#液状化現象

☆北陸は液状化現象の多発地帯 震度5弱以下で電柱傾き、ゆがむ道路

☆北陸は液状化現象の多発地帯 震度5弱以下で電柱傾き、ゆがむ道路

  けさの金沢はの冷え込み気温は1度。自宅前の庭や道路には3㌢ほどの積雪となっている。時折、雷鳴がとどろいている。今月6日付のブログでも述べたが、雷が直接落ちなくても、近くで落ちた場合には「雷サージ」と呼ばれる、瞬間的に電線を伝って高電圧の津波現象が起きる。この雷サージが電源ケーブルを伝ってパソコンの機器内に侵入した場合、部品やデータを破壊することになる。何しろ、金沢は全国の都市で年間の雷日数が30年(1991-2020)平均でもっとも多く、45.1日もある(気象庁公式サイト「雷日数」)。雷には注意したい。

  話は変わる。元日の能登半島地震による液状化現象について、けさの朝刊の記事は「震度5弱以下でも液状化多発」の見出しで、能登地震による北陸4県(石川、新潟、富山、福井)での液状化現象は34市町の2114ヵ所で起き、このうち震度5弱以下の箇所で起きた割合が16%におよび、東日本大震災の4%や熊本地震の1%に比べ、4県は液状化しやすい地盤であることが分かったと報じている。日本海沿岸部には液状化が起きやすい砂地が広がっていることが要因とみられる。(※写真は、液状化現状で電柱が大きく傾いた石川県内灘町=1月8日撮影)

  防災科学技術研究所(つくば市)がことし1月から5月に調査を実施。現地で土砂や水が地表にあふれた箇所を確認し、250㍍四方ごとに1ヵ所と数えて集計した。能登地震で起きた液状化の箇所のうち、震度5強の箇所は35%だった。また、半島尖端の震源地から離れた地点では、180㌔南西の福井県坂井市や170㌔東北の新潟市で液状化が確認されている。

  液状化については、金沢市に隣接する内灘町の被災事例をこれまでブログで何度か取り上げてきた。記事では同町の液状化は元日の地震からさらに被害が拡大していると取り上げられている。11月26日に起きた半島西方沖を震源する最大震度5弱の揺れがあり、震度3だった同町では元日に傾いた電柱がさらに傾きがひどくなったことから、被害拡大と分析されている。確かに現地を歩くと、電柱の傾きや道路の凹凸が大きくなっている箇所や新たに電柱が傾斜した場所もあり、被害の範囲が広がったようにも見える。

  そして危惧するのは、このところ能登で発生している地震の震源が元日の半島尖端から南下していることだ。元日の震源は半島尖端の珠洲市だったが、11月26日の地震は半島の西方沖に位置する。地元メディアの報道によると、地震学者のコメントとして、元日の地震で動いた断層とは別の「羽咋沖西断層」が震源の可能性があるとしている。新たな活断層が動きだし、それにともない液状化現象が連鎖するならば、詳細なハザードマップが必要ではないだろうか。

⇒23日(月)午前・金沢の天気    あめ時々ゆき

☆能登半島地震 山沿いで液状化現象のがけ崩れ住宅倒壊

☆能登半島地震 山沿いで液状化現象のがけ崩れ住宅倒壊

   元旦の能登半島地震では震源地から100㌔以上も離れている金沢市、そして隣接する内灘町でも住宅被害(全半壊・一部破損)が出ている。震度5強だった金沢市ではがけ崩れなどで4247棟、震度5弱だった内灘町では液状化現象などで1469棟に被害が及んでいる(石川県危機管理監室まとめ・2月9日現在)。   

   今回の地震で金沢市内も混乱した。JR金沢駅では改札口が大渋滞となり、コンコース中央部の天井から水がしたたり落ちて構内は一時封鎖された。海沿いに近い県庁舎には津波から避難する大勢の市民が建物に駆け込んだ。初詣でにぎわっていた市内の神社では参拝客が混乱した。市内のマンションでは火災ベルの発報が多発し、エレベーターが止まった。金沢城の石垣の一部が崩落し、兼六園の石灯籠も崩れた。元日の県都金沢は大混乱に陥った。

   そして、金沢大学の近くにある山手の住宅街でがけ崩れがあり、民家4軒が道路ごと崩れ落ちた。断続的に揺れが続いたことから、周辺の32世帯に避難指示を出していた。がけ崩れの現場を再び現場を訪れた。

   現場では、土嚢(どのう)を積むなどの応急工事が行われていた=写真=。避難指示は10日に解除になっていた。崩れ落ちた民家の一部では解体作業が行われていた。現場を眺めているシニアの女性がいた。この付近に40年余り住んでいるという。「このあたりで30年前にも大雨で土砂崩れがあって、2度目なんですよ」と。

   土砂災害に詳しい東京農工大学のチームの現地調査(1月3日)では、1600平方㍍の斜面が崩壊し、全壊した4棟のうち3棟が10㍍から20㍍西へ移動していた。地盤を調べたところ、大きさがほぼ均一の細かい砂地でできていて、斜面に設置された排水管からは地下水が流れ続けていた。このため、地下水を含んだ砂地に地震の揺れが加わったことで地盤が液体状になる液状化現象が起き、崩落したとみられる(1月6日付・NHKニュースWeb版)。

   この記事はたまたまネットで見つけたものだが、上記の女性の言葉と妙に一致している。液状化現象というリスクは内灘町で起きた湖畔の災害だけでなく(1月9日付・ブログ)、山沿いでも起きるのだと理解した。それにしても、30年前の液状化現象によるがけ崩れが教訓として活かされていなかったのだろうか。復旧工事を行ったのは宅地開発業者だったのか、あるいは行政だったのか。市民の一人として疑問の目を向けてしまう。

⇒13日(火)夜・金沢の天気    はれ

★能登半島地震 液状化現象でゆがむ街並み

★能登半島地震 液状化現象でゆがむ街並み

   日を追うごとに犠牲者が増えている。石川県庁危機管理監室のまとめによると、亡くなった人は202人、重軽傷者は565人に上る(9日午後2時現在)。道路の寸断などで輪島や珠洲など奥能登2市2町などでいまも24地区3300人が孤立状態に。生活インフラの復旧もまだ途上で、1万8000戸で停電、5万9000戸で断水が続いている。

   2万8000人が地域の公民館など400ヵ所に避難しているが、低体温症や感染症などに注意が必要なことから、県では金沢を含め県内外の宿泊施設に被災者を移す「2次避難」へと動いている。気象庁はきのう8日の会見で、地震活動は活発な状態が続いていることから今後1ヵ月程度、最大震度5強以上の地震に注意するように呼びかけた。

   今回の能登半島地震では能登の被災地が主に報道されているが、金沢市に隣接し、日本海に面した内灘町でも大きな被害が起きている。きのう現場を見に行った。シニア世代ならば聞き覚えがあるかもしれないが、内灘は1952年に在日アメリカ軍が砲弾試射場を砂丘に設置したことがきっかで起きた住民による基地反対闘争で知られる。その町の一部が今回の地震で道路がいたるところで隆起したり陥没したりしている=写真・上=。地面がゆがみ、多くの住宅や電柱が傾いている=写真・下=。道路が15度ほど斜めになっているところもある。

   元旦の地震では内灘町は震度5弱だった。震源となった能登からは距離がある地域だが、なぜこのように被害が大きくなってしまったのか。隆起した現場をよく見ると、土砂が噴き上げた様子があちらこちらにある。これを見て液状化現象だと思った。2007年7月16日に震度6強の揺れとなった新潟県中越沖地震の後、柏崎市を訪れたことがある。このときも道路に土砂があふれていて、初めて液状化現象の現場を見た。

   今回、液状化現象が見られた内灘町の西荒屋地区は、河北潟の西側に広がる。この地域は江戸時代から河北潟を埋め立てる干拓事業が進められてきた。もともと砂地だった場所なので液状化現象が起きたのだろうか。

⇒9日(火)夜・金沢の天気   あめ