#寒波

★立春寒波 ひたすら待つ「三寒四温」と「ぼんぼら風」

★立春寒波 ひたすら待つ「三寒四温」と「ぼんぼら風」

   「立春寒波」がやって来た。金沢地方気象台は北陸の上空5000㍍にマイナス36度以下の強い寒気が流れ込み、金沢などの平野部でも大雪となるおそれがあるとニュースで伝えている。きょう5日午後6時までに降る雪の量は多いところで加賀地方の平野部で20㌢、山沿いで60㌢、能登地方は平野部と山沿いともに30㌢と予想されている。発達した雪雲が同じ地域に流れ込み続けた場合は、6日にかけて警報級の大雪になる見通し、とか。発表を聞いただけで震える。

    けさ午前7時ごろの積雪は自宅周囲で5㌢ほど。これからが本番なのだろう。庭を眺めるとロウバイの黄色い花にうっすらと雪がかぶっていた=写真・上=。ロウバイは大寒から立春の時節に咲く。ロウバイの木に近づこうとすると、雪面から野鳥が1羽、驚いたように飛び立っていった。よく見えなかったが、目のふちが黒っぽく、尾羽が長めだったので、セキレイではなかったか。

   雪と花と鳥のイメージで何気なく思い出したのが、4年前、石川県立美術館(金沢市出羽町)で開催されていた伊藤若冲の特別展の『雪中雄鶏図』だった=写真・中、図録より=。竹や残菊に雪が積もる様子、そして雄のニワトリが餌を探して雪面をくちばしで突く絵は妙にリアリティと存在感があった。

   そして、この降雪で自宅周辺はまるで水墨画のような世界となった=写真・下=。金沢には古くから「一里一尺」という言葉がある。金沢地方気象台が発表する積雪量は、海側に近いところにある同気象台での観測であり、山側にある自宅周辺とでは積雪の数値が異なる。山側へ一里(4㌔)行けば、雪は一尺(30㌢)多くなる。

   今回の立春寒波はJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)と呼ばれる発達した列状の雲だ。今後雪はさらに深まるだろう。この時季、北陸人はひたすら寒さに耐えながら春の気配が日に日に高まる「三寒四温」を待つ。そして、春一番の南風が吹くと、加賀や能登では「ぼんぼら風が吹く」と言って気持ちが踊り出すくらいにうれしくなる。「ぼんぼら」は生暖かいという意味だ。そして、新型コロナウイルス感染もきのう県内は551人と猛威が止まない。三寒四温のように徐々に治まってほしいと願うばかりだ。

⇒5日(土)午後・金沢の天気      ゆき

★きょうから師走 寒波、コロナ禍への備えは万端か

★きょうから師走 寒波、コロナ禍への備えは万端か

   きょうから12月、北陸ではさっそく寒波がやってきた。けさから突風とともにあられが散発的に降って庭に積もっている=写真=。テレビ各社の昼のニュースによると、本格的な雪のシーズンに備え、金沢市役所では除雪作業本部がきょう設置された。大雪だった昨シーズンは道路で雪にタイヤがはまり、前にも後ろにも進まなくなるスタック(立ち往生)状態になるトラブルが市内各地の道路で相次いだ。このため作業本部では除雪計画を見直し、これまで15㌢以上の積雪で除雪車を出動させていたが、ことしからは10㌢以上積もれば除雪作業を行う。実際に雪道を車で走ると緊張感に包まれる。教訓を生かした「5㌢はやめ」の除雪はありがたい。

   自身も積雪の道路に備えるため、毎年今ごろに近くの自動車修理工場でタイヤ交換をしてもらっている。きょう午前中、電話予約を入れた。すると「2週間待ち」との返事だった。今月下旬となれば、積雪は少なくとも路面が凍結することもある。内心あせったが、仕方なく予約を15日に入れた。なぜ予約がこれほど殺到しているのか。長期予報で「ことしは大雪」との情報が流れている。北陸を含め雪国の人々は積雪情報に敏感だ。自身も予約をもう少し早めに入れるべきだったと悔いた次第。

   早めの対応といえば、岸田総理のコロナ対応は迅速だった。先月29日、WHOが変異ウイルス「オミクロン株」を「懸念される変異株」に指定したことを受け、水際対策として外国人の新規入国を「30日午前0時から、全世界を対象に禁止する」と発表した。そして、アフリカのナミビアから入国した30代の男性外交官がオミクロン株に感染していたことが確認された(30日付・内閣内閣官房官の記者会見)。オミクロン株による国内初感染だった。絶妙なタイミングだ。この後先が逆だったら、おそらく「決断が遅い」とメディアからバッシクングされていたに違いない。安倍、菅の両総理の二の舞いを避けようと岸田総理は早めの決断をしたのだろう。

   オミクロン株の登場で待たれるのがワクチン3回目のブースター接種だ。きょうから医療従事者を対象に全国で始まり、金沢市でも今月中旬からを予定している。医療従事者以外では、金沢市は来年1月から高齢者施設の利用者などへの接種を始め、2月からはそれ以外の65歳以上の高齢者への接種を開始すると広報で発表している。ブースター接種は2回目から8ヵ月を経過している人から順次なので、自身の場合は来年3月下旬となる。それまで第6波が来ないことを祈るしかない。

⇒1日(水)午後・金沢の天気      あめ時々あられ

☆あすから寒波再び

☆あすから寒波再び

   今月9、10日に降った大雪。金沢の自宅周辺で積もった雪は70㌢ほどだった。あれから徐々に寒さはやわらぎ、きょうの日中の気温は8度ほどで雪解けの日だった=写真=。ところが、気象庁によると、あす29日にかけて低気圧が急速に発達しながら北日本に進み、30日にかけては日本上空に強い寒気が流れ込み、日本海側を中心に大雪となる恐れがあるとして、暴風雪や暴風、高波に警戒するよう呼び掛けている。北陸に住む者にとって、冬将軍の第3波が来ると身構える。

   ついでに寒さを感じたニュースをいくつか。菅総理はきょう28日の参院予算委員会で、新型コロナウイルス禍で増える自殺など「孤独問題」を担当する閣僚が誰かを問われ、厚労大臣だと答える一幕があった。田村氏にとっては、突然の“任命”で、一瞬驚いた様子だったが「孤独の問題にもしっかり取り組みたい」と述べた。国民民主党の伊藤孝恵氏への答弁。伊藤氏はコロナの影響を踏まえ、ひとり親や不登校など「望まない孤独」の問題は多様化していると指摘。その究極が自殺として現れているとして、担当閣僚を置いて対策を進めるべきだと迫った(1月28日付・共同通信Web版)。イギリスでは2018年に世界で初めて「孤独担当大臣」を任命している。

       新型コロナウイルスの発生源などの解明に向けて中国・武漢に入っているWHOの国際的な調査チームは、28日午後、入国後の隔離措置を終え隔離先のホテルを出た。あす29日以降、現地での調査を本格化させる。しかし、 調査をめぐっては、感染拡大からすでに1年が経過していることから、WHO内部でも発生源の特定につながるのか疑問視する見方も出ていて、中国側が関連データの提供など調査チームの求めにどれだけ応じるかが焦点となっている(1月28日付・NHKニュースWeb版)。

   深海に生息する巨大なイカ、ダイオウイカが島根県出雲市の漁港に漂着しているのが見つかり、映像が公開された。漂着したのは体長が4㍍10㌢、重さが170㌔あるダイオウイカで、26日出雲市の猪目漁港で地元の漁業者が見つけた。連絡を受けて調べた島根県の水族館によると、ダイオウイカには獲物を捕らえる「触腕」と呼ばれる部分がなく、残っていれば体長は6㍍ほどあったと推定される(同)。

   このところ深海魚が出現したとの報道が多い。深海魚の出現は地震の前兆ではないかと身震いする。もちろん、科学的な論拠はない。現在午後11時20分、外はゴーゴーとかなりの強風だ。

⇒28日(木)夜・金沢の天気    くもり

★コロナ禍に ネオンも消える 寒の入り

★コロナ禍に ネオンも消える 寒の入り

   寒の入り、二十四節気の一つ「小寒」に入った。父親から昔教わった言葉が「小寒の氷、大寒に解く」だった。小寒の寒さの方が大寒のときよりむしろ寒いと感じるという意味。最初に来る寒さを寒いと感じ、あとは寒さも慣れてくる。北陸で生まれ育って、この肌感覚は実によく分かる。きのう5日、金沢市の寺町を車で通ると、曹洞宗大乗寺の僧が托鉢に回っていた。雪が残る道を素足にわらじを履いての修行は、その姿を見ただけでも寒さを感じた。

   天気予報ではあす7日から再び日本海に低気圧が急速に発達し、前回の「年越し寒波」よりも広範囲に日本列島が強烈な寒波に覆われると予想している。積雪見込みは8日12時までで、北陸地方では70-100㌢となっている。

   もう一つ襲来するのは「コロナ寒波」だ。新型コロナウイルスの感染が1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)で広がり、あす7日、政府は首都圏で再び緊急事態宣言を発令する方向だと報じられている。期間は1ヵ月程度とする方向で政府が調整している(1月5日付・NHKニュースWeb版)。

   ただ、あすからの緊急事態宣言は前回(昨年4月7日から5月31日)と違って、飲食店を通じた感染拡大を徹底的に減らす、いわばワンポイント規制となりそうだ(同)。前回は、人と人との接触を「最低7割、極力8割」減らすという目標のもと、飲食店のほか、ホテルやデパート、映画館、そしてなぜか図書館までが自粛する動きとなった。また、小中高校は休校となり、大学はオンライン授業に。祭りやスポーツなどのイベントは中止や延期が相次いだ。

   今回飲食の場での感染リスクの防止にポイントを絞ったのは、経済全体への影響を極力抑えたいとの政府の意向があるのだろう。ただ、飲食ワンポイントでどれだけ効果があるのだろうか。緊急事態宣言によって、飲食店は営業時間が短縮され、▽今月8日から11日までは酒を提供する飲食店などを対象に午後8時までに前倒したうえで、酒の提供は午後7時までとなる。そのうえで、▽今月12日から31日までは酒を提供するしないにかかわらず、すべての飲食店に午後8時までに営業時間を短縮するよう要請する(同)。一時的であるにせよ、新宿や池袋の夜のネオン街は灯が消えることになる。これがモデルとなって、全国に規制が拡大するかもしれない。

   ここで一句。「コロナ禍に ネオンも消える 寒の入り」

(※写真は、寒波に見舞われる能登半島の集落=2018年1月27日、輪島市門前町で撮影)

⇒6日(水)朝・金沢の天気    はれ