#顕著な大雨に関する情報

★「まだ降りやまぬ」 落雷で停電、雷サージをどう防ぐ

★「まだ降りやまぬ」 落雷で停電、雷サージをどう防ぐ

   きのうの深夜から未明にかけて、金沢では激しい雷雨となった。気象庁はきょう未明にも「顕著な大雨に関する情報」を発表した。石川県で線状降水帯が発生し、土砂災害や洪水が発生する危険性が急激に高まっているとメディアやネットを通じて注意を喚起した=写真=。

   午前0時過ぎごろに自宅近くで落雷があり、停電となった。電源のブレーカー(電気回路の遮断器)が落ちていた。オンにしたが復旧しない。近所を見渡すと住宅の西側一帯の街灯が消えていた。ということは周囲一帯が停電になったようだ。

   そして懐中電灯を灯して書斎に行く。パソコンは大丈夫かと心配になったからだ。雷が直接落ちなくても、近くで落ちた場合でも「雷サージ」と呼ばれる現象が広範囲に起きる。いわゆる電気の津波だ。この雷サージがパソコンの電源ケーブルから機器内に侵入した場合、部品やデータを破壊することになる。PCをチェックしたが、異常はなくひと安心した。

   何しろ、全国で年間の雷日数がもっとも多いは金沢の45.1日だ(気象庁「雷日数」1991-2020)。このため、金沢では雷害からパソコンを守るためにガードコンセントは不可欠だ。現在使っているガードコンセントは金沢市に本社があるメーカーが製造したもの。北陸で雷害のケースと実情を研究し耐雷対策に取り組んできた企業の製品なので信頼を寄せている。が、それでも気になり、念のためPCをチェックした次第。

   雷がとどろけば、落雷も発生する。1602年(慶長7)に金沢城の天守閣が落雷による火災で焼失している。石川県の消防防災年報によると、県内の落雷による火災発生件数は年4、5件だが、多い年(2002年)で12件も発生している。雷が人々の恐怖心を煽るのはその音だけではなく、落雷はどこに落ちるか予想がつかないからだ。

   金沢地方気象台は、きょう午後からは再び雨が降りだしあす14日昼前にかけて大雨となるところがある見通しで、引き続き土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒するようにと呼びかけている。

⇒13日(木)午後・金沢の天気    くもり時々あめ

☆気象情報 言葉が複雑化している

☆気象情報 言葉が複雑化している

   「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったものだ。きょうの金沢の最高気温は27度で夏日だったものの、夕方からは涼しさを感じるようになった。と言うと、「随分のんきなことを」としかられるかもしれない。九州北部や中国地方を中心に記録的な大雨となっている。11日からの降り始めの雨量は佐賀県嬉野市で1000㍉を超え、8月の平年の雨量(277㍉)の3倍以上の雨量となった(15日付・気象庁公式ホームページ)。石川県内でも宝達志水町では12日午前2時の降り始めから15日午前5時までに降水量が311㍉となり、8月の平年の雨量を上回り、観測史上最大となった(同・金沢地方気象台公式ホームページ)。

         この記録的な大雨で、堤防の決壊や越水など9県の36河川で氾濫が発生。鉄道や道路も被害が相次いでいる。土砂災害は15府県で44件が発生していて、都道府県別件数(15日正午現在)では、長崎11、広島7、熊本5、佐賀4、富山、福岡各3、石川、鹿児島各2、福島、長野、岐阜、静岡、滋賀、京都、大阪各1などとなっている。さらに増える見通し(国土交通省公式ホームページ「プレスリリース」)。

             これまでの雨のイメージとはまったく異なる強い雨や雨量、そして、「線状降水帯」といった帯状に連なる積乱雲など、気象庁から発表される気象情報のレベルが一気にアップしている。その分、国民や視聴者にはとても分かりにくくなっている。たとえば、きょう午前中に民放テレビが報じていた。「気象庁は午前10時7分、神奈川県山北町に記録的短時間大雨情報を発表しました。この情報が発表された地域では、災害の発生に結びつくような猛烈な雨が降っています。ただちに身の安全を確保してください」(15日付・TBSニュース)。「記録的短時間大雨情報」とあるが、「顕著な大雨に関する情報」や「大雨警報」はどう違うのか。

    これだけではない「警報」と「特別警報」の違いや、「氾濫危険情報」と「氾濫警戒情報」の違いを国民、視聴者はどれほど理解しているだろうか。単なる気象情報ではなく、防災情報を含めているので、言葉の複雑化が生じているのだろう。ただ、情報は流せばよいというものではない。言葉の分かりやすさが人々にいち早く訴える。「大雨洪水警報」、これで十分伝わるのではないか。(※写真は日本気象協会の天気予報専門サイト「tenki.jp」より)

⇒15日(日)夜・金沢の天気      くもり時々はれ