★メディアのツボ-32-
12月14日付の新聞各紙に、「金沢の司法改革タウンミーティングでも『やらせ』」の見出しが躍った。一連の政府主催のタウンミーティングは01年6月からことし9月まで174回開かれ、うち金沢など15会場で国から特定の発言内容の依頼を受けた52人が発言したというもの。これが「やらせ発言」あるいは「世論誘導」に当たると物議をかもしたのである。
広聴からイベントへの変質
政府が発表した「タウンミーティング調査委員会最終報告」(今月13日)をもとに金沢でのタウンミーティングの「やらせ」を検証すると、法務省から金沢地検と金沢地方法務局に質問者探しの指示があった。実際、去年6月25日のタウンミーティングでは地検や法務局の職員の友人・親戚3人が発言した。
それぞれが「(裁判員制度になった場合)アメリカのマイケル・ジャクソン訴訟のように、テレビ報道が加熱すると裁判員が公平に判断できるかどうか心配」、「司法を身近にするため、社会的に関心が高い裁判を国会のようにテレビ中継すべきではないか」「司法過疎とはどういう意味か、石川県にも司法過疎地域があるのか」と質問した。
質問の内容的にバリエーションがあって面白い。しかし、広辞苑によれば、「やらせ」は事前に打ち合わせて自然な振舞いらしく行わせることなのだから、まさに「やらせ」である。
そして、最終報告書を丹念に読んでいくと、なぜ15回の「やらせ」のうち6回が法務省がらみなのか理解できる思いがした。04年12月18日(東京)、05年1月15日(香川)、05年4月17日(宇都宮)、05年6月25日(金沢)、05年10月23日(那覇)、06年3月25日(宮崎)の6回のうち、宮崎を除く5回で一致点があった。そのすべてに当時の法務大臣、南野(のおの)知恵子氏(参議員)が出席しているのである。
南野氏と言えば、04年8月の第2次小泉改造内閣で法務大臣に就任して以来、「なにぶん専門家ではないもので」と述べて失言が取りざたされていた。出身母体は日本看護協会、もともと看護師である。畑違いだった。
ここからは推測の域を出ない。金沢のタウンミーティングでも、南野大臣が「仕込み」の質問に答えた。その際、回答案が用意されていたという。つまり、法務省の事務方は、南野氏が大臣に就任して以来、「専門家ではない」自信のなさからくる失言に神経をつかってきた。国会の場ならあらかじめ質問が分かるので用意できるが、タウンミーティングとなるとどんな質問が飛び出すか分からない。そこで、「やらせ発言」を苦肉の策として考えた、と想像する。
法務省の事務方は「森山真弓さんが大臣だったころはこんな苦労はせずに済んだのに」とボヤいているに違いない。確かに森山法務大臣(01年ー03年)在任期間中のタウンミーティングでは「やらせ発言」はなかったのである。
事務方の苦労は理解できないわけでもないが、タウンミーティングは小泉前総理が所信表明演説(01年5月)で「国民が政策形成に参加する機運を盛り上げいきたい」と述べて、国民の声を聴く集いがスタートした。つまり趣旨は「広聴」なのだ。それが、174回も重ねられ、いつのまにか変質し、質問にうまく答えたかというトークショーのようになってしまった。つまりイベント化したのである。
その変質の一端を担ったのは、タウンミーティングを政府から高額で請け負った電通と朝日広告社であることはいうまでもない。もともとイベントになりかねない素地があったと言える。
※写真はバチカン宮殿「アテネの学堂」(ラファエロ作)
⇒16日(土)夜・金沢の天気 くもり
東大のイチョウは校章にもなっているだけあって、キャンパス全体を黄色く染めるくらい本数は多い。そのイチョウと赤門がコントラスを描いて、これも見ごたえのある風景だ。青森から訪れたという女子高生が記念撮影に夢中だった=写真=。
たとえば、キノコは合理的な施設栽培が主流となって、店頭では四季を問わず様々なキノコが並んでいる。しかし、それらのキノコからは味や香り、品質そして季節感が感じられない。味より合理性を重視した供給体制が多すぎる。
大手紙の全国調査は選挙人名簿から3000人を地域的や性別・年代などの偏りがないように無作為で選び、「有権者全体の縮図」をつくる。全国の有権者は1億330万人(05年)なので、1人がおよそ3万人余りの代表となるわけだ。ちなみに私が住む石川県の場合だと28人が調査対象数だ。
東京生まれの岩城さんは読売ジャイアンツのファンだった。親友だった故・武満徹さんが阪神ファンで、岩城さんがある新聞のコラムで「テレビの画面と一緒に六甲おろしを大声で歌っていた」「あのくだらない応援歌を」と懐かしみを込めて書いていた。また、岩城さんはクラシックを野球でたとえ、04年と05年の大晦日、ベートーベンの1番から9番の交響曲を一人で指揮したときも、作曲家の三枝成彰さんとのステージトークで「ベートーベンのシンフォニーは9打数9安打、うち5番、7番、9番は場外ホームランだね」と述べていた。面白いたとえである。
記事によると、記者はゴルフ場に生息してたオオタカの取材をきっかけにゴルフ経営者と知り合った。そして、02年8月に記者が異動する際、餞別として封筒を受け取り、04年9月に大阪本社に戻った時にも、出産祝いとして封筒を渡された。記者は「いつか返そう」と思い、封筒の封を切らずにカンバに入れていた。ところが、今月15日に一部の情報誌が「ゴルフ場経営者が大手紙記者に現金百万円」とする記事を掲載したことから、記者が上司に報告した。そして、未開封だった封筒を弁護士立ち合いで開けて、異動祝いが10万円、出産祝いが5万円だったことが分かったという。
月尾氏は文明批評家でもある。金沢での講演では、経済優先主義で没落したカルタゴ、造船の技術革新に出遅れたベネチアなどの事例を挙げ、「現代の日本は歴史に学ぶべき」と。
04年と05年の大晦日、岩城さんが東京でベートーベンの交響曲1番から9番までを指揮するというので放送メディアの一員として付き合いをさせていただき、東京で年越しをした。で、何をしていたのかというと、大晦日の午後3時半から年越しの深夜1時を回る9時間40分ほどを、04年はCS放送「スカイ・A」で生放送、そして05年はスカイ・Aでの生放送と同時にインターネットでライブ配信した。
煩雑さが予想されたネット配信の著作権処理は岩城さんの意向でクリアされたものの、次なる問題は9時間40分にも及ぶライブ配信。ましてや12月31日の大晦日はただでさえインターネットの回線容量が確保できないという状態にあり、安定したネット環境で配信ができるのかという懸念があった。そこで、動画サーバと映像のオーサリングを日本テレコムの東京の拠点に置くことで解決をはかった。日本で一番の大容量の回線が担保された場所にサーバを設置したのである。
韓国・中央日報の11月17日付のインターネット版だ。景気がよい中国の外資系製薬会社の一行が大挙して韓国・済州島を訪れたという記事。以下は抜粋。
音声というのはお目にかかったことがない。これは日本独特なのかと思ったりもする。おそらく制作する立場では、「とにかく後に問題が残らないようにインタビューにモザイクをかけろ、音声に変換をかけとけ」とディレクターが編集マンやカメラマンに指示しているはず。