☆報道した週刊誌なぜ排除 企業ガバナンスが問われたフジ社長会見
テレビ業界の用語で、映ってはいけないものが映り込んだりすることをバレルと言う。このところテレビ業界は不祥事や違反が相次ぎ、まさにバレバレの状態ではないだろうか。メディア各社の報道によると、きのう(17日)午後、フジテレビ社長による定例記者会見が開かれた。フジテレビ社長の定例会見はもともと2月28日に予定されていたが、記者会から前倒しでの会見の要望があり、フジテレビ側は前日の16日にこの日での開催が決めた。定例会見というより「緊急会見」のような様相だった。
タレントの中居正広氏の女性とのトラブルをめぐる週刊誌報道がにぎやかだ=写真=。とくに、フジテレビの編成部長が絡んでいると週刊文春(12月26日号)で報道され、さらに最新号(1月23日号)では、フジテレビの女性アナも被害者として証言していると報じられている。フジテレビ社長の会見はこれを受けてのもので、会見内容は全国紙や経済紙なども報道している。冒頭でバレルと述べたが、まさにこの会見はテレビ局らしからぬ側面が見えている。
会見は、冒頭で述べたように記者クラブ加盟社の記者のみが参加できる定例記者会見の前倒しとして設定され、主催者はフジテレビだった。このため、出席は全国紙やスポーツ紙が加盟するラジオ・テレビ記者会、参加が認められたNHKと民放テレビ局などに限定された。さらに、フジは定例記者会見であることを理由にカメラによる動画撮影を許可せず、週刊誌やインターネットメディアなどの参加も認めなかった。
そもそも、記者会がフジテレビ社長の定例会見の前倒しを要望したのは、タレント中居正広氏の女性とのトラブルでのフジテレビ編成部長の関わりについて、法人トップの見解を求めるものだった。会見で社長は「多大なご心配、ご迷惑をおかけし、説明ができていなかったことをおわびします」と謝罪し、外部の弁護士を中心とした調査委員会を立ち上げると述べた。第三者から見ても、これは実質的な謝罪会見だ。つまり、会見を通じて視聴者や国民におわびをするということになる。ならば、定例会見という枠を設けずに、動画撮影を許可し、週刊誌やインターネットメディアなどの参加を認めるべきではなかったのか。むしろ、今回の会見で問われたのは企業統治、ガバナンスの問題だろう。
もう一つ。テレビ東京の番組「激録・警察密着24時!!」をめぐり、BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送倫理検証委員会は2023年3月の放送分について、実際の密着は2日間のみで、1年にわたって密着取材したかのように誤解させる表現をしていて、放送倫理違反に当たるとの意見を公表した(1月17日付・BPO放送倫理検証委決定第46号)。一方で委員会は、制作会社スタッフの過酷な勤務状態による「ひっ迫する制作体制」に問題があると述べ、制作を委託したテレビ東京側にも責任があるとしている。
⇒18日(土)夜・金沢の天気 くもり
アナフィラキシー症状は薬や食物が身体に入ってから起きるアレルギー反応で、気道閉塞(喉の奥の空気の通り道が塞がれること)や不整脈、ショックなどで死に至る事例もある。コロナウイルス感染とワクチン接種による副反応はまったく別なものだ。自身は医者と相談し、5回目を受けたのはことし1月だったが、これ以降は副反応は出ていない。
テレビ朝日公式ホームページの「大下容子ワイド!スクランブル」=写真=をチェックすると、10月21日付「お知らせ」欄で「不適切な演出について」と題して概要を説明している。この「視聴者からの質問にお答えするコーナー」は月曜日から木曜日の番組終了間際に通常2分ほど放送していた。質問を用意したのは番組のチーフディレクターである社外スタッフ(「テレビ朝日映像」所属)。チーフディレクターは、放送に向けた準備のため、それまでに寄せられた意見や質問を踏まえて放送前に想定質問案を作っていた。今年3月以降、その想定質問を視聴者からの質問として放送に使っていた。。これまで放送した質問のうち約2割が想定質問たっだ。
単純な話、たとえば中国資本の企業が20%以上の株を持って、フジテレビに「中国に友好的な番組をつくれ」と要求してきたとすると、フジはおそらく呑むしかない。友好的な番組とはニュース番組も含めてのことだ。さらに、その中国資本の企業が番組CMのスポンサーとなって、意に反する番組をつくらせないとなったら、実質的にフジを乗っるような状態になってしまう。もちろん、これはフジテレビだけの問題ではない。すべてのテレビ局に言えることだ。何しろテレビ局は出資者とスポンサーには頭が上がらない。
問題となったシーンは、シェアハウスの同居人の男性が女子プロレスラーが大切にしていたコスチュームを勝手に洗って乾燥機に入れて縮ませたとして怒鳴り、「ふざけた帽子かぶってんじゃねえよ」と男性の帽子をとって投げ捨てる場面だ。放送より先に3月31 日に動画配信サービス「Netflix」で流され、SNS上で批判が殺到した。この日、女子プロレスラーは自傷行為に及び、それをSNSに書き込んだ。番組スタッフがこのSNSを見つけ、本人に電話連絡をとってケアを行っていた。ところが、フジテレビは5月19日の地上波の本放送で、SNSで批判された問題のシーンをカットすることなく、そのまま流した。女子プロレスラーは5月23日に自ら命を絶った。 女性の母親は娘の死は番組内の「過剰な演出」による人権侵害としてBPOに申し立てていた。

