#桜満開

★岸田内閣につきまとう「不支持率」という影

★岸田内閣につきまとう「不支持率」という影

   桜の開花が年々早まっている。東京では今月14日に開花が発表されたが、金沢では24日で、去年より6日、平年より10日、それぞれ早くなると予想されている。そして、満開は今月28日で、去年より8日、平年より11日も早い見込みとのこと。満開の桜は入学式というイメージだが、このままのペースだとあと数年で、桜満開の卒業式、花吹雪の入学式になるのではないか。余計な心配かもしれないが、ちょっと切ない入学式になるかも。

   話は変わる。WBC侍ジャパンの準決勝(21日・対メキシコ戦)への進出でメディアは盛り上がっていて、このところ岸田内閣の影が薄いように感じるのは自身だけだろうか。今月16日、岸田総理は初めて来日した韓国の尹大統領と首脳会談に臨み、「シャトル外交」を復活させることや、経済安全保障に関する協議体の創設、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の正常化など日韓外交では画期的な内容だった。が、同日のWBC準々決勝の対イタリア戦での大谷翔平選手のあのバントで、連日、テレビメディアなどは盛り上がっていて、日韓首脳会談の影が薄くなった。(※写真は、今月16日、日韓首脳会談後の共同記者会見=NHK総合より)

   さらに、18日に日本を訪れたドイツのショルツ首相との首脳会談や、G7議長国としてきょう20日にG20議長国のインドを訪れ、モディ首相との首脳会談に臨むが、こうした岸田総理の得意技である外交が、メディアで目立っていないと感じるのは自身だけだろうか。

   メディア各社の世論調査でも影の薄さが裏付けられるかもしれない。読売新聞社が今月17日から19日にかけて実施した全国世論調査によると、日韓首脳会談を「評価する」は65%で、「評価しない」24%を大きく上回った。ところが、内閣支持率は42%と前回調査(2月17-19日)41%ほぼ変わらず横ばい。不支持率は43%で、前回47%よりポイントを下げたが、支持率アップには回っていない。朝日新聞の世論調査(今月18、19日実施)では、内閣支持率は40%で、前回2月調査の35%から上昇したものの、不支持率は50%(前回調査は53%)で、不支持率が支持率を上回るのは7ヵ月連続となる。

   成果を上げた一連の外交がなぜ支持率につながらないのか。ことし5月に広島市で開催されるG7サミットまでに支持率が不支持率を逆転できるのか。

⇒20日(月)夜・金沢の天気    はれ

★のどかな花見日和に けん騒の春選挙

★のどかな花見日和に けん騒の春選挙

   金沢では桜、ソメイヨシノが満開になっている。自宅近くの桜の名所でもある神社の境内に行くと、青空にピンクの花が咲き誇り、絶好のコントラストを描いていた=写真・上=。「花見日和」とはこのことを言うのだろう。きょうは金沢市内の小学校の入学式もあり、親子連れで桜の木をバックに記念写真を撮るなど、楽しんでいる様子が見られた。

   うららかな春の本番の中で、石川県ではまた選挙戦が始まった。参院石川県選挙区の補欠選挙がきょう7日告示され、立候補を表明していた4人が届け出を済ませた。選挙は前職である山田修路氏が知事選(3月13日)の出馬で辞職したことに伴うもの。投開票日は今月24日。立候補したのは、比例代表からのくら替えを狙う自民党公認の宮本周司氏51歳、行政書士で立憲民主党公認の小山田経子氏43歳、共産党公認で県委員会書記長の西村祐士氏67歳、実業家秘書で「NHK受信料を支払わない国民を守る党」公認の齊藤健一郎氏41歳の4人。

   午後1時ごろ、近所に設置されているポスター掲示板の写真を撮影に行く。斎藤氏のポスターがまだ貼ってなかった。それもそうだろう、立候補を表明したのはきのう6日のこと。県内に活動拠点はなく、いわゆる「落下傘候補」だ。肩書は実業家秘書となっているが、実業家とはあのホリエモンこと、堀江貴文氏とメディア各社は紹介している。ただ、本人は選挙運動は告示日だけで、選挙期間中はほとんどを都内で過ごすようだ。供託金300万円は誰が払ったのかとふと考えた。午後6時ごろ、はがきを出し郵便局行く途中、ポスター掲示板を見るとようやく貼ってあった=写真・下=。

   参院石川県選挙区の補欠選挙とは言え、岸田政権の評価も問われ、立憲民主党が新しい代表に変わってから初めての国政選挙でもある。地元メディアなどは、与野党の対立構図が描かれていて、この夏に予定されている参院選の前哨戦だと位置づけている。17日間の戦いぶりが見ものだ。そこで一句。「国会の 桜ふぶきは 誰に舞う」

   春満開の風情で正午ごろは気温も19度と、4月下旬並みの暖かさだった。ただ、夕方からは日本海から低気圧が接近して、雨が降りそうとの天気予報だ。雨で桜が散らねばよいが。

⇒7日(木)夜・金沢の天気     あめ

★満開の桜 兼六園に何思う

★満開の桜 兼六園に何思う

   金沢の兼六園は日本三名園の一つと言われ、国の特別名勝に指定されている。毎年この桜の時期に入園料を無料にしていて、今年もきのう27日から無料開放(4月2日まで)が始まった。きょう正午ごろ、兼六園へ満開のソメイヨシノを見学に行ってきた。時折小雨が降る、どんよりとした天気だったが、金沢城をバックに満開の桜は光彩を放っていた=写真・上=。

   兼六園の桜はソメイヨシノだけではない。桜だけでも20種410本に及ぶ。一重桜、八重桜、菊桜と花弁の数によって分けられている桜だ。中でも「国宝級」は曲水の千歳橋近くにある兼六園菊桜(けんろくえんきくざくら)だ=写真・下=。学名にもなっている。兼六園菊桜の見事さは、花弁が300枚にもなる生命力、咲き始めから散るまでに3度色を変える華やかさ、そして花が柄ごと散る潔さである。兼六園の桜の季節を200本のソメイヨシノが一気に盛り上げ、兼六園菊桜が晩春を締めくくる。桜にも役どころというものがある。

   上記で述べた「国宝級」というのも、兼六園菊桜はかつて国の天然記念物に指定されていた。その初代の兼六園菊桜(樹齢250年)は1970年に枯れ、現在あるのは接ぎ木によって生まれた二代目だ。実は兼六園では「名木を守る」ため、台風で名木が折れた場合に備え、次世代の子孫がスタンバイしている。

   これは兼六園管理事務所の関係者から聞いた話だが、子孫とは、たとえば種子からとることもあるが、名木のもともとの産地から姿の似た名木をもってくる場合もある。たとえば、兼六園きっての名木である唐崎松。これは、滋賀県大津市の「唐崎の松」から由来する。歌川広重(安藤広重)が浮世絵『近江八景之内 唐崎夜雨』に描いた名木である。近江の唐崎松は2代目だが、第13代加賀藩主・前田斉泰(在位1822-1866)が近江から種子を取り寄せて植えたのが現在の兼六園の唐崎松だ。

   二代目の兼六園菊桜は桜の園を守る主役ではある。あと100年もすれば国の天然記念物に指定されるだろう。兼六園で桜を眺めながら四季の移ろいを感じ、曲水の流れや、玉砂利の感触を楽しんだ。人が変り、時代が変わっても、兼六園は変わらない。五感を満たす時空と空間、壮大な芸術作品、それが兼六園だ。

⇒28日(日)午後・金沢の天気     くもり時々あめ