☆「もしトラフ」なら 金沢の森本・富樫断層への影響は
宮崎県日向灘沖で8日に発生した地震を受け、気象庁は南海トラフ地震の臨時情報「巨大地震注意」を発表、きょうで3日目となる。会見では「地震発生から1週間程度、特に2、3日は大きな地震が発生することが多いということで注意が必要」と述べていた。実際に2011年の東日本大震災の時も、3月9日にマグニチュード7.3の地震が発生し、その2日後にマグニチュード9.0の巨大地震が起きている。
気象庁公式サイトで南海トラフ地震の各地で想定される最大震度をチェックすると、石川県内は、加賀市などで5強、金沢市など5弱、輪島など能登が4となっている。金沢の5弱はまさに元日の能登半島地震だ。当時は金沢市海側の平地の西念地区などが5強、山手の寺町台などが5弱だった。その地震で、金沢の山手の住宅街でがけ崩れがあり、民家4軒が道路ごと崩れ落ちた。また、民家の庭にある石灯篭などが数多く倒れた。
金沢に住んでいるとやはり気になるのは、森本・富樫断層のことだ。国の地震調査研究推進本部は毎年、社会的に影響が大きい「主要活断層」を公表していて、そのうち切迫度が最も高い「Sランク」は全国で31あり、その一つが森本・
富樫断層だ。断層は全長26㌔におよび、今後30年以内の地震発生確率が2%から8%とされる。
金沢市の公式サイトに掲載されている「平成24年度(2012)被害想定調査結果」によると、この森本・富樫断層帯で市内中心部の直下地震が起きた場合、マグニチュード 7.2、最大で震度7と想定され、死傷者数1万4000人、避難者数19万3000人、建物被害は3万1700棟との予測だ。
適切な表現ではないが、能登半島で震度7の地震があり、さらに南海トラフ地震が起きると、上下に挟まれた位置にある森本・富樫断層帯へどのような影響を及ぼすのか。発生する確率が高くなるのか。
⇒11日(日)夜・金沢の天気 はれ
Dプリンターの住宅ですよ」と。兵庫県西宮市の建築会社が施工している建物で、ホテルのオーナーがホテルの一室として活用するために発注したようだ。2人暮らし向け平屋タイプで、ダイニングや寝室、バスルームなどがあり、9月早々には完成の見込み=写真・上=。石川県では初めての「3D住宅」だとか。どのような家なのか。また珠洲市を訪れる楽しみができた。
その後、6月21日付のこのブログでも紹介した、建築家・坂茂(ばん・しげる)氏が手掛けた木造2階建ての仮設住宅を訪れた。木の板に棒状の木材を差し込んでつなげる「DLT材」を使用している。DLT材を積み上げ、箱形のユニットを形成する。石川県産のスギを使い、木のぬくもりが活かされた内装となっている。外装の色合いも周囲の松の木と妙にマッチしていて、まるで軽井沢の別荘地のような雰囲気を醸し出している=写真・中=。
この後、輪島市で焼け野原状態になった朝市通りを訪れた。通行規制などがかかっていて、現地への立ち入りも許されなかった。そこで遠目で見渡して分かったのは、焼けたビルなどはまだ残ってはいるものの、散乱していたガレキはかなり片付いているということだった=写真・下=。
行田市の田んぼアートは行政とJAが企画し、2008年から毎年実施されている。タテ180㍍余り、ヨコ150㍍余りの田んぼには、色の異なる4種類の稲(緑は「彩のかがやき」、白は「ゆきあそび」、赤は「べにあそび」、黒は「ムラサキ905」)が植えられる。この世界最大級の田んぼアートは2015年にギネス世界記録に認定されている。
トを通じ、世界に向けて能登復興を発信したいとの思いから、日本遺産「灯り舞う半島 能登~熱狂のキリコ祭り~」のキリコ祭りを図柄に選んだ。苗が成長し、7月下旬から見頃を迎えている。花火の下でキリコが3基舞い、キリコを担ぐ人々の姿などが緑の中に浮かび上がる。デザインの中の「能登」「復興祈願」「がんばろう!」の文字は、石川県立能登高校の書道部員の作品を使用している。(※写真・下は、毎年9月に開催される珠洲市正院のキリコ祭り)
写真・上は、去年5月の震災後の8月23日に金沢市内の学生たちとスタディ・ツアーで、作品の展示会場を訪れたときのもの。スカイブルーの室内で、白い塩の作品。高さ2.8㍍の塩の階段だ。床と階段で7㌧の塩を使っている。作品の階段の中ほどと頂上付近で崩れたように見える部分があるが、これは2021年の制作のときとまったく変わっていない。
どのように壊れたのか一度見てみたいと思い、先日(7月24日)、展示会場を訪ねたが、鍵がかかっていた。きのう、芸術祭の総合ディレクター・北川フラム氏が震災支援を目的に立ち上げた「奥能登珠洲ヤッサープロジェクト」公式サイトをたまたま見つけた。チェックすると、「
て、ワァッーと号泣する女性がいた。子どもながらにびっくりしたのを覚えている。あのときのイメージと阿部選手の号泣が重なる。
いよ」。能登の集落を回っていてよく聞く言葉だ。能登の祭りは集落や、町内会での単位が多い。それだけ人々が祭りに関わる密度が濃い。子どもたちが笛を吹き、太鼓をたたき、鉦(かね)を鳴らす。大人やお年寄り、女性も神輿やキリコと呼ばれる大きな奉灯を担ぐ。集落を挙げて、町内会を挙げての祭りだ。(※写真・下は、燃え盛る松明をキリコが威勢よくめぐる能登町宇出津の「あばれ祭」=7月5日撮影)
に運んでいく。この様子を見ていると、徐々にではあるものの復旧・復興へと向かっているようにも感じた。
量の荷物を運ぶ。一般的なごみ収集車の積載能力は2㌧から4㌧とされるが、連結トレーラーは16㌧積める。これが、能登を行き来している。連なって走行しているとなかなか壮観な光景だ。
街路の気温計を見ると33度だ。厚生労働省公式サイトの「熱中症による死亡数の年次推移」を読むと、2018年以降は国内で毎年のように1千人以上が命を落としている。すでに40度を超える暑さが各地で観測されている。生命に被害を及ぼす暑さはことしもか。
るところも見られる。素人目線から見ても、局地的豪雨が発生すれば、河川が氾濫する箇所となるのではないかと思ってしまう。犀川は二級河川で管理者は石川県。このまま河川を「草むら」化させておいてよいのだろうか。
ても、本来ならば定期的な除草作業などが施されているはずだ。それが「手抜き」状態となっている。なぜか。
難所に留まらざるを得ない人がいる。行政の責任として1人1人の事情に沿って対応する必要がある」と改めて述べた。(※写真・上は、石川県庁公式サイト「知事のホームページ 」より)
県危機対策課のまとめ(7月30日時点)によると、避難生活を送っている人は1422人いる。被災地の地元の公民館や体育館など48ヵ所(1次避難所)で654人、県が指定した金沢市などのホテルなどの宿泊施設97ヵ所(2次避難所)で705人、そのほかで63人となっている。このほかにも、役所には届けていないが、県内外の親戚や知人宅に身を寄せている人が多くいると言われている。行政も実態はつかみ切れていない。(※写真・下は、地震で半壊した住家には「危険」などの貼り紙が)
知事として避難所で生活をしている人々のことを、「所得が低い」や「ホテルにいた方が楽」などと語る必要性があったのだろうか。能登半島地震で対応した関係府省庁の職員らを集めた会合だったので、身内のような気持でリップサービスをしたのかもしれないが、これは政治家としては舌禍だ。