#宝達志水町

☆日韓首脳会談と「能登はやさしや」オムライス

☆日韓首脳会談と「能登はやさしや」オムライス

   韓国の尹錫悦大統領はオムライスが大好物のようだ。読売新聞Web版(14日付)によると、政府はあす16日に東京都内で予定される岸田総理と尹大統領との首脳会談後の夕食会で、異例の2次会を設定し、尹氏をもてなす方針を固めた。1次会は銀座のすき焼き店、2次会はオムライス好きの尹氏の希望を踏まえ、洋食の名店として知られる銀座の「煉瓦亭」とする。かつて尹氏が都内を訪れた際に食べたオムライスの味が忘れられないという韓国側の意向のようだ。   

   洋食のオムライスの発祥の地は大阪・浪速と言われる。1925年、通天閣が見える繁華街で洋食屋を開業した20代の料理人が、オムレツと白ご飯をよく注文する客がいることに気が付いた。客は胃の具合が悪いのだという。そこで、いつも同じメニューではかわいそうだと、マッシュルームと玉ねぎを炒めて、トマトケチャップライスにしたものを薄焼の卵でくるんで「特製料理」として提供した。すると客は「オムレツとライスを合わせて、オムライスでんな」と喜んだ。これがきっかけで「オムライス」をメニュー化したのだという。

   料理人は洋食店「北極星」を創業した北橋茂男氏(故人)、能登出身の人だった。生まれ故郷の石川県宝達志水町では毎月23日を「オムライスの日」と定め、「オムライスの郷」プロジェクトを進めている(「宝達志水町ホームページ」より)。

   同じ能登出身のパテシエの辻口博啓氏からこんな話を聞いたことがある。辻口氏の米粉を使ったスイーツは定評がある。当初、職人仲間から「スイーツは小麦粉でつくるもので、米粉は邪道だよ」と言われたそうだ。それでも米粉のスイーツにこだわったのは、小麦アレルギーのためにスイーツを食べたくても食べれない人が大勢いること気が付いたからだ。高齢者やあごに障害があり、噛むことができない人たちのために、口の中で溶けるチョコレ-トもつくっている。

   能登には人に気遣いをする文化風土があり、「能登はやさしや土までも」との言葉が江戸時代からある。ユネスコ無形文化遺産にも登録されている能登の農耕儀礼「あえのこと」は、目が不自由な田の神様を食でもてなす行事だ。そう考えると、食文化は「うまさ」というより、作り手の「やさしさ」から生まれるのかもしれない。尹大統領のオムライスの話題がいつの間にか能登の話になった。

⇒15日(水)夜・金沢の天気    はれ   

★能登の断水に支援 元旦プロスレ知事に忠告

★能登の断水に支援 元旦プロスレ知事に忠告

   前回のブログの続き。寒波の影響で、石川県の能登地方を中心に水道管の凍結や破裂による断水が相次いでいる。NHKニュースWeb版(29日付)によると、一部は復旧したのもの4つの市と町のあわせて9000世帯余りで断水が続いている。全面復旧の見通しはまだ立っていない。

   きょう所用で、220世帯で断水が続く宝達志水町に立ち寄った。同町では空き家320戸について調査しているが、これまでに10数ヵ所で漏水が見つかり、水道の元栓を雪中で探して閉めるなどを措置を行っている。町の施設に「応急給水所」が設けられていた=写真・上=。住民が次々と訪れて、ビニールパックに入った水を受け取っていた。パックには「非常用飲料水 金沢市企業局」と書かれてあるで、金沢市からの支援物資だ。金沢市民の一人としてうれしくなり写真に収めた=写真・中=。

   同町の公式サイトによると、あす30日からエリアを区切って試験通水し、給水再開の準備を進めるようだ。ただ、水道管の洗浄をしながら作業で、試験通水であっても濁り水が発生するので、「トイレには使用できますが、飲めません」と呼びかけている。

   「支援」の次は「忠告」の話。石川県の馳浩知事の後援会が主催する新年互例会が28日、金沢市内で開かれ、馳氏は招いた自民党の萩生田光一政調会長との対談に臨んだ。地元メディア各社のニュースによると、対談は40分にわたって行われ、冒頭で萩生田氏は「会場にリングが作ってあるのではないかと心配した。もうプロレスをやっている場合じゃないですよ」と、馳氏が元日にプロレスリングに上がり参戦したことに言及した。

   去年3月の知事選では、当時経産大臣だった萩生田氏が応援に駆けてつけていて、馳氏は「萩生田大臣は文教政策をともに磨いた同志」と昵懇の仲であることを強調していた。その萩生田氏から「プロレスをやっている場合じゃない」と忠告された。会談後、記者団にも萩生田氏は「地方自治に専念し、国政とのパイプを大いに使ってパワフルに頑張っていただきたい」と期待を述べた。

   もう一つ。当初、新年互礼会は報道陣に完全非公開とする異例の対応がとられていた。しかし、萩生田氏の出席に伴う自民党側からの申し出により馳氏が態度を一変させ、冒頭のみ取材可能となったようだ。馳氏はメディアに対して不信を募らせているのかもしれない。

⇒29日(日)夜・金沢の天気    あめ