★季節外れの「黄砂」、的外れの「政治資金」
あす7日は西日本と沖縄などの広い範囲に黄砂が飛来する見込みで、9日には北日本にも黄砂が飛来するとの予想が出ている。北海道に流れ込んだ後、東北や北陸にも黄砂が飛来するようだ(6日付・日本気象協会「tenki.jp」)=黄砂予報図=。
日本から3千kmも離れた中国北部のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠を低気圧が通過することで黄砂が発生し、偏西風に乗って日本にやってくる。植物が砂漠の地表
を覆わない2月から5月にかけて黄砂が発生するといわれてきたが、中国北部で乾燥化が一段と進んでいるのか、「季節外れ」の黄砂が頻繁になっている。
黄砂は何かと悪者扱いされがちだが、黄砂にはミネラル成分が含まれていて、それが日本海に落ちて植物プランクトンの発生を促し、それを動物プランクトンが食べ、さらに魚が食べる食物連鎖が生まれて日本海の漁業資源は保たれているとの研究もある。
話は変わる。メディア各社の報道によると、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について、岸田総理は政府与党連絡会議で、「各政策グループの活動に国民から疑念を持たれていることは遺憾だ。政治の信頼を回復するため、党としても強い危機感を持って、この問題に一致結束して対応していく」と述べた(6日付・NHKニュースWeb版)。
その後、岸田総理は麻生副総裁や茂木幹事長、それに世耕参議院幹事長ら党幹部7人と会談し、対応を協議。会談のあとの記者会見で茂木幹事長は「パーティーなどの自粛が根本的な解決だとは思っていないが、二度と問題が起こらないための対応策がとられるまでは自粛をする」と説明した。また、政治資金規正法を改正する必要性についは、「現行法に問題があるのか、現行法が守られていないことに問題があるのかによっても対応策は変わってくる。いずれにしても透明性を高めることが極めて重要だ」と述べた(同)。
このニュースで率直な印象は「的外れ」だ。自民党の派閥のパーティーは自粛するとの幹事長の話だが、その前にやるべきことは金がどう還流しているのか、実態をつまびらかにすべきだろう。まずは、説明責任を果たすべきだ。
⇒6日(水)夜・金沢の天気 くもり
北陸に住んでいると配置薬の「富山の薬」はありがたい。ただ、その薬が信用できなくなると話は別だ。医薬品製造販売の「廣貫堂」(富山市)がこのほど自主回収を始めた14製品のうち、4製品で製造販売承認書の記載と異なる添加物を使っていたことが、独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」が公表した資料で明らかとなった。さらに4製品は品質検査の承認規格に適合しておらず、1製品は原薬の受け入れ試験記録が見つからないため試験を実施したかどうかも確認できないなど、ずさんな製造だった。「廣貫堂」は「薬の富山」のトップメーカーだ。同じ富山市のジェネリック医薬品製造「日医工」もことし3月、品質試験の際の記録の不備などが発覚し、高血圧薬など75製品を自主回収している。
この都議に必要なのは記者会見を通して説明責任を果たすことではないだろうか。「心よりお詫び申し上げます」は自らの言葉で述べるべきであって、ホームページで発する言葉ではない。これでは誠意が有権者には伝わらない。問題の本質は、無免許運転での人身事故(今月2日)を故意に隠して4日の投開票日後に都民ファーストの会に報告したことだ。
さっそく、都議会議会局広報課の公式サイトをチェックする。「各会派等の構成(7月6日現在)」の欄には、確かに「無所属(SDGs 東京)」と記載されている。1人会派だ。しかし、「各会派等の連絡先」は11会派のうち、SDGs 東京だけが空欄となっている。何かやましさでもあるのかと勘繰ってしまう。後ろめたさがないのであれば堂々と連絡先を表記すればよいのではいか。
人が政策を具体的に示さないと、環境や社会、経済に問題意識を持ちながらSDGsに取り組んでいる人たちはこのネーミングに納得しないだろう。その説明がなければ、「SDGs」を借用しただけの会派ということになる。もっと厳しく言えば、SDGsを愚弄する行為ではないだろうか。