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★イラク最高指導者ハメネイ師の「死亡」と「殺害」の違いは何か

★イラク最高指導者ハメネイ師の「死亡」と「殺害」の違いは何か

きょうは二十四節気の一つ、啓蟄(けいちつ)。冬ごもりしていた土の中の虫たちが動き出すころと言われる。虫だけではない、人もそわそわしだす。自身も無性にドライブがしたくなり、きのう能登半島の中ほどに位置する千里浜(ちりはま)に車を走らせた。乗用車やバスで走行できる海岸は世界で3ヵ所と言われる。アメリカ(フロリダ半島)のデイトナビーチ、ニュージーランド(北島)のワイタレレビーチ、そして能登半島の千里浜だ。波打ち際を車で走ると爽快な気分になる。夕方5時ごろだったので、分厚い雲の隙間から夕陽が差し込み始めていた。なんともスピリチャルな気分を感じさせる光景だった=写真・上、4日午後5時ごろ撮影=。

話は変わる。アメリカとイスラエルによるイランへの軍事攻撃で、最高指導者アリ・ハメネイ師が死亡した。メディア各社の報道によると、ハメネイ師は1989年から37年間、イランの国防を含む国家の頂点に君臨し、徹底した反欧米の強硬姿勢を貫いてきた。ハメネイ師の死について、アメリカのトランプ大統領は2月28日のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、「歴史上最も邪悪な人物の一人、ハメネイが死んだ」と投稿。「これはイラン国民だけでなく、すべての偉大なアメリカ国民、そして世界中の多くの国の国民にとっても正義だ」と強調した(1日付・BBCニュース日本版)。

ところが、ハメネイ師の死をめぐって、二通りの記事表現に分かれていることに気が付いた=写真・下、2日付の各紙=。写真は各紙の一面記事(2日付)。読売は「ハメネイ師死亡」と黒ベタ白抜きで報じている。一方、朝日と日経は「イラン最高指導者殺害」の見出しだ。読者とすれば、「死亡」と「殺害」では、印象がまったく異なる。つまり、ハメネイ師がいる時間と場所を狙って爆撃したのであれば「殺害」だろう。ところが、「死亡」は爆弾を落とした場所にたまたまハメネイ師がいて亡くなった。極端に言えば、そのようなイメージの違いある。記事では亡くなった詳細な経緯は記されていない。

このニュースで思い起こすのが、アメリカ軍の特殊部隊による「チークナイフ(Teak Knife)」、別名「斬首作戦」だ。アメリカ軍は「戦犯」とみなした相手には容赦しない。ニューヨークの同時多発テロ(2001年9月11日)の首謀者とされた、国際テロ組織「アルカーイダ」の中心人物、オサマ・ビン・ラディンに対する斬首作戦はその典型的な事例だろう。2011年5月2日、アメリカ軍特殊部隊がパキスタンのイスラマバードから60㌔ほど離れた潜伏先をステルスヘリコプターなどで奇襲し殺害。DNA鑑定で本人確認がなされた後、アラビア海で待機していた空母カール・ビンソンに遺体が移され、海に投げて「水葬」とした。

なぜ海なのか。遺骨が遺族に返還され、墓がつくられることになれば、その墓が将来、聖地化や崇拝の地になることを想定しての処置なのだろう。「死をもって罪をあがなう」という発想ではなく、存在したことの証明すら許さないのが斬首作戦の決め手のようだ。

今回のハメネイ師の死については、斬首作戦だったとは言い切れない。DNA鑑定で本人確認がなされたわけではなく、本人の遺体が現在どこにあるのかも報じられていない。ただ、当初はハメネイ師の死を否定していたイラン国営テレビが現地時間3月1日早朝、ハメネイ師が亡くなったと報じたことで死が事実として認定されるようになった。なので、報道する側では意見が分かれのだろう。朝日と日経は詳細は別にして、ハメネイ師の暮らす施設を狙って爆撃し、死亡したのであれば「殺害」の表現でよい、と。一方、読売では斬首作戦であったと言い切れないのであれば、「殺害」というより、むしろ「死亡」という表現に留めておきたい。そのような経緯だったのだろうか。

⇒5日(木)午後・金沢の天気   くもり

☆旧統一教会に高裁も解散命令 元会長は金沢市長選に立候補

☆旧統一教会に高裁も解散命令 元会長は金沢市長選に立候補

今月8日投開票となる金沢市長選に4人が立候補している=写真=。現職と新人3人が選挙戦を争っているが、中でも異色なのが世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の元会長、徳野英治氏が立候補していること。なぜ政治に足を踏み入れているのか、そして、このニュースを徳野氏はどう受け止めているのだろうか。

旧統一教会の解散命令請求を巡る即時抗告審で、東京高裁は4日、解散を命じた東京地裁決定を支持し、教団側の即時抗告を退ける決定をした。命令の効力が生じ、裁判所が選任する清算人が教団財産を調査・管理し、献金被害者への弁済などの清算手続きが始められる。宗教法人格は失われ、税制上の優遇措置を受けられなくなる。法令違反を理由とした解散命令は、オウム真理教などに続き3例目。過去2例は刑事事件化した犯罪行為が理由になったが、甚大な被害が生じた献金勧誘という民法の不法行為を理由にしたのは初めて。教団側が最高裁に不服を申し立て、最高裁が解散の判断を覆せば、清算手続きは止まることになる(メディア各社の報道)。

徳野氏は金沢生まれの能登育ちで、金沢の高校時代の同級生だった。高校生の時から熱心に教会に通っていた。高校を卒業してからは会うこともなかったが、再び彼を見たのはテレビだった。統一教会の霊感商法が社会問題となり、2009年2月に警視庁の摘発を受け複数の教団信者が逮捕されるという事件があった。このとき、徳野氏は記者会見で謝罪し、「コンプライアンス宣言」を発した。この宣言以降は捜査機関による検挙はなかったものの、霊感商法は止まっていなかった。全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、1987年から2021年までの霊感商法による「被害件数」は3万4537件で、「被害総額」は約1237億円に上る(Wikipedia「全国霊感商法対策弁護士連絡会」より)。

徳野氏は政治家とのネットワークづくりにも長けているようだ。2012年から13代会長(2020年まで)となり、その間の2016年6月、当時の安倍総理から首相官邸に招待されていたとの報道もあった。双方が反共産主義の立場を共有していて、教会側が自民党候補者の選挙支援などを行っていた。自民の議員秘書の中には信者が入り込んでいるなどと、新聞メディアなどで報じられたこともある。

教団の実力者だった徳野氏が金沢市長選に出馬した狙いは何だろうか。以下、あくまで憶測だ。それは、旧統一教会トップの韓鶴子総裁が逮捕・起訴され、また、解散命令の是非が東京高裁で審理されてきた。そんな中で、動揺する信者の気持ちを引き締めたいとの思いがあるのかもしれない。あるいは、宗教法人の解散を見越して政治団体化を狙っているのか。

⇒4日(水)午後・金沢の天気   くもり

☆輪島市長選は無投票で再選 能登の復興を照らす施策を期待

☆輪島市長選は無投票で再選 能登の復興を照らす施策を期待

少々言葉遣いが荒い輪島の知人と先月会ったときにこんなことを言っていた。「選挙、選挙、もういらんわい。サカグチがまじめにやればいい」と。これは現地の人しか分からない会話だ。解説すると、衆院選、石川県知事選、そしてきのう1日に告示だった輪島市長選があり、同市の有権者にとっては3回目の選挙となる。サカグチは現職の坂口茂氏のことで、「選挙ばかり続き、もう止めてほしい。現職の坂口市長が一生懸命に職務を果たせはそれでいい」との意味だろう。知人は輪島塗の職人で2024年元日の能登半島地震で住宅兼工房が半壊し、去年暮れに公費解体を終えた。現在は仮設住宅で暮らしている。

知人が語っていた言葉はある意味で民意を映していたのだときのう理解した。輪島市長選は対抗馬が現れず、無投票で坂口氏が再選となった。テレビの県内ニュース(1日付)によると、坂口氏は「震災から3年目なので、目に見えて復興が進む大切な年にしたい。もっと豊かで安心して暮らせる輪島市にしたい」と抱負を選挙事務所で語っていた。そして、万歳は止め、ガンバローを三唱していた。

輪島市では能登半島地震で震度7の揺れがあり、多大な被害が出ている。石川県危機対策課がまとめた「人的・建物被害の状況」(先月27日付)によると、亡くなった人は244人(うち災害関連死143人)、家屋の全壊が2311棟、半壊が3971棟となっている。さらに同じ年の9月に起きた輪島市を中心とした奥能登の記録的な大雨では、21人(うち関連死5人)が犠牲となり、334棟が全半壊となった。

ただ、難題はこれだけにとどまらない。人口流出だ。震災前の2023年12月1日時点の同市の人口は2万3192人だった。それが、ことし2月1日時点で1万9523人と3700人近く減った。では、このような被害状況から3年目のいま、坂口氏はどのような復興施策を具体化していくのだろうか。

坂口氏は地元メディア各社のインタビューに対し、こう答えている。まず、住まい。災害公営住宅を2027年度末までに975戸を完成させて、生活再建につなげる。また、基幹産業の輪島塗については若手人材の育成事業や海外へのブランド化を進めると述べている。

以下は、自身の提案だが、インバウンド観光客に能登のダークツーリズム(Dark tourism)を売る込むチャンスではないだろうか。ダークツーリズムは日本では使われていない言葉だが、欧米では被災跡地や戦場跡地などを訪ね、死者を悼むとともに、悲しみを共有する観光とされている。いまの能登は震災によって、山崩れや海岸の隆起が激しく起きた。まさに地球のダイナミズムを感じさせる「ジオパーク(Geopark)」でもある。ダークツーリズムとしてインバウンド観光客を積極的に呼び込む機会ではないだろうか。

(※写真は、能登半島地震による海岸の山崩れで現れた新たな風景。県では「絶景海道」として輪島市など奥能登の新名所をつなげる構想を描いている)

⇒2日(月)夜・金沢の天気     くもり

★木々は春の芽ぶき/イラン攻撃はトランプ大統領の目つぶし玉か 

★木々は春の芽ぶき/イラン攻撃はトランプ大統領の目つぶし玉か 

きょうから3月。ウメやロウバイの開花に隠れるように木々が芽ぶいている。晴天の庭先を見ると、リキュウバイの葉が膨らみ始めている=写真・上=。漢字で表記すると「利休梅」。4月になれば咲く、清楚な白い花は茶花として床の間を飾る。リキュウバイの下を見ると。地べたでは雑草が生えている。まさに「草木萌え動く」。冬の間に蓄えていた生命の息吹が一気に現れる見える。季節は春本番へと移ろう。

世界ではビッグニュースが流れている。「Iran’s supreme leader killed」。アメリカのCNNがニュースサイトのトップで、イランの最高指導者ハメネイ師がイスラエルとアメリカによる攻撃で殺害されたと報じている=写真・下=。さらに、CNNは、アメリカのトランプ大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿を引用して以下のように報道している。トランプ氏はSNS投稿で、ハメネイ師の殺害を称賛。ハメネイ師については「歴史上最も邪悪な人物のひとり」と呼んだ。さらに、トランプ氏は「これ(ハメネイ師の死亡)はイラン国民だけでなく、すべての偉大なアメリカ国民、そして世界中の多くの国々でハメネイ師と彼の血に飢えた凶悪な一味によって殺害されたり傷つけられたりした人々に対する正義だ」と投稿した。

28日の攻撃の前、トランプ政権はイラン指導部との交渉で、イランによる核兵器取得に向けたあらゆる取り組みを放棄するよう求めていた。これに対し、イラン側がアメリカの要求に応じる可能性は低いと判断されたことから、アメリカとイスラエルは攻撃に踏み切ったようだ。以下あくまでも憶測だ。トランプ氏がイラン攻撃に踏み切った理由は果たしてこれだけだろうか。

いまアメリカで注目を集めているのが、司法省が公表した資産家ジェフリー・エプスタイン氏に関する文書だ。エプスタイン氏は未成年女性の性的人身売買事件で起訴され、勾留中の2019年に自殺した。政財界やイギリス王室との交友関係などをめぐる疑惑が出てきたことから、アメリカ議会は2025年、関連する全資料の公開を義務づける法律を可決。司法省は今年1月、300万ページに及ぶ資料を公開した。

この公開資料の中で本来あるはずのトランプ氏に関する一部の資料が含まれていなかったことから問題視されている。その資料は、「未成年だった時にトランプ大統領から性的虐待を受けた」と告発した女性に関連する資料だ。ニューヨーク・タイムズが公開資料を分析して、ないことが判明したことから大問題となっている。この矢先にアメリカとイスラエルによるイラン攻撃が開始された。このタイミングをどう読むか。トランプ氏にとっては、アメリカの世論をイランに向ける絶好のチャンスだったのだろうか。

⇒1日(日)夜・金沢の天気   はれ

☆金沢は春の花が咲き競い あすから市長選、知事選も熱帯びる

☆金沢は春の花が咲き競い あすから市長選、知事選も熱帯びる

金沢でことしウメが開花したのは今月13日(金沢地方気象台「生物季節観測」より)。平年は23日なので、10日早く咲いた。市内の弥生3丁目にある市の保存樹のウメはそろそろ満開かと思わせる咲きぶりになっている。きょうの金沢は14度まで上がり、3月下旬なみの気温となった。「梅は咲いたか 桜はまだかいな」のような気分で春本番を待つ。ちなみに、桜の開花予想は3月30日で平年は4月3日なので4日早く咲きそうだ(日本気象協会「tenki.jp」公式サイト「2026年各地の桜開花予想日一覧」より)。

そして、ウメの保存樹と近場の寺町5丁目にある寺院ではロウバイが見ごろを迎え、黄色い花が境内を彩っている。どことなく懐かしいにおいを漂わせている。あすからいよいよ3月。

季節の移り変わりというより、金沢では知事選に加え、あす1日に金沢市長選が告示される。地元メディアの報道のよると、立候補を予定しているのは、現職で再選を目指す村山卓氏(53)、共産党などでつくる団体の中内晃子氏(53)、世界平和統一家庭連合(旧統一協会)の元会長の徳野英治氏(71)、石川県議の田中敬人氏(55)の4氏。

4人が掲げる公約は、村山氏は市中心部での「文化の拠点」の整備や高校生までの医療費無償化を訴え、中内氏は市街地の再開発の見直しや学校給食、保育料の無償化を提案。徳野氏は台湾の有名企業の誘致などによる金沢版シリコンバレー構造を掲げ、田中氏は官民連携の促進や子育て給付金制度の創設など唱えるようだ。

一方、知事選は佳境に入っている。前金沢市長で新人の山野之義氏(63)と、元文科大臣で現職の馳浩氏(64)の一騎打ちの様相。自民党の推薦を得た馳氏にもとに、高市総理(自民党総裁)がきょう金沢市内での集会に応援に駆け付けた。現職の総理が現地入りして地方選を応援するのは異例とのこと(メディア各社の報道)。高市氏は演説で、自身が進める「責任ある積極財政」に批判がある点に触れ、「私は絶対に諦めない。できない理由を考えるのではなく、できる方法を考える。これが(馳氏との)共通点だ」と訴えた(同)。まさに保守分裂となった知事選。ここに「高市旋風」が吹くのか、あるいはさらに混迷を深めるのか。投開票は8日、知事選と金沢市長選のダブル選挙となる。

⇒28日(土)夜・金沢の天気   くもり

★高市総理が施政方針演説 「食料品の消費税ゼロ」は可能なのか

★高市総理が施政方針演説 「食料品の消費税ゼロ」は可能なのか

「成長のスイッチを押して、押して、押して、押して、押しまくってまいります」。きょうNHKで高市総理の施政方針演説=写真=を視聴していて、印象に残ったのは、このコメントだった。去年10月の自民党総裁選の決選投票で小泉進次郎氏を破り、その決意表明で発した「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」を彷彿とさせるような演説だった。

この「押して、押して、押して・・・」のコメントの背景として挙げていたのが、官民連携による投資の促進だった。「量子、航空・宇宙、コンテンツ、創薬などの17の戦略分野への多角的な支援」、「貯蓄から投資に向けた資産運用立国の取り組み」と。高市氏は「長年続いてきた過度な緊縮志向、未来への投資不足の流れを断ち切る」と力説し、経済の地力を示す潜在成長率の低迷に言及して、「圧倒的に足りないのは資本投入量、すなわち国内投資だ」と指摘していた。

演説の勢いはよかったが、果たしてうまく回るのだろうか。たとえば、「責任ある積極財政」という言葉。少子高齢化のただなかにある日本で積極財政に向うとしても、債務の返済などその責任を最終的に取るのはどの世代なのか。言葉自体が矛盾してはいないだろうか。また、衆院選で与党が公約した食料品の消費税率を2年間ゼロにすることを実現するため、超党派の「国民会議」を立ち上げ、夏前までに制度設計をまとめ、関連法案の早期提出を目指すとした。これにむしろ疑問を感じた。

もし本気で食料品の消費税をゼロする方向ならば、今国会ですぐにでも法案を出せばよいのではないだろうか。自民は単独で衆院の3分の2の議席を有しているので、参院で否決されたとしても衆院で法案を再可決できる。それをわざわざ超党派の国民会議に委ねる意味がどこにあるのだろうか。むしろ、「逆説」という言葉を想起してしまう。消費税ゼロを公約に掲げたものの、実現するための年間5兆円の財源のメドは立っていない。そこで、国民会議での議論を紛糾させ、結局やらないという結論に持っていく布石ではないのか、と考えてしまう。

衆院選の熱が冷め、選挙公約に掲げたもののやれることと出来ないことが現実に見えてきた。そんなことではないのか。あくまで自身の憶測ではある。

⇒20日(金)夜・金沢の天気    はれ

☆アイドル4人が盛り上げる石川県知事選 「FUN to 選挙!」

☆アイドル4人が盛り上げる石川県知事選 「FUN to 選挙!」

きょう19日、石川県知事選が告示され、3人が立候補した。届け出順に、いずれも無所属で前金沢市長で新人の山野之義氏(63)=国民民主県連支持、元文科大臣で現職の馳浩氏(64)=自民・維新・連合石川推薦、ボランティア団体「能登半島地震被災者共同支援センター」前事務局長で新人の黒梅明氏(78)=共産県委員会推薦。選挙戦でのそれぞれのキャッチフレーズは馳氏が「復興と挑戦!」。2024年元日の能登半島地震、その年9月の奥能登の記録的な豪雨からの復旧・復興や物価高対策を強調している。山野氏は「まっすぐ県民目線」をテーマに、能登の復興や、県民による政策提案制度の創設などを訴えている。黒梅氏は「税金の使い方切り替え くらし応援の県政」をスローガンに能登の被災地における医療費窓口負担などの免除再開などを掲げている。(※写真・上は、小松市役所前の県知事選ポスター掲示板)

投開日は3月8日。告示前日(18日)の選挙人名簿の登録者数は91万7694人。前回知事選(2022年3月)と比べると2万7980人も減っている。とくに能登は震災後に人口減少が加速しているので、3人はどのような人口減対策をアピールするのか、有権者の一人として注視したい。

「FUN to 選挙!」と知事選の投票を呼びかけているのが、県選管の特設サイト=写真・中=。これまでになかった若々しく、にぎやかなデザインだ。アイドルの4人は北陸で活動するグループ「ほくりくアイドル部」のメンバー。地元メディア各社の報道によると、県の選挙啓発アンバサダーに委嘱したようだ。そのオリジナルの啓発ソングが「FUN to 選挙!」。動画で聴くと「キラキラの笑顔をつくるための君の一票」「輝く人生つくるための初めの1票」などとうたっている。

4人は18歳以上で投票に行っていると特設サイトで述べている。山崎 真央さん(左から2人目)は「18歳になってから毎回行っています! 初めて行ったときは、会場全体がシーンとした雰囲気で緊張したけど係の方に聞いたら丁寧に案内して下さってスムーズに投票することが出来ました」と。土井颯愛さん(右)の初投票の感想も面白い。「初めての投票には、母と行きましたが緊張しました! 折れない特殊な紙だと知らなくて焦りましたが、ちゃんと投票箱に入れることができました! 18歳になって自分も大人の仲間入りしたんだなって嬉しくなりました!」

この特設サイトを眺めると、若者たちに投票所に行ってほしいという県選管の想いが伝わってくる。数値として出ている2024年10月の衆院選の投票率を見ると、県全体の投票率は55.0%であるものの、世代別で見ると18・19歳の投票率は38.8%、20-24歳は30.6%と低い傾向にある。投票権があるのに、選挙は大人がすることというイメージを持っている若者世代が多いのではないだろうか。先述の土井颯愛さんのように大人の仲間入りをしてほしい。さて、「FUN to 選挙!」のアピール効果はあるのだろうか。選挙結果と同時に、投票率にも注目している。

⇒19日(木)午後・金沢の天気   はれ

★「一強」「りくりゅう金」「第一弾」、ついでに北陸「春一番」

★「一強」「りくりゅう金」「第一弾」、ついでに北陸「春一番」

マスメディアをチェックすると、このところ「一強」「りくりゅう金」「第一弾」といった言葉が目に入って来る。「一強」は言わずと知れた高市総理の自民党が単独で総定数465の3分の2に当たる316議席を得て大勝を収めたこと。過去最多の議席、まさに歴史的な勝利を「一強」という文字で表現している。その一強をバックに、きょう午後に特別国会(会期7月17日まで)が召集され、衆参両院は本会議で高市早苗氏(自民党総裁)を第105代総理に選出。皇居での総理親任式と閣僚認証式を経て第2次高市内閣が発足した。全閣僚が再任された。閣僚を指名する際には党内でひと悶着があるのはこれまで普通だったが、きょうは淡々と進んだ印象だ。まさに「一強の静けさ」ではないだろうか。

高市総理はその後の記者会見で新年度予算の年度内の成立を目指し、「野党にも協力を呼びかける」と話していた。総理の施政方針演説は20日に行うと述べ、「責任ある積極財政」や安全保障体制、インテリジェンス(情報の収集・分析)機能の強化など、自身の肝煎りの政策推進に意欲を示していた。また、党内人事で古屋選挙対策委員長を交代させ、衆院憲法審査会長に充てた。憲法改正議論を加速させる狙いがあるようだ。(※写真・上は、きょうの衆院本会議で首相指名を受けた自民党の高市早苗総裁=2月18日付・総理官邸公式サイト)

圧巻だったのは「りくりゅう金」。ミラノ・コルティナ冬季オリンピックのフィギュアスケート・ペアのフリーで、三浦璃来、木原龍一組が世界歴代最高の158.13点をマークし、逆転優勝で金メダル獲得したと報じられている=写真・中=。きのうからテレビメディアはニュース番組で繰り返し、「りくりゅう」の愛称で呼ばれる2人の演技を流していた。三浦と木原の呼吸がぴったりと合っていて、変幻自在なバイオリンの音色の中で3連続ジャンプやスロージャンプが決まる。終盤にお互いに手を固く握り、木原が三浦を頭上に掲げるフィニッシュポーズを決めると、ミラノの観客は総立ちとなって拍手を贈っていた。

高市総理の話に戻るが、去年10月に総理就任から1週間で日本にとって重要な日米外交を高市氏はこなし切った。トランプ大統領が訪日し、日米関税合意で約束した巨額投資の履行と、レアアースなど重要鉱物の供給と確保に向けた協力の2つの文書に署名した。5500億㌦(約84兆円)とされる巨額な対米投資の内容だ。その投資の「第一弾」となる3つの案件が決定したとメディア各社が報じている。その内容は▽中西部オハイオ州での「史上最大規模のガス火力発電所」の開発、▽メキシコ湾で原油の積み出し港の整備、▽半導体の製造などに使われる「人工ダイヤモンド」の製造能力の増強、の3つ。投融資の規模は総額で360億㌦に上る。

トランプ氏は訪日して文書にサインをした後、駐日米国大使館の公邸で、投資に名乗りあげてた日本の企業経営者らと夕食会を開いた。その時の演説で、「途方もない富と安全保障を太平洋の両岸にもたらす」「もし物事がうまく進まなかったら私に電話してほしい。他の閣僚を差し置いてでも、私が対応する」とアピールした。トランプ氏は政治家というより、やはり投資家なのだろう。(※写真・下は、日米首脳会談で署名された合意文書を掲げる高市総理とトランプ大統領=2025年10月28日付・総理官邸公式サイト)

そして、きょう北陸に「春一番」が吹いた。金沢地方気象台の発表によると、昨年より15日遅い観測で、最大瞬間風速は金沢で17㍍だった。気温は金沢で午前中に10度を超えていたが、午後からは冷え込んで、3度ほどに。

⇒18日(水)午後・金沢の天気   くもり時々はれ

☆能登半島に北朝鮮の漂流船 不穏な動きの前触れなのか

☆能登半島に北朝鮮の漂流船 不穏な動きの前触れなのか

日本海に不穏な動きの前触れなのか。20日前の1月27日に北朝鮮は日本海に向けて、2発の弾道ミサイルを発射した。落下したのは北朝鮮東岸付近で、日本のEEZ(排他的経済水域)外だった(防衛省公式サイト)。この日は衆院選の公示日でもあったので、「高市内閣に対する北の嫌がらせ」と見る向きもあった。そして、海にも不穏な動き。

金沢海上保安部は13日、能登半島の中ほどに位置する羽咋(はくい)市滝町の海岸に木造船が漂着しているのを見つけた。船は長さ6.4㍍、幅1.5㍍で、船体全体にコールタールのような塗料が塗られていた。船体にハングルのような文字や数字が記されており、北朝鮮籍の船とみられる(地元メディア各社の報道)。

きょう午後、木造船の漂着現場を見てきた。ごつごつとした岩が海面に突き出ていて、その岩に挟まるように船は裏返しに漂着していた。接岸したのではなく、日本海で難破して漂着したのだろうか。遺体などは見つかってはいない。この地は「寺越事件」のあった場所と近い。(※写真は、羽咋市滝町の沿岸のサイクリングロードから撮影=15日午後1時35分ごろ)

政府は拉致事件として認定していないが、1963年5月11日、能登半島の志賀町沖に刺し網漁に出た寺越昭二さん(当時36歳)、寺越外雄さん(同24歳)、寺越武志さん(同13歳)の3人が行方不明となり、船だけが沖合いで発見された。1987年1月22日、外雄さんから姉に北朝鮮から手紙が届いて生存が分かった。2002年10月3日、武志さんは朝鮮労働党員として来日し、能登の生家で宿泊した。武志さんは「自分は拉致されたのではなく、北朝鮮の漁船に助けられた」と拉致疑惑を否定している。このケースは、北朝鮮の工作船と遭遇したため連れ去られた「遭遇拉致」と見られている。

今回見つかった北朝鮮の船は接岸した船ではないとなると、脱北者が船に乗って逃げ出し、途中でガソリンが切れたり、エンジンが止まったまま漂流していたのだろうか。北朝鮮の船が大陸沿いのリマン海流、そして対馬暖流に乗って能登半島などに漂着した事例がこれまでもあった。もし今後、北朝鮮から漂流船が相次ぐとなると、ただ事ではなくなる。中には生存者もいて、難民としてどう受け入れるか、影響は計り知れない。武装した難民がいたらどうする。日本海側に住むがゆえの胸騒ぎではある。

⇒15日(日)夜・金沢の天気    あめ

★海外メディアは衆院選で大勝した高市政権をどう報じているのか

★海外メディアは衆院選で大勝した高市政権をどう報じているのか

先日、このブログで「世界の投資家は高市内閣が3分の2の議席を獲得したことに驚きと同時に今後の可能性に興味を持って、『高市買い』をしているのではないだろうか。『鉄の女』と称されたイギリスのサッチャー首相をイメージしているのかもしれない」(2月11日付)と述べた。その後、世界の論評を見つけた。イギリスの経済誌「The Economist」公式サイト(現地時間13日付)は大勝に導いた高市総理について、「What does the world’s most powerful woman plan to do?(世界で最も力を持つ女性)」と題して特集記事を掲載した=写真=。

「The Economist」は称賛だけではなく、問題提起もしている。「But can she do it in the face of economic, demographic and geopolitical challenges?(しかし、経済、人口動態、そして地政学的な課題に直面しながら、彼女はそれを成し遂げることができるのだろうか)」と。日経新聞の記事(13日付)は「The Economist」の記事を以下紹介している。

「高市氏が日本を変える歴史的な機会を得たとして、経済再建や人口減少などの長期課題に正面から向き合う必要があるとした。機会を『無駄にしてはいけない』とした高市氏が力強さをアピールし、安全保障面の主張でも有権者を引き付けていると分析。防衛力の抜本的な強化は『正しい考えだ』との見方を示し、非核三原則見直しへの言及について『タブーにしない姿勢は健全』だと主張した。衆院選で大勝したことで『イデオロギー的な理想をかなえるための許可を得たと誤って解釈するかもしれない』として、人気に甘んじれば信頼を失う恐れがあるとも指摘した。靖国神社に参拝すれば対中関係のさらなる悪化につながり、アジアでの外交に影響するとの懸念にも触れた」

The Economistの記事は編集長、副編集長、そしてジャーナリストたちが高市総理について、それぞれの見解を紹介している。高市氏のリーダーシップがアジアの勢力均衡にどのような影響を与えるのか、そしてなぜ世界が彼女の動向を注視すべきなのかを考察する、と論評している。

世界のメディアでこれだけ注目された日本の政権はこれまであっただろうか。世界が今後どのように高市政権を考察するのか、海外メディアの報道を通して注視したい。

⇒14日(土)夜・金沢の天気   はれ