☆「7選も最低投票率」「4選も67票差」どう読むか
石川県知事選、そして輪島市長選がきのう11日、投開票が行われ、知事選は現職の谷本正憲氏が7回目の当選、輪島市長選は現職の梶文秋氏が4選を果たした。選挙はなんと言っても数字がすべてを物語る。結論から言う、知事選の投票率は過去最低の39.07%、輪島市長選は67票差の勝利だった。これを数字的にどう読むか。
全国最多となる7選を果たした谷本氏の当選確実は投票が締め切られた午後8時00分、ほぼ同時にテレビ各社が選挙速報が打った。「石川県知事選 谷本正憲氏の当選確実」と。テレビ各社は投票段階で出口調査(投票所の出口で、投票を済ませた有権者に誰に入れたか記入してもらう)のデータを得て、2位の候補者と10ポイント以上の開きがあることを「基準」に速報テロップを流す。今回の知事選では、現職の対抗馬は無所属の新人で、共産党が推薦する候補者だった。開票結果を見ても、現職谷本氏は28万8531票、対抗馬の候補者は7万2414票、圧勝だった。
ただ、投票率は過去最低の39.07%だった。とくに、金沢市の投票率は30.68%、隣接の野々市市は30.36%と両市がダントツに低い。金沢市の場合は県議補選もあり、投票の「相乗効果」が期待されたにもかかわらずである。天気も時折晴れ間ものぞき、選挙には決してマイナスではなかった。では、なぜ過去最低の投票率となったのか。現職の多選批判もあったかもしれないが、そんな単純な話でもない。なにしろ、過去最低の投票率でも現職は前回(2014年)より得票数を3300票伸ばしているのだ。
市町別の投票率を比べてみると、全体に前回より4ポイントほど投票率を落としている市町が目立つが、7ポイント下がったのは金沢市、野々市市、かほく市、津幡町、内灘町だ。この5つの地域には共通項がある。それは、大学や短大、高専が立地している地域だということだ。選挙権を20歳から18歳に引き下げたのが2016年。それ以降、今回は初めての知事選。有権者数も前回に比べ1万7千人増えて95万人になっている。
以下は憶測だ。投票率を下げた原因は、18歳、19歳の棄権率が高かったからではないか。とくに、県外からの学生たちにとっては現職の名前すらも知らないとう学生が多いのではないだろか。学生層にとって知事選は皮膚感覚として離れているかもしれない。自分がその身だったら果たして投票に行っただろうか。きのう午後、投票場に出かけたが、確かに若者らしき姿を見かけなかった。県選挙管理委員会による今回知事選の年代別投票率のデータ公開が待たれる。
輪島市長選もデータとして興味深かった。市長選の投票率は69.92%だった。同市の知事選の投票率も70.16%と市長選と知事選の相乗効果が表れている。4選を果たした梶氏は元市役所職員、対抗馬も元市役所職員。同市に住む知人から聞いた市長選の下馬評は梶氏の圧勝だった。「なにしろ市会議員17人のうち12人が現職を担ぎ、対抗馬を支持しているのは1人だよ」と。そう聞かされていたので、テレビの速報テロップも知事選に次いで流れるだろうと予想していた。が、なかなか出ない。それもそのはず、現職8389票、対抗馬の候補者は8322票でわずか67票差。テレビ各社が梶氏当選の速報を打ったのは午後11時40分。わずかな票差のため、テレビ各社は票が確定するまで速報は打てなかったようだ。
大接戦となった理由は何だったのだろうか。産業廃棄物処分場問題がくすぶっているのかもしれないと考えた。昨年2月19日に同市門前町大釜地区で計画されている産業廃棄物処分場の建設の是非をめぐり、住民投票が行われたが、投票率は42.02%で規定の50%を下回り投票は不成立となった。住民投票をめぐって、建設推進の市議らが「棄権」を呼びかけた経緯があり、当時「投票の自由を妨げる」と一部住民側から問題視する声が出ていた。梶氏はこの不成立の結果を受け、その後粛々と処分場の受け入れを進めている。
そうした経緯での今回の市長選だった。対抗馬の候補者は「業廃棄物処分場は負の遺産だ」と訴えていた。薄氷の勝利であろうと選挙の勝ち負けははっきりしている。が、産業廃棄物処分場問題の根深さが噴き出した。そんな開票結果ではなかったか。
⇒12日(月)午後・金沢の天気 はれ
その脳裏にあったのは前年(2010年8月)、「能登里山マイスター」養成プログラムの講義に能登に来ていただいた畠山重篤氏(気仙沼市)のことだった。講義のテーマは、「森は海の恋人運動」だった。畠山氏らカキの養殖業者は気仙沼湾に注ぐ大川の上流で植林活動を1989年から20年余り続け、約5万本の広葉樹(40種類)を植えた。この川ではウナギの数が増え、ウナギが産卵する海になり、「豊饒な海が戻ってきた」と畠山氏はうれしそうに話していた。畠山氏らが心血を注いで再生に取り組んだ気仙沼の湾が「火の海」になった。心が痛む。畠山氏らの無事を願っていた。
「凍結」は核開発の凍結、「合意」とは非核化の正式な合意、「最大限の圧力」とは国連の経済制裁による最大限の圧力のことだろう。このツイッターを素直に読めば、トランプ大統領は「オレは戦わずして勝った!」と誇示しているように思える。
最近のテレビ映像で自身が既視感を感じたのは、平昌冬季オリンピックでの、例の北朝鮮の美女軍団の応援風景だった。2005年9月に韓国・仁川で開かれた陸上アジア選手権での応援を初めてテレビで見た。体を左右にリズムよく動かす一糸乱れぬ動作、統制された笑顔、このシーンは当時世界中で話題になった。これが「北朝鮮らしい応援」との印象が残っていた。今回の平昌での応援もまったく同じ、既視感が漂った。ただ、美女軍団が一斉に着けた、謎の男子の面のシーンは新味があった。
「そうですね。私は金沢大学で地域連携コーディネーターという役割を担って12年目になります。この石川という地域を一つの価値ある研究フィールド、あるいは教育フィールドとしてとらえ、地域を活用して大学の研究力、教育力を伸ばしていく、そして、それを地域にお返ししていくことで地域の解題解決をはかる、あるいは新たな産業を興す技術を提供する。そのようなことが大学の使命、ミッションだと考えています」と。
同じことを大前氏も感じていたのだと思いながら興味深く本文を読んだ。大前氏の結論を先に述べると、「文在寅大統領が目指すのは、韓国が核保有国になるための半島統一」と述べている。確かに、韓国も北朝鮮もは様々な場面で「南北統一」ということに触れている。両者の共通狙いについて、大前氏は「北朝鮮と統一した結果、韓国が核保有国になれるからです。韓国が核保有国になることは、米国が強く反対するため、普通には実現することができません。ところが、核を保有したままの北朝鮮と統一すると、まるで裏口入学のような形で韓国は核保有国の仲間入りを果たせるのです」と述べている。
外は「豪雪、のち暴風」なのだが、静かなのが今月11日に投開票の石川県知事選挙だ。先月22日告示され、共産党推薦で元石川県労連議長の女性新人候補(65)と、社民党のほか自民、公明、民進各党の県組織から推薦を受け7選を目指す現職(72)の一騎打ちの構図。ただ、自宅周辺には選挙カーが回って来ていないのか選挙ムードが盛り上がっていない。
午前9時46分、JR金沢駅から北陸新幹線「かがやき」に乗った。目指すは東京・品川にある日本マイクロソフト社。午後2時からの勉強会「AIと放送メディアの活用を考える」(主催・月刊ニューメディア)に参加するためだった。金沢大学での講義「マスメディアと現代を読み解く」「ジャーナリズム論」の科目を受け持っていて、AIとメディアのつながりの可能性について関心があり、参加を申し込んでいた。
午後7時58分、金沢駅に着いた。「あと7分しかない」と年甲斐もなく駅構内を走った。金沢駅前の県立音楽堂で開催されているマルク・ミンコフスキ氏指揮のクラシックコンサートを聴くためだ。ミンコフスキ氏は現在フランス国立ボルドー歌劇場の音楽監督だが、こし9月からオーケストラ・アサンブル金沢(OEK)の芸術監督に就くことなっている。指揮する姿をぜひ一度見たいとS席を購入していた。ただ、東京で勉強会もあるので、3曲目のメンデルスゾーン交響曲第4番「イタリア」が始まる午後8時15分までに音楽堂に入る予定だった。
同プログラムがスタートしたのは2007年、「能登里山マイスター養成プログラム」(科学技術振興機構「地域再生人材創出拠点の形成」補助事業)として5年間、2012年からはその後継事業として「能登里山里海マイスター育成プログラム」(大学と自治体の共同出資)を実施し、現在に至っている。今年11年目、これまで144人のマイスターを輩出。ここに来て、栄誉ある賞をいただいた。全国の大学や産業支援機関でつくる「全国イノベーション推進機構ネットワーク」による表彰事業「イノベーションネットアワード2018」で最高賞の文部科学大臣賞を受賞した。先日23日に東京で表彰式があった=写真=。
「保存が効くマデイラワインは大航海時代に重宝され、旅するワインとも言われたようです」とマスターは歴史の話を持ち出した。15世紀ごろからポルトガル、スペイン、イギリスなどからアフリカ、アジア、そしてアメリカ大陸への航海が始まる。保存性が良い酒精強化ワインは大航海の必需品となった。マデイラワインをもっとも有名にしたのは1776年、後に大統領となるトーマス・ジェファーソンが起草したアメリカ独立宣言が大陸会議で承認され、祝った酒がマデイラワインだったとの伝説だ。