#花言葉「悲しき思い出」

★境内に白ヒガンバナが咲き競う 神棚に供えるサカキの9割外国産

★境内に白ヒガンバナが咲き競う 神棚に供えるサカキの9割外国産

  近所のお寺の境内を夕方歩くとライトアップされたヒガンバナ(彼岸花)が咲いていた。ヒガンバナというと、赤い花というイメージがあるが、この寺のヒガンバナは白い花で知られる=写真・上=。40年ほど前に白い花が咲いていたのを檀家衆が株分けして数を増やしていったという伝えがある。そのせいか、花だけでなく境内も整備されて、ちょっとした「お寺の公園」というイメージだ。  

  ヒガンバナは割と好きな花だ。ヒガンバナの花言葉は「悲しき思い出」「あきらめ」「独立」「情熱」。秋の彼岸に墓参りに行くと墓地のまわりに咲いていて、故人をつい思い出してしまう。「悲しき思い出」を誘う花だ。植物に詳しい友人から、かつてこんな話を聴いた。ヒガンバナは茎にアルカロイド(リコリン)という毒性がある。昔の人は死体を焼かずに埋葬した。そこで、犬が近づいて掘り返さないようにと毒性のあるヒガンバナを墓地に植えたのだという。犬よけの花でもある。

  植物の話をもう一つ。サカキは、古くから神事に用いられる植物であり、「榊」という漢字があてられる。家庭の神棚や仏壇に供えられ、月に2度ほど取り替える習わしがある。能登産のサカキが、金沢市内では一束150円ほどで販売されている。ところが、コンビニやス-パーなど市場に出回っているサカキの90%以上は中国産だといわれる=写真・下=。サカキは普通に家庭の庭先に植えられていたり、金沢の里山でも自生している。それをなぜあえて「中国産」を販売しているのか。確かに、値段は国産のサカキの方が少し高いが、輸入品は防疫の消毒液がかかるため、長持ちするのは国産だといわれている。

  中国など外国産のサカキを神棚に供え、合掌することに違和感を持つ世代はもう少数派になったのだろうか。

⇒30日(月)夜・金沢の天気    くもり

★街路を彩る花、ムクゲ、ヒガンバナ

★街路を彩る花、ムクゲ、ヒガンバナ

   10月も半ばに入った。自宅近くの県道を歩くと、道路沿いにムクゲの花が競うように咲いている=写真・上=。真っ白な「祇園守」だ。花の中心部のシベが十文字になっていて、京都の八坂神社の護符の「祇園守」と似ているところから名付けられたとの説もあるが定かではない。清楚な花で、茶花として重宝される。ムクゲは梅雨の頃から咲き始めて夏に盛りを迎える。もうそろそろ見納めの頃だ。

   芭蕉の句がある。「道のべの木槿は馬にくはれけり」。道ばたのムクゲの花を馬がぱくりと食べた。芭蕉はその一瞬の出来事に驚いたかもしれない。花であっても、いつ何どき厄(やく)に会うかもしれない、と。中古車販売の「ビッグモーター」の店舗前の街路樹や植え込みのように、抜かれたり枯らされたりすることがないことを願う。

   道路の対面には赤い花が咲いていた=写真・下=。ヒガンバナ(彼岸花)は割と好きな花だ。ヒガンバナの花言葉は「悲しき思い出」「あきらめ」「独立」「情熱」。秋の彼岸に墓参りに行くと墓地のまわりに咲いていて、故人をつい思い出してしまう。「悲しき思い出」を誘う花だ。

   植物に詳しい友人から、かつてこんな話を聴いた。ヒガンバナは茎にアルカロイド(リコリン)という毒性がある。昔の人は死体を焼かずに埋葬した。そこで、犬が近づいて掘り返さないようにと毒性のあるヒガンバナを墓地に植えたのだという。犬よけの花でもある。

⇒10日(火)午後・金沢の天気    くもり時々あめ