⇒ニュース走査

☆身に降りかかる「断水問題」

☆身に降りかかる「断水問題」

           先月30日付のブログ「☆過疎化と断水問題」で、冬場の凍結で能登地方は断水に見舞われた世帯が1万もあり、空き家で水道管が破裂しても対策が取りようがなく、空き家が多い地域では断水が深刻でこの問題はまさに過疎化問題だ、と述べた。きょう2日、まさに断水問題が我が身に降りかかってきた。

    メールで連絡があった。「お世話になっております。かあさんの学校食堂の泊さんに確認をとったところ、2月6日火曜日のお弁当の準備が出来ないと連絡がありました。(穴水町)甲地区は水道管凍結・漏水による断水の復旧が未だに遅れており、完全普及には2~3日かかる見通しです。また復旧してもすぐに飲料水(食用)に使えないため、今回の件はキャンセルをお願いしたいとのことでした。事情をご賢察のうえ、ご了承いただきますようお願いいたします。」

    今月5日と6日に世界農業遺産「能登の里山里海」をテーマに研究者交流のスタデイツアーを実施することになっている。6日の意見交換会の会場となっている穴水町の施設のスタッフに昼食の弁当の手配を依頼した。スタッフが弁当の配達をお願いした主婦グループ「かあさんの学校食堂」は甲(かぶと)地区の廃校になった小学校校舎を活動拠点にしているが、現在断水が続いていて、一両日中に復旧したとしても、すぐには飲料水としては使えない可能性があり、グループから注文をキャンセルさせてほしいと連絡があったと、メール連絡をくれた。

    メールを受け取り即座に電話をかけた。スタッフは自分たちの生活水(食事、飲料など)を確保することが優先されていて、注文を受ける余裕がない状態と。「ほかに弁当を作ってくれる仕出し屋などありませんか」と尋ねたが、状況はどこも似たり寄ったりとのこと。断水問題の深刻さを改めて思い知らされた。

    さらにツアーを開催する5日と6日は、ウエザーニューズ社HPによると、「上空に非常に強い寒気が流れ込み、日本海側では大雪に警戒が必要。4日(日)~6日(火)にかけてが寒気のピーク」と呼び掛けている。断水が長引く可能性もある。だからと言ってツアーを中止するわけにもいかない。関係者と相談し、「6日はコンビニに立ち寄って、参加者(20人)がそれぞれで昼食を買い求めましょう」となった。少々安易な結論なのだが、コストのことも考えてそのような結論に。何とも恨めしい断水問題ではある。

⇒2日(金)午後・金沢の天気   はれ

☆過疎化と断水問題

☆過疎化と断水問題

    きのう(29日)能登地方のある首長と立ち話をした。「このところの寒さで断水が起きて、給水車で対応に追われているんです」と。寒さで水道管が破裂するということはままあるので、「それは大変ですね」と言葉を添えた。ところが、きょうの新聞各紙では断水は半端ではない。能登の9市町で1万世帯余りに及ぶという。そして、過疎化という根深い問題が絡まっている。

    報道によると、石川県危機対策課がまとめた断水被害は29日午後7時現在、能登の輪島市と志賀町で3千世帯、能登町で2千世帯、中能登町で1500世帯、穴水町で300世帯、羽咋市で120世帯、宝達志水町で100世帯、珠洲市で90世帯で断水状態となった。断水の原因は水道管の凍結、破裂による。冒頭の首長が言うように、これは地域の危機管理の一環であり、各市町は給水車を出すなど対応に追われている。

    断水はこのところの氷点下の冷え込みが特に能登で厳しかったことに加え、指摘されているのは空き家での断水問題だ。能登地区の場合、集落で共同運営している配水池から水道水をひく場合が多い。空き家で水道管が破裂しても気付かれないため、漏水が続き、配水池の供給が追いつかなくなったことで被害が拡大するのだ。水道業者がメンテに回っても、水道管が雪に埋もれていると漏水している箇所が確認できないという問題もあり復旧は簡単ではない。最近の塩化ビニール管は氷の膨張に強いものの、旧型だと破損しやすいことも指摘されている。

    断水被害が起きないようにするために、行政は住民に対して水道の蛇口から少し水を出し放っぱなしにして水道管の凍結や破裂を防ぐよう有線放送などで呼び掛けているが、空き家ではこうした対策が取られないという現状もあり、断水問題はまさに過疎化問題だ。

    生活インフラでもっとも重要な水道水が出ないとなると、学校や保育所も休まざるを得ない。輪島市では29日、3つの小学校と2つの保育所が休校、休所となったと報じられている。他の自治体でも授業打ち切りなどが相次いだ。また、能登半島だけではなく、同じ日本海の新潟県佐渡島でも全2万4千世帯のうち4割に当たる1万世帯で断水が起き、県は陸上自衛隊に災害出動を求め、陸自が給水車をフェリーで運んでいると全国ニュースになっていた。佐渡では小中学校36校のうち26校が休校となった。断水問題は半島の過疎地や離島を直撃している。(※写真は輪島市門前町の海岸集落、27日撮影)

⇒30日(火)午前・金沢の天気    ゆき

    

★キレるシニア、なぜ

★キレるシニア、なぜ

   先日、金沢のドラッグストアに入ると、客が店員にクレームをつけていた。「ここで買ったシャンプーをまた買いに来たのになぜないのか」と。すると店員は「あいにく在庫が切れておりまして」と謝っている。客は「これで2回目や。在庫管理がなっとらん」と大声を上げた。あまりの剣幕だったのでつい後ろを振り向いた。

    昔から「ジシン、カミナリ、カジ、オヤジ」との言葉があるように、親父(おやじ)の怒声は天災のように降りかかる。ドラッグストアで声を張り上げていた客も推定だが70歳半ばだろうか。女性店員は30代に見えた。店員の態度は丁重な感じで、親父が一方的に言いがかりをつけている感じに見えた。在庫管理にクレームをつけるのだったら直接店長に呼べばよいのにと周囲の客は誰もが思っただろう。

   このドラックストアだけではない。数日前にも携帯電話のショップでも親父の怒声を聞いた。「いつまで待たせるんや」と。5人が窓口で並んで待っていたが店員が誰も応対に来ない。店員は忙しそうにしているが、せめて「もう少々お待ちください」との対応があってもいいのに自身もイライラした。すると70代とおぼしき親父が先の怒声を上げた。店にいた客も店員も一斉にこちらを向いた。店長の年配の女性が出てきてその場は収まったが、対応に2時間待ちと言われ、親父はプンプンしながら出て行った。私は翌日に時間予約をして出た。

   このごろキレやすい親父が増えているような気がする。他人の事を言う筋合いではないのだが、親父にとっては現代はストレスがたまる環境なのかもしれない。携帯電話のショップはメールで時間予約ができるようになっている。しかし、親父は携帯に不都合があって、あるいは操作方法を教えてもらおうと店に来たのだろう。それだけでもストレスを感じているのに、待たされ、しかも店の応対も悪いとなるとストレスが怒りに点火する。ドラッグストアにしても、買い求めたい商品がない、しかも同じ言い訳を2度聞かされキレたのだろう。店側の対応も柔軟ではない。

   年配の女性からこんなメールをもらった。「世の中が急速に進み、私はこの情報化の時代に後れを取ってしまい、PCも上手に操作できません。お返事の遅くなった言い訳ですが、歳とともにボォーとしていることが多く、時間ばかりが経っていきます。」と。デジタル化への対応にうまく向き合えないシニア世代にとってこれもストレスだ。

きょう検診を受けに病院に行った。待合室で親父が独り言でブツブツと。「国会のヤジになんで総理が謝らんといかんのや」と。アメリカ軍普天間飛行場のヘリコプター連続事故で、自民党の内閣府副大臣が「それで何人死んだんだ」と野党側にヤジを飛ばしたことが逆に「暴言」と追及され、副大臣を辞したニュース。安倍総理が任命責任を認めたことが親父にとって不満らしい。

   加齢とともにストレスが負債のように積み重なっていく。若い世代のときのように柔軟に対応できなくなるのだろう。まるで空気中の静電気が溜まって落雷となるように。明日のわが身かもしれない。

⇒29日(月)夜・金沢の天気   くもりときどき雪

   

★北の漂着船と落雷鉄塔、近い現場

★北の漂着船と落雷鉄塔、近い現場

    きょう17日朝、全国ニュースになった金沢市内の2ヵ所の現場を歩いた。驚いたことに2つの現場は近く、直線距離にして3㌔ほどだろうか。最初に向かったのは、北朝鮮の漁船が漂着し中から7人の遺体が見つかった同市下安原町の海岸だった。

    車道「しおさいロード」から防風林を抜けて100㍍ほど歩くと砂浜が広がる。警察の捜査で青いビニールシートが覆いかぶさっていたので、すぐ現物と分かった。シートに包まれて船体にハングル文字の表記があるのかはよく分からなかった。船の中は見えた。ハングル文字で書かれた菓子袋などが散乱し、迷彩服もあった。ひょっとして軍人が乗っていたのではないかと勘ぐった。警察発表の報道によると、この船の中から7人の遺体が見つかり、さらに漂着船から15㍍ほど離れたところにさらに1人の遺体があった。もし、同じ乗組員なら計8人となる。船内には北朝鮮の金日成主席と金正日総書記が並んだバッジや漁網が見つかっている。

    昨年から問題となっている北朝鮮の漂着船を現場で見るのは初めてだが、それにしても古い木造船だ。船の舳先部分にはタイヤのゴムが貼りつけてある。他の船と衝突して損傷個所を繕ったのではないかと想像をたくましくした。全長16㍍、幅3㍍ほど。このような船で日本海のイカの好漁場である大和堆(日本のEEZ内)に繰り出し、漁をする。しかし、冬の日本海は荒れやすい。命がけで、なぜそこまでしてイカ漁に固執する必要があったのだろうか。上からの命令だったのか、生活に困ってのことなのか。

    報道では、昨年1年で海上保安庁が確認した木造船の漂着と漂流は104隻、遺体は35人にも上る。日本海で相次いで人命が失われていることに対し、日本は北朝鮮に対して赤十字などを通じて警告を発しているのだろうか。この実態を世界に問いかけるべきではないのか。

    この北朝鮮の木造船が金沢の漂着しているの発見されたのは今月10日のこと。同じ日に起きた事故が金沢市観音堂町にある石川テレビと北陸放送が共用している送信鉄塔での落雷事故だ。通信障害が10日午後7時ごろから翌日午前10時ごろまで続き、実に15時間も放送が中断した。

    木造船の現場の後、5分余りで送信鉄塔の現場に着いた。たまたま近くの人が雪すかしをしていたので、話しかけると中高年の男性は「あの日は地響きがするひどい雷が何回かあった」と。2局が共用している送信鉄塔(160㍍)の高さ130㍍から140㍍の場所で内部のケーブルとアンテナ一部が焦げていた。鉄塔には2系統の配信設備(ケーブル)があり、1系統に問題が生じても、もう1系統を使って放送ができる仕組みになっているが、今回は落雷によって両方とも使用が不能になった、とテレビ局側は説明している。

     偶然なのだが、同じ日の10日の出来事の現場だ。それにしてもこんなに現場が近いとは思わなかった。おそらく、送信鉄塔(160㍍)に上がり海岸を見渡せば、ブルーシートの木造船が見えるのではないか、と思ったくらいだ。

⇒17日(水)午前・金沢の天気     あめ

☆雪すかしとマイクロプラスチック問題

☆雪すかしとマイクロプラスチック問題

     きょう14日、金沢では久しぶりに青空が広がった。日曜日なので青空の下、のんびりとという訳にはいかない。雪すかし、除雪作業が朝から始まる。「おはようございます。よく積もりましたね」とあいさつをしながら玄関先の道路の雪をスコップでかいて敷地の空きスペースに積み上げていく。冬の金沢では日常的な光景なのだが、最近少しわだかまっていることがある。スコップのことだ。

    実は我が家でもそうなのだが、雪をすくう先端のさじ部がプラスチックなど樹脂製のスコップが増えている。昔は鉄製、ひと昔前はアルミ、そして今は樹脂製とスコップが軽量化しているのだ。が、今では全部が樹脂製かというとそうでもない。氷結した路面の雪を砕く場合は、金属製で先が尖っているケンスコ(剣先スコップ)やカクスコ(角スコップ)でないと使えない。きょう朝、近所のみなさんが使っていたスコップを見ると、10本のうち4本は樹脂製ではなかったかと思う。

     わだかまっていると言ったのは、樹脂製のものはすり減りが速いのだ。路面はコンクリートやアスファルトなので、そこをかくとなると樹脂の方が摩耗する。さじ部の先端にアルミなど金属を被せたものが売られてはいるが、きょう見た限りではそれはなかった。何が言いたいのかというと、我々の日常の雪すかしが意識しないうちに「マイクロプラスチック汚染」を増長しているのではないかということだ。

     最近問題視されているマイクロプラスチック汚染は、粉々に砕けたプラスチックが海に漂い、海中の有害物質を濃縮させる。とくに、油に溶けやすいPCB(ポリ塩化ビフェニール)などの有害物質を表面に吸着させる働きを持っているとされる。そのマイクロプラスチックを小魚が体内に取り込み、さらに小魚を食べる魚に有害物質が蓄積される。食物連鎖で有害物質が濃縮されていく。最後に人が魚を獲って食べる。

     マイクロプラスチック問題に関してはまったくの素人だ。ただ、路上の雪すかしをすることで知らず知らずのうちにマイクロプラスチックを製造し、それが側溝を通じて川に流れ、海に出て漂っている。そう考えると、樹脂製のスコップには製造段階でさじ部分の先端に金属を被せるなどの対策が必要なのではないだろうか、と考えてしまう。

⇒14日(日)夜・金沢の天気     はれ

☆電磁パルス、新たな脅威

☆電磁パルス、新たな脅威

  「核実験」、「水爆実験」、そしてついに「電磁パルス」が北朝鮮から出てきた。3日付の北朝鮮の朝鮮中央通信WEB版は、ICBM(大陸間弾道ミサイル)に搭載する水素爆弾を金正恩朝鮮労働党委員長が兵器研究所を訪れ、視察したと伝えている=写真=。その中で、
「우리의 수소탄은 거대한 살상파괴력을 발휘할뿐아니라 전략적목적에 따라 고공에서 폭발시켜 광대한 지역에 대한 초강력EMP공격까지 가할수 있는 다기능화된 열핵전투부이다.」(我々の水素爆弾は巨大な殺傷破壊力を発揮するだけではなく戦略的目的によって高空で爆発させて広大な地域に対する超強力EMP攻撃まで加えることができる多機能化された熱核戦闘部だ.)と戦闘能力を誇っている。ここに出てくる「EMP」、これが電磁パルス(electromagnetic pulse)のことだ。北朝鮮は初めて公式にEMP開発の事実を明らかにした。

   その記事を掲載した同日に「水爆実験に完全成功」と伝えた。北朝鮮はここに来て2つの攻撃兵器を開発したことになる。水爆と電磁パルスだ。電磁パルスは高高度で核爆発させることで生じる電磁波のパルス(衝撃)で、地上にある電子回路を瞬時に発火させたり、広いエリアの電気設備や電子装置を延焼させることができる兵器だ。核爆発で電気系統をことごとく破壊する最悪の兵器とも言われる。

   大規模な停電が長期間続けばその被害は計り知れない。韓国の中央日報は5日付の記事で、北朝鮮がEMP攻撃に関心を持つのには理由について、北朝鮮がICBMを開発する場合、最大の難題は大気圏再進入の技術だが、EMPの場合は高度20㌔以上高いところで爆発することで十分な効果を出すことができるからだと解説している。アメリカでたとえれば、高度400㌔上空での核爆弾を爆発させることでアメリカ全域にEMPによる破壊効果を及ぼす。電気がなければアメリカが築きあげてきた現代文明がまさに破壊される。

   これに対し、日本政府の対応は防衛省がEMP攻撃の研究費を計上している段階。また、経産省が発電所の防護策を、国交省は交通機関などの防護策をこれから検討する段階という。各省庁が縦割りで対策を講じるレベルの話ではないだろう。北の脅威は迫っている。

⇒7日(木)夜・金沢の天気   くもり

   

★核実験めぐる情報戦、そしてスルメイカ

★核実験めぐる情報戦、そしてスルメイカ

  きょうお昼過ぎの朝鮮半島での揺れをめぐって、すさまじい情報戦争が始まっている。北朝鮮の朝鮮中央通信WEB版では速報が流れている(3日午後4時10分現在)=写真=。「조선민주주의인민공화국 핵무기연구소 성명–대륙간탄도로케트장착용 수소탄시험에서 완전성공」(朝鮮民主主義人民共和国の核兵器研究所声明 – 大陸間弾道ロケット搭載用スソタン試験で完全に成功)。スソタンは朝鮮語で「水素爆弾」のこと。

  さらに混乱するのは、「敬愛する最高指導者、金正恩同志が核兵器兵器化事業を指導した」と写真つきで核兵器について述べているが、核実験を行ったとは述べていない。

  一方、総理官邸のホームページでは、午後0時55分の「お知らせ」をホームページにアップしている、「北朝鮮付近を震源とする地震波の観測について」 1.平成29年9月3日12時31分頃(日本時間)、気象庁が、北朝鮮付近を震源とする地震波を観測しました。気象庁によれば、この地震は、自然地震ではない可能性があります。 a.発生時刻 平成29年9月3日 12時29分57秒 b.地震の震源、規模 北緯:41.3度 東経:129.1度 深さ:0km 規模 マグニチュード6.1 (参考)平成28年9月9日地下核実験時の地震 北緯:41.3度 東経 129.2度 深さ:0km 規模 マグニチュード5.3  2.政府としては、過去の事例も踏まえれば、北朝鮮による核実験の可能性もあるので、関係省庁幹部を官邸に緊急参集させるとともに、北朝鮮情勢に関する官邸対策室において、引き続き、情報の収集・分析を行っているところです。長々と引用したが、要点は核実験だというのだ。

   午後1時51分の「総理指示」で核実験と断定して、以下指示している。1.北朝鮮の今後の動向等に関し、情報収集・分析の徹底を期すこと 2.核実験に伴う放射性物質の影響を把握するため、関係各国と連携しモニタリング態勢を強化すること

   さらに午後2時45分の「総理声明」では踏み込んで、「今回の北朝鮮による核実験の実施は、関連する国連安保理決議の重ねての明白な違反であり、核兵器不拡散条約(NPT)を中心とする国際的な軍縮・不拡散体制に対する重大な挑戦である。また、日朝平壌宣言や六者会合共同声明にも違反するものである。我が国は、北朝鮮に対して厳重に抗議し、最も強い言葉で断固として非難する」と。

   水素爆弾だと主張する北朝鮮、核実験だと断定する日本、韓国。日本政府は放射性物質のモニタリングを実施することで核実験の裏付けを急ぐ。モニタリングは日本海上空の大気中のちりを収集することになるだろう。モニタリングで核実験だったと立証できたとしよう。すると今が盛りの日本海のスルメイカ漁、価格に影響が出てくるのではないか。そんなことも考えてしまう。

⇒3日(日)午後・金沢の天気   くもり

☆Jアラート、そのとき輪島朝市は

☆Jアラート、そのとき輪島朝市は

  けさ(30日)の北朝鮮メディア「朝鮮中央通信」WEB版は、「敬愛する最高指導者、金正恩同志が朝鮮人民軍戦略軍の中距離戦略弾道ロケット発射訓練を指導した」との見出しで、昨日朝に発射した中距離弾道ミサイル「火星12」の解説記事を掲載している。

  記事によると、発射はアメリカと韓国の合同軍事演習「乙支(うるち)フリーダムガーディアン」に対抗する武力デモの一環であると強調。「今回の弾道ロケット発射訓練は、私たちの軍隊が進めている太平洋上の軍事作戦の第一歩であり、侵略の前線基地でるグアム島を牽制する前奏曲になる」と述べ、記事の最後では「朝鮮人民軍戦略軍の全将兵は、107年前の韓日併合という恥辱的な条約が公布された血の8月29日に残虐な日本の島国の国民がぶったまげる大胆な作戦だった」「朝鮮人民の胸に積もって積もったものを解放いただいた絶世の愛国者、民族の英雄である敬愛する最高指導者、金正恩同志に最も熱い感謝を捧げる」と今回のミサイル発射は日本への積年の思いを晴らすものだと強調している。「ぶったまげる大胆な作戦」という表現には思わずのけ反ってしまった。

  きょう午前9時から、能登半島の輪島市河井町で北朝鮮のミサイルが飛来する可能性があるとの想定で避難訓練が行われた。この訓練の様子を見るため朝6時半に自家用車で金沢の自宅を出た。観光客らが多く集まる輪島の朝市通りに着いたのは8時半ごろだった。この時間で観光客は少なかったが9時ごろには徐々に増えてきた。9時ちょうどに防災行政無線の屋外スピーカーから「これは防災訓練です」と前置きして、Jアラート(全国瞬時警報システム)の鈍い警報音が流れた。その後「ミサイルが発射された模様です」「ただちに頑丈な建物や地下に避難してください」とアナウンスが流れた。

  すると通り歩いていた観光客の一部は立ち止まって警報音が響く空を見上げた。「えっ、またミサイルが飛んだの」と店の売り子に尋ねる観光客の姿もあった=写真・上=。その売り子は「いまのはクンレンなんよ」と答えていた。とくに混乱もなく、いつも通りの朝市の風景だった。一つ違っていたのは、数社のローカルテレビ局のリポーターが取材に来ていて、朝市おばさんや観光客にマイクを向けていた=写真・下=。「頑丈な建物に逃げてといっているけど、コンクリの店にゴメンネと言って入るしかないね」「輪島の地下施設ってどこにあるが」「あのサイレンの音、頭が痛くなるね」。朝市おばさんたちの反応はどこか素直に聞こえた。

  防災行政無線による避難の呼びかけは10分間ほど続いた。輪島市文化会館では住民による避難訓練や、市内の小学校では机の下に入り、身をかがめて頭を守る訓練も行われた。商店街で立ち話をした地元の中年男性は「きのうは(航空自衛隊のレーダーサイトがある)高洲山にヘリがバリバリと飛んでいたし、きょうはミサイルの避難訓練や。すごい時代やね」と顔をしかめていた。

⇒30日(水)正午すぎ・輪島の天気   くもり

★「さらなる圧力」海上封鎖か

★「さらなる圧力」海上封鎖か

29日早朝からニュースが行き交う。「北朝鮮が29日午前5時57分、平壌付近から日本海に向けて弾道ミサイルを発射。韓国軍合同参謀部発表」「政府は29日、北朝鮮からミサイルが発射された模様と全国瞬時警報システム(Jアラート)で速報した。ミサイルは上空を通過したもようで、日本政府関係者によると、発射は午前6時前」と。26日朝に続くミサイル発射だ。日本海側に住む者にとっては何とも落ち着かない。

    このニュース速報を受けて、JR東日本は北陸新幹線ほか、東北、上越の各新幹線と在来線の全線で安全確認のため一時運転を見合わせたようだ。今回の北のミサイルは北海道・襟裳岬の上空を通過して、太平洋上に落下したとみられると報じられている。素人ながら、アメリカのアラスカ沖への威嚇とも受け止める。北朝鮮は今月8日、グアム沖に中長距離弾道ミサイル4発の発射を検討中と公表していた。その際は島根、広島、高知各県の上空を通過させる、とも。グラム、アラスカ、どちらにしても、日本上空に弾道ミサイルを飛ばしたという事実に恐怖感を抱く。

    最近の北朝鮮による弾道ミサイル発射では、7月28日は午後11時42分で、北海道西方沖の日本のEEZ(排他的経済水域)内に落としている。今月26日ときょうは早朝だ。夜と朝の意味の何だろう。計り知れない不気味さがある。

    それにしても、北朝鮮によるICBM(大陸間弾道ミサイル)発射を受けて、国連安全保障理事会は今月6日(現地時間5日)、国連憲章「第7章 平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動」第41条を基に兵力の使用を伴わない制裁決議案(経済制裁)を全会一致で採択したばかりではないか。その経済制裁が効かないということになれば、今度は第42条による陸海空軍による軍事行動になるだろう。しかし、そこまで一気にいけないだろう。第41条と第42条の中間点「海上封鎖」になるかもしれない。

   「海上封鎖」という文言は国連憲章にはない。海上封鎖の根拠は国連憲章第41条にある「・・航海、航空、郵便、電信、無線通信その他の運輸通信の手段の全部又は一部の中断並びに外交関係の断絶を含む・・」、あるいは第42条にある「・・国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる・・」の一文の解釈に基づく措置のことである。

    午前7時57分ごろ、テレビのニュース番組で、安倍総理の記者会見(ライブ)の様子が映った=写真=。その中で総理は「国連安全保障理事会に対し、緊急会合の開催を要請し、国際社会と連携し、北朝鮮に対するさらなる圧力の強化を強く国連の場において求めていく」と述べていた。この「さらなる圧力」とは海上封鎖のことではないのかとピンと来た。

    緊迫感が増す中、あす30日午前9時から、能登半島の輪島市河井地区で、「X国から弾道ミサイルが発射され、我が国に飛来する可能性があると判明」との想定で、防災行政無線による住民への情報伝達や、住民の屋内避難、市内小中学校の児童・生徒、教職員による屋内避難が実施される。リアリティのある避難訓練だ。

⇒29日(火)朝・金沢の天気   はれ

★深夜にICBMの「なぜ」

★深夜にICBMの「なぜ」

   それにしても北朝鮮のミサイル技術は向上していると、素人ながら認めざるを得ない。前回(今月4日)発射されたICBM(大陸間弾道ミサイル)について、最大射程が少なくとも5500㌔超えるものだった(防衛庁HP、7月7日・防衛大臣記者会見より)。この射程範囲にはアラスカ、ハワイが入る。今回(今月28日)発射のICBMは、日本のメディア各社がアメリカのミサイル技術の専門家のコメントとして、1万㌔余りの射程範囲だと紹介している。これだと、アメリカ西海岸のロサンゼルスなどが入る。

    アメリカ国防総省HPをチェックすると、射程範囲についての分析は紹介していない。注目したのは、この日(29日)のICBMの発射を受けて、アメリカ軍と韓国軍は合同で、ATACMS(陸軍戦術ミサイルシステム)の発射訓練を実施したと伝えていることだ。ATACMSとは有事の際に北朝鮮司令部に正確に着弾する「deep-strike precision capability(深い打撃の精密能力)」のあるミサイルで、しかも「a full array of time-critical targets under all weather conditions(どのような天候でも危機的な状況下にも対応する)」とすでに臨戦態勢の入っていることを示唆しているのだ。今月4日の発射時にも合同訓練を行っており、2回目だと記載している。なぜこの記事をいち早く掲載したのか、アメリカ国防総省の意図を以下推察してみた。

   そのキーワードは「夜襲」ではないだろうか。このブログでも何度か紹介したが、ことし5月10日夜、アメリカ軍は嘉手納基地上空でMC130特殊作戦支援機を使って、パラシュート降下訓練を実施している。MC130特殊作戦支援機は赤外線暗視装置、地形追随レーダーを装備し、敵の防空網を突破することができる。その目的は敵地での特殊部隊の潜入・退去・補給、捜索救難活動の支援、心理作戦などに活用されるという。これは、前述のATACMSとリンクした、北朝鮮への「斬首作戦」の訓練である可能性もある。少なくとも、北朝鮮の最高指導者、金正恩朝鮮労働党委員長を心理的に追い詰める作戦と言えるかもしれない。

   北朝鮮が今回、夜中の「午後11時時42分」にICBMを発射したのか。それは、「夜襲をかけるのであれば、夜襲でアメリカに打ち込む」との強いメッセージを込めている、と読む。

⇒30日(日)午前・金沢の天気    くもり