#新学期

★新学期、新年度、そしてエイプリルフールな「4月1日」

★新学期、新年度、そしてエイプリルフールな「4月1日」

   きょうから4月、新学期がスタートした。学校現場ではきょうからコロナ禍でのマスクの着用が原則、不要となるようだ。5月にはコロナ感染症法上の「2類相当」から、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられるので、それに先立って学校現場では一足早くコロナ禍との決別となる。

   経済の新しい動きもある。賃金の支払いと言えば、これまで銀行口座への振り込みや、現金での支払いだったが、今月から決済アプリを使ったいわゆる「デジタル給与」も可能となる。もちろん、デジタル払いを導入する際には、企業の経営サイドは労働者と労使協定を結ぶことや、決済アプリの運営業者も厚労省の指定を受ける必要がある。

   ひょっとして社会の交通と物流インフラが劇的に変わるかもしれない。きょう1日から改正道路交通法が施行され、特定の条件のもとでドライバーがいない状態でも自動運転が可能な「レベル4」での公道走行が解禁となる。そして、来年4月からトラックの運転手の時間外労働の規制が強化されることから、運転手不足によって輸送量が激減することが懸念され、「2024年問題」とも言われている。ドライバーがいない車が人やモノを乗せて街を走る。そんな時代がやってくる。

   そして、きょうの地元紙の広告で、「ロケット乗務員大募集」という文字が目に飛び込んできた。「宇宙ビジネスに参入します。業務拡大につき。多様な人材を募集しています」とある。全面広告だ。ロケットが打ち上がる瞬間の写真付きの広告だ=写真=。さらに読み込むと、「英語を使ってインバウンドの仕事がした方 子育て中だけど空いた時間に仕事をしたい方 大きな車を運転できるようになりたい方 可愛い孫に小遣いをあげたい方」と妙にリアリティもある。地元のタクシー会社の広告だ。

   末尾に、「本日は4月1日 エイプリルフールです」とある。そうか、新学期、そして新年度の4月1日とばかり思っていたが、エイプリルフールか、と。それにしても、大胆で面白い。

⇒1日(土)夜・金沢の天気    はれ

☆「9月新学期」はグローバルスタンダード

☆「9月新学期」はグローバルスタンダード

   季節は5月になり、街ではこいのぼりを見かけるようになった。ただ、例年の大型連休と雰囲気が異なって、子どもたちの元気な声が聞こえてこない。新型コロナウイルスの緊急事態宣言で子どもたちも自粛しているのだろうか。

   学校の休校がさらに長期化しそうだ。金沢大学など多くの大学でも授業の開始が遅れたり、講義も対面ではなくオンライン化したりと現場が戸惑っている。また、日本政府が感染対策として170ヵ国余の発給済みのビザを停止する措置をとっていることから、来日できない留学生が続出している。いっそうのこと、新学期を9月、あるいは10月で仕切り直ししてはどうかと思ったりする。

   というのも、欧米やアジアの多くの国では新学期のスタートは9月なのだ。日本のように4月新学期はおそらく数少ない。このことは大学の関係者との間ではたまに話題に上る。「日本もグローバルスタンダードで足並みをそろえないと、優秀な留学生が来ないよね」などと。留学生が4月と9月のどちらを入学時期として選択するかと言えば、タイムラグのことを考えれば9月と考えて当然の発想だろう。すでに、日本の大学では日本語を学ぶ1年間の短期留学の受け入れは「9月入学」でカリキュラムを組んでいるケースが多い。逆に日本から海外に留学する場合も9月が新学期の方がよいということになる。

   では、簡単に9月新学期に移行が可能かと言えば、難問山積かもしれない。日本には「年度」という、4月に始まり3月で終わる仕組みがある。いわゆる、会計年度だ。国など官公庁や地域自治体はこの会計年度をベースとして予算を編成し、決算の会計処理する。とくに国公立の教育機関だと会計年度がずれるとややこしくなる。そもそも、学校教育法において学年は4月1日に始まり翌3月31日に終わると定めているので、法律の改正もともなう。

   社会全体に影響がおよぶことが予想されるものの、それでもやはり、新型コロナウイルスという災禍をチャンスとして「9月新学期」を導入してはどうかと考える。大学としても、学生の就活時期との兼ね合いなども出てくるだろう。民間企業もほとんどが3月期決算であり、入社は4月となっている。逆に9月新学期の移行を機に、企業の採用の有り様も通年採用へとシフトするかもしれない。9月新学期がグローバルスタンダードへの社会変革の口火となることを期待したい。

⇒2日(土)朝・金沢の天気    はれ

☆オーバーシュート 難問注ぐ東京都

☆オーバーシュート 難問注ぐ東京都

   きのう午後8時から新型コロナウイルス感染に関する東京都の小池知事の記者会見をテレビで視聴していて、かなり深刻な状態であることを察した。たとえば、東京都立大学の新学期の始まりをゴールデンウイーク明けから始めると述べていた。始まりを5月7日とすると通常より1ヵ月余り遅いということになる。金沢大学でも4月6日がスタートだが、今年は2週間遅れの4月20日が新学期の始まりとなった。1ヵ月も遅らせるという判断はその後のすべての講義や実習のカリキュムラの組み直しを余儀なくされるので、大学とすると相当重い判断だっだろうと察する。

   小池知事が「感染爆発 重大局面(オーバーシュート)」を掲げて記者会見した理由は、この3日間で感染者数が急増したからだと説明していた。今月23日に16人、24日に17人、そして25日は最多となる41人の感染となった。この41人のうち、11人は台東区の総合病院の患者であると、具体的な病院名を上げていた。「院内感染」という新たなクラスター、そして感染経路が不明なケースが混在するカタチで感染者が増えれば、オーバーシュートに確実に向かっているとの認識がうかがえた。

   この会見に敏感に反応しているのが、東京株式市場だ。26日の日経平均は開始直後から全面安の展開となり、一時900円以上の値下がとなった。都知事が「(26、27日は)できるだけ仕事は自宅で」「夜間の外出も控えて」「週末は、不要不急の外出はぜひとも控えて」と呼びかけたのだから、金融マーケットとすると、足元の経済活動に及ぼす影響へが強まると懸念するのは当然だろう。

   難問は次々と降り注ぐ。東京オリンピックの開催問題が1年程度の延期でIOCとようやく決着した。では、ことし7月5日投開票の東京都知事選はどうだろう。次に小池知事が緊急記者会見を開くとしたら、掲げる言葉は、「首都封鎖(ロックダウン)」かもしれない。「東京一極集中」と言われるように政治経済へのダメージは計り知れない。そうならないように祈るしかない。

(※写真は東京都公式ホームページの動画より)

⇒26日(木)午前・金沢の天気   はれ