☆世界にさらす「ワクチン敗戦国」の姿
国ごとの新型コロナウイルスのワクチンの接種率はすでに国際評価の判断基準になった。オックスフォード大学などが運営する共同サイト「Our World ㏌ Data」によると、「少なくとも1回のワクチン接種した人数の国ごとの人口割合」(5月16日現在)で日本は3.46%となっている。トップはイスラエルでの62.7%で、それに続くのがモンゴルで54.25%だ。同じサイトでワクチン供給元を探すと、モンゴルはアストラゼネカやファイザーの企業のほか、中国やロシアからも入れている。地の利を生かしながら世界からワクチンを集めているのだ。こうしたデータを見ると「日本3.46%」は実に情けない数字だ。それどころか、国際評価から完全に見放されている。
その事例が経済と株価、そして東京オリンピックではないだろうか。先ほど内閣府が公式ホームページで発表した2021年1-3月期の国内総生産(GDP)速報値は物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比1.3%減、年率換算で5.1%減だった。マイナス成長は3四半期ぶり。1-3月期は新型コロナウイルスの感染拡大で政府が東京などに緊急事態宣言を発令した時期と重なる。そして2020年度は前年度比4.6%減で、戦後最大の落ち込みとなったことが分かった。日本は国債や借入金などを合わせた「国の借金」が3月末時点で1216兆円に達し、過去最大、そして世界
で最大となった。世界の誰もが考えることは、日本は変異株によってこれからも緊急事態宣言を繰り返すことで経済はさらに低迷する、国の借金で財政破綻するのも間近だろう、と。
東京オリンピックについても世界は厳しい目で見ている。ニューヨーク・タイム紙(5月11日付)は「A Sports Event Shouldn’t Be a Superspreader. Cancel the Olympics.」の見出し=写真=で、オリンピックを研究する政治学者の記事を掲載している。記事では、IOCは収益の73%を放送権料が占めるので東京五輪を手放さないだろうが、ワクチン接種が数%で日本の世論も60%が開催に反対している。オリンピックを「スーパースプレッダー(感染源)」してはならない、「科学に耳を傾け、危険なジェスチャーを止める時が来た。東京オリンピックは中止されなければならない」と痛烈だ。
日経平均株価はことし2月16日に3万714円をつけて以降は、最近は下降傾向で2万8000円台だ。逆に、アメリカは3月以降、コロナ感染状況の好転とワクチン接種の進展を受けて経済活動が息を吹き返し、5月10日にダウは3万5000㌦を一時突破した。ワクチン接種が遅れた日本と進んだアメリカの格差が、株価パフォーマンスとしてはっきりと表れている。
今後、日本はグローバル化から見放されて世界から旅行先などに選ばれなくなるだろう。また、留学生たちも母国に帰りワクチンを接種、そして日本には戻らないのではないだろうか。こう書いているだけで気が滅入る。
⇒18日(火)午前・金沢の天気 くもり
さらに、金沢市でも見られた事例だが、二重予約の原因にもなる。ネットやスマホを使わないお年寄りは知人や家族ら複数の人に予約の代行を依頼している。実際に知り合いの80歳代のお年寄りは3人に依頼し、うち2人が登録を済ませていた。接種センターでは、自治体とシステムがつながっていないため、二重の予約を防ぐ手立てはない。
ワクチン供給のわずか0.3%しか低所得国に届いていない状況の中で、アメリカが接種年齢をこれまでの16歳以上から12歳以上に拡大したことを受けての発言だろう。そのテドロス氏の発言が波紋を呼ぶ背景には、中国がある。WHOは今月7日に中国国有製薬大手「中国医薬集団(シノファーム)」が開発した新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認している。治験などから推定される有効性は79%。中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)のワクチンについても審査中で、近く結果が発表される見通し(5月8日付・同)。
金沢市に住んでいて、ただただ待っているのがワクチン接種だ。同市のワクチン接種の予約受付は今月6日に始まったが、自身の予約はまだ取れていない。市のコールセンタ-とはようやく12日に電話が繋がった。ところが、ワクチン接種を行う市内201の医療機関はすでに申し込みが満杯の状態で、今月31日から再度、予約受付を開始するとの返事だった。この日、予約受付に使用しているアメリカの顧客管理システム「Salesforce」が一時ダウン、予約受付もストップするなど混乱が続いていた。
えられる。「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリの花」と。花は精気を放ち、心を和ませてくれる。
戦時下の子どもたちの竹槍訓練の写真の真ん中に赤いウイルスがある。見ようによっては、国旗の日の丸の部分がウイルスになっている。
また、時事通信Web版(同7日付)によると、ドイツ政府は生産能力の増強を目指すべきだとして消極的な姿勢を示した。報道官は声明で「ワクチン生産の障害となっているのは、生産能力と高い品質が要求されることであって、特許ではない」と強調。「知的財産権の保護は技術革新の源泉であり、将来もそうあるべきだ」と指摘した。
NHKニュースWeb版(5月2日付)の世論調査。今の憲法を改正する必要があると思うかの問いでは、「改正する必要があると思う」が33%、「改正する必要はないと思う」が20%、「どちらともいえない」が42%だった。戦争の放棄を定めた憲法9条を改正する必要があると思うかどうか聞いたところ、「改正する必要があると思う」が28%、「改正する必要はないと思う」が32%、「どちらともいえない」が36%だった。昨年の同じ時期に行った調査と比べると、「改正する必要がある」はほぼ同じ割合だったのに対し、「改正する必要はない」は5ポイント減少した。調査は4月23日から3日間、全国の18歳以上を対象にコンピューターで無作為に発生させた固定電話と携帯電話の番号に電話をかけるRDDで実施。調査対象となった2808人の54.6%にあたる1533人から回答。
先日、輪島市門前町の「黒島天領祭」の関係者から電話でヒアリングがあった。黒島はかつて北前船船主が集住した街で、貞享元年(1684)に幕府の天領(直轄地)となり、立葵(たちあおい)の紋が贈られたことを祝って始まった祭礼とされる。輪島塗と金箔銀箔で飾った豪華な曳山=写真=が特徴で、毎年8月17、18日に行われる。自身もこれまで祭りに参加する学生たち40人ほどを連れて黒島を訪れている。昨年(2020年)は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため中止となっていた。
緊急事態宣言の効果がどれほど上がるのか、その結果次第かもしれない。5月半ばまでに感染拡大が治まらなければ、当然7月も見通しが暗くなり、無観客とせざるを得ないだろう。