#JR七尾線

★能登半島地震  復旧に向けた動きも徐々に

★能登半島地震  復旧に向けた動きも徐々に

   能登半島地震の発生からきょうで4週間が経った。半島の中ほどに位置し、人口4万7千人と能登で最も大きな自治体である七尾市を訪ねた。同市での最大の震度は6強、中心市街地は6弱の揺れに見舞われ、犠牲者は5人、住宅や店舗の全壊・半壊など被害は1万550棟に及んだ。

   中心街の老舗が並ぶ一本杉商店街を歩くと無残にも倒壊した店も。創業130年の和ろうそくの店で知られる「高澤ろうそく」は、建物が国の有形文化財に登録されているが、今回の地震で軒先が倒壊し、母屋も傾くなど大きな被害を受けた=写真・上=。同店はそれにもめげず、フランス・パリで開かれた世界最大規模のインテリアとデザイン関連の国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」(今月18-22日)に出品し注目を集めたようだ(29日付・NHKニュースWeb版)。復興へのともし火のようなニュースだ。

   七尾市の中心街から北側にある和倉温泉に車で移動した。途中でJR七尾線の線路の修復工事が行われていた=写真・中=。金沢駅から七尾駅は今月22日に運転を再開したものの、七尾駅から和倉温泉駅の間は終日運転を取り止めている。レールのゆがみや架線柱が傾斜している箇所もあり、JRは2月中旬の運転再開を目指して復旧作業を進めている。

   和倉温泉街に入ると、いつものにぎわいはなく、閑散としていた。開湯1200年の歴史がある和倉温泉。建物の損壊などで22の旅館すべてが休業に追い込まれている。「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」(旅行新聞社主催)で通算40回総合1位に輝くなど、「おもてなし日本一」の旅館として知られる「加賀屋」でも入り口に立ち入り禁止の規制線がはられていた=写真・下=。入り口には歪んでいるところもあり、建物を眺めると外壁の一部が落ちてる。内部は揺れで食器なども相当に散乱したに違いない。

   ただ、復旧に向けた動きも始まる。七尾市では1万5100戸が断水となっていたが、水道の送水は順次復旧しており、和倉温泉地区への送水は3月中頃の見通しだ(28日付・七尾市役所公式サイト「水道 県・自エリア別一覧及び復旧状況確認表」)。電気はすでに復旧しており、水道の復旧で温泉街に一日も早く活気が戻ることを祈る。

⇒29日(月)夜・金沢の天気   くもり

☆能登半島地震 金沢ー七尾の鉄路 3週間ぶり復旧

☆能登半島地震 金沢ー七尾の鉄路 3週間ぶり復旧

   震度7の地震からきょうで3週間になる。少しずつではあるが交通インフラなどが改善に向かっている。メディア各社の報道によると、JR七尾線で運休していた一部区間での運転をきょう再開し、金沢駅から七尾駅までの運行が復旧した。七尾は能登半島の中心地でもあり、金沢との鉄路が復旧したことで通勤や通学、ビジネスなどの人の往来が徐々に日常に戻りそうだ。(※写真は、午後5時05分発のJR七尾線普通列車=22日・金沢駅4番ホームで)。   

   一歩前に進むニュースも。松本総務大臣は被災した七尾市と内灘町を視察後、金沢市内で記者会見に応じた。被災地で懸案となっている災害廃棄物について、自治体が処理を進めやすくするために、国の費用負担分を引き上げることを明らかにした。通常は、地方が負担する費用のうち80%について交付税措置をとっているが、95%にする。2016年にあった熊本地震と同様の対応となる(22日付・朝日新聞Web版)。

   ただ問題は災害廃棄物をどこで、どのように処理するのか、だ。石川県内だけでも家屋の全壊・半壊・一部損壊が3万7119棟に及んでいる。公共の建物も192棟が損壊している。廃棄物は気の遠くなるような量ではないだろうか。それを埋め立て、焼却、リサイクルなどに回すにしても、木材、コンクリ、鉄、ガラス、家電製品、アルミ、プラスティックなどと分別して処理することになる。膨大な作業量だろう。

   そうした廃棄物処理の作業に影響を与えるのが天候だ。気象庁によると、石川県内はあす23日夜遅くから25日ごろまで、大雪となる見込みだという。24日の午後6時までの24時間に降る雪の量は、能登地方の山沿いで30㌢から50㌢、平野部で20㌢から40㌢と予想されている。能登地方では、地震の影響やこれまでの降水で地盤の緩んでいる所があるため、少しの雨でも土砂災害の危険度が高まるとして、土砂災害にも警戒するよう呼びかけている(22日付・NHK金沢ニュースWeb版)。

⇒22日付(月)夜・金沢の天気    あめ