#読売新聞

★コメ価格は上がり 内閣支持率は下がる 世相を反映するこの数値

★コメ価格は上がり 内閣支持率は下がる 世相を反映するこの数値

コメの価格は上がり、内閣支持率は下がる。石破総理が前回の衆議院選挙で初当選した自民党の議員15人に対し、会食の土産に10万円相当の商品券を配っていたという問題。有権者の石破内閣に対する意識が直近の世論調査で伝わってくる=写真・上=。読売新聞の調査(今月14-16日)は支持率は31%となり、前回調査(2月14-16日)より8ポイント下落。不支持率は58%で前回より15ポイントも上昇した。数字で見る限り、不支持率が支持率の倍近くある。毎日新聞の調査(今月15、16日)でも支持率は23%と、前回(2月15、16日)より7ポイント落ちている。不支持率は前回より10ポイント上がって64%だった。不支持率が支持率より3倍近くになっている。

この世論調査の数値の背景には商品券問題もあるが、いわゆる「内閣の賞味期限」そもののが切れてしまっていることもあるだろう。読売の調査で「政権運営で指導力」を問う項目では、76%が指導力を発揮していないと回答している。そもそも、前回の衆院選(2024年10月)で大敗し過半数を割り込み、石破内閣は少数与党内閣として野党に譲歩しながらの政権運営を迫られている。内閣独自の政策を打ち出す「賞味」がなくなったのだろう。自民党内から 「参院選は戦えない。早く総裁選をやって、新たなリーダーを選び直せ」との声が上がっているようだが、自民党そのものの賞味期限が切れているのではないだろうか。

話は変わる。近くのスーパーに立ち寄ると、コメの価格が高騰している。能登米の価格が5㌔袋で4080円(税込み4407円)となっていた=写真・下=。このコメだけではなく、ほかの種類のコメも2月に訪れたときより、5㌔袋が200円ほど高くなっている。去年8月25日付のブログでも述べているが、そのとき同じスーパーで購入した新米は5㌔で2290円だったので、それから7ヵ月で1700円余り高くなっている。

そのコメの棚には「個数制限のお願い」という紙が貼られていた。「お米10㌔はお一人様1袋 お米5㌔はお一人様2袋までとさせて頂きます。ご迷惑をお掛けしますが、ご理解とご協力をよろしくお願いします」と書かれている。コメの価格高騰を受けて政府は備蓄米を放出したが、その効果がまだ見えてこない。

⇒18日(火)夜・金沢の天気    あめ

★各紙の世論調査 政治に「不満」82% トランプ2.0で日米関係「変わらない」50%

★各紙の世論調査 政治に「不満」82% トランプ2.0で日米関係「変わらない」50%

  けさ読売新聞に目を通すと、早稲田大学先端社会科学研究所と読売新聞社による全国世論調査の結果が報じられていた。去年10月の衆院選挙後の有権者の政治意識を調査するもので、郵送方式で調査期間は11月25日から12月31日、全国の有権者3000人に発送し1958人から回答を得ている(回答率65%)。読売の調査結果の一面トップの見出し。「政治に『不満』最多82% 自公政権継続 望まず61%」

  さらに記事を読み込んでみる。質問は「今の国の政治に、満足していますか」。その回答は「満足」1%、「ある程度満足」17%、「やや不満」44%、「不満」38%となり、「やや不満」と「不満」の合計は82%となった。前回2021年10月の衆院選後の調査では「やや不満」と「不満」は合計74%で、2014年以降の調査で最高だったが、今回はさらにそれを上回ったことになる。自民党支持層でも59%が不満としている。その不満の根底にあるのが経済問題だ。先に衆院選で重視した選挙の争点について、順位別では「景気・雇用」「物価」「社会保障制度」「労働・働き方」「消費税」となっていって、長引く物価高への不満が募っている。

  内閣支持率は「支持する」が39%、「支持しない」が48%となっている。石破総理の評価についても調査されていて、「誠実さ」では評価が高いものの、「国際感覚」や「指導力」、「説明力」、「危機管理能力」、「国家像」といった項目では評価が低い。

  きょう付で日経新聞もテレビ東京と共同で行った世論調査(今月24-26日に電話調査、回答946件、回答率39%)の結果を掲載している。石破内閣の支持率は「支持する」が43%、「支持しない」が50%だった。日銀が金融政策決定会合で追加利上げを決めたことに対する評価については「評価する」が54%、「評価しない」が34%だった。また、アメリカのトランプ大統領をめぐり今後の日米関係についての質問では、「変わらない」が50%、「悪くなると思う」が36%、「良くなると思う」が8%だった。同じ日経新聞には共同通信の世論調査(今月25、26日)も掲載されていて、内閣支持率は支持が35.7%、不支持が49.2%だった。

  世論調査は国政選挙がある年には盛んに行われる。ことし7月にも予定される参院選挙。少数与党の行方、政権交代はあるのか、さまざまな論点でにぎやかに報道される。

⇒27日(月)午後・金沢の天気    はれ

★岸田総理への警鐘 読売トップ「支持率24%は危険水域」

★岸田総理への警鐘 読売トップ「支持率24%は危険水域」

   きょう20日付の読売新聞の一面トップは「内閣支持率急落24% 経済対策『評価せず』66% 本社世論調査」だ。調査は今月17-19日で行われ、前回調査(10月13-15日)の支持率34%から10ポイントも下落した。読売が自社の世論調査を一面トップに持ってきたのはそれ相当の理由があるからだろう。

   調査内容を読むと、不支持は前回49%から13ポイントも上昇し62%となっている。支持率の下降、不支持率の上昇の背景にある数値の分析も詳しく行われている。支持低下の要因は見出しにあるように、経済対策を「評価しない」が66%で、「評価する」は23%にとどまっている。経済対策が企業の賃上げにつながると「思う」が18%で、「思わない」が74%に上っている。所得税など4万円の定額減税も「評価しない」が61%に。その理由が、「選挙対策に見えるから」が44%、「家計の支えには不十分だから」が25%となっている。この数値から「有権者をみくびるな」との声が聞こえてくる。

   支持率の下降、不支持率の上昇の背景はこれだけではない。いわゆる「辞任ドミノ」。9月の内閣改造以降で、政務三役である文科政務官や法務副大臣、財務副大臣が相次いで不祥事で辞任している。岸田内閣の政権運営に「影響がある」かとの問いに、「大いに」23%、「ある程度」45%と計68%が「影響がある」と答えている。世論調査はさらに突っ込んで質問をしている。どのくらい総理を続けてほしいかとの問いでは、「自民党総裁の任期が切れる来年9月まで」が52%、「すぐに交代してほしい」33%だった。

   話は冒頭に戻る。なぜ読売は世論調査の結果を一面トップに持ってきたのか。メディア関係者の間では、読売の調査で内閣支持率の20%台は政権の「危険水域」、20%以下は「デッドゾーン」とよく言われる。第一次安倍改造内閣の退陣(2007年9月)の直前の読売の内閣支持率は29%(2007年9月調査)だった。その後の福田内閣は28%(2008年9月退陣)、麻生内閣は18%(2009年9月退陣)。民主党政権が安倍内閣にバトンタッチした2012年12月の野田内閣の支持率は19%だった。岸田内閣は「危険水域」だ。支持率は落ち始めると急カーブを描く。それが世論調査の怖さだ。読売の一面トップは岸田内閣に対する警鐘、と読んだ。

⇒20日(月)午後・金沢の天気   くもり時々あめ

☆「変化を力にする内閣」も支持率は上がらず

☆「変化を力にする内閣」も支持率は上がらず

   第2次岸田再改造内閣の発足を受けて、新聞メディア各社が緊急世論調査を行い、その結果を報じている。結果を比較すると、内閣支持率が「横ばい」と「上昇」の2つの結果に分かれている。

   読売新聞が今月13日と14日に実施した調査では内閣支持率が35%で前回調査(8月25-27日)と同じだった。不支持も50%で前回と同じだった。日経新聞の調査(13、14日)も支持率が42%で前回(8月25-27日)と同じだった。不支持は51%で前回より1ポイント上昇した。一方、共同通信の調査(13、14日)では支持率が39.8%で前回(8月19、20日)より6.2ポイント上昇した。不支持率は39.7%で前回より10.3ポイントも減少した。

   G7広島サミットの議長国を無難にこなした5月の内閣支持率は上昇したものの、その後、総理長男の秘書官辞任やマイナンバーカードをめぐる一連のトラブルで内閣支持率が続落していた。本来ならば、内閣改造と自民党役員人事の入れ替えがあれば、支持率が上がるのが通例なのだが、今回はメディアによって数字のバラつきがあるのはなぜか。

   調査手法の違いかもしれない。調査方法は3社とも、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて番号をつくり、固定電話と携帯電話の番号にかけて調査を行う、いわゆる「RDD(Random Digit Dialing)」方式で行っている。

          違うのは質問の仕方だ。読売、日経の両社は内閣支持率の質問で「支持」か「不支持か」を尋ねるが、「言えない・分からない」と答えた回答者に再度、「支持しますか、支持しませんか、お気持ちに近いのはどちらですか」と1回だけ重ね聞きするルールを採用している。なので、重ね聞きをしない場合と比べ、「支持」「不支持」の数字がそれぞれ上積みされる傾向にある。それが、前回の調査と比べて数字が動かなかったということは、今回の改造内閣発足では「支持」を増やすまでには至らなかった、ということになる。共同通信は重ね聞きを採用していないが、前回低くかった支持率がやや持ち直したのかもしれない。

   自民党支持層が多いとされる読売や日経の調査で支持率が上がらなかったことに、むしろ自民党関係者は焦りを募らせているかもしれない。

⇒15日(金)夜・金沢の天気    くもり時々はれ

★身を切らずして支持はなし 内閣支持率が「危険水域」に

★身を切らずして支持はなし 内閣支持率が「危険水域」に

    岸田内閣の支持率がいよいよ「危険水域」に落ち込んだ。毎日新聞の世論調査(今月22、23日)によると、内閣支持率は28%と、前回調査(6月17、18日)33%から5ポイント下落した。不支持率は65%で、前回調査58%から7ポイント上昇した。さらに注目するのは読売新聞の世論調査(今21-23日)だ。内閣支持率は35%と、前回調査(6月23-25日)41%から6ポイント落ちた。不支持率は52%で前回調査44%から8ポイントも上昇した。読売新聞では支持率が35%だが、この分だどいよいよ次回は20%台ではないか。

   読売新聞の調査で内閣支持率の20%台は政権の「危険水域」、20%以下は「デッドゾーン」だ。第一次安倍改造内閣の退陣(2007年9月)の直前の読売の内閣支持率は29%(2007年9月調査)、その後の福田内閣は28%(2008年9月退陣)、麻生内閣は18%(2009年9月退陣)。民主党政権が安倍内閣にバトンタッチした2012年12月の野田内閣の支持率は19%だった。つまり、岸田内閣もあと6ポイント下げれば、「危険水域」に突入する。毎日新聞の今回の28%は、その狼煙(のろし)のようなものだ。

   なぜ岸田内閣の支持率が下げ止まらないのか。読売、毎日両紙の解説は、第一にマイナンバーカードをめぐる問題が収束していないことが要因としている。このトラブルへの対応で、岸田総理が指導力を発揮していると「思わない」が80%に上り、「思う」12%を大きく上回っている(読売新聞調査)。さらに、トラブルが解決すると「思わない」が78%、来年秋に健康保険証を原則廃止としてマイナンバーカードに一本化することに「反対」は58%と、この問題の根深さが数値で浮き出ている(同)。

   マイナスイメージはこのほかにもある。直近で言えば、国家公務員の夏のボーナス(期末手当)が大幅に増額されたことだ。去年に比べて5万2500円、率にして9%増加だった。「増税、増税」と言いながら、一方で国家公務員のボーナスを9%アップした。とくに、700人余りいる衆参院の国会議員のボーナスアップは、有権者の理解を得られただろうか。岸田総理と閣僚は行財政改革の一環として3割カットして返納しているものの、本来、行財政改革を言うのであれば、まず国会議員の定数削減を大胆に行わない限り、有権者の支持は得られないだろう。岸田内閣には身を切る覚悟が求められている。

⇒24日(月)夜・金沢の天気    はれ

★「どん底」内閣支持率36% 「危険水域」あと7ポイント

★「どん底」内閣支持率36% 「危険水域」あと7ポイント

   岸田内閣はいつまでも持つのか。7日付の読売新聞の世論調査(今月4-6日)によると、内閣支持率は36%と内閣発足以降で最低となった。前回調査(10月1、2日)は45%だったので、9ポイントも下落したことになる。不支持率は50%で前回46%より4ポイント上昇した。不支持の理由では「政策に期待できない」33%、「首相に指導力がない」24%と続いている。政党支持率も自民党は33%で前回より7ポイント落ち込んでいる。

   TBSなどJNN系列の世論調査(今月5、6日)でも内閣支持率は39.6%と3か月連続で過去最低を更新し、初めて40%を下回った。不支持率は57.7%だった。読売、JNNの世論調査ではっきり読めるのは、支持率下落の主な要因は政治家と世界平和統一家庭連合(旧「統一教会」)の関係だ。自民党は旧統一教会と党所属の国会議員との関係を調査し公表したものの、有効対策に手が打てず、ようやく宗教法人法に基づく「調査」を行うことを表明した。

   読売調査では、これを「評価する」と答えたのは67%。そして、旧統一教会による被害者を救済するための法案を今国会で成立させるべきかどうかの問いには、「思う」が73%となっている。JNN調査でも、教団との関係をめぐり、山際経済再生担当大臣が辞任したが、そのほかの教団との関係を十分に説明していない大臣や政党幹部についても「辞任すべき」との答えは65%、宗教法人法に基づく調査で「政府は解散命令を裁判所に請求すべき」との答えは69%だった。

   以下は憶測だが、宗教法人法に基づく調査を「評価」67%となっているが、世論は「やっと重い腰を上げたか。はやくやれ」という意味合いを込めているのではないか。そして、細田衆院議長は旧統一教会側との関係を自民党調査の発表後に文書で公表しただけで、記者会見などは行っていない。「ズルズルべったり」の政治家と旧統一教会の関係について、世論の不信感は収まっていない。

   支持率は落ち始めると急カーブを描く。それが世論調査の怖さだ。メディア関係者の間では、読売の調査で内閣支持率の20%台は政権の「危険水域」、20%以下は「デッドゾーン」とよく言われる。第一次安倍改造内閣の退陣(2007年9月)の直前の読売の内閣支持率は29%(2007年9月調査)、その後の福田内閣は28%(2008年9月退陣)、麻生内閣は18%(2009年9月退陣)。民主党政権が安倍内閣にバトンタッチした2012年12月の野田内閣の支持率は19%だった。

   あと7ポイント下がれば「危険水域」だ。岸田総理の提案で、来年5月に広島市でG7サミットが開催される。果たして、岸田内閣はそのころまで持つのか。(※写真は、参院代表質問に答える岸田総理=10月7日のNHK総合)

⇒8日(火)午後・金沢の天気   くもり時々あめ

☆朝刊一面に踊る「統一」の文字

☆朝刊一面に踊る「統一」の文字

   読売新聞と日経新聞の朝刊一面の見出しに「統一」の文字が踊るように出ていた=写真=。読売は「台湾統一」と「旧統一教会」、日経は「台湾統一」の見出し。きょうのトップニュースはこれだ。

   5年に1度の中国共産党大会が16日、開幕した。党トップの習近平総書記(国家主席)は活動報告で、台湾統一について「必ず実現しなければならないし、実現できる」と語った。5年前の報告より大幅に表現を強めた。党大会では異例の3期目続投を決める見通し。習氏は超長期政権を視野に、台湾統一を事実上の「公約」に掲げたかたちだ(17日付・日経新聞)。

   約1時間45分の報告で人民大会堂にひときわ大きな拍手が起きたのが台湾統一の部分だった。習氏は「決して武力行使の放棄を約束しない」とも語り、台湾に軍事圧力をかけた(同)。

          中国はすでに新疆ウイグル自治区などでの人権問題で欧米など世界から厳しい視線が向けられている。台湾統一を公約にしたことで、世界との隔たりがさらに拡大するのではないか。これで世界経済はどうなる、か。

   世界平和統一家庭連合(旧「統一教会」)のさまざまな問題をめぐり、政府は宗教法人法に基づく調査に踏み切る方針を固めた。同法が規定する「質問権」を初めて行使する。組織の実態を調べた上で、裁判所への解散命令請求の適否を判断する構え(17日付・読売新聞)。岸田総理はようやく、腹をくくったのかとの思いがした。

☆土砂降りの「内閣支持率」

☆土砂降りの「内閣支持率」

   この梅雨の時季、「線状降水帯」の言葉をテレビでいやほど聞いた。強烈な大雨は鹿児島や島根、鳥取の両県を襲い、熱海市では土砂崩れを誘発した。痛ましいばかりの光景だった。そして、土砂降りと言えば思い出すのが、北陸新幹線だ。忘れもしない2019年10月13日、台風10号の猛烈な雨の影響で、長野県の千曲川が氾濫し、長野市の新幹線車両センターで10編成の北陸新幹線車両が水につかった。雪に強い北陸新幹線は案外にも雨にはもろかった。その想いが残った。

   話は変わるが、土砂降りと言えば、菅内閣の内閣支持率にも豪雨が襲っている。NHKの最新の世論調査(7月9-11日)によると、菅内閣を「支持する」と答えた人は、先回より4ポイント下がって33%と、昨年9月の内閣発足以降で最も低くなった。一方、「支持しない」と答えた人は、1ポイント上がって46%で内閣発足以降で最も高くなった(7月12日付・NHKニュースWeb版)。

   読売新聞の世論調査(7月9-11日)も、菅内閣の支持率は37%となり、昨年9月の内閣発足以降で最低だった前回の37%から横ばいだった。不支持率は53%(前回50%)に上がり、内閣発足後で最高となった。不支持率が支持率を上回るのは今年5月から3回連続。支持率低迷の背景には、政府の新型コロナウイルス対策や五輪対応への不満があるとみられる(7月12日付・読売新聞Web版)。

   このままだと、政局は一気に揺らぐ可能性がある。メディア業界でよくささやかれるのは、内閣支持率の20%台は政権の「危険水域」、20%以下は「デッドゾーン」と。第一次安倍改造内閣の退陣(2007年9月)の直前の読売新聞の内閣支持率は29%(2007年9月調査)だった。その後の福田内閣は28%(2008年9月退陣)、麻生内閣は18%(2009年9月退陣)と、自民党内閣は支持率が20%台以下に落ち込んだときが身の引きどきだった。民主党政権が安倍内閣にバトンタッチした2012年12月の野田内閣の支持率は19%だった(数字はいずれも読売新聞の世論調査)。

   菅内閣が「危険水域」に入るのは、あと8ポイント、さらに「デッドゾーン」へは、あと18ポイント下げたときだ。

(※写真は、今月12日、土砂災害に見舞われた熱海市の現場を視察する菅総理=総理官邸公式ホームページより)

⇒13日(火)夜・金沢の天気    くもり

☆『テラスハウス』、故意に「侮辱」を煽ったのか

☆『テラスハウス』、故意に「侮辱」を煽ったのか

   フジテレビのリアリティ番組『テラスハウス』に出演した女子プロレスラーが自死した問題で新展開があった。読売新聞Web版(12月16日付)が報じている。警視庁は近く、ツイッターで女子プロレスラーを中傷したとして、大阪府の20歳代の男を侮辱容疑で書類送検する方針。女性に匿名の誹謗中傷は数百件に上ったが、中でもこの男が女性のツイッターの投稿に対し、「生きている価値あるのかね」「いつ死ぬの?」などと複数回にわたって返信の書き込みを繰り返し、公の場で侮辱した疑い。警視庁では、摘発して処罰の可否を問う必要があると判断した。

   問題のシーンは『テラスハウス』の38話で、同居人の男性が女子プロレスラーが大切にしていたコスチュームを勝手に洗って乾燥機に入れたとして怒鳴り、男性の帽子をはたく場面だ。この38話は3月31 日に動画配信サービス「Netflix」で流され、SNSコメントで批判が殺到した。この日、女子プロレスラーは自傷行為に及び、それをSNSに書き込んだ。フジの番組スタッフがこのSNSを見つけ、本人に電話連絡をとっている。ところが、フジは5月19日未明の放送で、SNSで批判された問題のシーンをカットすることなく、そのまま流した。女子プロレスラーは5月23日に自ら命を絶った。 

   女性の母親は、娘の死は番組内の「過剰な演出」がきっかけでSNS上に批判が殺到したためだとして、人権侵害があったとBPO(放送倫理・番組向上機構)に申し立てを行った(7月15日)。番組でプロレスのヒール(悪役)のキャラクターを演じるよう指示され、「番組内に映る虚像が本人の人格として結び付けられて誹謗中傷され、精神的苦痛を受けた」として、人格権の侵害を訴えた。併せて、「全ての演出指示に従うなど言動を制限する」などの条項を含む「誓約書兼同意書」によって自己決定権が侵害され、人権侵害に相当すると訴えた。

   これに対し、フジテレビ側は7月31日付で内部調査の検証報告を公式ホームページで掲載した。聞き取りを番組のプロデューサー、ディレクター、制作現場のスタッフ、出演者、女子プロレスラーの所属事務所の関係者ら27人に対して行った。番組について「予め創作した台本は存在せず、番組内のすべての言動は、基本的に出演者の意思に任せることを前提として制作されていた」としたうえで、調査では「制作者が出演者に対して、言動、感情表現、人間関係等について指示、強要したことは確認されなかった」としている。

   BPO放送人権委員会は遺族からの申し立てを受け、これまで10月20日と11月17日の2回審理を行っている(BPO公式ホームページ)。今回の警視庁の書類送検によって、今後の審理ではSNS上に批判が殺到した理由、さらに、なぜ5月19日にそのまま放送したのか、フジの姿勢が問われるのではないだろうか。故意に「侮辱」を煽ったのかどうかだ。

(※写真は5月23日付のイギリスBBCニュースWeb版で掲載された女子プロレスラーの死をめぐる記事)

⇒16日(水)夜・金沢の天気    くもり

☆世論調査に表れた「判官びいき」の国民性

☆世論調査に表れた「判官びいき」の国民性

   きょう7日付の読売新聞に全国世論調査の結果が掲載されていた。それによると、安倍内閣の支持率は52%となり、前回調査(9月7、8日調査)より、15ポイントも上昇している。不支持率は38%と10ポイント下がっている。さらに、第2次安倍内閣の7年8ヵ月の実績を尋ねた項目では、「大いに評価」19%と「多少評価」55%を合わせると74%になる。自身の記憶でも、辞任表明後に支持率がこれほど上昇するのは異例ではないだろうか。それはなぜなのか。

   この傾向は読売新聞の調査だけではない。朝日新聞の調査(9月2、4日)でも、安倍内閣以降の7年8ヵ月間の実績評価は「大いに評価」17%と「ある程度評価」54%を合わせると71%となる。共同通信が実施した緊急世論調査(8月29、30日)でも、内閣支持率が56.9%と前回調査(8月22、23日)より20.9ポイントも増え、7年8ヵ月間についても、「ある程度」を含めて「評価する」が71.3%に上っている。マスメディア各社の調査では安倍内閣の実績評価は70%を超えているのだ。

   確かに、先月28日午後5時からのNHKテレビの生中継を視聴していて、自身もある意味でショックを受けた。8月上旬に持病の潰瘍性大腸炎の再発が確認され、安倍氏は「体力が万全でない中で政治判断を誤ること、結果を出せないことがあってはならない。総理の職を辞することにした」と述べた=写真=。拉致問題も憲法改正も北方領土もどれも道筋をつけられないままでの辞任表明。まさに断腸の思いだったに違いない。

   安倍氏の最大の功績は長期政権を築いたということに尽きるかもしれないと思っている。小泉内閣以降の2005年から短命政権が続き「7年間で7人の首相が誕生する」政治状況だった。当時は「回転ドア内閣」とも呼ばれ、総理の名前を覚える間もないほど交代劇が続き、日本のガバナンスや国際評価の足を政治が引っ張っていた。その意味で、7年8ヵ月続いた安倍内閣は政治の安定をもたらした。さらに、トランプ大統領と良好な関係を築きながら、アベノミクスで積極的な経済政策を推進し、女性の社会進出を拡大させた功績も大きい。

    「こころざし半ばで去ることになった人への判官びいきかもしれません」。安倍氏の辞任表明について書かれた知人からのメールの一文だ。おそらく、国民は声に出すほどのことではないが、7年8ヵ月の「最長の総理」をそれとなく心情的に評価しているということではないだろうか。「多少評価」55%(読売)、「ある程度評価」54%(朝日)といった、微妙な数字がその「判官びいき」ではないだろうか。ある意味で日本の国民性がシンボリックに表れた数字なのかもしれない。

⇒7日(月)夜・金沢の天気    くもり