#日本海

☆兼六園にアサギマダラ、日本海に木造船、市街地にクマ

☆兼六園にアサギマダラ、日本海に木造船、市街地にクマ

   きょう24日は二十四節気の一つ「霜降」。霜が降りる頃とされる。ただ、このところ「暑さ」を感じる。きょうの金沢の日中の最高気温は24度だった。知人の話だと、金沢の兼六園の梅林に咲いているフジバカマにアサギマダラが舞っているのを見た、という。「旅するチョウ」と称されるアサギマダラが北陸を訪れるのは例年9月下旬ごろなのだが、季節がゆったりとしているのだろうか。来月11月1日から兼六園では恒例の雪つり作業が始まる。(※写真・上=世界農業遺産「能登の里山里海」情報ポータル公式サイトより) 

   北朝鮮からの脱北が相次いでいる。NHKニュース(24日付)によると、韓国軍の合同参謀本部は24日、日本海上で北朝鮮の木造船を見つけたと発表した。木造船は亡命が目的と推定されるとしていて、韓国北東部ソクチョ(束草)の沖合で乗っていた4人の身柄を確保した。ことし5月にも朝鮮半島西側の黄海で北朝鮮の住民が漁船で脱北して韓国に入っている。ことし韓国に入国した脱北者は、先月末時点で139人で、北朝鮮が新型コロナウイルスの感染対策として国境を封鎖していた去年の同じ時期に比べて3倍余りに増えている。

   北朝鮮に有事が起これば大量の亡命者が発生し、船に乗って逃げるだろう。ガソリンが切れたり、エンジンが止まった船の一部はリマン海流に乗って、韓国や日本海沿岸に漂着する。そうした亡命者をどう受け入れるのか、中には武装した者もいるだろう。今回、韓国軍がたまたま木造船を見つけたとすれば、ほかにも相当数の木造船が日本海に漂流している可能性もある。実に不気味だ。(※写真・中=2017年11月に能登半島の尖端、珠洲市の海岸に漂着した北朝鮮の木造漁船)

   これも不気味なニュースだ。クマに襲われてけがをするなど被害にあった人の数は、今年度はこれまでに17の道府県で少なくとも167人にのぼり、国が統計を取り始めて以降、最も多かった3年前の158人をすでに上回り、過去最悪の被害となっている。NHKが独自に集計した数字だ。

   北陸でも被害が相次いでいて、きのう23日、富山市内で72歳の男性がクマに襲われ重傷。17日には79歳の女性が亡くなっている。富山県内での人身被害は本年度で5例目となっている。ブナの実はクマの主要なエサとされているが、富山県内では凶作で、エサを求めて市街地などにもクマが出没しているようだ。

⇒24日(火)夜・金沢の天気     はれ

☆いよいよヤル気か 北朝鮮がまた日本海に弾道ミサイル

☆いよいよヤル気か 北朝鮮がまた日本海に弾道ミサイル

   また北朝鮮が弾道ミサイルを発射した。今月に入り弾道ミサイルや巡航ミサイルの発射の頻度高めている。防衛省公式サイトによると、北朝鮮は深夜の24日午後11時54分と59分に北朝鮮内陸部から、計2発の弾道ミサイルを東方向の日本海に向けて発射した。日本のEEZ外に落下した。1発目は最高高度100㌔で、350㌔飛翔、2発目は最高高度100㌔で、400㌔飛翔したと推定される=図、防衛省公式サイトより=。

   今月だけでも4回目だ。今月22日午前4時ごろに朝鮮半島西側の黄海に向けて数発の巡航ミサイルを発射している。19日午前3時台には日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射、EEZ外に落下。12日にはICBM(大陸間弾道ミサイル)1発を発射している。弾道ミサイルは74分間飛翔し、北海道の奥尻島の西方250㌔の日本海のEEZ外に落下。飛翔距離は1000㌔、最高高度は6000㌔を超えると推定されている。弾道ミサイルや、弾道ミサイル技術を用いたものの発射はことし14回目だ。

   なぜこれほどまで頻繁に北朝鮮はミサイルを発射するのか。メディア各社の報道から読み解くと、一つには戦意高揚があるのかもしれない。北朝鮮は、朝鮮戦争の休戦協定(1953年7月27日)の日を「戦勝節」と位置付けていて、ことしは70年の節目に当たる。二つめは、アメリカ軍の動きに過敏になっていることがある。きのう24日、アメリカの原子力潜水艦「アナポリス」が済州島に入港している。また、今月18日から21日まで、核兵器を搭載可能なアメリカの戦略原子力潜水艦「ケンタッキー」が南東部の釜山に寄港していた。北朝鮮とすれば、こうした米韓の軍事的な連携に神経を尖らせているだろう。

   三つめは自身の憶測だが、ロシアとの連携であえて軍事行動に出て、アメリカの意識をウクライナから朝鮮半島へとそらすことを想定しているのではないだろうか。ロシアとすれば、クラスター爆弾を供与するなどウクライナへのアメリカの肩入れがハードルになっている。そこで、朝鮮半島での紛争を北朝鮮に仕掛けさせてアメリカをここに注目させる。さらに、中国による台湾への軍事侵攻を仕掛けさせて、アメリカを巻き込む。そのようなシナリオではないだろうか。まったくの憶測である。

   このところ、ロシアの安全保障担当と中国外交担当トップが南アフリカで会議を行ったり、中国共産党幹部が北朝鮮を訪問するなど、ロシア・中国・北朝鮮の外交が妙に活発化しているような印象から、上記のシナリオを勝手に詮索してみた。

⇒25日(火)夜・金沢の天気   はれ

☆また北朝鮮の弾道ミサイル 日本海側に緊張走る

☆また北朝鮮の弾道ミサイル 日本海側に緊張走る

   北朝鮮がまた弾道ミサイルを発射した。防衛省公式サイト(19日付)によると、北朝鮮は午前3時29分に1発目を発射、最高高度50㌔で550㌔を飛翔した。2発目は午前3時45分に発射、最高高度50㌔で600㌔を飛翔した。いずれも朝鮮半島東の日本のEEZ外に落下した=図、防衛省公式サイトより=。ミサイルはいずれも変則的な軌道で飛行した可能性がある。午前4時46分から浜田防衛大臣は臨時会見を行い、「我々としてはこれ容認することはできない。外務省を通じて北朝鮮に対して抗議を行う」と述べた。

   北朝鮮は今月12日にもICBM(大陸間弾道ミサイル)1発を発射した。弾道ミサイルは74分間飛翔し、北海道の奥尻島の西方約250㌔の日本海のEEZ外に落下した。飛翔距離は1000㌔、最高高度は6000㌔を超えると推定されている。北朝鮮が弾道ミサイルや、弾道ミサイル技術を用いたものを発射したのはことし13回目だ。

   「弾道ミサイル」は発射から10分ほどで日本国内へ到達する。国内に落下する可能性がある場合には、緊急情報を瞬時に伝える「Jアラート」が国から伝えられ、防災行政無線や緊急速報メールなどで緊急情報として伝えられる。

   ネットによると、きょう富山市では弾道ミサイルの落下に備えた住民避難訓練が行われた。防災行政無線で「ミサイルが発射されたものとみられます、建物の中、または地下に避難してください」と放送。住民らは近くの地下歩道などに駆け込んだ。国と県、市が共同で行っているこの訓練は今年度で36回実施される予定。昨年の12回に比べ3倍に増えている(19日付・北日本新聞Web版)。(※写真は、きょうの北朝鮮の弾道ミサイル発射を伝える地元紙の夕刊)

   自身も「Jアラート」避難訓練に参加したことがある。2017年8月30日に能登半島の輪島市で実施された。この年の3月6日、北朝鮮は弾道ミサイルを4発発射、うち1発が輪島市の北200㌔の海上に落下した。このため、避難訓練は実にリアリティがあった。午前9時に防災行政無線の屋外スピーカーから「これは防災訓練です」と前置きして、Jアラートの鈍い警報音が流れた。その後「ミサイルが発射された模様です」「ただちに頑丈な建物や地下に避難してください」とアナウンスが流れた。防災行政無線による避難の呼びかけは10分間ほど続いた。

   日本海側に住む者にとっては北朝鮮の弾道ミサイルは脅威そのものだ。

⇒19日(水)夜・金沢の天気    あめ

★火山の噴煙と黄砂が漂う極東アジア

★火山の噴煙と黄砂が漂う極東アジア

   ロシアのカムチャツカ半島にあるシベルチ火山で大規模な噴火がきのう10日午後10時10分(日本時間)ごろにあり、気象衛星ひまわり9号の観測では噴煙が高度約1万6千㍍に到達していると推定される(気象庁公式サイト「報道発表」)。 

   カムチャッカの火山活動を監視しているロシアの「KVERT」(カムチャッカ火山噴火対策チーム)の公式サイト(10日付)をチェックすると、シベルチ火山の西側に大規模な火山灰雲が漂っており、航空に関する「コードレッド(厳戒警報)」を発令している。国際線の航空機は通常、高度1万から1万3千㍍を巡航するため、「進行中の火山活動により、国際線や低空飛行の航空機に影響を与える恐れがある」と警告を発している。(※写真・上は4月11日付・「Volcano Discovery」公式サイトより)

   カムチャツカ半島には多数の活火山があり、たびたび規模の大きな噴火を起きていて、去年5月にはベズイミアニ火山でも噴煙が1万5千㍍級の噴火があった。カムチャッカ半島に比べれば規模はまだ小さいが、日本でも鹿児島県の桜島がことし2月8日に噴火し、高さ1千㍍の噴煙を上げている。浅間山や薩摩硫黄島、諏訪之瀬島でも噴火が続く。

   火山噴火のニュースを目にすると、つい連想するのが富士山だ。1707年の宝永大噴火以後、300年余り噴火していないものの、山梨、静岡、神奈川の3県や国でつくる火山防災対策協議会は噴火に備えて先月29日、これまでの避難計画を全面的に改定した「富士山火山避難基本計画」を策定した。3県で被害が見込まれる「避難対象エリア」の27市町村の住民79万2000人と滞在している人らが対象となっている。富士山噴火をめぐっては、首都圏にも降灰の影響があるとの試算が政府の中央防災会議の作業部会で20年3月に公表されている。

   そして、中国からの黄砂があす北陸などに飛来する。ウエザーニュースWeb版によると、中国大陸のゴビ砂漠で巻き上がった黄砂が東に進み、衛星写真では中国東北エリアや華北エリア、山東半島周辺に広がっている。きょう夜からあす12日にかけて西風が強まり、気象庁の黄砂予測によると、あす夜にはこの黄砂が北海道から九州にかけての広い範囲に流れ込んでくる予想だ。(※黄砂予想図は気象庁公式サイト「黄砂予想」より)

   とくに、北陸から東北、北海道かけては黄砂の濃度が高くなり、視界も悪化しそうだ。洗濯物や車の汚れもさることながら、航空機の離着陸などの交通にも影響が生じるのではないだろうか。火山の噴煙と黄砂が極東アジアに漂う。

⇒11日(火)午後・金沢の天気   はれ時々くもり

★日本海に恐怖の渦 北朝鮮が空中、水中に核の仕掛け

★日本海に恐怖の渦 北朝鮮が空中、水中に核の仕掛け

   北朝鮮はきょう27日、2発の短距離弾道ミサイル(SRBM)を日本海に向けて発射した。防衛省公式サイトによると、北朝鮮西岸付近から午前7時47分ごろに弾道ミサイル1発が発射され、最高高度およそ50㌔で、350㌔飛翔した。さらに10分後の午前7時57分ごろにも1発を発射。これも最高高度およそ50㌔で、350㌔飛翔した。日本のEEZ外側に落下したと推測される。2発の弾道ミサイルは変則軌道で飛翔した可能性もある。

   アメリカと韓国による合同の海上訓練がきょう済州島沖の公海上で行われ、アメリカ軍の原子力空母「ニミッツ」などが参加している。「ニミッツ」はあす28日、釜山に入港する予定という。北朝鮮は米韓の合同訓練に反発したものと見られる。

   北朝鮮のミサイル発射は今月だけでも今回で7回目だ。22日に戦略巡航ミサイルを4発、19日に短距離弾道ミサイルを1発、16日にICBMを1発、14日に短距離弾道ミサイルを2発、12日に潜水艦から戦略巡航ミサイルを2発、9日に短距離弾道ミサイルを6発をそれぞれ発射している。(※写真は、今月9日に北朝鮮が発射した近距離弾道ミサイル=10日付・朝鮮中央通信Web版より)

   北朝鮮の脅威はミサイルだけではない。ロイター通信Web版日本語(今月24日付)によると、北朝鮮の国営メディア「朝鮮中央通信」の報道として、金正恩総書記の指揮下で、核兵器が搭載可能な水中攻撃ドローン(無人艇)の実験を実施した。「ヘイル(津波)」と名付けられた新型の水中ドローンは59時間以上にわたり水深80㍍から150㍍の水中を巡航し、23日に東岸沖で核を搭載しない弾頭を爆発させたという。

   この核無人水中攻撃艇は敵の海域で奇襲攻撃を仕掛け、水中爆発で大規模な放射能の巨大な津波を起こして艦船や主要な作戦港を破壊することを目的としている。この北朝鮮の新たな兵器について、韓国軍当局者は、北朝鮮の主張を分析中だと説明。アメリカ政府関係者は匿名を条件に、核実験の兆候はないと述べた。アナリストは、水中兵器が配備可能かどうかには懐疑的だが、北朝鮮はアメリカと韓国に対し、ますます多様化する核の脅威を誇示していると分析している(ロイター通信Web版日本語)。

   空中だけでなく海中でも核攻撃能力を持つと挑発する北朝鮮、海上戦力が脆弱とされる北朝鮮に対して原子力空母を繰り出す米韓合同訓練、日本海に恐怖の渦が巻く。

⇒27日(月)夜・金沢の天気    はれ

★北朝鮮またICBM 日本海で頻発する威嚇争い

★北朝鮮またICBM 日本海で頻発する威嚇争い

   日本海側に住む者としてやはりこのニュースは気が気でない。メディア各社の報道によりと、防衛省は、北朝鮮が16日午前7時9分ごろ、首都・平壌近郊からICBM(大陸間弾道ミサイル)1発を東側に向けて発射、70分飛行し、午前8時19分ごろに北海道の渡島大島の西約200㌔のEEZ外側の日本海に落下したと発表した。飛翔距離は約1000㌔、最高高度は約6000㌔を超えると推定される。(※写真は、2022年3月24日に北朝鮮が行ったICBM「火星17型」の発射実験。最高高度は6248㌔に達し、飛翔距離1090㌔、67分32秒飛行した=同25日付・労働新聞Web版)

   高い角度で打ち上げて、飛距離を抑える、いわゆる「ロフテッド軌道」での発射だ。弾頭重量にもよるが、ICBMの角度を低くすれば、飛翔距離は1万4000㌔を超えてアメリカ全土が射程内に入る。北朝鮮は今月13日に始まった米韓の合同軍事演習に強く反発し、軍事的挑発行動を続けている。

   北朝鮮と米韓の威嚇争いが頻発している。北朝鮮は先月18日にもICBM「火星15」を、同じ北海道の西200㌔のEEZ内に落下させている。これに対抗し、米韓は翌19日、戦略爆撃機やステスル戦闘機による合同空中訓練を実施している。これに北朝鮮は反発。金正恩総書記の妹、金与正党副部長は翌20日、国営メディアを通じて発表した談話で「最近、朝鮮半島でアメリカ軍の戦略的な打撃手段の動きが活発になっている」と指摘。「情勢を激化させる狂信者にその代価を支払わせる意志に変わりがないことを今一度確言する」と威嚇した(2月20日付・聯合ニュースWeb版日本語)。

   2月28日には米韓合同訓練では特殊部隊を動員した「チークナイフ(Teak Knife)」、別名「斬首作戦」と呼ばれる北朝鮮の指導部を狙った訓練が行われた。この訓練は1990年代以降で毎年実施されているが、尹錫悦政権の発足後の去年9月に続き、半年で2回実施したことになる。

   アメリカは北朝鮮を悪の枢軸」と位置付ける。朝鮮戦争(1950年6月-53年7月)で、北朝鮮側が国境線といわれた38度線を南下し、韓国に侵攻した。これにアメリカなど国連軍は反撃したが、アメリカ軍は3万6000人にもおよぶ多大な犠牲を払った。朝鮮戦争は現在も休戦状態にあり、一触即発の状況に変わりない。朝鮮戦争にどう決着をつけるか、アメリカにとって、チークナイフはその選択肢の一つなのだろう。挑発の頻度を高める北朝鮮、米韓合同訓練の威嚇争いが日本海で頻発する。

⇒16日(木)午前・金沢の天気     くもり

★また2発 北朝鮮「狂信者に代価を支払わせる」

★また2発 北朝鮮「狂信者に代価を支払わせる」

   北朝鮮がきょうも弾道ミサイルを日本海に向けて発射した。防衛省公式サイト(20日付)によると、午前6時59分ごろに弾道ミサイル1発を発射した。最高高度は約100㌔で、400㌔ほど飛翔。さらに、午前7時10分ごろにも1発を発射した。最高高度は約50㌔で、350㌔ほど飛翔した。いずれも日本海のEEZの外側に落下した=図は防衛省公式サイトより=。

   そして異例のこともあった。韓国の中央日報Web版(同)よると、きょう発射の2時間後の午前9時に、北朝鮮の朝鮮中央テレビの放送で、アナウンサーが「20日朝7時、放射砲射撃訓練を行った」とミサイル発射を速報した。 さらに正午には、今回発射したミサイルの写真も公開。ミサイル発射の直後に写真などを公表するのは異例だ。

   また、北朝鮮の朝鮮中央通信(20日付)は、戦術核を搭載可能な「600㍉放射砲」2発を発射する訓練を行ったと発表した。北朝鮮は新年早々に弾道ミサイル1発を発射。前日の12月31日にも弾道ミサイル3発を日本海に向け発射している。国営メディアは、いずれも「超大型ロケット砲」だったと伝えた。朝鮮労働党機関紙「労働新聞」(1月1日付・Web版)によると、党中央委員会総会で、金正恩総書記は演説し、戦術核兵器を大量生産する必要性を述べ、「核弾頭の保有量を幾何級数的に増やす」と方針を示した。

   そして、北朝鮮は今月18日にICBM「火星15」を北海道の西200㌔のEEZ内に落下させた。これに対抗し、アメリカと韓国は19日、戦略爆撃機やステスル戦闘機による合同空中訓練を実施した。

   さらに北朝鮮は反発。金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長は20日、朝鮮中央通信を通じて発表した談話で「最近、朝鮮半島でアメリカ軍の戦略的な打撃手段の動きが活発になっている」と指摘。「わが国の安全に直接・間接的な懸念があると判断される時には相応の対応に乗り出す」と警告した。また「情勢を激化させる狂信者にその代価を支払わせる意志に変わりがないことを今一度確言する」と威嚇した(20日付・韓国聯合ニュースWeb版日本語)。米韓と北朝鮮の威嚇争いは、とめどなくエスカレートしている。

⇒20日(月)夜・金沢の天気     くもり時々あめ

★エスカレートする北朝鮮の軍事挑発 次は核実験なのか

★エスカレートする北朝鮮の軍事挑発 次は核実験なのか

   日本海側に住む者として、このところの北朝鮮の動きに目が離せない。聯合ニュースWeb版日本語(3日付)が韓国軍合同参謀本部からの情報として伝えたニュースによると、北朝鮮はきょう午前7時40分ごろ、平壌・順安付近から日本海に向けてICBMを発射した。最高高度は約1920㌔、飛行距離は760㌔、最高速度はマッハ15だった。ミサイルは2段目の分離まで行われたが、その後は不正常に飛行し、日本海の海上に墜落した。このICBMは新型大陸間弾道ミサイル「火星17型」とみられる。

   ことし3月24日、北朝鮮はICBM「火星17型」を発射させ、「実験は成功した」と公表している。このときは、最高高度は6248㌔に達し、1090㌔の距離を67分32秒飛行した。角度を変えて発射すれば1万5000㌔を超える射程距離となり、アメリカの東海岸を含む全土が射程内に入る(当時の岸防衛大臣の会見)。おそらく、今回はアメリカをけん制する狙いで角度を変えて発射したものの失敗に終わった可能性がある。ただ、北朝鮮による挑発のレベルは高まっている。

   防衛省によると、今回、北朝鮮から発射されたICBMが日本列島を越えて飛翔する可能性があると探知し、政府は午前7時50分ごろから8時ごろにかけてJアラート(全国瞬時警報システム)を宮城県、山形県、新潟県に発した。しかし、ICBMは日本海で消失したため、その後訂正した(防衛省公式サイト「防衛大臣臨時記者会見」)。

   きのうは23発の弾道ミサイルを、そして、きょうはICBMのほか2発の弾道ミサイルを発射した。北朝鮮がここまで執拗に弾道ミサイルの発射を繰り返す口実は、アメリカと韓国が先月31日から今月4日までの予定で行っている、ステルス戦闘機などおよそ240機を投入した大規模な合同訓練に対するけん制だ。

   韓国空軍はこうした北朝鮮からの軍事挑発を受け、きょう3日、実施中の米韓合同訓練の期間を延長することを決めたと発表した(3日付・共同通信Web版)。韓国とすれば、アメリカとの同盟態勢を強調することで北朝鮮に対して圧力をかけたいのだろう。すると、北朝鮮も次なる脅威を誇示するのではないか。7回目の核実験を含むさらなる軍事挑発だ。

(※写真は北朝鮮のICBM「火星17型」の発射実験=3月25日付・労働新聞Web版)

⇒3日(木)夜・金沢の天気   はれ

☆北朝鮮ミサイル23発 米韓は大規模訓練のキナ臭さ

☆北朝鮮ミサイル23発 米韓は大規模訓練のキナ臭さ

   朝鮮半島にキナ臭さが漂っている。NHKニュースWeb版(2日付)は、韓国軍の合同参謀本部の情報として、北朝鮮は2日午前6時台から9時台にかけて、東部や北西部など複数の場所から日本海や朝鮮半島西側の黄海に向けて、短距離弾道ミサイルなど17発以上のミサイルを発射した、と伝えている。

   このうち、午前8時台に発射した短距離弾道ミサイルの1発が国連軍が設定した海上の境界線であるNLL(北方限界線)を越えて、韓国東部の鬱陵島の北西167㌔の公海上に落下した。同島では空襲警報が発令された。さらに、午後4時30分から午後5時10分ごろにかけて、北朝鮮は地対空ミサイル6発を日本海と黄海に向けて発射したと発表。きょうこれまでに23発のミサイルをした。

   アメリカ軍と韓国軍は先月31日から今月4日までの予定で、最新鋭のステルス戦闘機などおよそ240機を投入した空軍による大規模な共同訓練「ビジラントストーム(Vigilant Storm)」を行っている。北朝鮮のミサイルの乱発はこれに対するけん制だ。

   ロイター通信Web版日本語(2日付)によると、北朝鮮で軍事担当の労働党書記は1日付の声明で「米韓が何の恐れもなく北朝鮮に対して武力を行使しようとするならば、北朝鮮軍の特殊部隊が遅滞なく戦略的任務を遂行し、米韓は悲惨な出来事に直面し、歴史上最もおぞましい代価を支払わなければならないだろう」と共同訓練を中止するよう要求している。

   韓国中央日報Web版日本語(1日付)によると、米韓空軍による大規模訓練は2017年12月以来となる。韓国空軍基地に初めて入るアメリカ海兵隊のステルス戦闘機「F-35B」の編隊は31日、山口県岩国基地から出撃した。また、今回の訓練にはオーストラリア空軍のKC-30A空中給油機も加わっていて、3ヵ国による訓練は今回が初めて。 アメリカ太平洋空軍の関係者は「歴代最大規模」と明らかにした。   

   防衛省も日本海に落下した弾道ミサイルについて公表している。防衛省公式サイト「北朝鮮のミサイル等関連情報」(2日付)によると、北朝鮮は午前9時50分ごろ、少なくとも2発の弾道ミサイルを、東および南東方向に向けて発射。一発目は最高高度が約150㌔でおよそ150㌔飛翔した。2発目は最高高度が約100㌔で、およそ200㌔飛翔。落下はいずれも朝鮮半島東岸付近で、日本のEEZ外だった。さらに、午後4時台に、北朝鮮東岸付近から、少なくとも1発の弾道ミサイルの可能性があるものを東方向に向けて発射した。最高高度は約50㌔以下の極めて低い高度で短距離を飛翔し、日本のEEZ外に落下した。

(※写真は、北朝鮮が「極超音速ミサイル」と称する新型弾道ミサイル=防衛省公式サイト資料「2019年以降に北朝鮮が発射した弾道ミサイル等」より)

⇒2日(水)夜・金沢の天気    はれ

☆海流がさらす「ロシアの不埒」漂着ゴミ

☆海流がさらす「ロシアの不埒」漂着ゴミ

   能登半島の沖合には北朝鮮の木造船がよく流れ着く。大陸側に沿って南下するリマン海流が、朝鮮半島の沖で対馬海流と合流し日本海側の沿岸に流れてくる=写真・上=。とくに能登半島は日本海に突き出ているため、近隣国の漂着物のたまり場になりやすい。このところ問題になっているのが、ロシアからの漂着ゴミだ。

   とくに目立っているのは大量の注射器と注射針だ。地元紙によると、能登半島の先端の珠洲市の海岸で今月27日、市と県の職員、建設業協会のメンバーが海岸線を巡回して回収したところ、新たに1377本の注射器と注射針が見つかった。注射器の長さは約10㌢で、針のついているもの、針だけ包装されているものもあった。ロシア語で「医療用」と表記されている(28日付・北國新聞)。注射器や注射針は輪島市の海岸でもこれまで625本が見つかっている(3月4日付・同)。

   能登半島だけでなく、島根や鳥取、兵庫、京都府の海岸でも注射器が見つかっている(2月28日付・共同通信Web版)。以下は憶測だ。これだけ大量のものが投棄されるということは、時期的に新型コロナウイルスのワクチン接種で使用したものではないだろうか。ロシア、あるいはロシアから提供を受けた北朝鮮が沖合で廃棄したものかもしれない。漂着したものはごく一部で、まだ膨大な量の注射器と注射針が海を漂っているに違いない。

   ことし1月には同じ珠洲市の海岸に、船体の全長が50㍍ほどある鉄製の船が海岸に流れ着いた=写真・下=。船体にはロシア語が書かれていた。能登海上保安署は、ロシアで射撃訓練の際に「標的船」として使われる船に似ているという(1月4日付・朝日新聞ニュースWeb版)。では、ロシアはなぜ、どのような理由で射撃訓練を日本海で行ったのか。実に不気味だ。そして、標的船を回収せずにそのまま海に遺棄する感覚に不埒さを感じる。

⇒30日(土)夜・金沢の天気    はれ