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☆星稜、逆転ならず 「石川の夏」終わる

☆星稜、逆転ならず 「石川の夏」終わる

   きょう午後の予想最高気温は39度、さきほどNHKニュースで報じていた。山越えの風が吹き下ろすフェーン現象の影響で気温が上昇し、能登の羽咋市と加賀の小松市ではすでに午前11時で最高気温が38.7度を観測し、40度に迫っている。金沢では去年9月6日に記録した観測史上1位の38.5度を上回り、まさに経験したことのないような暑さとなる。気象庁は石川県内に10日連続で熱中症警戒アラートを発表している。(※写真はきょう正午過ぎに自宅前で撮影。手前の樹木は五葉松)

   夏の甲子園で熱戦が続いているが、やはり気になるのは酷暑だ。高野連は暑さ対策として今大会から五回終了後に選手が体を冷やしたり、水分を補給する10分間の「クーリングタイム」を導入した。これが禍いとなることもあったようだ。新聞メディアの報道によると、6日の開幕試合で、いきなりのアクシデントがあった。第1試合の土浦日大(茨城)対上田西(長野)。六回裏の上田西の攻撃が終了した直後、土浦日大の選手がグラウンドに倒れ込み、そのまま担架で運ばれた。選手の体温は45度くらいあった。この選手を含め、第2試合までに熱中症の疑いで処置を受けた選手は6選手に上った。六回以降が多く、クーリングタイムで体を冷やして再び灼熱のマウンドに出たタイミングだった。救護室や病院への搬送はなかった。

    甲子園に4度出場、高校通算60本塁打の実績がある松井秀喜氏はスポーツ報知Web版(7月25日付)で、夏の甲子園大会の改革について述べている。以下、引用。「高校野球も時代の変化とともに変わった方が良いと思います。真夏の酷暑の中で連日、試合をやったら体への負担は避けられません」「夏の甲子園は前半、後半のような2部制にすれば負担は軽減されるのではと感じます」「夏休みいっぱいを使って、甲子園大会をやってもいいのではとも思います。高校生の体はまだ成長過程ですから、守ってあげないといけません」

   松井氏の2部制は、酷暑の中での過密日程は選手の大きな負担になっているとして、試合を前半と後半で期間を分ける2部制にしたらどうか、というもの。とくに、負担が大きい投手に配慮しないといけないと述べている。

   また、石川県の馳知事は、7月27日に行われた高校野球石川大会の決勝戦は暑さがピークに達した午後0時半に始まり、最高気温34.8度だったことから、「決勝戦の時間帯はおかしいと思います。午後0時30分にプレイボールというのは、私は健康の観点からやはり配慮があってもよいという意味で、おかしいと思います」と記者会見(同月28日)で苦言を呈した。高野連はことしから「クーリングタイム」の導入など行っているが、まだまだ改革の予知はありそうだ。

   そして、石川代表の金沢星稜高校がきょう午後、長崎の創成館高校と対戦し、NHKで視聴した。星稜は2年連続22回目の出場。星稜は先発した武内投手(3年)が5四球と制球に苦しみ序盤で6失点。九回に武内の2ランで3点差に迫ったが「夢の大逆転」は起こらず。「石川の夏」は終わった。(※写真・下は、九回表で2ランを放った星稜の武内選手=NHK中継番組より)

⇒10日(木)午後・金沢の天気    はれ

☆ドングリ実らぬ秋の山 クマ出没警戒アラート

☆ドングリ実らぬ秋の山 クマ出没警戒アラート

   「クマが出るので注意を」。石川県はきのう、メディアなどを通じてツキノワグマ出没警戒情報を出した=写真・上=。県庁公式サイトによると、ことし1月から8月までに報告されたクマの目撃情報は208件で、過去最多のペースで増えている。クマ出没警戒情報が出されるのは15人の人身被害が出た2020年以来だ。

   ふだんは山奥にいるクマが人里に降りてくるのは、エサ不足が主な原因とされる。とくに冬眠前になるとクマも必死にエサを探し求めて人里に降りてくる。そのエサとなるブナの実のドングリが、県が調査した24ヵ所中16ヵ所で「大凶作」ないし「凶作」だった。このことから、秋の深まりとともにクマの出没頻度が高まると予測される。

   クマは場所を選ばない。これまで金沢市内のいろいろなところに出没している。金沢の野田山は加賀藩の歴代藩主、前田家の墓がある由緒ある墓苑だ。市街地とも近い。お供え物の果物を狙って出没する。なので、「お供え物は持ち帰ってください」との看板が随所にかかっている=写真・下=。

   クマは中心街にも出る。兼六園近くの金沢城公園で、たびたび出没していたことから、捕獲用のおりを仕掛けたところ体長1㍍のオスがかかったことがある(2014年9月)。周辺にはオフィスビルなどが立ち並ぶ。

   クマは柿が大好物だ。一度食べたら、また翌年も同じところに柿を食べにくると言われる。知人から聞いた話だ。痩せたクマが金沢市街地の民家の柿木に登って、無心に柿の実を食べていた。通報を受けたハンターが駆けつけたが、その無心に食べる姿を見て、「よほどお腹がすいていたのだろう」としばらく見守っていた。満足したのか、クマが木から下りてきたところをズドンと撃った。クマはたらふく食べることができてうれしかったのか、目に涙が潤んでいたという。

    クマの出没は県内では金沢や加賀地方を中心だが、その余波が能登地方にも及ぶ。まもなくキノコ採りのシーズンを迎えるが、出没警戒情報が出されるとクマの出没が比較的少ない能登地方に金沢や加賀地方のキノコ採りの人々がやってくる。能登の人々にとっては迷惑な話なのだが、能登の人たちが目指しているキノコはコノミタケと地元で呼ぶホウキダケの仲間だ。コノミタケと能登牛のすき焼きは季節の料理として人気がある。

   一方、金沢や加賀地方からやってくる人たちは、能登ではゾウゴケ(雑ゴケ)と呼ぶシバタケがお目当て。目指すものが異なるので、山でトラブルになったという話は余り聞いたことがない。ただ、マツタケがはえる山には縄を張って、立ち入りを警告する山主もいる。クマの話がいつの間にかキノコに逸れた。

⇒13日(火)午後・金沢の天気   はれ

★保守三つどもえ 石川の「マンボウ知事選」

★保守三つどもえ 石川の「マンボウ知事選」

   「マンボウ」という言葉が身近で再び使われている。今月26日に対面での会議が予定されていたが、さきほどスマホのショートメールで「すみません、マンボウでリモートとさせていただきます」と主催者から連絡があった。マンボウは「まん延防止等重点措置」のことだが、石川県は県内で新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないことから、きのう23日、国に対して同措置の適用を要請した=写真=。今回で3回目だ。1回目は去年5月16日から6月13日、2回目は8月2日から9月30日だった。言葉は不謹慎かもしれないがすっかり慣れっこになった。マンボウの呼び方はそれを現している。

   ただ、これまで2回のまん延防止等重点措置と異なるのは、対象地域はこれまで金沢市だったが、今回は県内全域を対象としている。というのも、県の発表によると、感染者数が今月21日は229人、22日は過去最多の263人、23日も226人と3日連続で200人以上、そしてきょう24日は193人だ。金沢市を中心に県内全域に感染が広がっていて、きょうだけで高齢者施設や保育園、幼稚園などで8つのクラスターが新たに発生している。

    県内ではこれまでに9913人の感染が確認され、このうち140人が死亡している。このペースだと、あすは感染者が1万人の大台を突破しそうだ。谷本知事は緊急の対策本部会議(23日)で、「かつてない規模とスピードで感染者が増加している。断腸の思いではあるが、厳しい措置を講じる必要がある」と述べた(24日付・NHKニュースWeb版)。具体的には、飲食店への時短要請や県民旅行割の予約受付などを停止する。

   そして病床使用率についても23日時点の病床使用率は31%だが、谷本知事は「病床使用率が50%を超えるかもしれない。法律上できる限りの対策をとって感染者数の増加に歯止めをかけたい」と危機感を募らせた(同)。

   そして気になるのは、来月24日は知事選の告示、3月13日は投開票だ。2回目のまん延防止等重点は2ヵ月続いた。3回目も2ヵ月続けば、マンボウ下での選挙戦をどう進めていくのか。立候補を表明しているのは、元プロレスラーで自民党の前衆院議員の馳浩氏(60)、元農林水産審議官で自民党前参院議員の山田修路氏(67)、そして金沢市長の山野之義氏(59)の3人で「保守三つどもえの戦い」となっている。

   候補者が感染したり、後援会事務所でクラスターが発生するとその陣営はアウトだろう。マンボウと知事選は今後どう絡んで展開していくのか。注目したい。

⇒24日(月)夜・金沢の天気     くもり