★パティシエ・辻󠄀口博啓氏のチョコ作品『能登の大地の恵み』が国際祭典で金賞
けさドスンと落ちるような揺れで目が覚めた。一瞬、北朝鮮の弾道ミサイルが落下したのかと頭をよぎった。NHKテレビをチェックすると、午前6時42分、石川県加賀地方を震源とするマグニチュード3.8、揺れは小松市、白山市、能美市で震度3、金沢市などで震度2と速報が流れていた。加賀地方と言えば、石川県と岐阜県にまたがる白山が眺望できる。その白山の山頂付近を震源とするマグニチュード4.2の地震が今月4日午後7時21分にあり、岐阜の高山市で震度2を観測している(気象庁)。白山は活火山であり、気象庁は「噴火警戒レベル1」としている。専門家でない者が軽々に言うべきことではないが、今回の震度3の地震と噴火の可能性は連動しているのだろうか。
話は変わる。パティシエの辻󠄀口博啓氏がオーナーを務めるチョコレート専門店「LE CHOCOLAT DE H(ル ショコラ ドゥ アッシュ)」がフランス・パリで開催された世界最大級のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」に出品し、ショコラ品評会「C.C.C.」で最高評価であるゴール
ドタブレット(金賞)を受賞した。今回の受賞で8回連続の最高位受賞となる(10月31日付・「㈱アーシュ・ツジグチ」ニュースリリースより)。
出品した作品は、「能登半島への感謝と復興を願う」をテーマに創作した4粒のチョコレート。作品名は『能登の大地の恵み』=写真・上=。その素材は能登産のものを使い、被災した生産者への復興応援の思いを込めて創ったものだ。左から『No.1 テロワール能登』は「能登の大地の恵みを閉じ込めたボンボンショコラ。能登いちじく、能登ワイン、能登クロモジを重ね、素材の香りと食感、余韻を楽しむ一粒」(説明文より)。『No.2 ふきのとう』は「雪の中で芽吹くふきのとうの力強さを能登半島の復興に重ねて表現。能登の鳥居醤油を使いキャラメルのような味わいのガナッシュと独特な香りとほろ苦さが特徴
のふきのとうのガナッシュを重ねて」(同)とある。このブログで何度か紹介したように、辻口氏は能登半島の七尾市の出身。鳥居醤油は同市にある老舗だ。なので辻口氏にとっては天然仕込みの伝統の味なのだろう。
3番目が『No.3 能登ヒバと酒』。「能登ヒバから抽出した香りを閉じ込めたガナッシュ、数馬酒造の酒かすと珠洲の塩のガナッシュを重ねました。日本の升の香りとそこに注がれる酒をイメージしたショコラ」(同)。数馬酒造も能登の老舗の酒蔵、そして珠洲市の塩は揚げ浜式製塩と呼ばれる伝統的な製法でつくられている。『No.4 能登柚子とレモンマリーゴールド』は「能登半島あんがとう農園で採れるレモンマリーゴールドの柑橘香が能登柚子の香りと余韻をさらに強く印象付けるショコラ。ハーブと柚子の相乗効果が際立つ3層構成」(同)とある。ニュースリリースによると、受賞した作品は来年1月中旬から「LE CHOCOLAT DE H」の店舗と全国のバレンタイン催事で販売する予定という。
自身が金沢大学で特任教授を務めていたとき、講師として辻口氏を招き、一粒のチョコレートに込める思いを語ってもらった=写真・下=。印象的だったのは、カカオ豆やそのほかの素材をナノの粒子にまで粉砕して、それをチョコにしているということだった。すると、歯ざわり、ふくよかな香りが広がり、口の中で自然に溶けていく。これは、スイーツとしての価値を高めるだけでなく、高齢者やあごに障害があり、噛むことができない人たちのためのスイーツをつくることがきっかけだったという。小麦粉アレルギーの人々のために米粉のスイーツも製造している。
「能登はやさしや土までも」の文化風土で生まれ育った精神性、そこからナノ粒子に粉砕してつくるという先進性が、チョコレートを世界ブランドへと高めている。能登をチョコにくるんだ、熱い思いが伝わってくるニュースだ。
⇒6日(水)夜・金沢の天気 はれ
び、それ以外はゾウゴケ(雑ゴケ)と呼んで区別している。一般的には「においマツタケ、あじシメジ」と称されるが、能登では「においマツタケ、あじコノミタケ」だ。(※写真は大皿に盛られたキノコ。左がマツタケ、右がコノミタケ)
今回ミュージアムを訪れたのは、「加賀友禅らしからぬ面白い作品がある」と聞いて、ぜひ見てみたいと思ったからだ。その作品は1階・特別展示室の「おもてなし加賀友禅着物発表会」で飾られていた。加賀友禅作家の河守彩香氏が制作した作品『菊炭』=写真・上=。デザインは花や蝶ではなく、木炭がモチーフなのだ。菊炭は茶道で使われる炭だ。茶道用の炭は切り口がキクの花模様に似ていることから「菊炭」と呼ばれ、炉や風炉で釜の湯を沸かすのに使う=写真・下=。クヌギの木を材料としていて、菊炭はススが出ず、長く燃え、燃え姿がいいとされる。
の製造工程での燃料材の焼却による二酸化炭素の排出量が相殺され、炭焼きは大気中の二酸化炭素の増減に影響を与えない。ただ、実際にはチェーンソーで伐採し、運ぶトラックのガソリン燃焼から出る二酸化炭素が回収されない。そこで、ライフサイクルアセスメント(LCA=環境影響評価)の手法を用いて計算し、生産する木炭の2割以上を不燃焼利用の製品(床下の吸湿材や土壌改良材)とすることで、カーボンニュートラルを達成している。
二重被害が集中した地域の一つが輪島市だった。震災による火災で中心部の朝市通りの店舗や住宅など200棟が焼けて、焦土と化した。大通りでは輪島塗の製造販売会社の7階建てのビルが転倒した。そして豪雨では、中心部に近い久手川町を流れる塚田川に架かる橋に流木が大量に引っかかり、せき止められた泥水があふれて、住宅地に流れ込んだ=写真=。このため、住宅4棟が流され、14歳の少女ら4人が犠牲となった。同市町野町では震災と洪水で中心部の街並み全体が倒壊した状態になっている。輪島市では地震による仮設住宅が2900戸あるが、うち205戸で床上浸水となった(11月1日付・北國新聞)。県では年内をメドに被災者の再入居のため泥の除去など改修工事を進めている。
イルは北海道・奥尻島の西方約200㌔の日本のEEZ(排他的経済水域)外の日本海に同8時37分ごろ落下した。飛翔距離は1000㌔、最高高度は過去最高の7000㌔を超えると推定される(31日・防衛省公式サイト、イメージ図も)。
(※写真は、2022年3月24日に北朝鮮が打ち上げたICBM「火星17型」=同月25日付・労働新聞Web版)
となり、宙づり状態に陥った。この時は、北アイルランドの地域政党の閣外協力を得て、何とか政権を維持し、その後2019年の総選挙で保守党が単独過半数を獲得した。日本の自民党もハング・パーラメントを乗り切るために、部分連合や閣外協力に躍起になっているようだ。
幅14.5㌢以上のものは「輝(かがやき)」のブランド名が付く。山陰地方では「松葉ガニ」、福井県では「越前ガニ」だ。ただ、加能ガニのファンの一人として案じているのは、能登の漁港から出漁できるのか、ということだ。(※写真・上は、金沢市の近江町市場に並んだ茹でズワイガニ=2022年11月撮影)
いところで80㌢ほどの土砂が堆積。漁船が座礁するなどの危険性があるため、国交省北陸地方整備局では、きのう(28日)から土砂を取り除く緊急の浚渫工事を始めている。深さ1㍍ほど土砂を除去することで水深6㍍を確保し、安全に漁船が航行できるようにするとのこと(29日付・メディア各社の報道)。(※写真・下は、ズワイガニ漁を行う底曳き網船=輪島漁港、ことし8月24日撮影)
挙をするのかと問うているのだ。能登の被災地の人たちの率直な気持ちなのだろう。その気持ちが投票行動でも表れている。
は土砂に埋まるなど壊滅的な状態になっていた=写真・上=。いまは仮設住宅で家族と暮らしている。農地は3分の2ほどが残り、耕運機なども無事だったことから、来春の作付けに意欲的な様子だった。復旧・復興が遅い能登を政治はどう導いていくのか。
=。近藤氏は七尾市での出陣式(今月15日)で「与党も野党も関係なく、助け合わなければならない時期。選挙なんてやっている場合か。それが能登の総意だと思う」と憤りの声を上げた。選挙実施への反発の意味を込め、選挙期間中は防災服姿で、たすき掛けをしないことを宣言していた。ただ、選挙活動は実にアクティブだった。元日の地震後、これまで選挙区内で整備された6000戸余りにもなる仮設住宅を足しげく回り、被災者の声を国会論戦などで反映させてきた。地震と豪雨の二重被災の奥能登(輪島市、珠洲市、穴水町、能登町)へは選挙期間中にそれぞれの自治体を2回ずつ回った。「まだ能登は大変なんだと全国に訴えていきたい」と述べていた。
た。江戸時代の庄屋で塩問屋を営んだ旧家の建物が今も残る。作品『時に宿る』は塩問屋の塩蔵の中で表現されている=写真・上=。塩を用いた作品を数々手掛けてきた山本氏にとって最高のステージではないだろうか。山本氏が「塩」にこだわる背景には、若くしてこの世を去った妻と妹との思い出を忘れないために塩を用いてインスタレーションを制作してきた。「塩も、かつては私たちの命を支えてくれていたのかも知れない。そんな思いを抱くようになった頃から、塩には『生命の記憶』が内包されているのではないかと感じるようになりました」(サイト「山本 基 – Motoi Yamamoto -」より)。その思いが緻密で迫力ある作品づくりに込められている。
廃校になった県立高校の図書室。かつて知識と物語でいっぱいだったであろう本棚は空になっていた。この静寂な図書室に、4000ピースの「木の心臓」=写真・中=を制作したオーストラリア在住のマリア・フェルナンダ・カルドーゾ氏。作品名『Library of Wooden Hearts』。公式ガイドブックによると、スギの若木の芯から削り出した木片に心臓のカタチを見出したのがきっかで、近づいて見ると若木の鼓動を感じさせる。「奥能登国際芸術祭2023」では珠洲市に自生する松ぼっくりやツバキなどの実を素材に作品を制作し、種を包む種皮の強靭さや美しさを表現していた。自然が生み出したカタチや表情にインスピレーションを感じ、それを独自の視点で造形して観る者を包み込んでいる。
「フェイクドキュメンタリー」はジャーナリズムの世界では忌み嫌われるが、アート作品であるならば楽しめる。映画監督でもある小鷹拓郎氏の作品『ダイダラボッチを追いかけて』=写真・下、作品チラシより=は、ドキュメンタリーとフィクションを往来するアートフィルム。大町市の仁科三湖(青木湖、中綱湖、木崎湖)に伝わる民話「巨人ダイダラボッチ」をテーマにした28分の映像。終盤では、市街地の真ん中に建設予定の松糸道路(松本市から糸魚川まで)をダイダラボッチに見立てた反対運動「ダイダラボッチやめろデモ」をこの映像に取り込んでいる。まさに現実と虚構が織りなす新たな民話に仕上がっている。