#木造長屋の仮設住宅

☆被災地も五月晴れ 木造長屋の仮設住宅に入居始まる

☆被災地も五月晴れ 木造長屋の仮設住宅に入居始まる

  きょうは石川県全域で晴れの天気。能登の被災地でも晴天の下で、木造家屋の仮設住宅への入居が始まったようだ。県による仮設住宅の建設はこれまで5800戸が着工されていて、そのうち1385戸が木造長屋型。スギや能登ヒバなどの県産の木材を使い周辺の景観に配慮した木造長屋型の仮設住宅だ。

  輪島市里町で完成した木造長屋の仮設住宅は周囲の里山とマッチしていて景観的にも合っている=写真、5月3日撮影=。27棟・100戸が建てられ、コンパクトな1DKや車椅子の利用を考慮した部屋、さらに和室のあるタイプもあり、入居者に配慮した仮設住宅だ。配慮はこれだではない。従来のプレハブ型は取り壊すことを前提に原則2年で退去しなければならないのに対し、木造長屋型は2年が経過した後は輪島市営住宅に転用され、被災者が長く住み続けることができるようだ。

  1月22日以降滞っていた災害関連死の認定審査会がきょう再開された。審査会はそれぞれの自治体ごとに行われていたが、医師や弁護士の手配などに支障をきたしたことから、自治体が合同で審査会を設けることで再開した。メディア各社の報道によると、きょうの合同審査は輪島市・珠洲市・能登町に寄せられた遺族からの申請が対象。医師や弁護師ら委員5人による審査が行われ、1週間をめどに認定が進む見込みという。

  災害関連死に認定されると、遺族には最大500万円の弔慰金が支給される。災害関連死の申請は今月9日時点で輪島市で53人、能登町で16人、七尾市で14人など少なくとも100件に上っている。県では震災による死者245人のうち15人を関連死として発表している。審査が進めば大幅に増加することになる。

⇒14日(火)午後・金沢の天気     はれ

★能登の里山景観にマッチする「木造長屋」の仮設住宅

★能登の里山景観にマッチする「木造長屋」の仮設住宅

  能登半島地震の被災地に行くと、プレハブの仮設住宅が目立つようになってきた。石川県では8月までに仮設住宅6400戸余りを整備するとしている。知人から輪島市南志見地区に木造の仮設住宅があると聞いて見に行った(今月3日)。

  現地に赴くと、黒瓦で壁面は木板、1棟に4戸の玄関戸がついていた=写真=。外観だけを見ると「長屋」というイメージだ。この木造タイプの仮設住宅は全部で27棟で、1DKや2DKを中心に計100戸になる。知人によると、木造の仮設住宅はプレハブと比べて長く使用でき、輪島市では原則2年間の入居期間後も市営住宅に転用するなど被災者が長く住み続けることができるようにする計画だという。確かに、プレハブより木造の仮設住宅の方が住み慣れるかもしれない。

  仮設住宅の建設が進む一方で、全半壊となった住宅の撤去作業は思うように進んではいない。馳県知事の記者会見(4月25日)によると、所有者に代わって自治体が解体撤去する「公費解体」はこれまでに申請数が8528棟あったものの、着手は244棟にとどまっている。申請の受理から解体着手までには、自治体職員らによる現地調査や住民の立ち会いが必要で、手続きの調整がネックとなっている。

  このため、連休明けの今月上旬から、市町が委託する書類審査や費用算定を行う専門のコンサルタント職員を6割増員し、公費解体の手続きを集中的に進めるとしている。さらに、解体事業者らで構成する5人1チームの作業班を新たに500から600班編成し、現地に投入することで作業のペースを加速させる。来年10月の完了を目指す(4月25日・知事記者会見)。大型連休明けから復旧・復興の勢いが加速することを期待したい。

⇒7日(火)夜・金沢の天気     くもり