★被災地にキッチンカーが真っ先に駆けつける 国の仕組みこそ災害大国の必要条件
能登半島地震の被災地を巡り、仮設住宅地などに立ち寄ると意外と多く目にするのがキッチンカーだ。1ヵ月ほど前の話だが、七尾市の港近くにあり郷土料理や獲れたての魚介類が味わえることで人気がある「能登食祭市場」が震災から徐々に復旧し、仮営業が行われているというので行ってきた。店舗はまだ半数も営業していなかったが、入り口ではテント市やキッチンカーが並んでいて、土曜日ということもあってにぎわっていた。キッチンカーは
10台ほど並んでいただろうか。アイスコーヒーなどのドリンクを提供する車や、韓国キチンを売りにする車などに人の列ができていた=写真・上、8月17日撮影=。車ナンバーを見るとほとんどが石川ナンバーの中小型車だったので、個人事業のキッチンカーかと推測した。
半島先端の珠洲市ではトラックのキッチンカーも見かけた。車体には「すき屋」と描かれてあったので、牛丼や寿司、ファミリーレストランなどのチェーン店を経営する「ゼンショーホールディングス」(東京)の公式サイトをチェックする。被災者のために1月5日から現地で炊き出しを始め、4月27日までの72日間で3万5558食を提供した、とある。冬から春にかけての能登では厳しい冷え込みが続いていたので、避難所に身を寄せる被災者にとって、温かい食事の提供で心身も温まったのではないだろうか。このほか、カレーやうどんなどの全国チェーンの車もみかけた。
外食事業者によるキッチンカーを活用した被災地支援の動きは、全国的な動きになりつつあるようだ。農水省公式サイト「外食事業者によるキッチンカーを活用した食事提供の取組」(3月1日付)によると、農水省では外食業界団体である一般社団法人「日本フードサービス協会」と連携し、被災地方公共団体と調整した上で、外食事業者の協力を得て被災地でキッチンカーを利用した食事提供に努めている、とある。有償提供、無償提供を問わず、
被災地にキッチンカー支援が向かう動きは、能登が先進事例になるのではないか。(※写真・下は、農水省公式サイトより)
この動きは、自民党総裁選(今月27日投開票)に立候補した9氏が臨んだ所見発表演説会(12日・NHK生放送)でも取り上げられた。石破茂氏は能登地震の被災直後の状況について、「101年前の関東大震災のときと変わらない。体育館で雑魚寝は、先進国では日本だけだ」「被災した人たちを励ますのは温かくておいしい食事だ」と語り、発災3時間をめどに簡易トイレやベッドをはじめ、キッチンカーを被災者のもとに届ける仕組みを制度として整備すべきだと強調していた。
確かに、被災地での炊き出しなどを地元のボランティアに委ねるだけではなく、国の仕組みとして整備する、これは災害大国ニッポンに必要不可欠だろう。
⇒14日(土)午後・金沢の天気 はれ
建築部門で選ばれた坂氏は、紙でできた素材を使ったシェルターや仮設住宅を世界各地で造り、難民の救済や被災支援に取り組んでいることが高く評価された。記者会見で坂氏は「世界中で手軽に手に入るもので建築物をつうくり、社会の役に立ちたいと思った。地震で人が死ぬのではなく、建築物が崩れて人が亡くなる。だから、われわれには責任があると認識しながら、世界のために活動を続けたい」と受賞の喜びを述べた(10日付・NHKニュースWeb版)。
単な仕組み。ベッドなどがある個室にはカーテン布が張られているが、プライバシー保護のために透けない。環境と人権に配慮した避難所だった。間仕切りは市に寄付されたものだった。次に坂氏の作品を見たのは同市で開催された「奥能登国際芸術祭2023」(9月23日‐11月12日)だった。日本海を一望する「潮騒レストラン」は、ヒノキの木を圧縮して強度を上げ、鉄筋並みの耐震性と木目を活かして造られ、建物自体が芸術作品として話題を集めた。
差し込んでつなげる「DLT材」を積み上げ、箱形のユニットとなっている。
だ。時間は午後4時30分ごろだった。晴れてはいたものの、今月初めは台風10号の影響で能登でも雨もかなり降った。滑って落ち来ないか、パワーショベルの重みで土砂崩れが起きないだろうかと、眺めている方がハラハラ、ドキドキするような光景だった。
から工事を行う、とある。車体も高所の傾斜に対応し、作業体を常に水平に保つリフティング装置を搭載するなど、さまざまな工夫が施されている。
道の普及費用など。ただ、集落の共同墓地のみが対象で、宗教法人や市町などの公共団体などが運営する墓地、個人管理の墓石などは対象にならない。
する際に住民票を移すことになる。一時的な現象かもしれないが、能登からの転出者が増え、人口流出につながっている。一時的と言うのも、みなし仮設の人たちが能登で住宅を再建して2年以内に故郷に戻れば転入増になるのだが。
この共同声明を読むと、まさに地殻変動を重ねて出来たジオパークについて地形や地質の保存・活用に関する知見を有する自治体の「使命」というものを感じる。「地震で得た多くの教訓を風化させず、防災意識の向上に生かす」と強調。地震の発生要因や被害の実態を国内外へ発信することで連帯感をにじませている。また、能登地震で4㍍隆起した海岸が続いており、石川県ではジオパークに登録申請するために調整を行っている。被災地の復興と合わせてジオパーク登録へと動き出すチャンスではないだろうか。(※写真は、海底が隆起した輪島市門前町の漁港=3月4日撮影)
を余儀なくされている(8月27日時点)。そんな中で被災地の人々にとって、心の安らぎの一つが入浴だったろうと思う。同市では3ヵ所で陸上自衛隊が入浴支援を続けていた。
このブログで何度か取り上げている能登半島地震で亡くなった人たちの「直接死」と「関連死」について。関連死かどうか判断する石川県と被災自治体による6回目の合同審査会(医師・弁護士5人で構成)が今月26日に開かれ、輪島市や珠洲市など5市町の21人を新たに認定するよう答申することを決めた。答申を受けた各市町の首長が正式に認定する。県内の関連死はこれで131人となり、家屋の下敷きになるなどして亡くなった直接死229人と合せて、震災の犠牲者は360人となる。(※写真は、能登半島地震の被災地と金沢の病院を往復する救急車=1月5日撮影)。
それにしても、気が気でないのは能登半島地震の被災地の人たちではないだろうか。地盤沈下が起きた能登町宇出津港の周辺では、満潮を迎えると海面と道路の高さがほぼ同じになる状態が続いている=写真・上、7月9日撮影=。これに台風10号による高潮が発生したらどうなると地域の人たちは不安を抱えていることだろう。
石川県教委の調査(2月13日時点)によると、公立学校(小中高など)344校のうち、292校が地震で被害を受けた。全体の85%に相当する。地元メディア各社の報道によると、輪島市に隣接する穴水町の穴水小学校は柱が破損するなど、文科省による被災度区分判定で「半壊相当」の被害となった。このため、小学校の校庭に軽量鉄筋造り2階建ての仮設校舎の建設が進められていた。授業は直線距離で700㍍ほど離れた中学校に間借りするカタチで行われていた。
公費解体加速化プランによると、その加速化の中心となるのが「自費解体」だ。これまでメインで進めてきたのは「公費解体」だったが、自費解体との両輪で進めることで全体の作業のピッチを上げる。自費解体は全半壊の家屋を所有者が事前に自治体に届け出を行い、独自で解体作業を行う。かかった経費(解体費、運搬費、処分費)は各市町の算定基準で後日、償還される。(※写真は、輪島市の家屋解体現場=今月24日撮影)