#能登地震

☆季節を彩るアヤメとシャクヤクの花

☆季節を彩るアヤメとシャクヤクの花

   朝方、金沢の自宅で就寝中にグラリと揺れた。スマホでNHKニュースをチェックすると、「午前5時14分に能登地方で震度4の揺れ」、金沢は震度2だった。能登が震度6強だった今月5日、金沢では震度4だった。能登ほどの揺れではないが、このところ地震には少々敏感になっている。金沢の平野部を走る森本・富樫断層帯ではこれまでも大きな地震が起きていて、能登と連動しないかと無用の心配をしたりする。

   朝から暗い話だが、庭先を見るとアヤメとシャクヤクが咲き始めている。早咲きのアヤメは2輪=写真・上=。紫色の花を眺めていると、花びらに網状の文様が見える。いわゆる文目、これがアヤメの名の由来かと思ったりする。「いずれアヤメかカキツバタ」という言葉がある。優劣がつけ難く、選択に迷うことのたとえ。アヤメかカキツバタか、などとこだわるのは日本人だけかもしれない。英語ではひっくるめてアイリス(iris)と呼ばれているようだ。

   ちなみに、花だけを見るとアヤメとカキツバタは見分けがつけにくいものの、自生地を見れば分かる。アヤメは乾いた土地に咲き、カキツバタは池など湿地に咲く。 

   シャクヤクも数輪花を咲かせている=写真・下=。「これまでの花は前座よ、本番の花ステージは私です」といわんばかりに花の精気を放っている。確かに、「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリの花」という言葉があるように、上品な女性の姿をイメージさせる。花言葉をネットで検索すると、「恥じらい」とある。とても優雅な花なのに、「恥じらい」とはなぜと思ってしまう。その由来は、シャクヤクは夜になると花を閉じる習性があり、その姿から「恥じらう様子」がイメージされたようだ。

   シャクヤクやアヤメが咲き競い、心を和ませてくれる。連日揺れが続く能登の地震、早い収束を願わずにはいられない。

⇒9日(火)午前・金沢の天気    はれ

☆油断大敵「地震、カミナリ、火事、コロナ」

☆油断大敵「地震、カミナリ、火事、コロナ」

   街に出て、通行人でマスクをしている人が減っているように思える。道路ではノーマスクでも、建物や室内に入るときはマスクを着用するのかもしれない。新型コロナウイルス感染の話題やニュースもずいぶんと減った。ところが、紙面をチェックすると感染が拡大している。

   石川県感染症対策本部はきのう20日、新たに152人が感染したと発表した。内閣官房「新型コロナウイルス感染症対策」公式サイトをチェックすると、都道府県別の直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者(19日現在)は、石川が「全国最多」になっている。人数は76人、福井も同数、3位が山形と長野の72人と続く。ちなみに、石川の1週間の新規感染は892人、入院は現在74人で、病床使用率は13.9%となっている。

   今月19日に開かれた厚労省の専門家会合では、新規感染者数は全国的に増加傾向にあり、5月の大型連休明けに感染が拡大が予想されると分析。専門家会合の有志は、「第8波」を超える規模の「第9波」が起きる可能性もあるとする文書をまとめた(19日付・NHKニュースWeb版)。かつて、油断せずに恐れるものとして「地震、カミナリ、火事、おやじ」という言葉があったが、「おやじ」の存在感はすっかり薄れた。いまや、「地震、カミナリ、火事、コロナ」かもしれない。

   油断大敵なことがもう一つ。能登半島の尖端で起きている地震だ。きのう20日正午すぎにも震度3の揺れがあった。2020年以降で気象庁による緊急地震速報が発出された能登地震は8回におよぶ。去年6月19日には震度6弱(マグニチュード5.4)、翌日20日には震度5強(同5.0)と続いた。一連の能登地震で気を揉んでいるのは珠洲市の奥能登国際芸術祭の関係者ではないだろうか。

   2017年に始まった奥能登国際芸術祭は3年に一度のトリエンナーレの芸術祭。2020年はコロナ禍で1年間延期となり、2021年に「奥能登国際芸術祭2020+」として開催された。市内の民家から古民具や生活用具など1500点を集めた劇場型博物館『スズ・シアター・ミュージアム』では、作品の一つ一つが地震で展示棚から落ちないように固定する工夫がなされていた。3回目となることしは9月2日から10月22日まで、14の国・地域の55組のアーティストによる作品が展示される。

   コロナ禍、そして地震に揺られながらも、芸術の魅力を発信し続ける珠洲市関係者の熱い思いと同時に、困難をしなやかに乗り越えようとする地域力を感じる。

⇒21日(金)夜・金沢の天気     くもり