#天皇皇后両陛下

★能登半島地震 「寄り添いの美学」 両陛下が被災地を訪問

★能登半島地震 「寄り添いの美学」 両陛下が被災地を訪問

  宮内庁は2月9日に、天皇陛下の誕生日(2月23日)に先立って、お住まいの御所で撮影した両陛下の映像を公開した=写真・上、宮内庁公式サイト=。前の机の上にことしの歌会始で使われた輪島塗の御懐紙箱が置かれ、後方左には輪島塗の飾盆、そして右に珠洲焼の壺が飾られている。両陛下が能登半島地震による輪島や珠洲などの被災地を案じておられるとのお気持ちを察する写真でもある。

  天皇陛下が奥能登を訪れるのは2018年8月以来ではないだろうか。皇太子だった当時、珠洲市で開催されたボーイスカウト日本連盟主催の国際キャンプ大会「日本スカウトジャンボリー」に出席された。その時のあいさつのお言葉で、「能登の地は、長い時間を掛けて自然と調和した人の営みが造り上げた里山里海を有しています」と述べられた。その能登の里山里海が元日の震災に見舞われた。

  メディア各社の報道によると、両陛下はきょう午前10時前に全日空の特別機で羽田空港を出発。午前10時50分に能登空港に到着し、馳石川県知事らの出迎えを受けた。両陛下は黒のタートルネック姿で、午前中は馳知事から被災状況について説明を受けた。現地に負担をかけないようにと、昼食は東京から持参された。

  午後に能登空港からヘリコプターで航空自衛隊の輪島分屯基地へ移動し、輪島市内の被災状況について坂口市長から説明を受けた。午後1時半すぎ、両陛下はマイクロバスで「輪島の朝市」に到着。4万9千平方㍍が焼失し、多くの犠牲者が出た焼け跡に向かって黙礼をされた。天皇陛下にとって朝市は、学習院高等科1年生の頃に訪問されたことのある思い出の場所でもあり、現地でどのようなお気持ちだったのか。このあと、坂口市長の案内で避難所に移動された両陛下は被災者の人たちを見舞われた。

  その後、ヘリで珠洲市に移り、午後4時すぎに野々江総合公園に到着。泉谷市長の案内で避難所で生活をする人たちを見舞われた=写真・下、NHKニュース=。午後5時30分、高さ4.3㍍の津波が押し寄せた飯田港を訪れ、泉谷市長から津波や地震の影響で漁船が転覆するなどし、緊急物資などを積んだ船も迎えることができない状況だったことなど、説明を聴かれた。

  以下、テレビのニュースを視聴した印象だ。両陛下は被災地の2人の市長の説明に熱心に耳を傾けておられる様子だった。避難所を訪れ、膝をついて被災者と対話する丁寧な所作に、被災者に寄り添う気持ちが伝わってくる。そして、被災者ひとり一人に「お体を大切に」とお声をかけられるなど、「寄り添いの美学」のようなものをお二人から感じた。

⇒22日(金)夜・金沢の天気   くもり時々はれ

★能登半島地震 両陛下が避難所を訪れ被災者見舞いへ

★能登半島地震 両陛下が避難所を訪れ被災者見舞いへ

  きょうの朝刊各紙は「両陛下 22日に奥能登へ」の見出しで天皇・皇后両陛下が能登半島地震の被災者を見舞うため、あさって22日に輪島市と珠洲市を日帰りで訪問される、と報じている=写真=。両陛下は去年10月15日に国民文化祭(いしかわ百万石文化祭2023)の開会式で金沢市などを訪れている。能登入りは即位後初めて。

  報道によると、両陛下は22日午前、羽田発の特別機で能登空港に到着する。輪島市で被害の大きかった地区を見て回り、避難所に足を運んで人々を見舞う。その後、珠洲市に移って津波被害の状況を視察し、被災者とも懇談する。輪島市と珠洲市の間の移動は、自衛隊のヘリコプターを使う。夜に帰京する。天候などによっては訪問が延期となる可能性がある。

  具体的な被災地訪問のルートは述べられてはいないが、上記の記事から察するに、輪島市では240棟が焼損し、焼失面積が4万9000平方㍍に広がった朝市通りや、震度6強の揺れで倒壊した塗師屋(ぬしや、漆器製造販売)の大手「五島屋」の7階建てビルの現場などを視察されるのではないだろうか。それに関連して、両陛下からは国の重要無形文化財に指定されている輪島塗の現状と再興についてお尋ねもあるだろう。珠洲市では揺れと津波に見舞われた宝立町の地域や見附島などを視察されるのではないだろうか。

  両陛下が被災地を訪問されるのは、2019年12月に台風19号などで被害が出た宮城県、福島県を訪れて以来で2回目となる。両陛下の被災地訪問で印象に残るのは、いまの上皇ご夫妻が平成の時代に全国の被災地を訪れ、丁寧に被災者を見舞われた姿を思い出す。避難所を訪れ、膝をついて対話する様子は被災者に寄り添うお気持ちが伝わり、国民の共感を呼んだ。テレビメディアを通じて、国民にはこの姿が天皇皇后の被災地訪問のイメージとして定着している。今回の訪問については、両陛下が発生直後から被災者を案じ、現地を見舞いに訪れたいとの考えを示しておられたようだ。

⇒20日(水)夜・金沢の天気   くもり時々あめ