#少子化

★株高33年ぶり、出生率最低1.26、子ども自殺最多512人

★株高33年ぶり、出生率最低1.26、子ども自殺最多512人

           政府の少子化対策の推進とは裏腹に出生率は確実に減っている。厚労省の公式サイト「令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況」(2日付)によると、出生数は77万747人で、前年の81万1622人より4万875人減少(率換算で5%減)となった。1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は1.26だった。低下は7年連続で、新型コロナウイルス禍での婚姻数の低迷などが影響した。

   さらに暗い統計がある。厚労省がことし3月の「自殺対策強化月間」にあたって、全国の自治体首長にあてたWeb版メッセージ「いのちを支える自殺対策の推進のために」によると、令和4年の年間自殺者2万1843人のうち、小中高の児童・生徒の自殺者は512人で過去最多だった。

   この事態を受けて、ことし4月に発足した「こども家庭庁」は各都道府県に専門家による対応チームを設置するなど対策の強化に向けた取り組みを行う(2日付・NHKニュースWeb版)。

   話を変える。きょう2日の東京株式市場の終値は1日より376円高い3万1524円となり、バブル期以来33年ぶりの高値を更新した。メディア各社の分析によると、アメリカの議会上院が債務の上限を一時的になくす法案を可決し、アメリカ国債の債務不履行が回避されたことを受けて買い注文が広がったようだ。アメリカのダウ平均株価も一時、200㌦を超える値上がりとなるど活気づいている。

   この背景には、アメリカの債務不履行の回避と同時に、FRBがアメリカの経済指標から景気の先行きへの警戒感が和らいだと判断して、今後、利上げを一時的に停止するとの見方が広まっているようだ(2日付・NHKニュースWeb版)。

   それにしても、日本の株価は上がれども、少子化は止まらず、子どもの自殺者数が増えている。これが日本の現実かと思うと暗たんたる気分に陥る。

⇒2日(金)夜・金沢の天気    くもり時々あめ

☆いよいよ「少子化は国難」のステージに

☆いよいよ「少子化は国難」のステージに

   少子高齢化が進んだ地域集落でよく見かける光景、それは老人が買い物袋を携えて一人でとぼとぼ道を歩く姿だ。これを見て、健康のために歩いて買い物か、と前向きに考えなくもないが、なぜか後ろ向きに捉えてしまう。独り暮らし、高齢のため運転免許を返上、同乗して買い物に行く仲間はもういなくなった、バス運行の回数が少なくなった、地域にあった乗り合いタクシーが廃業してしまった。そして思うことは、これは日本の未来の光景ではないのか、と。

   きょうの各紙朝刊が一面のトップで、2021年に生まれた子どもの人数(出生数)は81万1604人で、前年より2万9231人(3.5%)少なく、明治32年(1899)に統計を取り始めて以降で最も少なくなったと、厚労省「人口動態統計」(3日発表)を報じている。1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」は2021年は1.30で、前年を0.03ポイント下回っている。

   国立社会保障・人口問題研究所が2017年7月に発表した「日本の将来推計人口」では2021年の「合計特殊出生率」が1.42、出生数は86万9千人(中位)と算出されていた(4日付・朝日新聞)。実際は出生率1.30、出生数81万1604人だったので、少子化がさらに進んだと言える。新型コロナウイルス下で結婚や妊娠を控える傾向にあったことも想像に難くない。が、このままでは人口減少の加速に歯止めがかからない。

   少子化が進んだ原因は何だろう。厚労省「人口動態統計」をチェックすると、平成7年(1995)はもっとも多く出産した年齢は25-29歳だったが、同17年(2005)以降は30-34歳となっている。これは、女性の初婚年齢が高くなっているせいもあるだろう。ちなみに平成7年は26.3歳だったが、現在(令和2年統計)は29.4歳と3年余り「晩婚化」が進んでいる。

   さらに、夫婦とも仕事に就いていて、出産・子育てを両立させるには産休や育休の取りやすい職場環境やタイミングを見計らう必要もあるのだろう。そして、出産にかかる費用も考慮しなければならない。「出産育児一時金」は現在42万円支給されるのが、出産費用は増加傾向で「足りない」という声も周囲の人から聞いたことがある。共同通信Web版(5月26日付)によると、政府は出産育児一時金を増額する方向で検討に入り、今月中にまとめる経済財政運営の指針「骨太方針」に反映させるようだ。

   あのEV大手テスラの経営者、イーロン・マスク氏が5月8日付のツイッターで「Japan will eventually cease to exist.」と書き込み物議を醸した。出生率が死亡率を超える変化がない限り、日本はいずれ消滅する、それは世界にとって大きな損失だ、と。日本の総務省が発表した2021年の人口統計で、過去最高の64万4000人減少との記事についてのコメントだった。世界の著名人も注視する日本の少子化現象、いよいよ「少子化は国難」との位置付けで対策を打つべきときが来た。日経新聞など各紙が一面で取り上げることそのものに危機感が漂っている。

⇒4日(土)夜・金沢の天気    はれ