#金属バット

★「金属バットマン」に同情の余地なし

★「金属バットマン」に同情の余地なし

  元新聞記者、元テレビ番組ディレクターを経験したせいか、地域にこういった事件が起きると、「なぜだ」と妙に血が騒ぐ。きのう10日、石川県七尾市の市会議員が金属バットを持って議会事務局に入り、駆け付けた警察官に現行犯逮捕された。この議員は77歳、10期目のベテランだ。一夜明けて、その「なぜだ」の問いが断片的ながら見えてきた。きのうに引き続き、ブログのネタに。

   きのうのブログで「過去に無用にバットを振り回し周囲を威嚇するような行為があったのだろう。市役所の職員の対応はその経験則ではないかと察する」と憶測を述べた。きょうの地元紙によると、やはり、過去にも「金属バット歴」があるようだ。逮捕された市議、杉本忠一容疑者はきのう午前10時半ごろに七尾市役所に金属バットを持って入った際、市役所職員が警察に通報。杉本容疑者が議会議長の杉木勉氏と議会棟のロビーで面談する際、脇にバットを置いたため、議会事務局の職員が隙を見て、バットを取り上げた。駆け付けた警察官は任意同行を求めたが、杉本容疑者は「素振りなどの運動をするために持っていた」と警察の要請を拒否。警察は迷惑防止条例違反で午前11時20分ごろ現行犯逮捕した。市役所職員のこの機敏な行動(警察への通報、バットの取り上げ)は経験則だと直感した。

   きょうの地元紙によると1995年に市職員に暴力をふるおうとするなど荒っぽい言動があり、議員辞職勧告を議会から受けたことがある(12月11日付・北國新聞)。また、同僚の議員とトラブルを起こしてバットで殴りかかろうとしたほか、市職員や議員に暴力を振るおうとするなど荒っぽい言動やトラブルが目立つと議会関係者は話している(同・北陸中日新聞)。暴力には至らなかったものの、その寸前での行為が目立った。市職員の経験則にはこうしたリアルな背景があった。

   もう一つの疑問だ。なぜ金属バットを持って議長と面談をしに行ったのか。ことし10月に同市の市長が選挙によって交代した。現職を応援したのが杉本容疑者、前職を応援したのが議長だった。今月8日の議会一般質問で、前職を支持した議員が現職の市長に対して、「市長選で用いた討議資料の中で、七尾市のごみ処理施設の予定価格が非公開だったため、談合が行われたとの記載があるが、予定価格は公開されていた。記載が間違っており、市民に謝罪を」と厳しく追及した。これに対し、杉本容疑者は「裁判所の検事のように追及するな」などとやじを繰り返したため、議長から何度も注意を受けた。また、翌日9日は杉本容疑者自身が一般質問をしたが、通告にはない話をしたとした議長から再度注意を受けていた(同・北陸中日新聞)。

   議会で注意を受けたことに逆に遺恨の念をもったようだ。同情の余地がない。

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☆市会議員が「金属バット」を持てば

☆市会議員が「金属バット」を持てば

   さらに、ローカル放送のニュースをチェックする。警察などによると、杉本市議は午前10時ごろ、金属バットを持って市役所の議会棟に現れた。駆け付けた警察官が任意同行を求めたものの、杉本市議が抵抗したため、警察がその場で逮捕した。けが人はいなかった。 七尾市議会の杉木勉議長は「キャップを深くかぶって黒いマスクでマフラーをつけていた。全く誰かわからなかった」と証言した。 杉本市議は議会運営に不満を持っていたとみられ、議長に面会を求めていた。同市議会の杉木勉議長によると、一般質問で杉本容疑者がやじを飛ばすなどしたため注意した。杉本容疑者は「議長が議員を公平に扱っていない」と不満を口にしていた(同・北陸放送ニュースWeb版)。

    別のローカル放送はこう伝えている。10日午前、七尾市役所の議会事務局に金属バットを持った現職市議が乱入し、駆け付けた警察官に現行犯逮捕された。午前10時半ごろ、市役所3階の議会事務局に金属バットを持った男が突如現れ、議長に面会を求めた。男は通報で駆け付けた警察官の要請を拒否。そのまま現行犯逮捕された。県迷惑防止条例違反で逮捕された現職議員・杉本忠一容疑者は通算10期目のベテラン議員だった(同・石川テレビニュースWeb版)。

   それにしても、事件が流れが断片的に記事になっているだけで、全体が理解できない。地元紙の関連ニュースをネットでチェックしたが掲載されていない。そこで、上記の3つのニュースを総合すると、以下だ。市議会の杉木勉議長によると、一般質問で杉本議員はやじを飛ばすなどしたため注意した。すると、杉本氏は「議長が議員を公平に扱っていない」と不満を口にしていた。そしてきょう、「キャップを深くかぶって黒いマスクでマフラーをつけていた」杉本氏が金属バットを持って議会事務局に現れ、議長に面会を求めた。ただならぬ気配を察した議会事務局は警察に通報した。議会棟のロビーで杉木議長と杉本氏は10分ほど面会。その際に脇にバットを置いたため、市職員が隙を見てバットを取り上げた。駆け付けた警察官は任意同行を求めたが、杉本氏は「素振りなどの運動をするために持っていた」と警察の要請を拒否。警察は迷惑防止条例違反で午前11時20分ごろ現行犯逮捕した。

   確かに、キャップを深くかぶって黒いマスクでマフラーした男が金属バットを持っていれば、市議と分かっていても、周囲を不安に陥れる。おそらく、過去に無用にバットを振り回し周囲を威嚇するような行為があったのだろう。市役所の職員の対応はその経験則ではないかと察する。50分の出来事だった。

(※写真は、七尾市議会がある七尾市役所庁舎)

⇒10日(木)夜・金沢の天気    くもり