#非常に強い勢力の台風10号

★台風迫る 稲刈り前倒し、なぜ3割高い新米価格

★台風迫る 稲刈り前倒し、なぜ3割高い新米価格

  金沢から能登方面を往復する自動車道路を走っていると、金沢など4市町にまたがる河北潟周辺に水田が広がっている。薄黄色に色づいた稲穂が風に揺れていた。稲刈りのコンバインが走っていた=写真・上、27日撮影=。ほかに数台走っていた。ふと思ったのは、コメが早生品種であったとしても、稲刈りとしてはちょっと早いのではないかと。そうか、台風10号の接近で収獲を前倒ししているに違いないとようやく気がついた。

  暴風雨となると、田んぼ全体で稲の倒伏が起きる。稲が倒れると、収穫作業が困難になり、収穫量や品質の低下を招くことになる。倒伏して穂が水につかった場合、籾(もみ)が発芽しまうからだ。台風が迫り、農家の人はいろいろと気を揉んでいるに違いない。

  いくらなんでも、3割アップは高すぎる。先日(25日)近所のスーパーに行くと、石川県産の品種「ゆめみづほ」の新米の販売コーナーが設置されていた。このコメは早生品種でいわゆる新米のトップランナー、例年この時期に店頭に並ぶ。今回は値段に驚いた。10㌔袋で4580円(税抜き)だ=写真・下=。何度か買ったことがあるのでこれまでの値段は覚えている。10㌔袋で3480円(同)だった。それが、1100円、3割も高くなっている。

  メディアも報じている。コメの卸売業者によると「ゆめみづほ」の出荷量は例年並みだが、全国的にコメが品薄になり、肥料も高騰していることから、価格が3割ほど高くなったという(今月24日付・NHKニュースWeb版)。言葉は適切ではないかもしれないが、これは先を見越した便乗値上げではないかと思ってしまう。非常に強い勢力の台風10号が間近に迫っている。冒頭で述べたように、稲の倒伏などが全国的に起きるとコメ不足に陥り、価格は上昇するだろう。それを見越した値上げではないか、と考え込んでしまう。

  9月上旬からは県産のコシヒカリなどもスーパーの店頭に並ぶので価格表には注視したい。さらなる値上げになるかもしれない。そうなると、まさに「令和の米騒動」だ。

⇒28日(水)夜・金沢の天気   くもり

☆全半壊の家屋解体が正念場 見込より1万棟増え、台風の影響は

☆全半壊の家屋解体が正念場 見込より1万棟増え、台風の影響は

  前回ブログの続き。石川県庁はきのう(26日)能登半島地震で全半壊した家屋の解体を加速させる、「公費解体加速化プラン」を公表した。これまで県は解体棟数を2万2499棟と想定していたが、9911棟多い3万2410棟に見直しをしたからだ。本来ならば、来年2025年10月で解体作業を完了するとのスケジュールも同時に見直すことになるが、それはせずに「加速化」を推進することで、帳尻を合わせるようだ。

  公費解体加速化プランによると、その加速化の中心となるのが「自費解体」だ。これまでメインで進めてきたのは「公費解体」だったが、自費解体との両輪で進めることで全体の作業のピッチを上げる。自費解体は全半壊の家屋を所有者が事前に自治体に届け出を行い、独自で解体作業を行う。かかった経費(解体費、運搬費、処分費)は各市町の算定基準で後日、償還される。(※写真は、輪島市の家屋解体現場=今月24日撮影)

  今回の公費解体の見込棟数の大幅な見直しは、県では2月に空中撮影と現地調査で被害状況の確認を行い、解体見込み数を2万2499棟と算定していた。ところが、4月末から受け付けた申請件数はすでに2万6774棟(8月19日時点)と大幅に上回ったことから、県は被害状況の見直し行っていた。

  県が想定する解体棟数を9911棟上乗せしたことで、災害廃棄物の量をこれまで244万㌧と推計していたが、これも大幅に上回る見込み。このため、廃棄物を一時的に置く仮置き場は現在、12の市町で計16ヵ所あるが、暫定的に6ヵ所増設し、追加の設置も検討しているという。

  話は飛ぶが、非常に強い勢力の台風10号が29日に九州に上陸し、石川県内は30日午後から31日午前にかけて最も近づく見込みだ。このため、輪島市は30日に予定していた市内の小・中学校あわせて12校の2学期の始業式を9月2日に延期することを決めた(26日付・NHKニュース)。この台風が解体作業の現場などにどのような影響をもたらすのか。

⇒27日(火)午後・金沢の天気    はれ時々くもり