#自民党総裁選

☆「よそ者、若者、ばか者」石破新総裁の持論で国難を突破してほしい

☆「よそ者、若者、ばか者」石破新総裁の持論で国難を突破してほしい

  きのう(27日)の自民党総裁選の様子をNHK中継番組で視ていた。午後3時22分、「石破茂君を当選者と決しました」。拍手が起こると、石破氏は立ち上がり、手を上げて応えていた。そのとき、スマホにニュース速報が流れてきた。円高が進み1㌦=142円とのこと。高市氏との決選投票が決まった段階では円安が進み1㌦=146円だったのに、石破氏の大逆転と同時に円高に。この荒い値動きはいったい何だ。株価をチェックすると、午後3時で903円上がり、日経平均は3万9829円で取引を終了していた。総裁選が最終決着する前の株価だ。ということは、週明けの日経平均は大幅下落なのか。一瞬、そんなことが脳裏をよぎった。

  株価と為替の話はさておき、石破氏に一度だけインタビューしたことがある。金沢大学の教員だった2016年2月、学生に地方創生を理解してもら教材ビデオを制作していた。当時地方創生大臣だった石破氏が講演に金沢市を訪れた折に申し込み、単独インタビューに応じていただいた=写真=。

Q:地方創生にはどのような人材が必要なのですか
石破氏:昔から地域を変えるのは「よそ者、若者、ばか者」と言われ、外から新鮮な目で見ることが一つの要素なんです。若い感性とは、たとえばPCが使える、外国語が使えること。ばか者はこれまでの既成概念にとらわれない新しい考え方を持つこと。学生はそのすべてを持っている人が多いし、チャレンジ精神旺盛な方を求めたい。

Q:地域で活躍する若者に対して期待することは何ですか
石破氏:地方は東京と違い、行政との距離が近い。地域の特性を最大限に活かして金沢の大学が未来を作っていくのか。この国の未来は「学生」に創ってもらわないといけない、今はそんな時代です。明治維新など、歴史の変わり目に常に若者がいるというのはそういうことなんです。

Q:地域の大学に期待することは何ですか
石破氏:「象牙の塔」にならないこと。大学が持つ本来の真実を探求する心は忘れないでほしい。今は「地方が日本を変える時代」、その責任感や使命感、学生にはそんな感性を持って欲しい。

  10分足らずのインタビューだったが、石破氏は淡々と答えた。無駄のない、理路整然とし、そして奥が深い内容だった。冒頭での「よそ者、若者、ばか者」は意外な言葉だったが、印象的として残り、納得もした。「言葉は人柄を語る」である。顔の表情を変えずに、5回も総裁選にチャレンジして得ることになった総裁=総理の座。石破氏は自ら「ばか者」ぶりが発揮できたと自負しているのではないだろうか。

⇒28日(土)午前・金沢の天気   くもり

☆「ポスト岸田」自民総裁選と衆院選をつなぐシナリオなのか

☆「ポスト岸田」自民総裁選と衆院選をつなぐシナリオなのか

  暴風を伴った台風7号が関東甲信に接近して、各地で避難情報が出されている。東海道新幹線の東京・名古屋間は終日運休で、空の便もかなりが欠航しているようだ。眼がくっきりとした不気味な台風だ。北陸・金沢でも朝から曇り空で、時折木の葉がなびく風が吹いている。

  前回ブログの続き。岸田総理が9月の自民党総裁選に立候補しないことを表明したことを受けて、「ポスト岸田」は誰かとメディアのテンションも高まっている。読売新聞(16日付)によると、自民党総裁選の日程は今月20日に決定されるが、「9月20日」と「同27日」の案が浮上しているという。気になるのはその後の流れだ。

  総裁選後には臨時国会が召集され、首班指名(総理就任)・組閣となる。が、問題はその後、衆院解散の流れに進むのではないか、ということだ。岸田総理のときは、2021年9月12日に総裁選告示、同29日の投開票で新総裁が決まった。10月4日に臨時国会が召集され、首班指名と組閣、そして会期末の同14日に衆院を解散。同19日に衆院選公示、10月31日に投開票という流れだった。総裁選から衆院選の投開票まで1ヵ月半余りの期間で、自民は何を得たのか。  

  前回の総裁選では、新総裁選出の過程を公開討論会を開くなどして幅広く国民にアピールした。岸田氏は「聞く力」や「新しい資本主義」を訴え、さらに総選挙でも同様にアピールし、自民党は単独過半数の議席を確保した。つまり、総裁選で勢いをつけて、一気に総選挙へにつなげるという展開で有権者の関心を惹き付けた。

  読売新聞によると、自民党は総裁選の選挙期間を15日程度(前回12日間)に日数を増やす方向で検討しているようだ。ということは、総裁選を総選挙につなげた前回の成功事例を今回も描いているのだろうか。総裁選には石破茂、茂木敏充、高市早苗、河野太郎、上川陽子、小林鷹之、小泉進次郎の各氏の名前が取り沙汰されているが、「本命不在 混戦か」(読売新聞の見出し)のようだ。

  そして、もし総裁選から総選挙へと展開した場合、能登半島地震の被災地では選挙は可能だろうか。そんなことを考えながら、岸田総理退陣のニュースを読んでいた。

⇒16日(金)午前・金沢の天気    くもり

☆自民総裁選の「メディアジャック」現象

☆自民総裁選の「メディアジャック」現象

   広告業界には「メディアジャック」という言葉がある。電車の中の広告や新聞、雑誌の広告スペースを1社が買い占める広告戦略のことだ。和製英語とも言われる「ハイジャック」からヒントを得た造語なのだろう。「メディア乗っ取り」だ。きのう21日午後のTBS系の情報番組に出演していたコメンテーターで、元大阪府知事、弁護士の橋下徹氏が「野党側も予備選やってメディアジャックをしないと、自民の総裁選に引っ張り込まれる」との趣旨の発言をしていた。久しぶりに聞いた言葉にハッとさせられた。

   確かにきょう22日の新聞のラジオ・テレビ欄を見ても、NHK含めテレビのほとんどのニュース番組やワイドショーなどで「自民総裁選まで1週間」や「自民総裁選の最新情勢」などの見出しが躍っている。テレビをハイジャックする自民党総裁選とは何なのか、「メディアジャック」現象について考えてみた。

   目立つのは自民党総裁選の4候補の顔ぶれだ。4人の候補者のうち2人が女性だ。当然、討論のテーマも女性目線が注目される。きょう22日に行われた党内の討論会では、子育て関係の政策を担う「こども庁」の設置について議論が交わされた。河野氏は「子どもの自殺、虐待、貧困ゼロを掲げる」と強調。岸田氏は「子どもたちの命、健康、人権を一元的にしっかり見ていく」と訴えた。野田氏は「願いは社会の中で一番弱いと言われる人たちが、いつも笑顔でいられる社会、国をつくること」と述べた。高市氏は「令和の省庁再編に挑戦する。子ども政策の推進のため、効率的かつ効果的な組織は何か検討したい」と話した(9月22日付・毎日新聞Web版)。これまでは、学校教育ばかりに重点が置かれていたが、日本の未来を担う子どもたちの政策について議論したことはなかった。その意味で画期的な政策討論だ。

   18日の公開討論会(日本記者クラブ主催)も面白かった。NHKの生番組で視聴していた。キーワードは「コロナ」「原発」「年金」の3つ。中でも、国民年金について河野氏は「若い人たちの将来の年金生活が維持されなければ意味がない」と、消費税を財源にした最低保障年金の創設を訴えた。日本の少子高齢化は進み、年金制度そのものが維持できなくなるとの河野氏の危機感だろう。これに対し、高市氏は「基礎年金を全額税金で賄うのは制度的に無理がある」と反論し、岸田氏は「税でやるとした場合に消費税を何%に上げるのか」と迫るなど議論が白熱した。少子高齢化が急速に進む日本でシンボル的な課題の一つが年金の持続可能性の問題だ。シニア世代の誰もが感じていることなのだが、最近では公に議論されることはほとんどなかった。

   少子化問題、そして年金問題について、近未来の政策を担う「総理候補」が討論するだけに目が離せない、有権者の関心度が高い。最初は河野氏の意見が率直で的を得ているとも思ったが、このところ、高市氏の言葉が胸に刺さることがある。テレビとすれば、選挙報道と同様に、メディアジャックのコンテンツではないだろうか。自身は党友でも党員でもない。単なる政治ウオッチャーだ。(※写真は自民党本部ホームページより)

⇒22日(水)午後・金沢の天気     あめ

★弾道ミサイルに対応できる自民新総裁は誰なのか

★弾道ミサイルに対応できる自民新総裁は誰なのか

   次の日本の総理を決める予備選でもある自民党総裁選(今月29日)。メディア各社が世論調査を実施している。共同通信社は17、18の両日、電話調査に投票資格があると答えた党員・党友に対し、新総裁にふさわしい人を尋ねたところ、河野行政改革担当大臣が48.6%で最多、岸田前政調会長が18.5%、高市前総務大臣が15.7%、野田幹事長代行は3.3%だった(9月18日付・共同通信Web版)。

   読売新聞は自民党所属国会議員の支持動向調査を今月6日から16日にかけて実施し、衆参両院の議長を除く同党国会議員383人のうち、95%にあたる363人の意向を確認した。岸田氏と河野氏がそれぞれ約2割、高市氏は約15%の支持、16日に出馬を表明した野田氏は約10人の支持をそれぞれ集めている(9月17日付・読売新聞Web版)。毎日新聞が実施した全国世論調査(18日)では河野氏43%、高市氏15%、岸田氏13%、野田氏6%だった(9月18日付・毎日新聞Web版)。

   河野氏は党所属議員の支持は岸田氏と並んで2割と高くはないが、党員・党友、そして全国世論調査ではそれぞれ40%台の高い支持を集めている。自民党総裁選が衆院任期満了の10月21日以降にも実施される総選挙の「党の顔」を決める選挙であるとすれば、河野氏で決まりということか。

   きのう18日午後2時から行われた自民党総裁選の立候補者4人による公開討論会(日本記者クラブ主催)をNHKの生番組で視聴していた=写真・上=。前半の候補者同士のディスカッションでは河野氏に質問が集中していた。キーワードは「コロナ」「原発」「年金」の3つではなかったか。中でも、国民年金について河野氏は「若い人たちの将来の年金生活が維持されなければ意味がない」と、消費税を財源にした最低保障年金の創設を訴えた。日本の少子高齢化は進み、年金制度そのものが維持できなくなるとの河野氏の危機感だろう。これに対し、高市氏は「基礎年金を全額税金で賄うのは制度的に無理がある」と反論し、岸田氏は「税でやるとした場合に消費税を何%に上げるのか」と迫るなど議論が白熱した。

   討論会で注目していたのは、北朝鮮が日本海めがけて発射している弾道ミサイルについての議論だった。直近で今月15日、能登半島沖350㌔のEEZ内に着弾している。主催者側からの「北朝鮮問題にどう対応するのか」の問いに、岸田氏は「ミサイル防衛体制は十分なのか考える必要がある。敵基地攻撃能力についても選択肢としてある」、河野氏は「情報収集能力、そして北朝鮮に対する抑止力を高めてメッセージとして伝えることが必要だ」と答えた。

   正直言って、河野氏の答えには少々失望した。2020年6月、地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画を撤回したのは当時防衛大臣だった河野氏だ。その後、当時の安倍総理はミサイル発射基地を自衛権に基づいて無力化する「敵基地攻撃能力」の保有の検討を表明したが、9月に就任した菅総理は議論を棚上げしていた。
   
   なぜ、河野氏は敵基地攻撃能力の保有について触れなかったのか。それは、今回の北の弾道ミサイルは鉄道を利用して発射された=写真・下、9月17日付・朝鮮中央テレビ動画=と報じられているように、新たに移動式ミサイル発射台が開発され、その位置を検知して破壊することが難しくなっている。つまり、敵基地攻撃能力そのものが意味をなさなくなっている。

            河野氏は上記のことについては精通しているはずだ。ではどうすべきなのかを元防衛大臣の見識から具体的な防衛ビジョンについて語ってほしかった。また、北の弾道ミサイルに一家言を持っている高市氏の見解も聞きたかったが、この質問に関しては元外務大臣の経験がある岸田、河野の両氏にのみ質問がなされたようだ。もどかしさが残った討論会だった。

⇒19日(日)夜・金沢の天気       はれ

★権力者の孤独な幕引き

★権力者の孤独な幕引き

           菅総理が辞意を表明し、自民党総裁選(今月17日告示、29日投開票)に立候補しない意向を示した。新聞メディアは号外や夕刊紙で速報した=写真=。テレビ各社もこの日午後1時過ぎの官邸での菅総理の不出馬表明を生中継した。菅氏のコメントを聴く限り、「コロナ対策に自分のエネルギーを注ぎたい」「総裁選との両立は難しいからコロナに集中するために今回は出馬しない」との言い分で、とても分かりやすい。

          しかし、一人の国民、そして有権者として思うことは、最近の菅氏は「チカラ強さがない」という印象だ。昨年9月の就任時には携帯電話料金の値下げやデジタル庁の新設を打ち上げ、チカラ強かった。ところが、新型コロナウイルスの政府の対応が不十分だとの批判が相次ぎ、東京都議選(投票7月4日)で自民党は過去2番目に少ない33議席。総理のおひざ元である横浜市長選(同8月22日)でも、盟友と言われた小此木八郎氏(前国家公安委員長)を推しながら敗北を喫した。

   それは数字でも表れていた。読売新聞Web版(8月9日付)によると、世論調査(8月7-9日踏査)では菅内閣の支持率が昨年9月の内閣発足以降の最低を更新し、支持率35%だった。前回(7月9-11日調査)と6月調査は37%だった。不支持率は54%(前回53%)で、内閣発足以降最高だった。

   読売が世論調査を実施した8月上旬は、オリンピックで日本選手の金メダルラッシュに沸いていた。開催反対論を押し切った菅内閣に支持が集まっても当然とも思えた。本人もそう思っていたに違いない。ところが、内閣支持率は上がるどころか下落したのだ。

   政局は一気に揺らぐ可能性があった。読売の調査で支持率が下がると権力者は身震いする。メディア業界でよくささやかれるのは、内閣支持率の20%台は政権の「危険水域」、20%以下は「デッドゾーン」と。第一次安倍改造内閣の退陣(2007年9月)の直前の読売新聞の内閣支持率は29%(2007年9月調査)だった。その後の福田内閣は28%(2008年9月退陣)だった(数字はいずれも読売新聞の世論調査)。菅内閣の支持率は9月ではおそらく「危険水域」、20%台に落ち込むだろう。数字をよく読んでいた本人もそれを悟った。その前に辞すことを表明した。それにしても、権力者の実に孤独な幕引きだった。

⇒3日(金)夜・能登の天気      あめ

☆これは、解散・総選挙への「地ならし」か

☆これは、解散・総選挙への「地ならし」か

   「物議をかもす」という言葉がある。このブログでも時折使う。世の人々の議論を引き起こす、という意味で使っている。このごろの「物議をかもす」ニュースをいくつか。

   麻生副総理兼財務大臣がきょう13日、自民党総裁選を巡り、次期総理の下ですぐに衆院解散・総選挙が行われる可能性があるとの認識を示したと報じられた(9月13日付・共同通信Web版)。新潟県での講演で、次期政権は国民の審判を経ていないと批判されるだろうと指摘した。自身も2008年9月の総理就任後、時を置かずに解散したかったが、リーマン・ショックのためにできなかったと説明し、「タイミングは極めて大事だ」と強調した(同)。

   新型コロナウイルスの感染拡大の中で、自民党の総裁選では政治的な空白が起きないように全国の党員票は割愛して、国会議員票と各県連の票のみで総裁を決めるとの党の方針が決まっている。なのに、党の総裁選で選ばれ就任する次期総理は早々に衆院解散・総選挙に打って出るだろうか。新型コロナウイルスの感染拡が治まらない中で、国民の審判を仰ぐ以前に、国民の納得が得られないだろう。麻生氏の発言は総理経験者として自らの体験を話したまでと言えばそうかもしれないが。

   次期総理の下での衆院解散・総選挙については、河野防衛大臣も今月9日、アメリカのシンクタンク主催のオンライン形式の講演会で、「10月中にはおそらく行われると思う」と述べた(9月10日付・NHKニュースWeb版)。解散権は総理の権限であり、現職閣僚の立場にある人物の発言が物議をかもした。その2日後、河野氏は記者会見で「今後、口を慎むところは慎んでいきたい。言うべき人が言うべきものだと思う」と述べた(9月11日付・同)。

   ところが、政府関係者による衆院解散・総選挙の発言が相次ぐと、雰囲気づくりが意図的に行われているようにも思える。それをさらに裏付けするようなニュースもあった。

   政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(今月11日)が、11月末までの期限付きで、必要に応じて主催者らが参加者にマスクを配布して全員に着用させるなどの感染防止策を取れば、参加者らが大声を出さない環境が確保できる施設では収容人数いっぱいまでの入場を認めることを了承した(9月12日付・朝日新聞)。これは、うがった見方かもしれないが、全員がマスクをすれば立候補者による選挙集会も可能で、集会場も確保できるとの解釈もできる。

   次期総理の下での総選挙の「地ならし」が着々と進んでいるのか。

⇒13日(日)夜・金沢の天気    くもり時々あめ

★「菅1強」、メディアは何を問うのか

★「菅1強」、メディアは何を問うのか

   これを「矛盾」という。アメリカのシンクタンクが日本時間できのう9日夜に開催したオンライン形式の講演会で、河野防衛大臣は衆議院の解散・総選挙の時期について「10月中にはおそらく行われると思う」と述べたと報じられている(9月10日付・NHKニュースWeb版)。自民党の総裁選では政治的な空白が起きないように全国の党員票は割愛して、国会議員票と各県連の票のみで総裁を決めるとの党の方針が決まっている。ところが、総理が決まり、河野氏が言う通りに信任のための総選挙を10月に行うとすれば、総裁選で省かれた党員票を持つ人たちは「これは矛盾だ、詐欺だ」と声を出し始めるのではないだろうか。

   河野氏が指摘するように、信任投票は必要だろう。しかし、新型コロナウイルスの感染拡が治まらない中では、「時期を見計らって、総選挙を」と言えば理解されたはずだ。「10月」と限定したことで、党員どころか、有権者全体から不信感を持たれる。ましてや、解散権は総理の権限だ。現職閣僚の立場にある人物がこのような発言をすることで、政権のガバナンスが問われるのではないだろうか。

   自民党総裁選の告示を受けた共同通信の全国緊急電話世論調査(8、9日実施)が発表されている(9月9日付・共同通信Web版)。次期首相に「誰がふさわしいか」との問いでは、菅氏が50.2%でトップ、石破氏30.9%、岸田氏8.0%と続いた。前回の緊急世論調査(8月29、30日)では候補者は決まっていなかったが、石破氏が34.5%、菅氏14.3%、河野氏13.6%、小泉氏10.1%、岸田氏7.5%だった。この10日余りで石破氏と菅氏の順位が入れ替わり、菅氏は20ポイントの差をつけて、過半数を占めたことになる。調査は電話による聞き取りで固定電話525人、携帯電話530人だった。

   これも共同通信の調査だが、自民党総裁選で1人1票を持つ党所属国会議員394人のうち菅氏を支持する割合は8割。総裁選は県連の141票を合わせると計535票になるが、菅氏の得票は7割に達する勢い。2位争いは岸氏が国会議員票でリードし、石破氏が県連票で強みを見せる展開で両氏が競り合っている(9月9日付・共同通信Web版)。

   どうやら、「菅1強」の様相を呈している。前回のブログでも述べたが、メディアの記者にとって実務肌でスキを見せない菅氏は手強い。コロナ禍で落ち込んだ景気の回復、延期された東京オリンピック・パラリンピックの開催など山積する課題を乗り切るには、この手強さが必要なのかもしれない。逆にメディアは「菅1強」に何をどのように問うのか、試されることになるだろう。

(※写真は2019年4月1日、記者会見で菅官房長官が墨書を掲げて新元号を公表する様子=総理官邸ホームページより)

⇒10日(木)朝・金沢の天気    くもり