#G7議長国

✰岸田総理のウクライナ電撃訪問は可能なのか

✰岸田総理のウクライナ電撃訪問は可能なのか

   ロシアによる軍事侵攻開始から1年になるのを前に、アメリカのバイデン大統領は20日、ウクライナを電撃訪問した。ホワイトハウスの公式サイトでは、「Statement from President Joe Biden on Travel to Kyiv, Ukraine」の見出しで、バイデン大統領とゼレンスキー大統領がいっしょにキーウのムィハイール大聖堂前を歩く姿の画像を掲載している=写真=。

   バイデン大統領は声明で、ウクライナの人々を空爆から守るため、砲弾や対装甲システム、空中監視レーダーなどの重要な装備を供与するとしている。また、ロシアに加担する人物や企業などへの追加制裁を今週末に行うと明言している。

   今回の電撃訪問は緻密に計算されていた。NHKニュースWeb版(21日付)によると、バイデン大統領は19日夜にポーランド南東部の街、ジェシュフに大統領専用機で到着したあと、車で国境に近い街、プシェミシルまで移動し、ここで列車に乗り換えてウクライナに入った。列車での移動は首都キーウに到着するまでおよそ10時間に及んだ。現地時間20日午前8時半すぎに、ゼレンスキー大統領が待つマリインスキー宮殿に到着。会談や共同発表を終えたバイデン大統領は午前11時19分に宮殿を離れ、キーウ中心部にあるムィハイール大聖堂を訪れ、その後、戦死したウクライナ兵士を追悼した。

   その後、正午ごろキーウにあるアメリカ大使館に到着。バイデン大統領は46分間、大使館にいたあと再び車に乗り、午後1時すぎに列車でキーウを離れた。滞在時間はおよそ5時間だった。こうした詳細はバイデン大統領がウクライナを離れたあと公開され、メディアも報じた。その理由は、ロシアからの攻撃を避けるためだろう。

           ここで思うのは、G7の首脳らは次々と戦地ウクライナを訪れて連帯を表明しいるのに、ことし議長国の日本の岸田総理は訪問をためらっているのか。岸田総理はすでに、侵攻から1年を迎える今月24日にG7首脳によるオンライン会議を議長国として開催し、ゼレンスキー大統領を招くことを明らかにしている。が、一度は現地に足を運ぶべきではないか。ただ、問題がある。

   上記のNHK記事のように、アメリカメディアはホワイトハウスとの取り決めで、バイデン大統領がウクライナを離れるまで沈黙を守った。では、日本のメディアは沈黙を守れるのだろうか。岸田総理の秘書官が今月3日に内閣記者会所属の各社記者とのオフレコ懇談(通称「オフ懇」)で語った「同性婚差別」問題を一部メディアが報じた。つまり、オフレコという取り決めは日本のメディアでは通用しない。このような状況では岸田総理のウクライナ電撃訪問などはムリではないだろうか。

⇒21日(火)夜・金沢の天気    くもり

★歩み寄り、面目躍如、ニュースの「雪中四友」

★歩み寄り、面目躍如、ニュースの「雪中四友」

   金沢は朝からほんわかとしたまるで春の雰囲気が漂っている。天気予報によると、日中の最高気温は金沢で18度と平年よりも10度ほど高く、4月中旬並みの暖かさになるようだ。クリスマス寒波で30㌢余り積もった庭の雪もすっかり解け、ロウバイの花が咲いている=写真=。「雪中四友(せっちゅうしゆう)」という言葉がある。冬のこの季節に咲く4つの花、ロウバイ、ウメ、サザンカ、スイセンのこと。

   寒々しいニュースが続く中、「雪中四友」のような心がほんわかとするニュースもある。大阪・ミナミを流れる道頓堀川に絶滅危惧種のニホンウナギが生息していることがわかった。府立環境農林水産総合研究所などが去年11月、はえ縄などウナギを捕まえるための仕掛けを設置し、体長30㌢から60㌢ほどの11匹を見つけた。ニホンウナギは肉食で、ミミズやザリガニなど様々なものを食べるので、水質が改善されてニホンウナギが生きていける生態系が道頓堀川の中で成り立っているということになる。同川での学術調査による正式な捕獲記録としては初めてという(今月10日付・朝日新聞Web版)。道頓堀のニホンウナギ。新たな観光名所に。

   太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題の解決策を話し合う韓国政府主催の公開討論会で、韓国外務省のソ・ミンジョン(徐旻廷)アジア太平洋局長は、裁判で賠償を命じられた日本企業に代わって韓国政府の傘下にある既存の財団が原告への支払いを行う案を軸に検討していることを明らかにした。ソ局長はこれまでの官民合同の協議会での議論で、▽被告となった日本企業による賠償や日本側の謝罪を期待するのは難しいという意見、▽第三者が原告への支払いを肩代わりすることも可能だという指摘があったと説明した(12日付・NHKニュースWeb版)。日本政府は、賠償の問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みとの立場。韓国側の財団による肩代わり案は、両国の歩み寄り外交の一歩をもたらすかもしれない。

   G7の議長国として欧米のメンバー国を歴訪している岸田総理は日本時間の11日に3つめの訪問先のイギリスでスナク首相と日英両国での安全保障協力などについて首脳会談を行った。会談後、自衛隊とイギリス軍が共同訓練を行う際の「日英円滑化協定」に署名した。12日にカナダでトルドー首相と会談。13日からアメリカ・ワシントンに入り、バイデン大統領との日米首脳会談に臨む(12日付・NHKニュースWeb版)。元外務大臣だけあって、安全保障をテーマに外交をさらりとこなし、面目躍如か。

⇒13日(金)午後・金沢の天気     くもり