#岸田内閣

☆枯れ葉舞うイチョウ並木と「ぬれ落ち葉」の話

☆枯れ葉舞うイチョウ並木と「ぬれ落ち葉」の話

         紅葉も深まった。金沢市内では北風も吹いていて、イチョウ並木では枯れ葉が舞っていた=写真・上=。くもり空と黄ばんた並木の風景は絵画の世界のようで心が和む。イチョウの大木は「オオイチョウ」と呼ばれ、長寿の樹木が多い。花言葉も「荘厳」「長寿」「鎮魂」などがある。撮影した場所は、金沢工業大学キャンパスの近く。道路を新設する際に周辺の風景に配慮してイチョウ並木を植栽したのだろう。地域全体が黄色く染まったいるような光景だった。

   話は変わる。市内の道路や広場、駐車場などいたるところで落ち葉が舞い落ちている。緑の街である金沢らしい晩秋の光景でもある。そして、この季節一番の仕事は落ち葉かき。一度すっきりと掃いても、数日たつとまた降り積もり落ち葉かきに追われる。

   落ち葉かきで一番やっかいなのが、ぬれ落ち葉。水気のある舗装面などに張りついていると、ほうきで掃いてもなかなか剥がれない=写真・下=。結局、手で一枚一枚取る。

   つい先日もぬれ落ち葉を剥いでいて、ふと「岸田政権もぬれ落ち葉か」などとイメージを膨らませた。読売新聞の11月の世論調査(17-19日)で内閣支持率は24%と前回10月調査より10ポイントも下げた。読売調査の内閣支持率の20%台は政権の「危険水域」、20%以下は「デッドゾーン」とよく言われる。さらに、9月の内閣改造以降で、政務三役である文科政務官や法務副大臣、財務副大臣が相次いで不祥事で辞任した、いわゆる「辞任ドミノ」。それでも、政権にべったり張りついたままだ。

   「ぬれ落ち葉」内閣が内政や外交に今後どのような影響を及ぼすのか、そして鬱陶(うっとう)しさを募らせた有権者の投票行動は。などと、とりとめのないことを頭に浮かべながら落ち葉かきをしていた。

⇒28日(火)午後・金沢の天気    くもり時々あめ

★ぬかるみの岸田内閣 外交の真価問われる拉致問題

★ぬかるみの岸田内閣 外交の真価問われる拉致問題

   岸田内閣はまるでぬかるみにはまったような状態だ。前回ブログの続き。防衛政務官の三宅伸吾氏が10年前、事務所の女性スタッフにセクハラ行為をした疑いがあると、15日付の「文春オンライン」が報じている。三宅氏は参院香川選挙区から出馬して現在2期目。文春の記事によると、被害女性は、初当選から間もなくの2013年8月に参院議員会館の三宅事務所にアルバイトとして入った。

   その年の10月に女性が仕事上の相談を三宅氏に持ち掛けたところ、食事に誘われ、西麻布のフランス料理店でディナーを共にした。さらに、2軒目に連れていかれたのは個室のカラオケ店。個室にはシャワー、トレイのほかに、大きな水槽が置かれていて、三宅氏は女性に「ここに来ると、女の子はみんな人魚になるんだよ」とささやいて、性的な加害を行った。女性はこの出来事がきっかけで事務所を退職した。

   記事について三宅政務官はきょう16日の参院外交防衛委員会で、「全く身に覚えがない。セクハラをうかがわせるような当時のメールのやり取りもなく、記事にあるようなセクハラの事実はないと確信をしている」と改めて否定。週刊文春に対し、弁護士を通じて抗議文を出したことを明らかにした(16日付・NHKニュースWeb版)。この文春砲が辞任ドミノへと展開するのか、どうか。

   それにしても、岸田総理は起死回生にどのような手腕を見せるのだろうか。横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから46年を迎えたきのう15日、岸田総理は拉致問題が解決していないことについて、「いまだ多くの拉致被害者の方々が北朝鮮に取り残されているということ。このことは痛恨の極みであり、そして大変申し訳なく思います」と記者団に述べた。また、岸田総理が意欲を示す、金正恩総書記との会談に向けた協議については「具体的に申し上げるのは控える」と述べるにとどめた(15日付・テレビ朝日ニュースWeb版)。(※写真は、政府の拉致問題対策本部がつくったポスター。12歳のときの横田めぐみさんの写真)

   岸田総理に起死回生の一撃があるとすれば、北朝鮮の拉致問題だろう。2002年9月17日と2004年5月26日、日本の総理として当時の小泉純一郎氏が北朝鮮を訪れ、金正日総書記と2度会談した。金総書記は日本人の拉致を認め、国交正常化に向けた日朝平壌宣言に署名。5人の拉致被害者が帰国を果たした。しかしそれ以降、拉致問題に進展はない。憶測だが、外交の真価が問われる拉致問題に岸田総理はかなり傾斜しているのではないだろうか。「具体的に申し上げるのは控える」というコメントは実に意味深な言い回しと読めるのだ。

⇒16日(木)夜・金沢の天気   はれ

★「ならば自主返納」 マイナカードに渦巻く不安と不満

★「ならば自主返納」 マイナカードに渦巻く不安と不満

   きょうNHK「日曜討論」を視ていた。マイナンバーカードをめぐる一連のトラブル騒動について、河野デジタル大臣は陳謝した。そして、来年秋に健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化させる方針については「猶予期間が1年あり、現実にはこれから2年半ということになり問題はない」と述べていた。また、河野大臣は「次にカードを更新する時にはマイナンバーカードという名称をやめた方がいいと個人的に思っている」とも述べていた。このコメントそのものがますます国民に混乱を与えるのではないか。

         国民のマイナンバーカードへの不安や不満が、返納というカタチで表れている。 共同通信が都道府県所在地と政令指定都市の計52市区を対象に行った調査で、マイナンバーカードの自主返納について集計していたのは29市で、その合計は4月は21件だったものが、5月以降で少なくとも318件に上っていることが分かった(2日付・共同通信Web版)。最多は堺市の44件だった。金沢市では5月以降で21件の返納があった。返納届の記載には「信用できない」「問題が多い」があったという(同)。

   岸田総理はマイナンバーカードを「デジタル社会のパスポート」と位置づける狙いがあるようだが、国民世論とはズレている。世論調査(共同通信・6月17、18日調査)では、健康保険証の廃止について、「廃止を延期するべき」38.3%、「廃止を撤回するべき」33.8%と計72.1%ものが来年秋の廃止に違和感を持っているこのミゾをどう埋めるかが先決だろう。そもそも論ではあるが、マイナンバーカードは市区町村長が交付するもので、取得は義務ではなく任意である。なのに、健康保険証を廃止して、マイナンバーカードに一本化するなど本末転倒ではないかとの強い違和感が世論にはある。

   政府は国民にもっと丁寧に説明すべきだろう。ところが、政府はマイナンバカードの仕組みそのものに問題はなく、カードを発行する自治体で共用端末のログアウト忘れや事務処理の誤りなど人為的なミスが続発しているとの理解だ。これを受けて、政府は省庁横断の新たな対策本部「マイナンバー情報総点検本部」を総務省や厚労省などを中心に発足させた。総点検本部では、問題があるケースについて、データを点検し結果についてことし秋に公表する。簡潔に言えば、自治体に間違いなくやれと締め上げているようなものだ。   

   岸田総理の肝いりで立ち上げた総点検本部で、国民の不安と不満を払拭し、来秋の保険証の廃止に向けて道筋をつけることができるのかどうか。対応を誤れば間違いなく岸田政権に難局が訪れる。正念場を迎えている。

(※写真は6月18日、母校の早稲田大学で講演する岸田総理=総理官邸公式サイトより

⇒2日(日)夜・金沢の天気     くもり

★ガタ落ち内閣支持率 ゴリ押しマイナカード

★ガタ落ち内閣支持率 ゴリ押しマイナカード

   ウクライナのゼレンスキー大統領も飛び入り参加するなど、G7広島サミットが注目されて岸田総理の株は上がった。が、その後、秘書官を務めていた長男が総理公邸で親族を集めて忘年会を開いていたことが発覚し、最近ではマイナンバーカードをめぐる相次ぐトラブルや健康保険証との一本化を進める政府方針をめぐって世論は揺れている。共同通信社の世論調査(今月17、18日)によると、内閣支持率は40.8%と前回(5月27、28日)47.0%を6ポイントも下げた。不支持は41.6%で前回35.9%より6ポイント上がり、再び不支持が支持を上回った。

   下げの主な要因は、やはりマイナンバーカードにあるようだ。世論調査では、マイナンバーカードについて、「他人の年金情報が表示されたり、他人の口座や医療情報が登録されたりするトラブルが相次いでいます。あなたは、政府が進めるマイナンバーカードの活用拡大に不安を感じていますか」と問いに、「不安を感じている」39.8%、「ある程度感じる」31.8%と、計71.6%が不安に感じるていることが分かった。

   そもそも論ではあるが、マイナンバーカードは市区町村長が交付するもので、取得は義務ではなく任意である。なのに、健康保険証を来年秋に廃止して、マイナンバーカードに一本化するなど本末転倒ではないかとの強い違和感が世論調査で浮かんで見える。

   ところが、デジタル庁は2026年中にも偽造防止のため、暗号技術などを採用する新たなマイナンバーカードの導入を目指す方針を示していて、改正マイナンバー法を今月2日の参院本会議で可決成立させている。民意とは裏腹に、岸田総理がマイナンバーカードの普及をゴリ押しする背景には、これを「デジタル社会のパスポート」と位置づける狙いがあるようだ。

   であるならば、国民にもっと丁寧に説明すべきだろう。世論調査では健康保険証の廃止について、「廃止を延期するべき」38.3%、「廃止を撤回するべき」33.8%、「予定通り廃止するべき」24.5%と、来年秋の廃止に対する異論は72.1%にも及ぶ。マイナンバーカードのゴリ押しで、内閣支持率がガタ落ち。こうなると衆院解散の話どころではない。どうする岸田内閣。

(※写真は今月18日、母校の早稲田大学で講演する岸田総理=総理官邸公式サイトより)

⇒20日(火)夕・金沢の天気    はれ

★岸田内閣につきまとう「不支持率」という影

★岸田内閣につきまとう「不支持率」という影

   桜の開花が年々早まっている。東京では今月14日に開花が発表されたが、金沢では24日で、去年より6日、平年より10日、それぞれ早くなると予想されている。そして、満開は今月28日で、去年より8日、平年より11日も早い見込みとのこと。満開の桜は入学式というイメージだが、このままのペースだとあと数年で、桜満開の卒業式、花吹雪の入学式になるのではないか。余計な心配かもしれないが、ちょっと切ない入学式になるかも。

   話は変わる。WBC侍ジャパンの準決勝(21日・対メキシコ戦)への進出でメディアは盛り上がっていて、このところ岸田内閣の影が薄いように感じるのは自身だけだろうか。今月16日、岸田総理は初めて来日した韓国の尹大統領と首脳会談に臨み、「シャトル外交」を復活させることや、経済安全保障に関する協議体の創設、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の正常化など日韓外交では画期的な内容だった。が、同日のWBC準々決勝の対イタリア戦での大谷翔平選手のあのバントで、連日、テレビメディアなどは盛り上がっていて、日韓首脳会談の影が薄くなった。(※写真は、今月16日、日韓首脳会談後の共同記者会見=NHK総合より)

   さらに、18日に日本を訪れたドイツのショルツ首相との首脳会談や、G7議長国としてきょう20日にG20議長国のインドを訪れ、モディ首相との首脳会談に臨むが、こうした岸田総理の得意技である外交が、メディアで目立っていないと感じるのは自身だけだろうか。

   メディア各社の世論調査でも影の薄さが裏付けられるかもしれない。読売新聞社が今月17日から19日にかけて実施した全国世論調査によると、日韓首脳会談を「評価する」は65%で、「評価しない」24%を大きく上回った。ところが、内閣支持率は42%と前回調査(2月17-19日)41%ほぼ変わらず横ばい。不支持率は43%で、前回47%よりポイントを下げたが、支持率アップには回っていない。朝日新聞の世論調査(今月18、19日実施)では、内閣支持率は40%で、前回2月調査の35%から上昇したものの、不支持率は50%(前回調査は53%)で、不支持率が支持率を上回るのは7ヵ月連続となる。

   成果を上げた一連の外交がなぜ支持率につながらないのか。ことし5月に広島市で開催されるG7サミットまでに支持率が不支持率を逆転できるのか。

⇒20日(月)夜・金沢の天気    はれ

★2023卯年・飛躍の年に ~外交~

★2023卯年・飛躍の年に ~外交~

   北朝鮮がきのう新年早々に弾道ミサイルを発射した。防衛省公式サイト(1日付)によると、1日午前2時50分、最高高度はおよそ100㌔、飛行距離は350㌔で、朝鮮半島東側の日本のEEZ外に落下したと推定される。北朝鮮は前日の31日も弾道ミサイル3発を発射、去年は37回、計70発を日本海に向け発射している。また、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」(1日付・Web版)によると、党中央委員会総会で、金正恩総書記は演説し、戦術核兵器を大量生産する必要性を述べ、「核弾頭の保有量を幾何級数的に増やす」と方針を示した。

   ~厄介な隣国にどう対応 岸田内閣の起死回生の一発は~

   脅威を振りかざすのは北朝鮮だけではない。中国も沖縄県の尖閣諸島周辺の領海のすぐ外側にある「接続水域」をうろうろしている。先月29日午前9時現在、中国海警局の船4隻が接続水域を航行しているのが確認されている。中国当局の船が接続水域を航行した日数は去年は334日と、2012年9月11日に日本政府が尖閣諸島を国有化して以降、最も多くなった。

   そして、ウクライナ侵攻を続けるロシアも隣国だ。そもそも、中国とロシアがなぜ国連安保理の常任理事国なのか。中国の場合。もともと常任理事国は第2次世界大戦の戦勝国である国民党の中華民国だった。それが中国共産党に追われ台湾に逃れる。アメリカのニクソン大統領の中華人民共和国への訪問が公表され、国際社会がにわかに動いた。1971年10月のいわゆる「アルバニア決議」によって、国連における中国代表権は中華人民共和国にあると可決され、中華民国は常任理事国の座から外され、国連を脱退することになる。代わって中国が国連に加盟し、台湾の常任理事国を引き継ぐことになった。常任理事国として相応しいとする正当性はどこにあったのだろうか。

   ロシアも同じだ。戦勝国であるソビエトが崩壊した。それを、ロシアが常任理事国として拒否権を持ったまま引き継いでいる。それが、ウクライナ侵攻という行為があっても国連安保理は機能不全、という現実問題を生み出している。

   話は変わる。岸田総理はことしとても忙しそうだ。G7の議長国を務め、5月には広島市でサミットを開催する。サミットでは当然、ウクライナ情勢をはじめ、唯一の戦争被爆国として「核兵器のない世界」の実現に向けたメッセージを発信することになるだろう。

   ただ、最新の世論調査はじつにさえない。共同通信社の調査(12月17、18日)で、内閣支持率は33.1%と発足以来最低だった。「危険水域」とされる20%台まであとわずかだ。得意の外交で起死回生の一発を放つことができるのか、どうか。

(※写真は、広島県庁公式サイトに掲載されているG7サミット開催をPRする湯崎知事=左=ら)

⇒2日(月)夜・金沢の天気     あめ

★「内閣支持率」はどう動く きょうから臨時国会

★「内閣支持率」はどう動く きょうから臨時国会

   けさの読売新聞と朝日新聞の紙面で、それぞれの世論調査の結果が掲載されている。読売の調査(1、2日)では岸田内閣の支持率が45%、不支持が46%となり、「初の逆転」と見出しで伝えている。前回調査(9月2-4日)では支持率は50%だったので、5ポイントの下落。逆に不支持は41%だったので、5ポイント上昇した。

   一方、朝日の調査(1、2日)では内閣支持率が40%、不支持率が50%となり、記事では「不支持率が初めて半数に達した」「不支持率が支持率を上回るのは2ヵ月連続」としている。前回調査(9月10、11日)では支持率41%、不支持率47%だったので、支持率はほぼ同じ、不支持率がやや上昇した。読売と朝日の世論調査を比較すると、数字の上がり下がりは読売の方が大きい。

   そして、読売、朝日ともに内閣不支持の要因となっているのは、政府・自民党の世界平和統一家庭連合(旧「統一教会」)に対する不透明な対応だろう。旧統一教会と政治家の関係をめぐる問題で、読売の「岸田総理が指導力を発揮していると思うか」との問いでは、「思わない」が80%、「思う」が13%となっている。朝日の「岸田総理の対応を評価するか」との問いでは、「評価しない」が67%、「評価する」が22%だった。また、安倍元総理と旧統一教会の関係について「調査を行うべきだと思うか」との問いでは、読売の調査は「思う」59%、「思わない」37%、また、朝日では「調査すべき」64%、「必要はない」31%となっている。

   先月27日に営まれた国葬について、読売の「よかったと思うか」との問いに、「思わない」54%、「思う」41%だった。朝日の「評価するか」との問いでは、「評価しない」59%、「評価する」35%だった。

   旧統一教会との関係をめぐり、自民党は所属する国会議員全体の半数近くにあたる179人が何らかの接点があり、選挙で支援を受けるなど、一定以上の関係を認めた121人の氏名を公表した(9月8日付・NHKニュースWeb版)。また、立憲民主党の辻元議員も統一教会の教会の関係団体の勉強会に出席し、会費を支払っていた(27日付・同)。では、政党支持率はどうなっているのか。読売の調査では、「自民党」40%、「立憲民主党」5%と続いた。両党の支持率は前回と同じだった。朝日の調査では「自民党」34%、「立憲民主党」6%と続いた。前回は自民が31%だったので、むしろ支持を伸ばしている。

   きょう臨時国会が召集される。国会論戦は7月の参院選後で初めてとなる。読売と朝日がこの日に世論調査を掲載したのも、臨時国会の論戦を意識してのことだろう。会期中(12月10日まで)に岸田内閣の支持率がさらに「危険水域」(20%台)に落ち込むのか、あるいは起死回生の矢を放つのか。

⇒3日(月)午後・金沢の天気    くもり

☆台風去れど 岸田内閣への逆風止まず

☆台風去れど 岸田内閣への逆風止まず

   台風14号はきょう午前9時に東北地方の太平洋側へ抜けて温帯低気圧に変わったとニュースが伝えている。未明に能登半島を通過し、輪島では最大瞬間風速32.9㍍を記録したほか、金沢でも26.7㍍を観測している。窓ガラスを叩きつけるような激しい雨もあり、夜中に2度目覚めた。倒木などの被害がないか、自宅の周囲を見回ったが、外では肌寒さを感じた。午前9時で外気温は19度だった。台風が去り、北から冷たい風が入ってきているようだ。

   台風は去ったが、岸田内閣への逆風は止みそうもない。毎日新聞と社会調査研究センターの世論調査(今月17、18日)によると、内閣支持率は29%で、前回調査(8月20、21日)の36%から7ポイント下落した。不支持率は64%で、前回の54%より10ポイント増加した。各社の世論調査も下落傾向だが、20%台はこれが初めて。

   共同通信の世論調査(同)も各紙が報じていて、内閣支持率は40%で、前回調査(8月10、11日)から14ポイントも急落した。不支持率は18ポイント増の46%で、同調査で初めて岸田内閣の支持率と不支持率が逆転した。日経新聞とテレビ東京による世論調査(今月16-18日)でも支持率は43%で、2021年10月の政権発足後で最低となっている。不支持は49%だった。

   毎日新聞、共同通信、日経新聞ともに、内閣支持率の低迷、不支持率の急増の原因として、自民党と世界平和統一家庭連合(旧「統一教会」)との関係を上げている。岸田総理は今後、統一教会や関連団体と一切関係を持たないことを基本方針とし、党所属の国会議員との関係を点検して公表したが、自民党の対応は十分だと思うかという問いでは、「不十分」が毎日では76%、日経では79%、共同では80%となっている。もう一つの内閣支持率の低迷の要因が、安倍元総理の「国葬」をめぐって、だ。「反対」が毎日では62%、日経では60%、共同では61%となっている。

   注目するのは読売新聞の世論調査だ。読売の調査で内閣支持率の20%台は政権の「危険水域」、20%以下は「デッドゾーン」とよく言われる。第一次安倍改造内閣の退陣(2007年9月)の直前の読売の内閣支持率は29%(2007年9月調査)、その後の福田内閣は28%(2008年9月退陣)、麻生内閣は18%(2009年9月退陣)。民主党政権が安倍内閣にバトンタッチした2012年12月の野田内閣の支持率は19%だった。

   読売の直近の世論調査(今月2-4日)では、内閣支持率は50%と前回調査(8月10、11日)の51%と横ばいだった。岸田内閣はこの数字を見て、「まだまだやれる」と安堵しているのではないか。支持率は落ち始めると急カーブを描く。それが世論調査の怖さだ。

⇒20日(火)夜・金沢の天気   くもり時々はれ

★イギリスの女王国葬 洗練された伝統的な儀式

★イギリスの女王国葬 洗練された伝統的な儀式

   今月8日に死去したイギリスのエリザベス女王の国葬をNHKの放送とネットで生中継していた。国葬はロンドンのウェストミンスター寺院で執り行われ、就任間もないトラス首相が聖書を読み上げ、参列者が聖歌を歌った。女王の棺は「砲車」に載せられ、兵士に引かれて、チャールズ国王も行進していたた=写真=。

   その後、棺は車で運ばれ、沿道を埋め尽くした大勢の市民が歓声と花束を投げて見送っていた。そして、沿道ではマスクしている人の姿はなかった。中継を見た視聴者は、イギリスの洗練された伝統的な儀式を見て、国葬の真価に感じ入ったのではないだろうか。

   ふと、邪推が脳裏をよぎった。今月27日の安倍元総理の国葬には海外からの700人ほどが参列し、アメリカのハリス副大統領やインドのモディ首相、オーストラリアのアルバニージー首相も出席を予定していると報じられている。が、参列して、がっかりするのではないだろうか。「これが日本の国葬なのか」と。エリザベス女王の国葬とあまりにも違いすぎる、と。

   そもそも、国家元首でもない安倍元総理を「国葬」にする理由について、岸田総理は憲政史上最長の通算8年8ヵ月にわたり総理を務めたことなどを挙げていたが、エリザベス女王は在位70年だ。さらに、岸田総理は「弔問外交」の重要性を掲げているが、ハリス副大統領やモディ首相、アルバニージー首相のほかは、たとえば、G7では元職が多いようだ。

   おそらく、今後何かと国葬については、イギリスと比較されるのではないだろうか。

⇒19日(月)夜・金沢の天気      あめ

★内閣支持率がドロ沼化 「聞くチカラ」の限界

★内閣支持率がドロ沼化 「聞くチカラ」の限界

   内閣支持率は下がる一方で、底が見えない。NHKの世論調査(電話・9月9-11日)によると、岸田内閣を「支持する」と答えた人は、前回調査(8月5-7日)より6ポイント下がって40%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は12ポイント上がって40%となった。

   内閣支持率の足を引っ張っているとされるのが、安倍元総理の「国葬」(今月27日)の実施についてだ。「国葬」を行うことについて、「評価する」が32%、「評価しない」が57%だった。さらに「国葬」についての政府の説明は十分だと思うかとの問いでは、「十分だ」が15%、「不十分だ」が72%だった。

   そして、岸田内閣をさらに支持率低下へと引きづり込んでいるのが、自民党と世界平和統一家庭連合(旧「統一教会」)との関係だろう。自民党は、今後、統一教会や関連団体と一切関係を持たないことを基本方針とし、党所属の国会議員との関係を点検して公表したが、自民党の対応は十分だと思うかという問いでは、「十分だ」が22%、「不十分だ」が65%だった。「国葬」と合わせ、統一教会についても大半の有権者は納得いく説明がなされていないと感じているのだ。

   内閣支持率の低下は他のメディアの世論調査でも同様の結果が出ている。時事通信の世論調査(今月9-12日)によると、内閣支持率は前月比12ポイント減の32%と急落した。不支持率は同11ポイント増の40%で、初めて不支持率が支持率を上回った。「国葬」については「反対」が51%で、「賛成」は25%だった(15日付・時事通信Web版)。

   また、読売新聞の世論調査(今月2-4日)では、内閣支持率は50%と前回調査(8月10、11日)の51%と横ばいだったものの、不支持率は41%で、前回調査34%よりアップしている。「国葬」を決めたことに対する評価では、「評価しない」が56%で、「評価する」38%を上回っている。読売の調査でも、岸田総理がその意義や理由を十分に説明していないという不満が、否定的な評価として現れている。

   内閣支持率はドロ沼化している。内閣支持率の20%台は政権の「危険水域」、20%以下は「デッドゾーン」と言われる。「聞くチカラ」を岸田総理は強調してきたが、いま必要なのは説得ある政策の実行だろう。政権が反社会的な宗教団体との関係性を絶つには、税務調査と警察による情報収集で実態解明に着手すること。その上で、問題が露呈すれば非課税などの優遇措置の解除、場合によっては解散命令(宗教法人法第81条)を検討すると有権者に公約することだ。 

   苦境に陥っている岸田内閣をいま高笑いして眺めているのは、むしろ統一教会の教団幹部ではないだろうか。「岸田さん、地獄の底までお付き合いさせていただきますよ」と。

⇒15日(木)夜・金沢の天気   くもり