に配慮した仮設住宅だ。配慮はこれだではない。従来のプレハブ型は取り壊すことを前提に原則2年で退去しなければならないのに対し、木造長屋型は2年が経過した後は輪島市営住宅に転用され、被災者が長く住み続けることができるようだ。
た評価の重荷を背負いながら愛耕会のメンバーは努力を重ねたものの、それでも「1000分の120」にとどまった。
れなどを復旧する作業が行われ、きのうの段階で120枚に田植えが行われた。(※写真は、田植えに間に合うように復旧作業が進められた千枚田=5月3日撮影)
ことしの夏は猛暑になりそうだ。気象庁の報道発表(5月10日付)をネットでチェックすると、7月から9月にかけてラニーニャ現象が発生する可能性があり、強い高気圧に覆われて、日本では猛暑になるようだ。ラニーニャ現象は、南米・ペルー沖の太平洋の海面水温が基準値より0.5度以上低くなる状態が続く現象で、世界各地で大雨や猛暑などの異常気象をもたらす。2022年夏のラニーニャ現象では金沢をはじめ石川県内で35度の猛暑に見舞われ、気象庁は「熱中症警戒アラート」をたびたび発していた。
長い冬を超えて新緑の季節を実感するこの頃だ。(※写真は、金沢市泉野町のイチョウ並木=5月10日撮影)
シャクヤクの花が自宅の庭を彩っている=写真・上=。「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリの花」という言葉があるように、上品な女性の姿をイメージさせ、精気を放っている。花言葉は「恥じらい」。シャクヤクは夜になると花を閉じる習性があり、その姿から「恥じらう様子」がイメージされたようだ。毎年のことだが、大型連休明けで心にぽっかりと穴が空いたようなタイミングでこの花が和ませてくれる。
ぐようにして倒れている=写真・中、5月3日撮影=。現地を訪れるたびに、撤去はいつ始まるのだろうかとつい思ってしまう。
以下が自身が現地を見た印象。ビルは根元からポキッと折れるようにして倒れている。その根元をよく見ると、建物の重さを支える土台が、地下の岩盤に指してある杭から抜けているようにも見える=写真・下、3月10日撮影=。震度6強の揺れだったので、建物が激しく揺さぶられ、杭が抜けて倒れたのだろうかと素人目線で考えてしまう。
では、その原因となった道路事情はいまどうなっているのか。金沢と能登をつなぐ主要地方道「のと里山海道」は現在、徳田大津ICから穴水IC区間(27㌔)が金沢方面からの片側一方通行となっている。実際に走行すると、半島の奥に行けば行くほど道路側面のがけ崩れがひどく、道路の盛り土の部分の崩落個所が多くある。乗用車ががけ崩れとともに落ちた現場がいまでもまま残っている=写真・上、5月3日撮影=。
大きく崩落した個所は盛り土で造成するのではなく、新たに鉄橋を架ける工事が進められていた=写真・下、同=。