☆時代の先端に立て
元旦に届いた年賀状。パソコンで加工できるようになり、さまざまに工夫が凝らされカラフルに、そしてメッセージ性にあふれたものが多くなったように感じる。動物写真家F氏からもらったものは、寝そべったニホンカモシカがじっとこちらを睨んでいる凄みのある画像が印刷されていた。国際ジャーナリストのK氏からは中国・四川大地震の取材で最も震源地に近い映秀の被災現場をバックに撮影した自身の姿がプリントしたものをもらった。そして、「今年も《この国の行方》と共に、中国、朝鮮半島の《現場》を取材したいと思っています」と抱負が記されてあっ
た。それぞれが体を張って現場に、あるいは最先端に立っているのだ。
さまざまなジャンルの職業の方々から年賀状が届いた。が、グチがこぼれていた業界もあった。新年のあいさつなので、新年早々から「グチはこぼさない」のが通り相場なのだが、どうやらテレビ業界は「グチをこぼさないとやっていられない」といった感じだ。旧知のあるローカル局の幹部からは「閉塞感漂うTV業界です。ローカルの役割が見直されて欲しい時代です」と、また、別の局の若手からは「厳冬のTV業界で寒さがひとしおです」とそれぞれ添え書きがしてあった。また、これはグチではないが、他の局の若手からは「テレビの世界も激動の時代に入りました。地方局として存在感を持ちたいと思います」と覚悟のほどが伺えた。ため息が漏れるのも、過日の「株価に見るテレビ業界」で述べたように、キー局、準キー局ですら中間決算が赤字となっていて、ローカル局も相当厳しい数字になっているからだろう。
気持ちは理解できる。むしろ、閉塞感、厳冬、激動の時代だからこそテレビ業界は時代の先端に立ってほしいと思うのである。たとえば環境問題。テレビ局は「装置産業」といわれるほど編集、CM送出、送信などのために巨大な装置(システム)を構築し、電気を使っている。環境のためにカーボン・ニュートラルの発想で、二酸化炭素(カーボン)を相殺(ニュートラル)するための植林活動を率先して行ったらどうだろうか。テレビ局は環境問題に対し「啓発番組」をつくればそれで事足りるという傾向がある。テレビ局の社会的責任(CSR)というのはそれだけに留まらない。番組を放送すると同時に率先垂範しなければ、視聴者は「本気」とみなさないのである。つまり、信用を得ることにはならない。
デジタル化にしても、放送画面はハイビジョンでクリアにはなったが、ワンセグ放送やデータ放送による視聴者との双方向性はどうなったのだろうか。コンテンツに革新性がなく、視聴者からはすでに飽きられているのではないか。もし、こんなことのために2011年7月24日にデジタル波へ完全移行するとなると、視聴者から「割に合わない」と大ブーイングが起きそうな気がする。デジタル放送が実感できるような放送イノベーションを起こしてほしいと願う。
もう一つ。地域の放送局は地域のためのメディアであることを前提に国から放送免許をもらっている。ところが、地域に根ざした自社制作番組はどうだろうか。すべての局とはいわないが、各局とも自社制作番組の本数、あるいは自社制作比率が減っているのではないだろうか。そして、この経営状態が厳しい中では、「番組をもっとつくろう」という制作サイドの意欲さえ削がれているのではないか。最先端のメディアであるテレビ局が時代の先端に立たず、「内こもり」になることを危惧する。
試しに、コストをかけずに番組をつくり、環境保護活動に全社員が参加する。そんなキャンペーンを張ってみたらどうだろうか。まず一点突破で実践してみる。そこから拓かれる知恵もある。
※【写真説明】トキ、ニホンカモシカ、タヌキと今年の年賀状にネイチャー志向が見える。
⇒2日(金)午後・金沢の天気 くもり
31日の夕方、いつも利用する金沢市内のガソリンスタンドに向かった。電飾看板の「レギュラー99円」の文字が目に飛び込んできた。先の夏ごろまでは1リットル180円もした。幾分安くなったとはいえ、これまで5000円札を入れて、30数リットルしか入らなかった。それが徐々に下げて、先日は1リットル105円で入れた。それがあっさり100円を割ったのである。「現金会員」という条件つきでの「レギュラー99円」ではあるものの、円高を実感した。家計が助かる。
「金沢大学の地域連携」の一年を振り返る。大きく三つある。一つは、能登半島に大きく展開したということ。二つには、生物多様性条約第9回締約国会議(CBD-COP9、ボン)に参加し、石川県と国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニットなどと連携して、COP10関連会議の誘致に向けて足がかりをつくったこと。三つ目として、里海とトキの研究事業に新たに着手できたということだ。
「恐慌」の文字を使わないようにしている。が、数字は強烈に物語っているではないか。
食を豊かにするのは味付けや食材の多さだけではない。「もてなし」という情感のこもった気づかいや応対が伴ってこそ、膳に並ぶ食も輝きを増す。もてなしは英語でホスピタリティといい、最近では学問として研究されてもいる。ところで、このもてなしの原点ともいえる農耕儀礼が能登半島に伝承されており、先ごろ、文化庁はユネスコ(国連教育科学文化機関)が無形文化遺産保護条約に基づき作成するリスト(09年9月)の登録候補の一つとして申請した。「あえのこと」である。「あえ」は饗応(ご馳走をしてもてなすこと)を意味する。
金沢大学地域連携推進センターが主催する「金沢大学タウン・ミーティング in 内灘」が12月20日、内灘町役場で開催された。金沢大学はタウン・ミーティングを平成14年度からこれまで石川県内7地区(輪島市、加賀市、鶴来町、珠洲市、能登町、羽咋市、穴水町)で開催しており、今回で8回目.。地域からの話題提供の中で、内灘町のボランティア団体「クリーンビーチ内灘作戦」代表の野村輝久さんが「内灘砂丘を蘇らせる」と題して、角間の里山から切り出したモウソウチクを利用した砂丘の復元運動を紹介した。
石の胸像が配置されている。カトリック教会から異端者として審問にかけられ、自説を取り消さなかったため、軟禁され8年後にこの世を去った(1642年)。裁判の後、ガリレオはつぶやいたという。「それでも地球は動く」
ッションが、「番組の構造改革」ともいえる大胆な編成に背中を押した、ともいえる。
んでいる。もう一つの活動の目玉が「食文化プロジェクト」だ。
心安全な食材である。
んでしまった。