#立ち往生

☆強烈寒波がもたらす「絶対零度下の生活」と「スタック」

☆強烈寒波がもたらす「絶対零度下の生活」と「スタック」

   「最強寒波  県内襲来」「強烈寒波 1万戸停電」。朝刊各紙の見出しは派手に踊っている。けさ(午前8時ごろ)の気温はマイナス3度と寒いが、自宅周囲の積雪を物差しで測ってみると15㌢ほどだ。金沢に住む人たちは朝の雪の具合を見て、「大したことない。車が出れる。よかった」とひと安心したのではないか。金沢市内の小中学校は、大雪予想のため臨時休校となった。子どもたちは「雪で学校休み、もうけた」と喜んでいるかもしれない。

            ただ、「10年に一度の最強寒波」とあって記録が更新されている。金沢市の気温は午前0時過ぎにマイナス5.1度を観測し、最低気温が1997年以来26年ぶりにマイナス5度を下回るなど記録的な冷え込みになった。最高気温も氷点下の予報だ。かつて読んだ小説『絶対零度下の鋼(はがね)』(作者:夏之炎)を思い出した。小説の中身はほとんど記憶にないが、「絶対零度」をネットで検索すると、絶対零度はマイナス273.15度。東京工業大学の熱力学の研究者が発見した下限温度。熱振動(原子の振動)が小さくなり、エネルギーが最低になった状態、つまり、原子の振動が完全に止まった状態の温度のこと。

   マイナス273度とまではいかなくても、気温マイナス3度は震えるくらい寒い。まさに、生活の中の絶対零度下だ。そのマイナス気温で心配なのが、車の「スタック」現象が起こりやすいことだ。英語で「stuck」、「立ち往生」のことだ。積雪の多い道路では、道路の雪のわだちにタイヤがはまり、前にも後ろにも進めなくなる。わだちでの立ち往生は冬場では当たり前の光景だったが、「スタック」という言葉が3年ほど前から出始め、意外な効果もあった。

   この言葉が報道などで用いられるようになると、金沢市の除雪作業本部では2021年12月から除雪計画を見直し、それまで15㌢以上の積雪で除雪車を出動させていたが、10㌢以上積もれば除雪作業を行うことにした。市内幹線の雪道の安全度は確実に高まった。(※写真は、車道を除雪するショベルカー。大雪の道路では車の立ち往生が頻発する=金沢市内)

 

⇒25日(水)夜・金沢の天気    くもり時々ゆき

☆雪道のスタックにEVはどう耐えうるか

☆雪道のスタックにEVはどう耐えうるか

   強い冬型の気圧配置が続いていて、日本海側を中心にきょうも断続に雪が降っている。とくに、北陸と新潟県では帯状の雪雲をつくり出すJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)の影響で、局地的に大雪となっている。金沢では雨混じりのみぞれで積雪は10㌢ほどにおさまっている。が、雨混じりの湿った雪はクセものだ。

   なにしろ、車の「スタック」現象が起こりやすい。英語で「stuck」、「立ち往生」のことだ。湿った積雪の多い道路では、道路の雪のわだちにタイヤがはまり、前にも後ろにも進めなくなる。わだちでの立ち往生は冬場では当たり前の光景だったが、「スタック」という言葉が3年ほど前から出始め、意外な効果もあった。

   この言葉が報道などで用いられるようになると、金沢市の除雪作業本部では2021年12月から除雪計画を見直し、それまで15㌢以上の積雪で除雪車を出動させていたが、10㌢以上積もれば除雪作業を行うことにした。市内幹線の雪道の安全度は確実に高まったのだ。(※写真は、路面凍結で車が立ち往生し、周囲の人たちが車を後ろから押して助けている様子)

   一方で懸念することもある。普通タイヤからスノータイヤへの履き替えのこと。以下は私見だ。毎年タイヤの交換をディーラーの整備工場に予約しているが、近年は待たされることが多くなった。ことしは1週間待ちで今月14日に交換ができたので積雪までには間に合った。タイヤ交換が間に合わなかったドライバーも相当いるのではないかと想像する。かつてはタイヤ交換を自ら行っていた人も多かったが、いまではほとんどが整備工場任せではないだろうか。

   もうひとつの懸念は雪道でのスタックの列に巻き込まれたEV車はバッテリーが持つのだろうか。JAFは、スタックしたEV車の効果的な防寒対策について実証試験を行い、結果を公式サイトに掲載している。その検証は、テスト車1はオートエアコン25度で常時稼働、テスト車2は電気毛布(電源ソケット使用)のみ、テスト車3はシートヒーターをHi、足元に電気フットヒーター(電源ソケット使用)、テスト車4は毛布、寒く感じたときにエアコンON、寒くなくなったらエアコンOFF、の4パターン。外気温はマイナス8.1度、運転席には1名が乗車し、時間は午後7時から午前8時までを想定した。

   すると、テスト車1は午前4時30分ごろにバッテリー残量が10%となり、テスト途中で終了。テスト車2から4は午前8時まで電力を保ったものの、テスト車4はオートエアコンに切り替えたことも影響して25%まで低下。一方で、テスト車2と3はテスト終了時で電力は50%以上残ったと報告されている。端的に言えば、EVでは電気毛布を1枚備えておけば、マイナス8.1度下のスタックでもなんとかしのげるということか。

⇒20日(火)夜・金沢の天気  くもり

☆重くのしかかる雪、そして「五輪のスタック現象」

☆重くのしかかる雪、そして「五輪のスタック現象」

   きょうは「2022年2月22日」、まさに2のぞろ目の日。朝起きると、自宅周辺は積雪が32㌢ほどになっている。昨夜9時ごろの積雪10㌢ほどだったので、ひと晩で20㌢余り積もった。庭の五葉松の枝にも雪がずっしりと積もっている=写真=。雪吊りを施しておいてよかったと思う。金沢地方気象台は大雪警報が出ている金沢市に「顕著な大雪に関する気象情報」を発表した。今夜にかけてさらに積雪が見込まれる。

   この気象情報が出され、市内でよく目にするのが道路でのスタック(立ち往生)だ。スタッドレスタイヤを装着していても、わだちにはまり、車の底が雪上に乗り上げて立ち往生する。車の「最低地上高」、つまり地上面から自動車の最も低い所までの垂直距離は道路運送車両保安基準で9㌢以上と定められている。積雪10㌢ほどであれば問題なく走れるが、積雪30㌢となるとスタックによる交通障害が発生する確率はかなり高くなる。

  前書きが長くなった。きのうのブログでIOCは公的な国際組織ではなく、非政府組織 (NGO) の非営利団体 (NPO)なので、国連機関に所管を委ねる方向で検討すべきではないだろうか、と述べた。けさ届いた「月刊ニューメディア」編集部ゼネラルエディターの吉井勇氏からメールマガジンは、オリンピックそのものの開催意義について疑問を呈している。以下その要約。

   東京の夏に続いて北京の冬と、アジアで連続した2つの五輪。ある新聞で、偉業ではなく「異形」という形容を使っている。そんな感じ(漢字)がピッタリだった。東京五輪は、都民や国民に数兆円の赤字を残している。これは開催都市が負担するのか、開催国が責任を持つのかという問題を残しながら、日本国民の負債となっている。負債だけが残され立ち往生、まさにオリンピックのスタック現象ではないか。開催したIOCはスポーツの民間団体で、本来そこが第一義的に負担すべき負債だと思う。ところが、「招致」というマジックで開催国や都市に責任がすり替えられている。

   こうした議論もなく、札幌に再び冬季大会を、という動きがある。1972年の札幌五輪は巨額の税金を使って日の丸飛行隊を応援した。この赤字開催の見通しを見て、アメリカのデンバーでは76年開催が決っていたものの、住民投票では反対多数で開催を否決した。そこで、オーストリアのインスブルックに急きょ開催が決まった。また、2024年のパリ開催は決まっているが、立候補を表明していたドイツのハンブルグやローマ、ブタペストでは住民の反対が強く撤退したのだ。28年のロス、32年のブリスベンも競争相手の都市がなくすんなりと決まったように思われているが、他の都市は住民の反対で立候補に至らなかったというのが実情だ。世紀の祭典は世界各地で「ノー」が突き付けられている。

   こうした報道が日本で少ないのは、メディアの立ち位置も関係している。オリンピックがあれば、NHKと民放が「ジャパン・コンソーシアム」を組んで放送する。新聞社も東京大会のケースだが、朝日、毎日、読売など大手6紙が協賛社として名を連ねている。では、今後メディアは札幌五輪の再誘致にどのように向き合うのか。

⇒22日(火)午前・金沢の天気     ゆき

★にっちもさっちも「スタック」、こんなとき

★にっちもさっちも「スタック」、こんなとき

   冬の積雪で怖いのは積雪路面での車の立ち往生だ。北陸での運転歴はもう40年以上もあるので、雪道での走行は心得たベテランだと自負はしているが、それでも立ち往生のワナにはまり込むがことがこれまで何度かある。ここ数年、車の立ち往生の場面を「スタック」とニュースなどで紹介されている。英語で「stuck」だ。

   ウエザーニューズWeb版(19日付)は「JPCZと呼ばれる発達した帯状の雪雲が流れ込む北陸や中部の山沿いでは、積雪の急増に警戒が必要です」と発表している。JPCZは大雪を警告するときに気象予報士が使う言葉だ。日本海寒帯気団収束帯(Japan sea Polar air mass Convergence Zone)のこと。シベリアからの寒気団が北朝鮮の最高峰である白頭山(標高2744㍍)にぶつかって分断されるが、その南の下で再び寒気団がぶつかって収束することで、帯状の雪雲の列となって北陸など日本側に流れ込んでくる。

   雪道での運転で気をつけているのが「わだち」だ。わだちに入ってしまい、車の底が雪上に乗り上げて立ち往生する。気が動転してアクセルかけるとタイヤが空転し、さらにくぼみは深くなる。こんなときにJAFに電話してもつながらない。つながったとしても半日は待たされる。大雪であちらこちらに立ち往生が起きているからだ。

   その時はスコップで車の底の雪を除き、他の人に後ろから車を押してもらいながら前進するとなんとか抜け出すことができる。北陸の人たちはその場面はよく理解しているので「お互いさま」という共助の気持ちで手伝ってくれる。(※写真・上は、路面凍結で車が立ち往生し、周囲の人たちが車を後ろから押して助けている様子)

   問題なのは高速道や国道などで前方にトラックが止まったままになり、列に巻き込まれることだ。ことし1月に福井県で豪雪となり、北陸自動車道で1500台の車がスタック状態に。車の中で昼夜を明かし、道路公団や自衛隊による救助を待った。自身はこうしたケースに遭遇したことはないが、考えることは、EV(電動自動車)はどの程度有効なのだろうか、ということだ。ハイブリッド車ならば電気と燃料で昼夜は持つが、EVの場合はヒーターを切って待つしかないのでは、と。

   スタックと並んで気をつけるのが、「ブラックアイスバーン」だ。路面に雪がなくても、路面が凍結している状態=写真・下=。アイスバーンはスリップ事故につながるので気をつけたい。ブレーキをかけても止まらずにそのまま滑ることもあるので、ゆっくりゆっくり時速20㌔ほどで走行するしかない。

⇒20日(月)夜・金沢天気    あめ