☆トランプの赤ネクタイ-上-
アメリカのトランプ大統領はやはり赤いネクタイだった。ズボンのチャック辺りまで長く垂らす、見慣れたスタイルだ。この赤いネクタイは「勝負ネクタイ」というより、平常心を保つための「落ち着きネクタ
イ」ではないのか。きょう12日午前、シンガポールで北朝鮮の金正恩党委員長の2人だけの会談に入る前のトランプ氏の姿を視聴した印象だ。
その2人の会見の様子で気になった言葉は、金氏の「ここまでくるのは容易ではなかった。我々の足をひっぱる過去があり、誤った偏見と慣行が我々の目と耳をふさぐこともあったが、我々はそのすべてを乗り越えてここまで来た」と述べて笑みを見せたことだ。この「我々」とは金氏とトランプ氏の2人のことなのか、あるいは北朝鮮の国を指すのか。「我々」の解釈によって意味が全く違う。北朝鮮の国を指す場合は、相手(アメリカ)を罵っているように聞こえる。このフレーズ全体を聞けばやはり金氏の「我々」は北朝鮮の国を指す。ところが、トランプ氏は「その通りだ」と応じ、再度握手した。通訳を介しての対話なので、トランプ氏には「We」と伝えられ、金氏とトランプ氏の2人のことと解釈したに違いない。
「朝鮮戦争の終戦宣言」と「核あり統一」の複雑化
2人だけの会談の内容については午後にトランプ大統領が記者会見するようだが、最近の米朝首脳会談の論調で気になることがある。それは「完全な非核化」と併せて「朝鮮戦争の終戦宣言」をトランプ氏サイドから打ち上がっていることだ。
首脳会談で「完全な非核化」がこじれ、とりあえずの成果として「朝鮮戦争の終戦宣言」が優先した場合、この歴史的な対話は少々おかしな方向うのではないかと考え込んでしまう。というのも、終戦宣言となれば、次は南北の統一だろう。当面は一国二制度かもしれない。とすると、核を保有したままで半島統一となる可能性も出てくる。実際、日本と違って韓国では核兵器の保有論は一定の支持を得ている。韓国ギャラップの調査(2017年9月5-7日、1004人対象)では韓国の核保有に賛成する意見は60%で、反対は35%なのだ(2017年9月9日付・産経ニュース電子版)。
韓国の文在寅大統領は、これまでの外交成果を軸に北朝鮮と交渉を続けるだろう。北朝鮮の非核化を前提としての交渉ではなく、「一国二制度」のような構想を互いに模索するのかもしれない。そうすれば、韓国にとって在韓米軍や米韓軍事演習も不要となる。さらに核保有国として、近隣諸国に睨みを効かせることができる。「いつの間にか韓国は核保有国」のシナリオで描いているのではないだろうか。それを国民も反対しないとなれば、なおさらである。
「核なき統一」は日本もアメリカも国際社会も望むところだ。それが「核ありの統一」ということが鮮明になった場合、日本の外交スタンスもガラリと変わる。油断ならない。(※写真は米朝首脳会談の様子を伝えるTBSWeb版)
⇒12日(火)午前・金沢の天気 あめ





係者全員を不起訴とした。きょう1日付の朝刊を読むと、各紙の論調は「まだ幕引きは許されぬ」(朝日新聞)といった感じで、私自身も何だか釈然としない=写真=。しかし、どこかでケジメをつけないといつまでも「モリカケ問題」が国会の論戦になっているのはいかがなものか、とも。
これはあくまでも「スポーツの世界」であり、審判員が試合を適切に判断できないのであればスポーツは成り立たなくなる。監督が「つぶせ」と指示したとしても、審判員がそれを見逃さずに早々と退場にしていれば、よかったのではないか。それがスポーツの世界だろう。単なる見逃しだったのか、その判断を聞きたい。審判員としての釈明がなければ、逆に日大と審判員の関係性を勘ぐってしまう。
トランプ流交渉の「脅しのタックル」だ。すると金正恩氏は実にスピード感のある対応に出た。その日(26日)に韓国の文在寅大統領と板門店で会談。前回の首脳会談は4月27日だったので、1ヵ月足らずでの再会談は異例だろう。このニュースを視聴した人は誰しも「トランプの揺さぶりに金正恩はうろたえた」との印象を持ったことだろう。特に今回は板門店の北朝鮮側の施設での会談なので、金正恩氏からの一方的な要請によるものだったと推測できる。
和の演出」のにおいが感じられるようになり、最近では米朝首脳会談の「中止」「延期」のメッセージが発せられ同株価は上向きに転じた。日本の防衛関連株は朝鮮半島をめぐる国際政治や外交のホットな動きと連動していて、目を逸らせない。