#立冬

★きょう立冬 冬の訪れ告げる兼六園の雪吊りとカニ

★きょう立冬 冬の訪れ告げる兼六園の雪吊りとカニ

   きょう8日は二十四節気の「立冬」にあたる。冬の気配が山や里だけでなく、街にも感じられるころだ。晴れ間もあり、きょう夕方までの金沢の最高気温は17度だった。日陰に入ると肌寒さを感じた。

   金沢に住む者にとって、冬の訪れを告げるのは何と言っても兼六園の「雪吊り」ではないだろうか。毎年11月1日から雪吊りが始まり、唐崎松(からさきのまつ)などの名木に施される=写真、撮影は去年11月=。木の横にモウソウ竹の芯(しん)柱を立て、柱の先頭から縄をたらして枝を吊る。まるで天を突くような円錐状の雪吊りはアートのようにも見える。

   金沢の雪はさらさら感のあるパウダースノーではなく、湿っていて重い。庭木に雪が積もると「雪圧」「雪倒」「雪折れ」「雪曲」といった雪害が起きる。金沢の庭師は樹木の姿を見て、「雪吊り」「雪棚」「雪囲い」の雪害対策の判断をする。唐崎松に施されるのは「りんご吊り」という作業で、このほかにも「幹吊り」(樹木の幹から枝に縄を張る)や「竹又吊り」(竹を立てて縄を張る)、「しぼり」(低木の枝を全て上に集め、縄で結ぶ)など樹木の形状に応じてさまざまな雪吊りの形式がある。

   雪吊りの話から逸れるが、先日、兼六園近くを車で通ると、インバンド観光客がグループ、家族連れで多く訪れていた。兼六園はミシュラン仏語ガイド『ボワイヤジェ・プラティック・ジャポン』(2007)で「三つ星」の最高ランクを得てからは訪日観光客の人気は高まっていたが、2000年の新型コロナウイルス感染のパンデミックで下火に。最近ようやくコロナ以前に戻ったようだ。兼六園の雪吊りはインバウンド観光の人たちにとっては珍しく、熱心にカメラを向けているに違いない。

   話は変わる。今月6日に解禁となったズワニガニ漁だが、まだ口にしていない。強風など天候不良のために、解禁日からきのうまで石川県内全域で漁船が出漁を取り止めたようだ。きょう夜、ようやく出漁するとメディア各社が報じている。となれば、あすの午後にはスーパーの売り場などに雄の加能ガニ、雌の香箱ガニが並びそうだ。雪吊りとカニ、金沢の景色は着実に冬に向かっている。

⇒8日(水)夜・金沢の天気    くもり

☆きょう立冬、カニ漁解禁で至福のシーズン到来

☆きょう立冬、カニ漁解禁で至福のシーズン到来

   きょうは7日は二十四節気の「立冬」で、冬の始まりでもある。けさ6時過ぎに寒さを感じて目が覚め、毛布を一枚、掛け布団の上にかけた。スマホで金沢地方気象台の気温をチェックすると7.6度だった。天気は晴れで、朝から青空が広がり、最高気温は19度で予想だ。

   そして、日常生活でのニュースと言えば、なんと言ってもきのう日本海で解禁されたズワイガニ漁。けさから店頭に並んでいる。雄のズワイガニにはご当地の呼び方があって、山陰地方では「松葉ガニ」、福井県では「越前ガニ」、そして石川県では「加能(かのう)ガニ」と呼ぶ。加能とは、加賀と能登のこと。加能ガニは重さ1.5㌔以上、甲羅幅14.5㌢以上のものは「輝(かがやき)」のブランド名が付く。また、雌のズイワガニは「コウバコガニ」と呼ばれるが、甲羅幅9.5㌢以上のものは「輝姫(かがやきひめ)」のブランド名が付く。

   昨夜初競りが行われ、メディア各社によると、加賀市橋立漁港で水揚げされた加能ガニの1匹が重さ1.54㌔、甲羅幅15.1㌢あり、「輝」と認定され100万円の値が付いた。また、同漁港で揚がったコウバコガニも甲羅幅が10.1㌢のものがあり、「輝姫」として30万円の最高値が付いたと報じられている。

   初物食いの習性できょう午前中、金沢の近江町市場に行ってきた。ズワイカニが水産の各店舗でずらりと並んでいた。茹でた加能ガニは一匹1万2千円から2万円と高値だった=写真=。金沢の庶民は初日は小ぶりながら身が詰まっているコウバコガニを食する。加能ガニに比べれば安いが、それでも一匹1200円前後だ。初日はご祝儀相場もあり、加能ガニもコウバコガニも高値だ。「初物七十五日」と言うではないかと自分に言い聞かせ、加能ガニに手は出せなかったが、コウバコガニを2匹買った。

   「カニには地酒が合う」とよく言われる。能登のカニには能登の地酒が、加賀のカニには加賀の地酒が合うと自身も勝手に思い込んでいる。ぴっちりと締まったカニの身には少々辛口が、カニ味噌(内臓)には風味のある地酒がしっくりなじむ。きょうは立冬、そして、カニの解禁、至福のシーズン到来だ。

⇒7日(月)午前・金沢の天気   はれ

☆カニ、雪吊り、紅葉 金沢の立冬の風景

☆カニ、雪吊り、紅葉 金沢の立冬の風景

   きょうは二十四節気の「立冬」にあたる。冬の気配が山や里だけでなく、街にも感じられるころだ。ただ、金沢は快晴で気温も昼過ぎには20度近くあった。それでも、金沢の街の景色は着実に冬に向かっている。

   きのう(6日)冬の味覚、ズワイガニの漁が解禁された。けさの地元紙の朝刊一面を飾っていたのが「最高級の加能ガニ初物 『輝』1号 500万円」(北國新聞)や「加能ガニ 最高級ブランド デビュー 金沢の初競り、ギネス記録並ぶ」と派手な見出しだ。それぞれに写真も大きく掲載されている。オスのズワイガニは鳥取では「松葉ガニ」、福井では「越前ガニ」、石川では「加能ガニ」と称され、地域ブランドのシンボルにもなっている。ただ、石川の加能ガニの知名度はいま一つ。そこで県漁業協同組合では重さ1.5㌔以上、甲羅の幅14.5㌢以上、甲羅が硬く身が詰まっているものをことしから最高級品「輝(かがやき)」として認定することで全体の底上げを狙っている。その「輝」の第一号が昨夜の初競りで500万円の値がついた。記事によると、重さ1.88㌔、甲羅の幅15.6㌢だった。

   ちなみに、松葉ガニの最高級ブランド「五輝星(いつきぼし)」は2019年に500万円で落札され、ギネスの世界記録にも認定されている。上記の「ギネス記録並ぶ」の意味はそれと同額で並んだとの意味だ。きょう午後、金沢市民の台所、近江町市場に行ってきた。店頭に並ぶカニは庶民の食卓に上るものだ。それでも、1匹7万5000円の値札のものが数匹並んでいた=写真・上=。店員が「輝の一歩手前のヤツですがどうですか」と声をかけきた。よく見ると、値札には重さが1.4㌔、甲羅の幅14.5㌢と書かれている。甲羅の幅はセーフだが、体重が100㌘足りないため、「輝」の認定には漏れたようだ。それでも1匹7万5000円は庶民にとっては高根の花だ。県内のズワイガニの漁期は、メスの香箱ガニが12月29日まで、オスの加能ガニは来年3月20日まで。いまは「ご祝儀相場」もあるだろうから、もう少し値段が落ち着いてから買い求めることにした。

   近江町市場からの帰りに兼六園近くを車で通った。コロナ禍も収まりつつあり、日曜日ということで観光客でかなりのにぎわいだった。とくに、金沢21世紀美術館と交差点の対角線上に位置する真弓坂口は混雑していた。入り口の左右のマツの木に雪吊りが施されている=写真・中=。

   金沢の雪はさらさら感のパウダースノーではなく、湿っていて重い。このため、庭木に雪が積もると「雪圧」「雪倒」「雪折れ」「雪曲」といった雪害が起きる。金沢の庭師は樹木の姿を見て、「雪吊り」「雪棚」「雪囲い」の雪害対策の判断をする。この季節にテレビのニュースで放映される雪吊りは「りんご吊り」という作業だ。五葉松などの高木に施される。松の幹の横にモウソウチクの柱を立てて、柱の先頭から縄を17本たらして枝を吊る。パラソル状になっているところが、アートでもある。兼六園の800ヵ所で雪吊りが施される。

   ついでに、兼六園近くの紅葉の名所も走行した。金沢市役所近くにある「しいのき迎賓館」(旧県庁)と「四高記念館」に挟まれた通りで、「アメリカ楓(ふう)通り」と呼ばれている=写真・下=。紅葉が青空に映えてこの季節の人気スポットだ。樹木のアメリカ楓は別名で、正式には「モミジバフウ」。原産地がアメリカだったことからアメリカ楓と呼ばれている。空を見上げると赤と青のコントラスが目に映える。そして、下の道路を見ると落ち葉がたまっている。まもなく始まる道路の落ち葉かきがアメリカ楓通りの冬支度でもある。

⇒7日(日)夜・金沢の天気      はれ