#新型コロナウイルス

★コロナショック 能登の「でか山」中止に

★コロナショック 能登の「でか山」中止に

   能登を代表する祭りと言えば、七尾市の「青柏(せいはく)祭」だろう。「でか山」と呼ばれる高さ12㍍もある巨大な山車が街を練る光景は実に壮観である=写真=。毎年5月3日から5日にかけて行われる祭礼でゴールデンウイークの目玉のイベントでもある。そのでか山の運行が今年は中止されることが決まった。

   祭礼の神事は執り行われるが、メインイベントの曳山行事が取り止めとなる。新型コロナウイルスの感染拡大を懸念しての措置だ(七尾市役所ホームページ)。和倉温泉も近くにあり、毎年10万人余りが見学に訪れる。ユネスコの無形文化遺産にも登録されている伝統行事でもある。開催地としては苦渋の決断だったに違いない。このニュースを知って最初に思ったことは、「能登にはコロナウイルスの感染者は出ていないので、規模を縮小してこじんまりとやればいいのではないか」と。オール・オア・ナッシングで中止する必要はないのではないか、と。

   自らの考え違いに間もなく気が付いた。高さ12㍍、重さ20㌧もある山車3台を長時間にわたって動かすのは地域の住民だけではない。この祭りを楽しみに県内外の出身者も大勢が帰郷して曳き手に加わっている。実際、こうした有志がいないと巡行は難しい。かといって、3台のうち1台だけを地元の人たちで、しかも無観客で動かすというのは祭りの趣旨にそぐわない、ならばいっそうのこと中止に、という判断だったのだろう。

   能登の祭りだけではない。新型コロナウイルスの脅威はどこまで波及していくのか。

⇒3日(金)夜・金沢の天気    はれ

☆政府対策「1世帯2枚のマスク」のインバクト

☆政府対策「1世帯2枚のマスク」のインバクト

    このところテレビで、新型コロナウイルスの感染拡大による国の緊急事態宣言の是非についての議論されている。視聴していて、それぞれの専門のコメンテーターの話しぶりに殺気だった雰囲気を感じる。それだけ危機が差し迫っているのかと受け止める。そんな中、きのうのこのニュースを知って、おそらく国民のほとんどは耳目を疑っただろう。

   安倍総理がきのう政府の感染症対策本部の会合=写真、首相官邸公式ホームページより=で、マスク不足対策の一環として、洗濯して繰り返し使える布マスクを1億枚配る方針を明らかにした。1世帯当たり2枚を郵便を使って順次送る、という。総理発言で自ら耳目を疑った理由をいくつか。

   その1)「1世帯当たり2枚のマスク」。これは総理が述べるべき内容だろうか。地方自治体の首長が言ったのであれば納得する。総理がいま言うべきは国民の生活保障ではないだろうか。ドイツ政府は収入を失った個人事業主(フリーランス)に3ヵ月100万円、イギリスは給与の8割、フランスは給与の7割を政府が保証すると発表している。それに比べるとマスクを1世帯当たり2枚とは。最近まで自民党内にあった肉券と魚券の提案と同じレベルではないか。

   その2)マスク配布は緊急経済対策(60兆円想定)の経費に盛り込むという。配布は日本郵政が担う。全国に張り巡らされた郵便局のネットワークを活用して郵送ということだろう。その経費はいくらなのか。1世帯への配布のコストを仮に500円として、全国5000万世帯で計算すると250億円だ。

   そこまでして全国津々浦々に配る必然性がどこにあるのだろうか。国から1世帯当たり2枚のマイクが配布されて、これを政府の対策と国民は納得するだろうか。冒頭に述べたように、この世の中は少々殺気立ってきた。配布後の内閣支持率を見てみたい。20%台に落ち込んだら危険水域だ。

   けさもニュースをチェックしていると、世界はすでに殺気立っている。WHOのテドロス事務局長は1日、ジュネーブの本部で記者会見し、ここ数日間で世界で感染者は100万人に上り、死者も5万人に達するだろうと述べた。イギリスでは先月31日に死亡者が1日としては最も多い563人に上ったと発表された。累計は2352人となる。アメリカのトランプ大統領が感染拡大について「非常に厳しい2週間になる」と述べたことを受けて、1日のニューヨークダウの終値は前の日に比べて973㌦下落した(2日付・NHKニュースWeb版)。

⇒2日(木)朝・金沢の天気   あめ

★欧州クラスターに付け入る中国の思惑

★欧州クラスターに付け入る中国の思惑

   日本のメディアもさることながら、アメリカやヨーロップのメデアィアは新型コロナウイルスのニュースであふれている。31日付のCNNは、フロリダ州で外出禁止令の中で礼拝を続けた牧師が逮捕されたといった、社会や政治経済の動きを細かに報じている。イギリスBBCのWeb版をチェックすると、国際問題になるようなニュースが掲載されていた。   

  「Coronavirus: Countries reject Chinese-made equipment」(国々は中国製の機器を拒否している)=写真=。記事によると、オランダ保健省は、中国製のマスク60万枚をリコールしたと発表した。マスクは品質認証を受けているにもかかわらず、しっかりと装着できず、フィルターも機能していないと説明している。中国メーカーから直接購入したもので、すでに治療に当たる医療現場に送られていた。

   検査キットについても問題が起きている。スペイン政府は数十万個のウイルス検査キットを中国の企業から購入したが、そのうち60万個近くで正確な検査ができないことが判明した。在スペイン中国領事館は、この検査キットを販売した中国のバイオ関連企業は保健当局から認可を得ていなかったとツイッターで説明した。トルコ政府も、中国企業に注文した検査キットに欠陥のあるものが見つかったと発表した。

  BBCはEU外務・安全保障政策代表がブログで述べたコメントを紹介している。「“China is aggressively pushing the message that, unlike the US, it is a responsible and reliable partner,” he wrote. “Armed with facts, we need to defend Europe against its detractors.”」(意訳:「中国は、アメリカとは異なり、責任ある信頼できるパートナーであるというメッセージを盛んに送ってきている」「事実を武器に、中傷者からヨーロッパを守らなくてはならない」)

   感染拡大が続くヨーロッパでは、中国がパンデミックを政治的影響力として使っていると批判が出始めているようだ。

⇒1日(水)午後・金沢の天気    あめ

☆チューリップ祭典中止、ウイルスは止まず

☆チューリップ祭典中止、ウイルスは止まず

           きのう午前のブログで京都の私立大学の学生7人が新型コロナウイルスに感染したことを述べた。大学のホームページが30日午後8時現在で更新されていて、さらに同大学の学生6人が新たに罹患していることが判明したと記されている。スペインなどヨーロッパに旅行した学生と帰国後に送別会などで接触した学生合わせて13人の感染となる。

   ところが、大学側がホームページを更新した直後に後でさらに、感染者が新たに発表された。同大学の学生で富山市に帰郷していた女子学生がPCR検査で陽性が判明したと、富山市が午後8時30分に、マスメディア各社などにファクスで概要を発表した。その後、午後9時30分すぎに富山県の石井知事が県庁で会見し、「心配していたことが現実になった。感染者が増えないよう全力を尽くすことが大事だ」と述べた(31日付・北日本新聞Web版)。

   大学側が最初に発表した7人と接触した学生が48人もいたことから、京都市保健福祉局は29日、富山市保健所に対し感染者の濃厚接触者として調査の依頼していた。30日、保健所は女性に対して帰国者・接触者外来での受診を指示し、PCR検査で陽性であることが分かった。女性はこの春に同大学を卒業し今月21日にゼミの卒業祝賀会に出席していた。おそらく就職先も決まっているだろうから、これから新社会人というときに本人も残念だろう。

   もう一つ残念なこと。富山県砺波市で開催される予定だった「となみチューリップフェア」(4月22日-5月5日)は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止が決まった(2020となみチューリップフェア公式ホームページ)。69回目だったが、中止は初めてという。主会場のチューリップ公園は通常の都市公園として開放する予定で、前売り券は払い戻す=写真=。チューリップフェアにはこれまで何度も家族で会場を訪れたことがある。野外なので中止にしなくてもよいのではと一瞬思ったが、来場者の安全と健康を考慮しての判断なのだろう。

⇒31日(火)朝・金沢の天気    はれ

★「大学クラスター」の深刻度

★「大学クラスター」の深刻度

  日本の各大学は新学期を控え身構えているのではないだろうか。学生たちが春休みを利用しての旅行や留学から続々と帰ってくる。多くがアメリカやヨーロッパからの短期組である。

  京都の私立大学はきのう(29日)、学生7人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。そのうち男子1人が石川県出身で、県内で陽性が判明するまでの経緯が公表されている。学生は3人で3月2日から13日までヨーロッパ旅行でスペインなどを訪れた。14日に関西空港に降り立ち帰国。14日から25日は関西方面で滞在し、26日に石川県の自宅に帰った。22日ごろには鼻閉、味覚・嗅覚障害があったようだ。帰宅後に37度台の発熱が出て、県内の帰国者・接触者相談センターに相談。28日に石川県保健環境センターでのPCR検査で陽性と判明し入院。石川県では9人目の感染者となった。

  この私大では感染した7人と接触した学生が48人もいることから、48人それぞれに自宅待機を指示し、京都市保健福祉局で検査を受けるよう連絡をとっている。また、4月6日に予定していた授業の開始日をさらに延長して5月11日とすると発表している。新学期を1ヵ月以上も遅らせるとなると、学内の混乱ぶりは想像に難くない。大学とするとキャンパスがクラスター化(集団感染源)することをなんと防ぎたい。

  この京都の学生たちのケースは表面化したが、他山の石ではない。統計的な数字は手元にないが、全国の大学でも相当数の学生が新学期前に旅行や留学から帰国するのでそれぞれのキャンパスでは危機感を募らせているだろう。

  週明け30日午前の東京株式は、感染拡大で東京都がロックダウンの可能性もありとの警戒感から日経平均が大幅反落し、下げ幅は一時800円を超えた。そして、訃報も報じられている。「ザ・ドリフターズ」のタレントの志村けん氏が亡くなった。70歳だった。重度の肺炎との診断を受け、23日に陽性が確認されてた。番組「8時だョ!全員集合」で東村山音頭を踊っていたことを思い出す。あの懐かしいポーズも。アイーン

⇒30日(月)午前・金沢の天気   くもり

☆コロナ感染、ハンドドライヤーが使えない

☆コロナ感染、ハンドドライヤーが使えない

   先日金沢のコンビニで買い物ついでにトイレに入った。手荒いをしようとしたが、ハンカチを持ってくるのを忘れたことに気がついた。そこで、ハンドドライヤーを使おうとするとこのような貼り紙が。「お客様各位 新型コロナウイルス感染予防の為、ハンドドライヤーを停止しております。ご了承のほどお願い申し上げます。店長」

    結局このコンビニでハンドタオルを購入して再度手洗いに入った。購入するときに店員に「なぜハンドドライヤーが使えないの」と尋ねると、「ハンドドライヤーのエアーでウイルスが拡散する可能性もあるのでとめています」と明快な返事だった。なるほど、ハンドドライヤーでウイルスが飛び散る「エアロゾル感染」もありうると妙に納得した。と同時に、最近はハンカチを持たない若者が多いので、ひょっとしたらハンドタオルが売れているのではないかなどと想像をたくましくした。

   それにしても、今回の新型コロナウイルス感染でさまざまなカタカナ言葉が拡散している。「クラスター」や「オーバーシュート」「ロックダウン」「テレワーク」など、これまで医学などそれぞれの専門分野で使っていた言葉がこれを機にマスメディアを通して広まり、一気に全国区になった。ただ、使うことに迷ってしまうカタカナ言葉もある。

   テレワークはその事例かもしれない。「tele=離れた場所」と「work=働く」の造語とされる。本来は、会社から支給されたノートパソコンなどを使って自宅などで働く就労スタイルなのだが、「電話会議」と勘違いしている人たちもけっこういる。こうした誤解を避けるためにも、「リモートワーク」と称する方がよいのではないだろうか。

   問題は政府がそのようなカタカナ言葉を安易に使ってよいのかという論点もある。河野防衛大臣は、政府が新型コロナウイルス対応で横文字の専門用語を多用していることに苦言を呈している。河野大臣は今月24日の記者会見で「日本語で言えることをわざわざカタカナで言う必要があるのか」と持論を展開し、「分かりやすく説明するのが大事だ」と厚生労働省に言い換えを求めている(25日付・朝日新聞Web版)。

   「クラスター」や「オーバーシュート」「ロックダウン」などは新鮮味を感じるが、日常の言葉としてなかなか定着しない。話し言葉としては「集団感染」「感染爆発」「都市封鎖」と表現した方が使いやすいことは確かだ。

⇒29日(日)夜・金沢の天気    くもり

★金沢の桜開花、夜の華やぎ

★金沢の桜開花、夜の華やぎ

   金沢地方気象台が毎年出している「桜の開花宣言」が今年は今月26日にあり、平年よりも9日早く観測史上最も早いと発表された。同気象台の敷地にあるソメイヨシノが5、6輪以上の花をつけるというのが開花宣言の基準になっている。平成元年と平成14年と並び統計開始の昭和28年(1953年)以来で最も早い開花だとか。

   昨日兼六園を歩いた=写真=。例年だと開花宣言後の週末、兼六園周辺の平地ではブルーシートを広げて宴会を楽しむ花見客の姿があちこちに見受けられたが、今年は閑散としている。見頃を迎える兼六園の桜の並木道にも観光客の姿はまばらだった。春の風物詩がなくなっているのだ。

   兼六園近くの繁華街、片町を歩いた。「ハナキン」なのに人通りは少ない。ところが、居酒屋に入ると、けっこう人であふれていた。その後、2軒はしごをしたが、そこそこ入っている。店のマスターに「このご時世でも繁盛しているね」と声掛けすると、マスターは「常連客が来てくれて助かっています」と。観光客はインバウンド客も含めて減少しているが、常連客は「巣ごもり」生活のうっぷん晴らしか、と思いをめぐらせた。常連客の中に顔見知りがいた。70歳後半のシニア仲間と店に来たという。「われわれはマスターの応援団だから、コロナに負けるなと元気づけに来たんですよ」と。何とも頼もしい言葉だ。

   確かに、テレビなどでは、閑散とした飲食店街の様子が映し出される。おそらく、このご時世が長引けば、経営が成り立たない、あるいはこの際だから閉店といった店が続出するだろうと誰しもが想像するに違いない。そこで、シニア世代が立ち上がった。「コロナに負けるな」、街の経済を支えよう、と。そのシニア仲間の話を聞いて、気が高ぶって少々飲み過ぎたようだ。きょうは二日酔い気味だった。

⇒28日(土)午前・金沢の天気   くもり

☆オーバーシュート 難問注ぐ東京都

☆オーバーシュート 難問注ぐ東京都

   きのう午後8時から新型コロナウイルス感染に関する東京都の小池知事の記者会見をテレビで視聴していて、かなり深刻な状態であることを察した。たとえば、東京都立大学の新学期の始まりをゴールデンウイーク明けから始めると述べていた。始まりを5月7日とすると通常より1ヵ月余り遅いということになる。金沢大学でも4月6日がスタートだが、今年は2週間遅れの4月20日が新学期の始まりとなった。1ヵ月も遅らせるという判断はその後のすべての講義や実習のカリキュムラの組み直しを余儀なくされるので、大学とすると相当重い判断だっだろうと察する。

   小池知事が「感染爆発 重大局面(オーバーシュート)」を掲げて記者会見した理由は、この3日間で感染者数が急増したからだと説明していた。今月23日に16人、24日に17人、そして25日は最多となる41人の感染となった。この41人のうち、11人は台東区の総合病院の患者であると、具体的な病院名を上げていた。「院内感染」という新たなクラスター、そして感染経路が不明なケースが混在するカタチで感染者が増えれば、オーバーシュートに確実に向かっているとの認識がうかがえた。

   この会見に敏感に反応しているのが、東京株式市場だ。26日の日経平均は開始直後から全面安の展開となり、一時900円以上の値下がとなった。都知事が「(26、27日は)できるだけ仕事は自宅で」「夜間の外出も控えて」「週末は、不要不急の外出はぜひとも控えて」と呼びかけたのだから、金融マーケットとすると、足元の経済活動に及ぼす影響へが強まると懸念するのは当然だろう。

   難問は次々と降り注ぐ。東京オリンピックの開催問題が1年程度の延期でIOCとようやく決着した。では、ことし7月5日投開票の東京都知事選はどうだろう。次に小池知事が緊急記者会見を開くとしたら、掲げる言葉は、「首都封鎖(ロックダウン)」かもしれない。「東京一極集中」と言われるように政治経済へのダメージは計り知れない。そうならないように祈るしかない。

(※写真は東京都公式ホームページの動画より)

⇒26日(木)午前・金沢の天気   はれ

★「聖火を暗いトンネルの出口を照らす光に」

★「聖火を暗いトンネルの出口を照らす光に」

 IOC President: “The Olympic flame can become the light at the end of this dark tunnel” 

   IOCのバッハ会長は安倍総理との電話対談で東京オリンピックの延期を決め、その後、IOC臨時理事会を開催した。記者団のとのインタビューで冒頭の言葉を述べた。「オリンピックの聖火を暗いトンネルの出口を照らす光にすることができる」

   IOC公式ホームページによると、1年程度の延期についてバッハ会長は記者団にこう説明した。「 We will also keep, for these symbolic reasons, the name Olympic Games Tokyo 2020.」。オリンピックの名称については「東京オリンピック2020」をそのまま使うと、述べている。 また、国際パラリンピック委員会の会長であるアンドリューパーソンズも臨時理事会に招き、同氏は国際パラリンピック委員会を代表してこの合意を支持した、と説明している。

   また、記者から延期による追加コストの問題にどう対処するのかとの質問にバッハ会長はこう答えた。「これは調整委員会と組織委員会の調整事項です。オリンピックはたとえて言えば巨大で非常に難しいジグソーパズルで、オリンピックはおそらく地球上で最も複雑なイベントです。私たち2人(安倍総理とバッハ会長)の間の電話だけで決めることは到底できません」(意訳)

   予定されているバッハ会長の5月の訪日についてはこう述べている。「安倍総理と私との電話での話し合いの中で確認しましたが、私は予定通りに訪日します。そして東京オリンピックの成功に向けて全力を傾けることを表明するつもりです。前述したように、人類はコロナウイルスのこの前例のない危機を克服して東京オリンピックをお祝いの場としたい。世界の団結の象徴にしましょう」(意訳)

   バッハ会長の記者との質疑を読んでいると、答えは実に的確。そして、詩人であり政治家のような言葉運びがある。ドイツの弁護士で、自らも1976年のモントリオール五輪にフェシングの代表選手として出場した。66歳。

⇒25日(水)朝・金沢の天気    はれ

☆オリンピック延期、聖火は宙に浮く

☆オリンピック延期、聖火は宙に浮く

    面白いもので、きのうのブログで「オリンピック銘柄」の話題として、翻訳機「ポケトーク」を開発・販売している「ソースネクスト」(東証一部)を取り上げた。今夜、安倍総理とIOCののバッハ会長が電話で懇談し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて東京オリンピックを延期する方向で話し合うとの観測がニュースなどで流れた。すると、オリンピック銘柄が動いた。ソースネクストは前日比で8.75%も値を上げ、286円で引けた。東京市場では日経平均が前日比で7%、1204円上昇し、歴代9番目の上げ幅を記録した(24日付・日経新聞Web版)。

   きょう午後8時からの安倍総理とIOCのバッハ会長の電話会談では、東京オリンピックを1年ほど延期することで一致したようだ(24日付・共同通信Web版)。夏の東京オリンピック・パラリンピックを「完全な形」で開催するためには延期が望ましいと判断したようだ。これを受けて、バッハ会長は、IOCとして4週間以内に結論を出す方針で、理事会メンバーとも協議する。オリンピックは戦争で中止になった例はあるが、延期することになれば史上初めてとなる(同)。

   ということは、来年の東京オリンピック・パラリンピックが安倍総理の「花道」になるのではないか。安倍氏の自民党総裁としての任期満了は2021年9月末だ。2017年の党則改正で総裁任期は連続3期9年までとなっている。まさに「モモとクリ三年、ユズ九年」(安倍氏が1月の仕事始めで述べた言葉)、ユズの花道ではある。

   一方の小池都知事もことし7月5日投開票の東京都知事選で自民党本部の支援を得て戦うことになりそうだ。オリンピック・パラリンピックが延期開催となる中で、選挙戦になれば、IOCにとっては開催都市の知事が変わるかもしれないので、相談や申し入れがこの間できなくなり、不安定な状態が続くことになる。それを避けるには自民は現職の小池氏を支持せざるを得ないだろう。

   それにしても残念なのは「聖火」だ。延期が固まったことで、大会組織委員会は26日に福島県で始まる予定だった聖火リレーを中止した。121日間をかけて47都道府県を回り、オリンピックムードを盛り上げる予定だったが、土壇場での取り止め。聖火はしばらくは福島県に留め置かれるそうだ。まさに宙に浮く聖火か。(※聖火は日本に到着したもののリレーは中止となった=写真はIOC公式ホームページから)

⇒24日(火)夜・金沢の天気    くもり