☆見えそうで見えないカーテンの向こう

☆見えそうで見えないカーテンの向こう

   かつてよく使われた「鉄のカーテン」は、イギリスのチャーチル首相が大戦後に発した、東西冷戦の時代の到来を予言する言葉だった。その後、東欧側の排他性や閉鎖性、秘密主義を西欧側が非難する言葉として使われた。1990年の東西ドイツ統合でいわゆる「ベルリンの壁」が崩壊し、「鉄のカーテン」という言葉も国際政治の舞台では使われなくなった。ただ、今でも閉鎖性を意味して、「心のカーテンを閉めている」などと表現したりする。

   「五輪のカーテン」とでも言ったらよいのか、新型コロナウイルスのパンデミックの下、開催まで1ヵ月を切った東京オリンピックをめぐり、政府は「実施する」とは言うものの、何をどう実施するのか国民はよく見えてこない。報道によると、大会組織委員会の橋本会長は会場内では酒類の販売を見送り、飲酒も禁止すると発表した。会場に観客が酒類を持ち込むことはもともと禁止されていて、さらに、選手を含めた大会関係者に対しても会場内のラウンジで酒類は提供されない(6月23日付・NHKニュースWeb版)。オリンピック会場内は酒類は一切禁止。「五輪は禁酒のカーテンに閉ざされた」とでも言おうか。五輪期間中、大会関係者からはブーイングが起きるのではないだろうか。

   「菊のカーテン」も気になる。秋篠宮家の長女の眞子さまと婚約内定中の小室圭氏が4月8日に、実母と元婚約者男性の金銭トラブルについて記したA4用紙28枚の文書を発表した。「切実に名誉の問題」とする文面だったが、4日後の12日に小室氏の代理人弁護士は報道陣に金銭問題について、小室氏側が解決金を渡す意向があるとの方針転換を明らかにした。国民の関心はさらに高まり、70日余りも経過しているものの、「開かれた皇室」からの反応は何も見えても聞こえてもこない。静かにカーテンは閉まったままだ。

   小室文書では「録音」についての記述が何か所も出てくる。たとえば、2012年9月の実母と婚約者男性の婚約破棄に関わる記載では、13㌻と19㌻の「脚注」に「元婚約者の方の『返してもらうつもりはなかった』というご発言を録音したデータが存在します」「このやりとりについては私自身同席していて聞いています。又、録音しているので、元婚約者の方が『返してもらうつもりはなかった』とおっしゃったことは確認できています」と記している。以下憶測だ。

   小室氏は物的証拠を求める録音マニアではないだろうか。ありていに言えば、「隠し録り」だ。こうした「隠し録り」や「隠し撮り」マニアの人物はデータをかざしながら、「ウソつくな、証拠がある」と相手を追いつめ、最後に「オレは悪くない」と言い逃れをするタイプだ。上記の2012年9月は、眞子さまと小室氏はICUの同級生で親密な交際を重ねておられたころ。おそらく、眞子さまの会話や電話でのやりとりはすべて録音されている。「菊のカーテン」の内側が一番恐れているのはここではないか。

(※写真は2017年9月3日、眞子さまと小室氏の婚約内定の記者会見=宮内庁公式ホームペ-ジより)

⇒24日(木)午後・金沢の天気      はれ

★書架にある立花隆氏の本を眺め、悼む

★書架にある立花隆氏の本を眺め、悼む

   ジャーナリストの立花隆氏が、ことし4月、急性冠症候群のため亡くなっていたことが分かったとメディア各社がけさ報じている。80歳だった。いわゆる「文春砲」、雑誌ジャーナリズムの先駆けをつくった人だ。1972年、テルアビブの空港で日本赤軍の3人が銃を乱射し24人が死亡した事件で、現地の警察に拘束されていた実行犯の岡本公三容疑者への一問一答の記事を「週刊文春」に掲載し、当時社会に衝撃を与えた。

   1974年には月刊「文芸春秋」に「田中角栄研究 その金脈と人脈」を発表。現職総理の政治手法を入念な取材と裏付け調査で明らかにし、退陣のきっかけをつくった。その後、「ロッキード事件」が発覚。田中氏や丸紅、全日空の役員らが受託収賄、贈賄などの罪で起訴される歴史的な疑獄事件となった。ジャーナリストとしての粘り強さ、徹底した調査報道は際立っていた。

   書棚を眺めて立花氏の本を手に取る=写真=。権力者の不正を追及するだけではなく、「科学する心」を持ったジャーナリストだった。宇宙や医療、脳、インターネットといった分野でも数々の著書を残している。科学・技術の最前線に立った人間がその体験を精神世界でどう受容し、その後の人生にどう影響したのか人物像も追っている。

   書棚の本をいくつかを紹介する。インターネットの普及期に読んだ『インターネットはグローバル・ブレイン』(1997)は示唆に富んでいた。著書名の通り、地球を生命体と見立てればインターネットは頭脳であり、プラットフォームやブログサイトなどはその神経細胞の一つというものだ。その細胞を活性化させることは、いかにして質の高い内容をアップロードし続けるかにある。自身はその後、この「インターネットはグローバル・ブレイン」というタイトルを会話や意見交換などで使わせてもらっていた。それが高じて、幻冬舎ルネッサンス新書『実装的ブログ論 日常的価値観を言語化する』(2017)を出版するきっかけにもなった。

   『臨死体験』と『証言・臨死体験』(文藝春秋社)は人間の脳の最期の姿を現すものだった。数々の臨死体験の中で、光の輪に入り、無上の幸福感に包まれるという臨死体験者の証言がある。立花氏は著書の中で「死にかけるのではなく本当に死ぬときも、大部分の人は、臨死体験と同じイメージ体験をしながら死んでいくのではないか」と推定している。この本を読んだのは1997年だった。17年後にこの本のことを思い起こすことになる。

   2014年2月、乳がんを患っていた妻の最期に立ち合うことができた。脈拍、心拍数がどんどん落ちていく。医師から臨終を告げられたのは午後8時50分だった。そのとき、妻の左目から涙がひとしずく流れた。死の生理現象なのかもしれないが、若くして逝った悔し涙だったのかなどと、その涙の意味をそれからずっと考えていた。ふと、以前読んだ『臨死体験』を思い出した。あのときの妻の涙は光の輪の幸福に包まれ流した涙だったに違いない、と。今でもそう思っている。書籍を通じてだが、教示いただいた立花氏に感謝している。そして、氏も臨終の際は光の輪の幸福に包まれていたことを祈る。

⇒23日(水)朝・金沢の天気    はれ

☆バイデン大統領 報道されないある一面

☆バイデン大統領 報道されないある一面

   アメリカ大統領のバイデン氏は78歳。日本でいう後期高齢者ながら、はっきりとした物言いで、先のG7サミット(イギリス・コーンウォール、6月11-13日)でも存在感があった。バイデン氏がイニシアティブを発揮した共同声明では、中国に対して新彊ウイグル自治区での人権尊重、香港の高度の自治を求めたほか、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調した。と、報道はされているものの、別の側面もあったようだ。

   アメリカのオンライン・メディア、「ワシントン・フリー・ビーコン」は「What About His Gaffes? Joe Biden Bumbles His Way Through G7 Summit」(6月14日)との見出しでサミットにおけるバイデン氏の様子を報じている。中でも、「It’s also very embarrassing for America.」(アメリカにとっても非常に恥ずかしいこと)として、バイデン氏の「ボケぶり」を伝えている。

   写真は、バイデン氏が会議場の屋外の座席エリアに迷い込んで混乱しているところ。バイデン氏の妻が彼を連れ出したエピソードを紹介している。また、7ヵ国の首脳とゲスト参加の韓国、オーストラリア、南アフリカの首脳が並んで写真撮影する場で、ホストであるイギリスのジョンソン首相が一人ひとりを紹介した。ジョンソン氏は、南フリカのラマポサ大統領をすでに紹介していたにもかかわらず、バイデン氏はジョンソン氏の話の途中で「南アのラマポサ大統領はどこに」と口を挟んだ。ジョンソン氏が「すでに紹介しましたけど」と告げると、バイデン氏は「そうか。それは失礼した」と。

   この記事を読んで連想したのが、日本の「エーザイ」とアメリカの製薬会社「バイオジェン」が開発したアルツハイマー病の新薬「アデュカヌマブ」について、アメリカのFDA(食品医薬品局)は原因と考えられる脳内の異常なタンパク質「アミロイドβ」を減少させる効果を示したとして治療薬として承認したとのニュースだった。「アデュカヌマブ」は、アミロイドβを取り除く効果が認められ、アルツハイマー病の進行そのものを抑える効果が期待される初めての薬となる。

   この夢の薬、ぜひ点滴投与を受けたいとのニーズは世界で高まっているだろう。ひょっとして、バイデン氏も待ち望んでいる一人かもしれない。

⇒22日(火)夜・金沢の天気     くもり

★夏至の長い一日

★夏至の長い一日

   けさ目覚めて時計を見たら、午前4時40分だった。部屋のカーテンはしているが、外が明るく感じて、その後、なかなか寝付けなかった。そうか、きょうは夏至か。これから盛夏がやってくる。ある意味できょうは熱い一日だった。

   午前と午後は外出したが日中は30度を超える暑さだった。半袖にして正解だった。そして、暑さを感じたニュース。きょうの東京株式市場で日経平均株価は前週末比953円15銭(3・3%)安と急落した。下げ幅は約4ヵ月ぶりの大きさとなった。一時は1168円安だった。18日にアメリカのFRB(連邦準備理事会)の高官が2022年後半への利上げの前倒しを示唆する発言をしたため、世界的に景気回復が鈍化するとの懸念から売りが膨らんだ(6月21日付・日経新聞Web版)。自動車や機械など世界の景気に連動しやすい輸出企業の株が売られた。コロナ禍でのワクチン接種も広まり、景気回復へと向かう矢先で冷や水を浴びせられた。

   暑さが増すとともに、ガソリン価格も増している。金沢市内の自宅近くのカソリンスタンドではレギュラーの価格が1㍑あたり155円だった。前の週より2、3円アップしている。欧米ではワクチン接種が進展して、経済回復への期待が高まりがガソリンが値上がり基調となっていると報じられていた。新型コロナウイルスの感染拡大が広まった昨年4月は不要不急の外出自粛でリモートワークや「巣ごもり」の生活スタイルが広がって、金沢市内で1㍑あたり120円前後だった。その前の3月は130円、2月は1㍑140円だったので、月あたり10円ほど価格が落ちていた。それにしても、コロナ禍でこれほど価格が上下するものだろうか。不思議だ。

   きょうの夕方からは自宅の草むしり(除草)をした。この時季、雑草は勢いを増している。昭和天皇のお言葉に「雑草という草はない。どんな植物でもみな名前があって、それぞれ自分の好きな場所で生を営んでいる」という有名なフレーズがある。植物もまさに活き活きと生を育んでいる。草と向き合い、日没の午後7時半ごろまで作業を続けることができた。夏至の長い一日だった。

⇒21日(月)夜・金沢の天気     はれ

☆テクノロジーで可視化する「8K 文化財」の凄み

☆テクノロジーで可視化する「8K 文化財」の凄み

    能登半島の国指定史跡である縄文真脇遺跡を訪れたとき、学芸員から「発掘は最大の破壊」という言葉を初めて聞いた。考古学では遺跡を掘り出す発掘調査は遺跡を破壊してしまうことになることから、発掘前にレーダー探査を行い、遺跡の場所や状態を把握してから必要最小限の発掘を行っているとの内容だった。「地道な発掘」という考古学調査のイメージがひっくり返った印象だった。10年も前の話だ。

   最新のテクノロジーを使い、見えないものを可視化することで研究を深化させる、そうした発想が医療を始め様々な分野で広がっている。ことし3月から4月にかけて視聴したNHK-BS番組「見たことのない文化財」=写真、NHK公式ホームページより=でも、3Dスキャナーによる形状計測と超高精細画像で、まさに「8K 文化財」という世界を描き出していた。NHKと東京国立博物館がタッグを組んで、貴重な文化財をデジタルツールで解析し映像化することで肉眼では難しいところまで可視化するという新たな美術鑑賞を追求するという試みだ。

   面白かったのは、「遮光器土偶」を500倍に映像拡大し、VRで内部に潜入した映像。なんと、この土偶を作った縄文人の指の跡が見えていた。さらに、京都の400年前のパノラマを描いた「洛中洛外図屏風 舟木本」。そこに描かれている2700人は武士だけでなく、庶民や商人まで。当時の衣類やしぐさ、そして表情までもが450インチのスクリーンに浮かび上がる。さらに、ゲームコントローラーで拡大することで、当時の風俗や商売、人物などがリアルに見えてくる。

           ここまでくると考古学や美術史だけでなく動植物を扱う生態学なども調査手法が一変するのではないだろうか。研究領域におけるDX化は始まっている。

⇒20日(日)夜・金沢の天気    くもり

★エレキと運命をともにした「寺内タケシ」の人生

★エレキと運命をともにした「寺内タケシ」の人生

   昭和40年代のエレキギターブームで人気を集め、「エレキの神様」の愛称で親しまれたギタリストの寺内タケシ氏が、18日夜、横浜市内の病院で肺炎のため亡くなった。82歳だった(6月19日付・NHKニュースWeb版)。自分自身にとってはエレキギターは青春の思い出の一つだけに、いまでも、「寺内」「テラウチ」と見たり聞いただけで、つい「タケシ」と連想してしまう。

   エレキギターの音色が最初に耳に入ってくるようになったは、アメリカのバンド「ザ・ベンチャーズ」の来日(1965年1月)だった。自身はまだ小学生のころだ。ヒット曲「パイプライン」や「急がば廻れ(Walk, Don’t Run)」に刺激を受けたものだ。続いて、イギリスのバンド「ザ・ビートルズ 」の来日(1966年6月)に心がかき立てられた。

   音楽に興味がわいて、中学生になりブラスバンド部に入った。トロンボーンを始めた。ブラスバンド部で同じくエレキギターを趣味でやっていた仲間と知り合い、2年生のときにエレキギターとドラムによる独自のバンドを結成した。バンド名を「Bombs」とした。激しい音を出すので、「爆弾のようなバンドだ」と周囲からなじられ、bomb(爆弾)をバンド名にした。ビートルズのように歌えるボーカルがいなかったので、ベンチャーズのインストゥルメンタル・サウンドが中心だった。

   バンド「寺内タケシとブルージーンズ」にのめり込んだのは、いわゆる「テケテケ」と特徴のあるギターテクニックだった。とくに、ベートーベンの交響曲第5番をエレキギターで演奏する「レッツ・ゴー 運命」は当時エレキギターを志す誰しもが目指した曲でありテクニックだった。自身はサイドギターを担当し、ベンチャーズとブルージーンズの演奏曲を秋の文化祭で披露することにして練習を重ねた。公演も無事成功し、当時は「エレキの若大将」気取りだったかもしれない。

   ただ、そのころ教育界ではエレキギターは「不良の温床」と見なされていたようだ。中学3年とき学校の担任から「高校受験もあるのでことしは止めた方がよい」と指導された。その後、全国の多くの学校でいわゆる「エレキ禁止令」が広まった。寺内氏は、偏見を解いてもらおうと1974年から全国の高校を回る「ハイスクールコンサート」を始めた。ライフワークとして2016年まで続け、訪れた学校は1500ヵ所にもおよんだ。エレキギターと運命をともにした人生だった。

⇒19日(土)夜・金沢の天気      くもり

☆「コロナ禍」と「ケムシ」 ニュース・アラカルト

☆「コロナ禍」と「ケムシ」 ニュース・アラカルト

           新型コロナウイルスの感染拡大はさまざまが言葉を産んでいる。「ロックダウン」(都市封鎖)や「クラスター」(感染集団)、「ソーシャル・ディスタンス」(社会的距離)、「オーバーシュート」(爆発的急増)、「パンデミック」(世界的大流行)といったカタカナ語は常識となった。さらに、「三密」や「濃厚接触」、「飛沫感染」、「無観客開催」などの漢字も。最近でも「職域接種」という言葉が新聞・テレビのマスメディアでも普通に使われるようになった。言葉を産み出す量が半端ではない。それだけ「コロナ禍」という世界のリスクがいかにすさまじいかを物語る。

   東京オリ・パラに伴う感染拡大のリスク評価について、政府の分科会の尾身会長ら専門家の有志が提言をまとめ、大会組織委員会の橋本会長と西村経済再生担当大臣に提出した。提言では「無観客開催が最も感染拡大リスクが少なく望ましい」としたうえで、観客を入れるのであれば、現行の大規模イベントの開催基準より厳しい基準を採用することなどを政府や大会の主催者に求めた(6月18日付・NHKニュースWeb版)。むしろ、新型コロナウイルスのワクチン接種を証明する「ワクチンパスポート」を自治体が発行し、これで会場に入れるようにすればよいだけの話ではないだろうか。

   能登半島で聞いた話。半島の北部にある能登町の山間部では、マイマイガの幼虫(ケムシ)が大量に発生している。電柱や建物の壁、木の幹などに大量の卵塊を生みつけられ、卵塊から続々とケムシがはい出している。この地域ではほぼ10年周期で大量発生していて、一度大量発生すると2、3年は続く。これまで、ケムシを駆除するため農薬散布を行ってきた。が、多量の農薬散布そのものが自然環境に過度の負荷をかけることになると最近では散布そのものを敬遠する傾向にある。ガムテープに貼り付けて取り除く方法もあるが、それだけではなかなか追いつかない。(※写真は公益社団法人「農林水産・食品産業技術振興協会」の公式ホームページより)   

   時事通信の世論調査(今月11-14日実施)によると、菅内閣の支持率は前月比0.9ポイント増の33.1%と横ばい。不支持率は0.4ポイント減の44.2%だった。不支持が支持を上回るのは6カ月連続。菅総理が感染対策の「切り札」とするワクチン接種については、「遅い」が69.4%で、「順調だ」の20.0%を大きく上回った。 政党支持率は自民党が22.8%、公明党3.7%。立憲民主党2.9%、共産党1.7%、日本維新の会1.2%、国民民主党0.5%、社民党とれいわ新選組がともに0.2%で、「支持政党なし」は63.2%だった(6月18日付・時事通信Web版)。

⇒18日(金)夜・能登町の天気     くもり   

★「必要は発明の神さま」で祭り復活

★「必要は発明の神さま」で祭り復活

   「必要は発明の母」と言われる。この場合は「必要は発明の神さま」かもしれない。新型コロナウイルスの感染拡大で、昨年に引き続きことしも各地域の祭礼や神事などの恒例行事の中止が相次いでいる。インターネット調査で、コロナ禍で失われる可能性が⾼い⽇本⽂化として、「祭り」がもっとく高く42.3%、「花⽕⼤会」32.8%、「屋形船」29.0%、「花⾒」24.3%と続く(⼀般社団法⼈マツリズム、有効回答:男女400人、調査:2021年02月27日-3月1日)。祭りについては以前から高齢化や少子化で担い手不足が指摘されていたが、コロナ禍が拍車がかけたとも言える。

   多くの祭りは、神輿を担ぎ、その先導に獅子舞などがいて、それを見学する人々がいる。いわゆる「3密」の状態になることから、祭りが中止となるケースが多い。このような中、伝統の祭りを絶やしてはいけないと、神様を神社から外にお連れする神輿の代わりにミニ台車を手作りした神社の宮司がいる。きょう神社を訪れる機会に恵まれ、その想いを聞いた。

   石川県羽咋(はくい)市にある深江八幡神社。羽咋は祭礼の獅子舞が盛んな土地柄だが、昨年ほとんど中止となった。宮司の宮谷敬哉氏は3密を避けるために神輿を出せないとなれば、一人で押せる台車を作れないかとホームセンターに何度も通い、高さ150㌢ほどのものを完成させた=写真=。みこしに欠かせない鳳凰(ほうおう)は手作りが難しかったので、通販で小型のものを購入し飾り付けた。「神座(みくら)台車」と名付けた。

   昨年7月12日の例祭「祇園祭」では、神のより代である御霊代(みたましろ)を台車に収め、獅子頭だけを乗せた手押しワゴンが先導した。宮谷宮司が神輿の代わりに1人で台車を押して後に続いた。各家を1軒1軒回った。例年ならば神輿と獅子舞でにぎやか祭礼だが、簡素ではあるものの中止することなく続けることができた。

   この地区は500年ほど前に疫病が流行したことから、京都の八坂神社から神を招いて七日七夜祈祷したところ疫病が収まり、それを機に祇園祭が始まったと伝わる。宮谷宮司は「苦労して疫病を鎮めた歴史が地元にあり、『できない』ではなく、『どうしたらできるか』と考えた末にアイデアが浮かんだ」と。

   この神座台車と獅子頭の手押しワゴンが意外な展開を見せる。1965年(昭和40)年前後に神輿の渡御が途絶えていた集落から復活させたいと申し出があった。10月18日に地元の子どもたち6人が中心となって、神座台車と獅子頭の手押しワゴンで町内を歩いて回った。少子高齢化で担い手が少なくなり中止していたが、実に55年ぶりに祭りが復活したのだ。

   宮司は「祭りの復活で地域の様子が活き活きとしていることを一番感じたのは地域の人たちだと思う」と。この秋も神座台車と獅子頭の手押しワゴンの出番となる。

⇒17日(木)夜・金沢の天気     くもり

☆「北斎」の次は「ダヴィンチ」 中国のおちょくり

☆「北斎」の次は「ダヴィンチ」 中国のおちょくり

    中国は名画で風刺する広報戦略をとっている。ネットのニュースでみつけた記事(6月16日付・FNNプライムニュースWeb版)=写真・上=によると、G7首脳会議に中国が反発を強める中、ネット上で拡散されている『最後のG7』と題したイラストを、中国共産党系のメディア「環球時報」英語版が報じた。G7の国々に、オーストラリア、インドを加えた9ヵ国を動物に模し、テーブルには中国の地図が描かれたケーキが置かれている。

   レオナルド・ダ・ヴィンチの壁画「最後の晩餐」を模したものだ。図をよく見ると、日の丸の帽子をかぶった犬が、ヤカンからグラスに緑色の液体を注いでいる。この液体は福島第一原発の処理水を意図しているのだろう。 アメリカの国鳥のハクトウワシを中心に動物たちが囲んでいる。芸が細かいと思うのは、ワシの前ではトイレットペーパーをドル紙幣にプリントするような図柄。金融緩和と称して、価値のないドル紙幣を刷りまくり世界にバラまいているとでも言いたいのだろう。

   風刺画やパロティー画は思わず笑ってしまうものだが、それを中国が発信するのでは笑えない。香港やマカオの近くにある広東省の原発で放射能漏れが起きているという報道(6月15日付・CNNニュースWeb版日本語)もあるので、中国にとって、タイミングが悪いのでは。

   パロディー画と言えば、2ゕ月前にもあった。日本政府が東電福島第一原発で増え続けるトリチウムなど放射性物質を含む処理水を海へ放出する方針を決めた(4月13日)。すると、中国と韓国が反発し、中国外務省の趙立堅副報道局長が同月26日付のツイッターで、葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を模したパロディー画像を投稿して批判した=写真・下=。富士山を原発とみられる建物に、そして、防護服を着た人物が船からバケツで液体を流す様子が描かれている。

   他国を揶揄するような風刺画の投稿がネットで相次ぐ。おそらく、作者は中国御用達のイラストレーターだろう。それにしても見た人を思わずクスリと笑わせるセンスがない。単なる「おちょくり」にしか見えない。

⇒16日(水)夜・金沢の天気      くもり

★「まん延防止」解除の夜

★「まん延防止」解除の夜

   金沢市に適応されていた飲食店での時短や酒類の提供自粛などの「まん延防止等重点措置」がきのう14日に解除された。夜の街の様子を見たかったのと、「家飲み」には少々飽きが来ていたので、さっそく繁華街に出てみた。写真はきのう午後7時45分ごろの金沢の繁華街、片町のスクランブル交差点の様子だ。月曜日なのでもともと人通りは多くない。

   まん延防止の措置は5月16日から今月13日まで適応されていて、期間中に夜の片町のスクランブル交差点を自家用車で通過したことがあるが、これまでのきらびやかなネオン街とは打って変わって、まるで「ゴーストタウン」のようだった。それに比べれば、人影がいくぶん戻ってきたという感じだった。タクシーの運転手は、「人の通りがあるだけましな方ですよ。勝負は今週の金曜の夜ですね」と業界の見方を話してくれた。   

   タクシーを降りて街を歩くと、ガラス越しに見える飲食店も人影がボツボツと見えた。そして、行きつけのワインバーに入る。期間中はメインのワインが出せないので、本格的な中国茶とコーヒーの提供に切り替えて午後8時までの時短営業を続けていた。「普段のサービスに戻れてホッとしています」とオーナーソムリエは顔をほころばせた。カウンターの右隣りにいた客も「仕事がヒマすぎてつらかった。暇(ひま)疲れですよ」と。長かった「まん延防止等重点措置」の解除、カウンター越しにそれぞれに想いを語り合った。

   するとカウンターの右隣りの椅子に女性が腰かけた。地元新聞の記者で、「まん延防止措置」解除の夜を取材しているとのこと。オーナーソムリエはインタビューに「こんなににぎわうもの久々ですね」と無難に答えていた。そして、質問の矛先はこちらにも。きょうはある意味で解除を祝う席のようなもので、拒否するもの無粋と思い、記者に「家飲み」から解放された思いを語った。

   その後、ワインバーを出て大通りでタクシーを拾い自宅に向かった。片町のスクランブル交差点では電光ニュースが流れていた。「G7サミット 中国への圧力鮮明に 台湾海峡の平和と安定の重要性を強調」

   昨夜、記者に話したことがきょうの朝刊の記事になっていた。以下。「客の男性はほろ酔い気味で『家飲みはもう限界。家族もまた飲んでるのとけげんで、テレビのチャンネル争いをするようになってしまう』と目尻を下げた。」(6月15日付・北陸中日新聞)

   新聞の行数にして7行。自身の話しぶりに対する女性記者の印象は「ほろ酔い気分」で「目尻を下げた」ように見えた。つまり、うれしそうに飲んでいるように見えたのだろう。わがことながら思わず笑ってしまった。

⇒15日(火)午前・金沢の天気    はれ