#霊感商法

☆解散請求逃れ、財産保全逃れ旧統一教会「100億円供託」

☆解散請求逃れ、財産保全逃れ旧統一教会「100億円供託」

           解散請求逃れ、財産保全逃れのための悪あがきの光景だった。きょう午後2時からの旧統一教会の記者会見をNHKのテレビ中継で視聴していた=写真・上=。今回の会見で、教団側は「つらい思いをしてきた2世や国民の皆様に心からおわび申し上げます」と、元信者らに補償が必要になった場合の原資として最大100億円を国に供託したいと述べた。

   旧統一教会の高額な献金や霊感商法の実態調査を行った文科省は10月13日、東京地裁に教団に対する解散命令を請求した=写真・下=。そして、国会では教団側が命令の確定前に被害者救済に充てるべき財産を海外や別の団体に移転させるおそれがあるとして、財産保全の措置法の整備を進めている。このタイミングでの国への100億円の供託となると、冒頭の「解散請求逃れ、財産保全逃れ」の意図としか読み取れない。

   さらに気になったのは、この発言だった。高額献金について、「家庭事情や経済的状況に対し配慮が不足していた」「法人の指導が行きわたっていなかった」と述べていた点だ。教団として高額献金を要請してはいない、あくまでも現場でのことと言い逃れしている。

   もう一つ。教団側が元信者らに補償が必要になった場合、「心からおわび」として100億円を供託すると述べたことについて、会見の質疑で記者から「今回は謝罪の会見か」と問われた。すると教団側は「謝罪という言葉とは距離を置きたい、おわびの会見だ」と述べる場面があった。解散命令請求が出されたタイミングなので、教団とすれば謝罪は罪を認めることになる。そこで、配慮が足りなかった「おわび」という言葉に執着したのだろう。

   旧統一教会は巨大な集金システムだ。韓国の教団トップの韓鶴子総裁がことし6月末、教団内部の集会で「日本は第2次世界大戦の戦犯国家で、罪を犯した国だ。賠償をしないといけない」「日本の政治は滅ぶしかないだろう」と発言していたことが、関係者への取材や音声データで分かった。日本の教団側は6月中旬までに、年間数百億円にも上るとされる韓国への送金を今後取りやめると説明していたが、トップが依然、韓国への経済的な見返りを正当化したことになる(7月3日付・共同通信Web版)。

   日本に戦前の罪を押し付け、信者から献金という「賠償金」を吸い上げるという集金システムだ。教義そのものが変らない限り、この集金システムは変わらないだろう。

⇒7日(火)夜・金沢の天気    くもり

☆「国葬」めぐるバカ発言、パンドラの箱が開く

☆「国葬」めぐるバカ発言、パンドラの箱が開く

   まるでパンドラの箱が開いたように連日、世界平和統一家庭連合(旧「統一教会」)の政治家と関係や霊感商法、献金強制の問題などが報道されている。

   日テレ系番組「情報ライブミヤネ屋」(26日付)で、安倍元総理の国葬(9月27日)について津田塾大の萱野稔人教授が意見を述べていた。「やるのであれば、統一教会と与党との関係をしっかり清算してほしい」と。「国葬をやることによって、むしろ統一教会に利用されてしまう懸念がある。国葬を行うような大政治家とわれわれは関係を持っていた」と教団のPRに使われる可能性を指摘していた。

   自民党は党所属の国会議員に統一教会とのかかわりをアンケート調査する文書を配布した。8項目の報告を求めていて、統一教会主催や関連団体の会合に出席したことがあるか、会費の支出があるかどうか、選挙の際にボランティアによる支援や組織的な支援を受けたことがあるかどうかなどを尋ねている。集約でき次第、結果を公表する。関係が深い議員については名前の公表も検討する(26日付・NHKニュースWeb版)。   

   消費者庁に新たに発足する「霊感商法等の悪質商法への対策検討会」の初会合が今月29日に開催される。河野消費者担当大臣が明らかにした。委員には、統一教会の問題に取り組んできた紀藤正樹弁護士、カルト問題に詳しい立正大学の西田公昭教授など8人が選ばれた。河野大臣は「霊感商法は消費者契約法で規制されているが、それにあたらないような動きがあったからこそ、さまざまな被害があったと思う」と述べた(同)。

   自民党の二階俊博元幹事長は都内で講演し、統一教会や関連団体と自民党議員との関係について「問題があればどんどん出して、修正をしていくべきだ。自民党はびくともしないから」と述べた。また、安倍元総理の国葬に報道各社の世論調査で反対意見が強いことについて「それがあったからといって国葬をやめるわけではない。国葬は当たり前だ。やらなかったらばかだ」と指摘した(24日付・毎日新聞Web版)。

   国葬に関しては、FNN・産経合同世論調査(8月20、21日)で「反対」51%、「賛成」40%、また、毎日新聞と社会調査研究センターの世論調査(同)でも「反対」53%、「賛成」30%となっていて、反対が上回っている。二階氏のバカ発言で今後さらに反対が加速するのではないだろうか。

⇒26日(金)夜・金沢の天気    くもり

★政治と宗教の癒着、民主主義の成れの果てなのか

★政治と宗教の癒着、民主主義の成れの果てなのか

   霊感商法や献金強要など反社会的行動を取ってきた「世界平和統一家庭連合」(旧「統一教会」)が国会議員との癒着している事実が次々と明らかになっている。統一教会の野望が見えてくる。と同時に、これが民主主義の成れの果てなのかと思ってしまう。  

   「信教の自由」は憲法20条で保障される権利である。しかし、教団という組織は基本的な人権や自由を保障しているだろうか。とくに、統一教会のようなカルト教団の組織の中では厳しい上下関係や献金強制、さらに政治活動の動員といったことが表面化している。全国霊感商法対策弁護士連絡会の記者会見(7月12日)によると、霊感商法や献金強要によって巨額な金が集められ、1987年から2021年に連絡会などに寄せられた被害件数は約3万4500件、被害金額は計約1237億円に上る。

   こうした問題を知りながら、安倍総理の2015年と16年の「桜を見る会」に統一教会幹部を招待していた。さらに、16年6月、統一教会の会長を総理官邸に招待していた。そのほか、閣僚や議員、地方自治体の首長、県会議員が統一教会から選挙支援やイベントの招待を受けていたとなれば、政治責任が問われて当然だろう。

   統一教会がここまで政治と癒着する思惑の中には、公的な資金取り込みの意図があるのではないのだろうか。統一教会が以前から提唱している「日韓トンネルの早期具体化」について、関連団体「平和政策研究所」は政策提言(2017年2月15日付)で、「いまこそ国家事業化の決断を」と提唱している。九州と韓国の間を230㌔の海底トンネルで結ぶ構想。これについて、国や自治体はこれまで調査費などの予算付けをしているのではないだろうか。

   統一教会による献金問題がこれまでも繰り返し報道されている。信者に借金をさせて自己破産、その後は知人や縁者に高額な物品販売をさせる。信者を集金マシーン化するあくどい手口だ。ここからは憶測だが、信者の集金マシーン化は巧妙化しているのではないか。無職や高齢の信者から生活保護費や年金を、あるいは零細企業の事業者の信者に持続化給付金などの公的資金を申請させ、献金として巻き上げているという事実はないだろうか。メディアによる調査報道に期待したい。

   共同通信社の世論調査(電話調査、7月30、31日)では、安倍元総理の国葬についての問いで、「反対」「どちらかといえば反対」が計52%で、「賛成」「どちらかといえば賛成」の計44%を上回っている。戦後、総理経験者の国葬は1967年の吉田茂のみで、日米講和条約を結んで日本の独立を回復、戦後の出発点をつくった政治家だった。沖縄返還に尽くした佐藤栄作は国民葬だった。安倍の国葬に冷ややかな反応が多いのは、業績よりも通算8年8ヵ月という総理在任期間が優先されたからだろう。これも民主主義の成れの果てということか。

⇒7日(日)夜・金沢の天気     はれ     

☆政治は反社宗教団体にどうけじめをつけるのか

☆政治は反社宗教団体にどうけじめをつけるのか

   政治家が知らないで済む話なのだろうか。メディア各社の報道によると、自民党の福田達夫議員(党総務会長)はきのう29日の記者会見で、世界平和統一家族連合(旧「統一教会」)と自民党の関わりが指摘されていることに関し、「誤解を招くようなこと(報道)はしてほしくない」「僕自身、個人的に全く関係がない」「正直に言います。何が問題か、僕はよく分からない」と述べた。

   福田氏はその後、「被害者を生み出すような、社会的に問題が指摘されている団体との関係が問題であることは言うまでもない」と釈明のコメントを出している。これが、いまの自民党と統一教会の関係性を示すシンボリックな出来事なのだと理解した。霊感商法や献金強要など問題がある反社会的勢力から選挙支援を受け続けるうちに、多数の政治家がマインドコントロールされてしまう。黒を白と言いくるめられる政治家の姿だ。党総務会長のポジションにいる福田氏は統一教会が反社団体と認識していたのなら、自身との関わりがなかったとしても、なぜそれを先に言わなかったのか。

   統一教会についてはテレビ・新聞メディアの報道で実像が少しずつ見えてきた。さらに報道に期待したいことがある。それは、霊感商法や献金強要によって集めた巨額の金は韓国の本部にどのように送金されているのか、だ。全国霊感商法対策弁護士連絡会の記者会見(今月12日)によると、1987年から2021年に連絡会などに寄せられた被害件数は約3万4500件、被害金額は計約1237億円に上るという。これはあくまで被害総額であって、実際には数十倍にもなるのではないか。想像がつかいない。

          その金は世界に流れている。ニューヨーク・タイムズ(2021年11月5日付)によれば、1976年から2010年までの間に、献金として日本で集められ、韓国本部を通じてアメリカの統一教会に送金された額は実に36億㌦以上になるという。

   宗教法人は文化庁宗務課に年1回、書類提出(役員名簿、財産目録、収支計算書など)をする決まりがある。この中で、韓国本部への送金はどのように記載されているのか。また、円をウオンやドルへの為替取引業務をどのようなシステムで行っているのか。一連の金の流れの中で不正があれば、国税などに告発すべきだ。

   1996年に宗教法人法が改正され、第81条(解散命令)では「著しく公共の福祉を害する」「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為」などあった場合、その宗教法人に対して、所轄庁などが解散命令を裁判所に請求し、裁判所の決定により解散させることができる。

   安倍元総理の射殺事件をきっかけに、反社行為が野ざらしにされてきた統一教会への批判が高まっている。むしろ自民党が率先して解散へと追い込む動きをしなければ、統一教会と一体とみなされるだろう。自民に限らず、政治にのしかかった課題だ。

⇒30日(土)午後・金沢の天気    はれ

☆この宗教法人はなぜ「治外法権」なのか、日本の闇

☆この宗教法人はなぜ「治外法権」なのか、日本の闇

   安倍元総理が今月8日に凶弾で亡くなった事件。報道によると、容疑者が「世界平和統一家庭連合」(旧「統一教会」)に積年の恨みを募らせた事件だった。統一教会によるあこぎな献金問題が連日報道されている。信者に借金をさせて自己破産、その後は高額な物品販売させる、実に巧妙な手口だ。

   これは憶測だが、無職あるいは高齢の信者から生活保護費や年金を、あるいは零細企業の事業者の信者に申請させた持続化給付金などの公的資金を献金として巻き上げているのでないだろうか。この宗教法人に対して税務調査を入れるべきだろう。

   統一教会の霊感商法が社会問題となった1980年代から続いているとすれば、これまでざっと数千億円の上納金が韓国の本部に貢がれていることは想像に難くない。この上納方法ももしかして、金の流れが分からないように工夫されている可能性がある。たとえば、多数の信者を韓国の本部に派遣しているが、信者に多額の上納金を荷物などとして持たせているのではないだろうか。今回の事件でも容疑者が、入信した母親が幾度も韓国に渡っていたと報道されている。

   統一教会の会長は記者会見(11日)で、容疑者の母親が1990年代後半に教団と関わり始めたと説明し、「破綻された諸事情は把握していない」とした上で、「その後、この家庭に高額献金を要求した記録は一切残っていない」と語っていた。献金の記録が本当に残っていないのだろうか。納税義務がある民間企業や事業者とすれば信じられないことだ。

   物品を販売する霊感商法などは本来、税務申告があってしかるべきだ。宗教法人がなぜ治外法権のごとく優遇されるのか。すべての宗教法人とは言わないが、問題が指摘された宗教法人に対しては管理・監視する組織やシステムが必要ではないか。

   全国霊感商法対策弁護士連絡会の会見(11日)によると、統一教会による被害(2009-21年)は被害相談の件数が3988件、被害額は約176億円に上っている。宗教に名を借りた集金団体だ。岸田総理は安倍氏の国葬を今秋に営むと発表したが、その前にやるべきことは自民党と統一教会の癒着を断ち切って、国民の信頼を得ることだ。このままウヤムヤすれば、統一教会の横行はまた繰り返されるに違いない。

⇒19日(火)夜・金沢の天気    はれ