#皇室経済法

★皇室の一時金制度そのものが問われている

★皇室の一時金制度そのものが問われている

   はやり宮内庁は大きな勘違いをしている。なぜ皇室経済会議を開催しないのか。NHKニュースWeb版(25日付)はこう伝えている。皇族が結婚などによって皇室を離れる場合、品位を保つことを目的に「一時金」が支給されることが皇室経済法で定められていて、眞子さまのような「内親王」の場合、1億5250万円が上限となっている。これについて眞子さまは、小室さんの母親の金銭トラブルに対する批判的な世論などを踏まえ、受け取りを辞退される意向を示されていて、宮内庁が、政府や内閣法制局とも連絡を取りながら対応を検討してきた。その結果、宮内庁として眞子さまへの一時金は支給しない方向となり、眞子さまの結婚の日程などとあわせ、来月上旬にも発表できるよう調整を進めている。これによって、総理大臣が議長となって一時金の支給額を決定する「皇室経済会議」は開かれない見通し。

   憲法第88条では「すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない」と定めている。皇籍離脱の一時金は皇族費であり、皇室経済法第6条に基づき、皇室経済会議を開く必要がある。本来は一時金の金額の認定などする場ではあるが、「受け取らない」場合であっても、その理由について了承を得る必要がある。会議メンバーは総理大臣、衆参正副議長、財務大臣、宮内庁長官、会計検査院長の8人だ。

   今回の一時金支給の辞退は皇室の歴史においても異例だ。NHKニュースWeb版はこう伝えている。一時金をめぐっては、昭和22年に11宮家の51人が皇籍を離脱した際、軍に所属していた男性皇族11人に支給されなかった例があるが、戦後、結婚によって皇室を離れた女性皇族に支給されなかった例はない。皇室経済会議は眞子さまが辞退したので、「あ、そうですか」と会議を開かない理由が納得いかない。なぜ、辞退されたのか問うてほしい。その上で、「皇室を離れる場合、品位を保つことを目的」としている一時金の意義を論議すべだ。皇室にとって必要のない、あるいは形骸化している制度であれば、この際、一時金制度を廃止すべきだろう。皇室経済会議を開いてその議論をなぜしないのか。

   ましてや、冒頭の記事で眞子さまの辞退の理由は「小室さんの母親の金銭トラブルに対する批判的な世論などを踏まえ」とされている。小室圭氏の母親の疑惑は厚生労働省や司法が判断する別次元の話だ。この件を、一時金で配慮するという眞子さまの感覚そのものがずれている。あるいは、一時金を辞退するので、小室の母親の疑惑はなかったことにしてほしいとのお気持ち、あるいは国民に向けたメッセージであるならば、それは論外ではないだろうか。

   2017年9月の婚約内定会見から4年、国民の信頼の失墜を招いた責任は宮内庁にあるだろう。その役割はもう終わった。全国に700ある天皇家にまつわる陵墓を守るのが宮内庁の大きな役目の一つとされる。それに専念すればよいのではないか。

(※写真は、「小室圭さん母 『年金詐取』計画 口止めメール」疑惑を報じた週刊文春=2021年4月29日号)

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☆眞子さま結婚問題さらなる一波乱二波乱

☆眞子さま結婚問題さらなる一波乱二波乱

   これはNHKのスクープ記事だった。16日付のニュースで、「秋篠宮ご夫妻の長女の眞子さまとの結婚の調整が進められている小室圭さんが、今月末には帰国が可能となるよう準備を進めていて、近く帰国する見通しとなったことが、関係者への取材でわかりました。宮内庁は、来月の結婚も念頭に発表の準備を進めていて、眞子さまは、小室さんの帰国後、2人で記者会見などの機会を設け、結婚について報告される見通しです」(9月16日付・NHKニュースWeb版)と報じた。自身の憶測だが、この記事は「関係者への取材」というより、宮内庁からの「取材依頼」、つまり「リーク記事」ではなかったか。

   本来ならば民放テレビや新聞社などが加盟する宮内庁記者クラブで発表すべき案件なのだが、そうなると「小室問題」などに記者の質問が集中して記事が宮内庁側の意図しない趣旨で書かれてしまう、ということになりかねない。そこで、論調が比較的穏やかなNHKに情報を持ち込んだのだろう。メディアへの情報開示の在り方をここで論じるつもりはない。むしろ、そのような手段を使わざるを得ないほど、眞子さまの結婚問題で宮内庁が追い込まれた状況であることをニュースを見て察した。

   宮内庁を追い込んでいる状況はいくつかある。一つは、結婚までに時間がなく切羽詰まっている。記事にあるように、「眞子さまは、30歳の誕生日を迎える来月23日までに結婚される」となれば、あと1ヵ月余りだ。皇族は「民間人」ではないので戸籍はない。入籍するまでに、皇籍離脱の手続き、婚姻届けなど多々ある。この手続きを進めるのは宮内庁だ。とくに、皇族がその身分を離れる際に支払われる一時金(最大1億5250万円)について、眞子さまは「受け取らない意向を示されている」(同)としている点だ。眞子さまは簡単にそう述べられたのかもしれないが、宮内庁にとってはこれほど面倒なことはないだろう。

   憲法第88条では「すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない」と定めている。皇籍離脱の一時金は皇族費であり、皇室経済法第6条に基づき、皇室経済会議を開く必要がある。本来は一時金の金額の認定などする場ではあるが、「受け取らない」場合であっても、その理由について了承を得る必要がある。会議メンバーは総理大臣、衆参正副議長、財務大臣、宮内庁長官、会計検査院長の8人だ。ところが、今月29日に自民党総裁選、10月4日からの臨時国会で首班指名選挙がある。その後に組閣があり、政治家にとって超多忙なスケジュールの中で皇室経済会議を開催できるのだろうか。ましてや、仮に物言いの河野太郎氏が総理になったとして、「受け取らない」をすんなり了承するだろうか。ひと波乱あるかもしれない。

   宮内庁を追い込んでいる状況のもう一つは、「国民の理解」ではないだろうか。冒頭の記事では、「2人で記者会見などの機会を設け」とある。皇籍を離脱する前に会見を開くことを宮内庁が仕込んでいるのだろう。というのも、眞子さまがこのまま会見も開かずにアメリカへ移住した場合、「多くの国民が納得し、喜んでくれる状況」(2021年2月23日・天皇陛下)にはならない。それどころか、多くの国民の嫌悪感を煽ることになりかねない。そこで記者会見を宮内庁はセットする訳だが、眞子さまも小室圭氏も会見を望んでいないのではないか。これまでの経緯を見ても、2人の現在の心境は憲法第24条「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」が最優先の「2人ファースト」ではないだろうか。国民の納得や祝福は念頭にない。

    2人の会見はどのような形式で行われるのかまだ定かになってはいない。おそらくリモート形式で、宮内庁記者からの質問もあらかじめ文書で提出されたものに違いない。時間も30分程度。とりあえず国を離れる前に国民にあいさつと報告をしたという事実を宮内庁としては残したいのだろう。いずれにしても今後、宮内庁の責任と皇室の有り様をめぐって国民の違和感がくすぶり続ける。(※写真は2017年9月3日、眞子さまと小室氏の婚約内定の記者会見=宮内庁公式ホームペ-ジより)

⇒18日(土)午後・金沢の天気   くもり時々あめ