★建築家・谷口吉生氏が具現化した禅の研究家・鈴木大拙の言葉「スーッとやるんだ」
きょうは二十四節季の「冬至」。ことしも残り10日となった。年末に駆け込むようにニュースが入ってきた。アメリカのニューヨーク近代美術館(MoMA)の増改築や国立博物館法隆寺宝物館などを手掛け、世界的な建築家として知られる谷口吉生氏が亡くなった。87歳だった。金沢にゆかりある人物で、同じく著名な建築家だった父親の谷口吉郎氏(1979年死去)が金沢出身だったことが縁で、金沢の鈴木大拙館や市立玉川図書館などの建築に携わった。また、金沢市寺町の吉郎氏の生家の跡地に整備された市営の谷口吉郎・吉生記念金沢建築館の設計も手掛けている。
なかでも鈴木大拙館は兼六園や金沢21世紀美術館の近くということもあり、インバウンド観光の人気スポットとなっている。自身も何度か訪れたことがある。「D.t. Suzuki」として世界で知られる鈴木大拙は金沢が生んだ禅(ZEN)の研究の哲学者でもある。大拙の考えや足跡をひろく国内外の人々に伝えることを目的に、金沢市が2011年に開設した。大拙館を設計した谷口吉生氏は金沢を象徴する景観でもある石垣や水景などを組み合わせた空間を創造し、来場者に禅の哲学を体感してもらコンセプトを創り上げている。印象に残るのは、「水鏡(みずかがみ)の庭」と「思索の空間」の造りと風景だ。
館内に入ると「内部回廊」と呼ばれるうす暗く静かな廊下があり、展示室へと伸びている。そして、小さな展示室を抜けると、鈴木大拙館の「水鏡の庭」「外部回廊」「思索空間」のエリアの広がる=写真・上=。水鏡の庭は、コンクリートのプールに水をはったもの。プールには白を基調とした「思索の空間」の建物が映え、風になびく水面に心が打たれる。少しの風でも水面がなびくように設計されているのだろう。
そして、「思索の空間」の建物には能登でよく見かける白壁の土蔵をイメージする。中をのぞくと、外の風景とまったく別世界の空間が広がる。薄暗い正方形の部屋に木製のベンチが置かれ、畳が敷いてある=写真・下=。どうぞ座禅を試みてくださいと言わんばかりのしつらえなのだ。
鈴木大拙がよく使った言葉の一つに、「スーッとやるんだ」という短い言葉がある。この場に立つと、その意味がなんとなくわかる気がする。とくに哲学的な意味はないのだろう。風が抜けるようなすがすがしさを感じる心地よい言葉だ。それを谷口吉生氏が建物として具現化したのだろうか、と察した。
⇒21日(土)夜・金沢の天気 あめ
よる犠牲者も合せて追悼する。地震による犠牲者は今月19日時点で、直接死が228人、災害関連死(県関係者)が270人となる。豪雨による死者は16人となる。514人の死を弔う。
両陛下は9月の豪雨について、輪島市と珠洲市、能登町の3人の首長から説明を受けた。被災者がこれまで見たこともないような大粒の雨だったこと、震災と豪雨の二重被災に心が折れそうになっている人も多いこと、そうした中でも生活の立て直しに懸命に取り組んでいる人たちもいるとの内容だった。首長の説明に対し、両陛下は「建物を解体する作業員や屋根瓦の職人、あるいはボランティアの確保は難しくないでしょうか」と案じ、災害関連死が多いことについては「災害関連死された方はどのような状況でお亡くなりになったんでしょうか」と尋ねるなど、個々の状況について心配されていたという。
両陛下は豪雨で30世帯51人が避難生活を送る輪島中学校を訪れ、イスに座る被災者と対面し、中腰になって「お体に気を付けて」と声をかけられた。また、両陛下は県警や消防署、自衛隊関係者とも対面し被災者の救助と支援の労をねぎらった。豪雨被害は輪島市と隣接する珠洲市と能登町でもあり、泉谷珠洲市長と大森能登町長がそれぞれの被災状況を説明した。
クがズタズタに寸断されていた。年末も近くになりようやく全線で通行が可能になるので、地元の人たちにとってはほっと一息つくような話ではないだろうか。
衆の拍手にまったく気づかず、背を向けていた。見かねたかアルト歌手がベートーベンの手を取って、聴衆の方に向かわせて初めて熱狂的な反応に気が付いたという話だ。そんなリーフレットの説明も目を通していると、演奏が始まった。(※写真は、第九交響曲コンサートのチラシ)
サイトでは「今年の漢字」トップ20が掲載されている。1位は1万2148票で「金」だが、2位は9772票で「災」、そして4位に7487票で「震」が入っている。この「災」と「震」は元日の能登半島地震、そして9月に能登を襲った記録的な大雨による災害を象徴しているのだろうと解釈した。能登半島地震では金沢も震度5強の揺れがあり、金沢城や兼六園の石垣が崩れ、全国ニュースにもなった。ひょっとして1位の「金」には金沢という思いも込められた票が入っているのではとも憶測した。
いった声だ。「日頃は魚を食べないのか」と質問を振ると、「たまに回転ずしに行って食べるくらい」とのこと。日頃の家庭料理は野菜と肉が中心で魚はめったに出ないようだ。
また、来賓あいさつで同町の宮下為幸町長は「どぶろく特区に登録されている市や町が集まって開催する『どぶろく全国大会』を来年度に誘致することがになり、日程は2026年1月16日に決まった」と明らかにした。この大会では全国から80銘柄のどぶろくが集まり飲み比べができることから、どぶろくファンが全国から集まるそうだ。じつは全国大会は2025年1月の開催が決まっていた。ところが、ことし元日に震度7の能登半島地震が発生したことから、いったん中止となった。そこで、改めて2026年1月での開催が決まったといういきさつがある。
降雪時は現場が見えにくくなり、事故が起きやすい。また、積雪のため現場の作業員が思いがけずに滑って転んでけがをするということもある。とくに屋根に上がっての作業となると危険度が増す。それでなくても、公費解体など復旧工事の現場では労災事故が多発している。地元メディア各社の報道によると、奥能登2市2町(輪島市、珠洲市、穴水町、能登町)を所管する穴水労働基準監督署は今月6日、「重篤労働災害多発警報」を発令、石川労働局も関係団体に安全対策の徹底を求める緊急要請を出したと発表した。(※写真は、輪島市中心部での公費解体現場=11月15日撮影)