#自民党

☆「国葬」めぐるバカ発言、パンドラの箱が開く

☆「国葬」めぐるバカ発言、パンドラの箱が開く

   まるでパンドラの箱が開いたように連日、世界平和統一家庭連合(旧「統一教会」)の政治家と関係や霊感商法、献金強制の問題などが報道されている。

   日テレ系番組「情報ライブミヤネ屋」(26日付)で、安倍元総理の国葬(9月27日)について津田塾大の萱野稔人教授が意見を述べていた。「やるのであれば、統一教会と与党との関係をしっかり清算してほしい」と。「国葬をやることによって、むしろ統一教会に利用されてしまう懸念がある。国葬を行うような大政治家とわれわれは関係を持っていた」と教団のPRに使われる可能性を指摘していた。

   自民党は党所属の国会議員に統一教会とのかかわりをアンケート調査する文書を配布した。8項目の報告を求めていて、統一教会主催や関連団体の会合に出席したことがあるか、会費の支出があるかどうか、選挙の際にボランティアによる支援や組織的な支援を受けたことがあるかどうかなどを尋ねている。集約でき次第、結果を公表する。関係が深い議員については名前の公表も検討する(26日付・NHKニュースWeb版)。   

   消費者庁に新たに発足する「霊感商法等の悪質商法への対策検討会」の初会合が今月29日に開催される。河野消費者担当大臣が明らかにした。委員には、統一教会の問題に取り組んできた紀藤正樹弁護士、カルト問題に詳しい立正大学の西田公昭教授など8人が選ばれた。河野大臣は「霊感商法は消費者契約法で規制されているが、それにあたらないような動きがあったからこそ、さまざまな被害があったと思う」と述べた(同)。

   自民党の二階俊博元幹事長は都内で講演し、統一教会や関連団体と自民党議員との関係について「問題があればどんどん出して、修正をしていくべきだ。自民党はびくともしないから」と述べた。また、安倍元総理の国葬に報道各社の世論調査で反対意見が強いことについて「それがあったからといって国葬をやめるわけではない。国葬は当たり前だ。やらなかったらばかだ」と指摘した(24日付・毎日新聞Web版)。

   国葬に関しては、FNN・産経合同世論調査(8月20、21日)で「反対」51%、「賛成」40%、また、毎日新聞と社会調査研究センターの世論調査(同)でも「反対」53%、「賛成」30%となっていて、反対が上回っている。二階氏のバカ発言で今後さらに反対が加速するのではないだろうか。

⇒26日(金)夜・金沢の天気    くもり

☆民意が求める「政治と宗教」の説明責任

☆民意が求める「政治と宗教」の説明責任

   直近の世論調査によると内閣支持率は急落している。共同通信社の世論調査(電話調査、7月30、31日)では内閣支持率は51%で前回(7月11、12日)の63%より12ポイントも下落し、政党支持率も自民は41%で前回より5ポイント落ちている(1日付・北國新聞)。(※小数点以下の数値は切り捨て)

   共同通信の調査では急落と読めるが、前回調査は自民が改選125議席のうち過半数を占めて大勝した参院選(7月10日)後の調査だったので、内閣支持率が63%と高くなっていた。6月調査(11-13日)では56%だった。それでも、今回が5ポイント落ちている。不支持は今回が29%、前回が22%、6月調査が26%だった。

   きょうの日経新聞も世論調査(電話調査、7月29-31日)を掲載していて、内閣支持率は58%、前回(6月17-19日)60%より2ポイント下げている。不支持率は今回が32%、前回と同数だった。政党支持率は自民43%と前回45%より下げた。

   内閣支持率、政党支持率のほかに、両調査は安倍元総理の国葬について賛否を問うている。共同調査では「反対」「どちらかといえば反対」が計52%、「賛成」「どちらかといえば賛成」の計44%を上回った。日経調査も「反対」が47%で、「賛成」43%より多い。

   安倍元総理が銃撃されて死亡した事件をきっかけに、自民党の現職閣僚や国会議員と、霊感商法や献金強要によって巨額の金を集めている「世界平和統一家庭連合」(旧「統一教会」)との関係が次々と取り沙汰されている。これについて、共同調査では「あなたは旧統一教会と政界との関わりについて、実態解明の必要があると思いますか、必要はないと思いますか」と問うている。これに対し、結果は「解明の必要がある」は80%、「解明の必要はない」は16%だ。圧倒的な民意ではないだろうか。

   岸田総理はきのう総理公邸での記者団の質問に答えて、「社会的に問題になっている団体との関係については、政治家の立場からそれぞれ丁寧に説明していくことば大事だ」と述べ、各議員らが説明すべきだとの考えを示した(1日付・読売新聞)。メディアで指摘された統一教会との関わりある閣僚として、岸防衛大臣、萩生田経産大臣、末松文科大臣、二之湯国家公安委員長らの名前が上がっているのに、まるで「他人事」のようなコメントだ。

   全国霊感商法対策弁護士連絡会の記者会見(7月12日)によると、霊感商法や献金強要によって巨額な金が集められ、1987年から2021年に連絡会などに寄せられた被害件数は約3万4500件、被害金額は計約1237億円に上る。こうした問題を知りながら閣僚や議員が統一教会から選挙支援を得ていたのであれば、政治責任が問われて当然だろう。「実態解明の必要がある・・80%」。説明責任を求める民意を岸田総理は甘く見ているのではないか。

⇒1日(月)午後・金沢の天気    はれ

☆政治は反社宗教団体にどうけじめをつけるのか

☆政治は反社宗教団体にどうけじめをつけるのか

   政治家が知らないで済む話なのだろうか。メディア各社の報道によると、自民党の福田達夫議員(党総務会長)はきのう29日の記者会見で、世界平和統一家族連合(旧「統一教会」)と自民党の関わりが指摘されていることに関し、「誤解を招くようなこと(報道)はしてほしくない」「僕自身、個人的に全く関係がない」「正直に言います。何が問題か、僕はよく分からない」と述べた。

   福田氏はその後、「被害者を生み出すような、社会的に問題が指摘されている団体との関係が問題であることは言うまでもない」と釈明のコメントを出している。これが、いまの自民党と統一教会の関係性を示すシンボリックな出来事なのだと理解した。霊感商法や献金強要など問題がある反社会的勢力から選挙支援を受け続けるうちに、多数の政治家がマインドコントロールされてしまう。黒を白と言いくるめられる政治家の姿だ。党総務会長のポジションにいる福田氏は統一教会が反社団体と認識していたのなら、自身との関わりがなかったとしても、なぜそれを先に言わなかったのか。

   統一教会についてはテレビ・新聞メディアの報道で実像が少しずつ見えてきた。さらに報道に期待したいことがある。それは、霊感商法や献金強要によって集めた巨額の金は韓国の本部にどのように送金されているのか、だ。全国霊感商法対策弁護士連絡会の記者会見(今月12日)によると、1987年から2021年に連絡会などに寄せられた被害件数は約3万4500件、被害金額は計約1237億円に上るという。これはあくまで被害総額であって、実際には数十倍にもなるのではないか。想像がつかいない。

          その金は世界に流れている。ニューヨーク・タイムズ(2021年11月5日付)によれば、1976年から2010年までの間に、献金として日本で集められ、韓国本部を通じてアメリカの統一教会に送金された額は実に36億㌦以上になるという。

   宗教法人は文化庁宗務課に年1回、書類提出(役員名簿、財産目録、収支計算書など)をする決まりがある。この中で、韓国本部への送金はどのように記載されているのか。また、円をウオンやドルへの為替取引業務をどのようなシステムで行っているのか。一連の金の流れの中で不正があれば、国税などに告発すべきだ。

   1996年に宗教法人法が改正され、第81条(解散命令)では「著しく公共の福祉を害する」「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為」などあった場合、その宗教法人に対して、所轄庁などが解散命令を裁判所に請求し、裁判所の決定により解散させることができる。

   安倍元総理の射殺事件をきっかけに、反社行為が野ざらしにされてきた統一教会への批判が高まっている。むしろ自民党が率先して解散へと追い込む動きをしなければ、統一教会と一体とみなされるだろう。自民に限らず、政治にのしかかった課題だ。

⇒30日(土)午後・金沢の天気    はれ

★「18歳以下に10万円相当」は財政の「日本沈没」か

★「18歳以下に10万円相当」は財政の「日本沈没」か

   先月発行の月刊誌「文藝春秋」(11月号)の「財務次官、モノ申す 『このままでは国家財政は破綻する』」の記事を再度読んだ。現職の財務事務次官による、強烈な政治家批判だ。原稿は「最近のバラマキ合戦のような政策論を聞いていて、やむにやまれぬ大和魂か、もうじっと黙っているわけにはいかない、ここで言うべきことを言わねば卑怯でさえあると思います。」で始まる。名前は伏せているが、岸田総理が自民党総裁選で主張した「数十兆円もの大規模な経済対策」や、立憲民主党の枝野代表が公約として掲げる「消費税率の引き下げ」などを痛烈に批判している。そして、しめくくりで「日本が氷山に向かって突進していることだけは確かなのです。」と述べている。

   国庫には無尽蔵にお金があるはずがない。財政規律を唱えて当然だ。しかし、政治家は選挙を前に必死に財政出動を訴える。この記事を再度読み返したのも、自民と公明の両党で協議している「18歳以下の子どもに10万円相当を給付」の件が連日報道され=写真=、はたしてこれが新型コロナウイルスの経済対策となるのかと疑問がわいたからだ。財務事務次官が述べているように、ただの「バラマキ合戦」ではないか。

   きょう特別国会が召集され、第2次岸田内閣が発足する。コロナ禍が収束傾向を見せる中で、その経済対策としての「18歳以下の子どもに10万円相当を給付」がどれほどの効果があるのか、多くの有権者は疑問に思っているに違いない。選挙での公約はあくまでも人気取りだ。支持を得たいがためにバラマキ合戦となるが、ツケは必ず国民に回ってくる。なにしろ、国と地方を合算した長期債務の残高は1200兆円に上り、GDPのおよそ2.2倍。主要先進国の中で群を抜いて高い(「財務省」公式ホームページ)。

   そんな中で、18歳以下の全員に10万円相当を配れば、対象はおよそ2000万人いるので、2兆円程度の補正予算が必要となる。所得制限(年収960万円)が設けられたとしても、バラマキと有権者の目には映るだろう。「はたしてこれがコロナ禍の経済対策か」と。

   アメリカのPR会社「Edelman(エデルマン)」が2020年4月に世界11ヵ国の1万3200人を調査した結果がネットで掲載されている。調査結果によると、中央政府に対する信頼度はトップが中国の95%、2位はインド87%、アメリカは10位の48%、そして日本は最下位の38%だった。先の総選挙で自民党は単独過半数の議席を確保した。ただし、国民の間では借金を重ねる政府の有り方に閉塞感を持っているのではないだろうか。それがこの数字ではないか。そして、冒頭の「日本が氷山に向かって突進していることだけは確かなのです。」は財政の「日本沈没」を予感をさせる。

⇒10日(水)午前・金沢の天気      あめ

☆ブログで描いた「安倍総理」の14年~上

☆ブログで描いた「安倍総理」の14年~上

   安倍総理の辞任表明(28日)は各方面、国内外に衝撃が広がった。翌日朝刊の一面は白抜きベタの見出しでその衝撃の大きさを物語っている。安倍氏の今の心の境地はどうだろうか。このブログでも意外と安倍氏を取り上げている。写真付きで初めて登場したのは2006年7月6日付だった。以下、安倍氏の14年をブログを採録して振り返ってみる。

  総理誕生の背景、レームダック化、そして第二次内閣へ

【2006年7月6日付「★続・天を仰いで唾する」】 今回の北朝鮮のミサイル発射でマスメディアでの露出が格段に多くなったのが安倍晋三官房長官だ。安倍氏は5日午前4時30分ごろ、首相官邸に一番乗りだった。内閣のスポークスマンとしてこの日は4回の記者会見に臨み、北を強く批判する声明を発表した。その毅然とした物言いの映像や、口をヘの字に閉ざした写真がマスメディアに頻繁に登場することになる。マスメディアが番組や紙面で緊張感を演出するには「安倍」は欠かせない素材となっているのである。

  言いたいことは一つ。自民党は5日の党総裁選管理委で、小泉総理の任期満了に伴う総裁選を「9月8日告示、20日投票」と決めた。告示まであと2カ月。ミサイル発射の衝撃は今後、国連安保理での北朝鮮非難決議の採択や経済制裁などをめぐり2カ月は持つだろう。ということは、総裁選レースは安倍氏がこのまま走り込んでゴールとなる。10月上旬には首班指名選挙、続く組閣と政治日程は組み立てられていく。

【2006年9月26日付「★新米2題」】 新しい総理の安倍晋三氏が就任後初めて記者会見する様子が26日夜、テレビでライブ中継されていた。財政再建の模範を示すため自らの給与の3割、閣僚の給与の1割をカットすることを明らかにした。国家公務員の給与をばっさり落としていくと宣言したとも取れる内容だった。

  3割給与カットは並大抵の決意ではない。発表した組閣内容と会見内容を自分なりに読み解くと、内政的には、公務員改革、財政の見直し、社会保険庁の民営化、地方のリストラと裏腹の道州制への移行などがキーワードになろう。つまり、小泉政権を継承し、外交と防衛のみを担当する「小さな政府」を目指すと言葉に濃く滲ませた。52歳、新米の総理の手腕は未知数だ。

【2007年7月29日付「☆静かなる大衆の反逆」】 さて、安倍政権のレームダック化は避けられない。参院での与野党逆転に成功した民主が参院議長と主要な常任委員長を取りるだろう。さらに、野党が首相問責決議案を提出すれば可決されるのは確実だ。法的拘束力はないとはいえ政治的には重い決議で、首相は総辞職か衆院解散の二者択一を余儀なくされる展開も読めてくる。安倍政権は年内まで持つか、どうか。

【2012年12月26日付「★2012ミサ・ソレニムス~3」】 さて、その総選挙を振り返る。自民が圧勝したのは、民主が経済対策を重視してこなかったからだ、との論調が目立っている。選挙後に株価が1万円台を回復し、円レートも84円台になったとか、日銀が国債など資産買い入れ基金の10兆円増額を決め、前年比上昇率2%のインフレ目標も次回の決定会合で検討するなど、自民の安倍総裁が求めに「満額回答」で答えたなどのメディアの報道が目立つようになった。

 12党1500人余りの候補者による総選挙は戦国時代か、関ヶ原の戦いのように、いくつもの合戦が同時に繰り広げられた観がある。では、本当の争点は何だったのだろうか、経済対策か原発か、外交か。朝日新聞が選挙前の12月14日付で掲載した世論調査で、投票先を決めるとき最も重視するのは何かを3択で尋ねている。それの回答では、「景気対策」61%が、「原発の問題」16%、「外交・安全保障」15%を大きく引き離していた。今夜、第二次安倍内閣が誕生する。

⇒30日(日)朝・金沢の天気    はれ