#G7

★懐かしい言葉よみがえる「イマジン」「天国に一番近い島」

★懐かしい言葉よみがえる「イマジン」「天国に一番近い島」

   懐かしい言葉が記憶によみがえってきた。ビートルズのファンだったので、ジョン・レノンが作曲した「イマジン」は学生時代によく口ずさんだ。きょうのニュースで、イギリスで開かれているG7の外相会談の夕食会がリバプールのビートルズ・ストーリー博物館であり、林芳正外務大臣は白いピアノに座り、「イマジン」を即興で演奏し、各国外相から拍手が送られた。林大臣は「誰かが『(ピアノに)座ってくれ、弾いてもいいよ』と、こういうふうに言われたものですから、せっかくイマジンの部屋であればということで、即興で『イマジン』を3分の1ぐらい」と。これまで国会議員らによる音楽グループ「Gi!nz(ギインズ)」などでもたびたびビートルズナンバーを披露していて、得意の音楽演奏で外交をアピールした(12日付・TBSニュースWeb版)。

   林大臣の即興ピアノをぜひ聞きたいと思い、動画を視聴したがピアノに向かう画像はあるが、弾いている動画がない。ほかのテレビメディアの動画ニュースもチェックしたが肝心の動画がない。BBCWeb版も検索したが、G7そのもののニュースがない。本人がほかの外相に気遣って、演奏動画は放送しないようメディア各社に申し入れたのかもしれない。それにしても、ビートルズ博物館で「ピアノ外交」デビューは見事だ。

   「天国に一番近い島」と言えば、南太平洋のニューカレドニアのこと。1966年に発刊され、ベストセラーとなった森村桂著『天国にいちばん近い島』だ。人生で初めて読んだ旅行記だったかもしれない。そのニューカレドニが中国に取り込まれるかもしれないとのニュース。フランス領のニューカレドニアで12日、独立の賛否を問う住民投票が行われた。同島はニッケルの世界有数の産地で、経済的な重要性も高いほか、フランス軍も基地を置き、インド太平洋戦略を進めるフランスにとって重要な拠点。一方、周辺の島しょ国では、中国がインフラなどさまざまな分野への投資を通じて関係を深めている。住民投票はこれまで2回行われ、いずれも反対が多数を占めていたが、2回目は賛成票の割合が増えた。投票の結果、独立することになれば、中国の影響力が強まる可能性があるという見方もあって、結果に世界の関心が集まっている(12日付・NHKニュースWeb版)。

   本の著者は、「ずっとずっと南の地球の先っぽに、天国にいちばん近い島がある」と父親から話を聞いて、貨物船に便乗してニューカレド二アを旅をする感動的な物語だ。読んで心が熱くなったのを覚えているが、残念ながら旅行したことはない。独立して中国に取り込まれることになるのか。開票結果が気になる。

(※写真は外務省公式ホームページより、日英外相会談の様子)

⇒12日(日)夜・金沢の天気      あめ

☆台湾めぐる「海峡」と「WHO」が国際問題に浮上

☆台湾めぐる「海峡」と「WHO」が国際問題に浮上

   菅総理がホワイトハウスを訪れ、バイデン大統領と初めて対面での会談を行った日米首脳会談(ことし4月16日)。「台湾海峡の平和と安定の重要性」が初めて盛り込まれた共同声明「“U.S. – JAPAN GLOBAL PARTNERSHIP FOR A NEW ERA”(新たな時代における日米グローバル・パートナーシップ)」はある意味で新鮮だった。あれから2ヵ月、いまでは国際政治、安全保障を語る上でのキーワードとして浮上している。

   そして、台湾をめぐるもう一つのキーワードがWHOだ。WHO公式ホームページをチェックすると、第74回年次総会(5月24日-6月1日、オンライン)=写真・上=の模様が詳しくホームページ掲載されている。今回の総会で注目を集めたのは、台湾のオブザーバー参加についてだった。結局、中国などの反対で認められなかったもの、以前から中国寄りと批判が向けられているWHOへの風当たりがさらに強くなった。

   台湾はWHOに非加盟であるものの、2009年から2016年までは年次総会にオブザーバーとして参加していた。2017年以降は、中国と台湾は一つの国に属するという「一つの中国」を認めない蔡英文氏が台湾総統に就いたことで、「一つの中国」を原則を掲げる中国が反対し、オブザーバー参加が認められなくなった。

   ところが、新疆ウイグル自治区での人権問題や香港の民主主義運動への抑圧などで中国への懸念が高まる中、台湾問題がクローズアップされるようになった。先のG7外相会合(5月3-5日・ロンドン)の共同声明では、「台湾海峡の平和と安定の重要性」を強調すると同時に、中国が反対する台湾のWHO会議への参加も支持した(5月6日付・共同通信Web版)。G7の共同声明で台湾問題をめぐる2つのテーマで盛り込まれるのは異例だった。
 
   日本でもこれまでになかった動きが起きている。年次総会に台湾の出席が認められなかったことをめぐり、今月11日の参議院本会議では、次の総会から参加を新型コロナウイルス禍からのより良い回復をテーマとしたセッション認めるよう各国に求める決議を全会一致で可決した(6月11日付・NHKニュースWeb版)。決議文は超党派の議員がまとめたもので、「検疫体制の強化などに先駆的に取り組んできた台湾が会議に参加できないことが、国際防疫上、世界的な損失であることは、各国の共通認識になっている」との内容で、政府にも今後、台湾が会議に参加する機会が保障されるよう各国に働きかけることを求めている(同)。

   そして、現在、イギリス・コーンウォールで開催されているG7サミット(6月11-13日)=写真・下、外務省公式ホームページより=の共同声明でどのような表現で2つの台湾問題がメッセ-ジとして盛り込まれるのか注目している。

   話はそれるが、WHO公式ホームページをふと見ると、北朝鮮が声明文を出している。新型コロナウイルスのワクチンの供給をめぐって、強烈な内容だ。「The development of COVID-19 vaccines and medicines might be the achievement for the common mankind whereas an unfair reality is to be seen that some countries are procuring and storing the vaccines more than its needs by inspiring the vaccine nationalism plainly when other countries can’t even procure it with their affordability. 」

 
   意訳すれば、一部国家が必要以上にワクチンを確保し、ワクチンのナショナリズムをあからさまに煽って、世界に不公平な事態を招いている、と。名指しこそしていないが、アメリカを意識しているのだろう。WHOの「パンデミック宣言」(2020年3月11日)下で、北朝鮮は弾道ミサイル2発を日本海に向けて発射している(同3月25日)。弾道ミサイルを1発打ち上げると、そのコストはいくらなのだろうか。ミサイルの打ち上げより、ワクチンの確保に自助努力する方が賢明だと誰しもが思うのだが。

⇒13日(日)午後・金沢の天気   くもり時々はれ