☆両陛下が3度目の能登見舞いに 輪島で豪雨犠牲者の冥福祈る
天皇・皇后両陛下はきのう(17日)16人が亡くなった9月の能登の記録的な大雨による被災者を見舞うため、輪島市を日帰りで訪問された(18日付・メディア各社の報道)。午前中に特別機で能登空港に到着。マイクロバスで輪島市役所を訪れ、坂口市長から豪雨の被害や被災者の現状について説明を受けた。この後、塚田川が氾濫し、住宅4棟が流され、14歳の少女ら4人が犠牲となった同市久手川町を訪れ、濁流で流され木々や押しつぶされた自動車など被災の傷跡が残る現場で10秒ほど頭を下げ、冥福を祈られた。
両陛下は豪雨で30世帯51人が避難生活を送る輪島中学校を訪れ、イスに座る被災者と対面し、中腰になって「お体に気を付けて」と声をかけられた。また、両陛下は県警や消防署、自衛隊関係者とも対面し被災者の救助と支援の労をねぎらった。豪雨被害は輪島市と隣接する珠洲市と能登町でもあり、泉谷珠洲市長と大森能登町長がそれぞれの被災状況を説明した。
両陛下の能登訪問は元日の能登半島地震の見舞いに訪れた3月22日、4月12日に続いて3度目となる。輪島市は地震と豪雨の二重被害が集中した地域。元日の地震では震度7、その復旧・復興の途上の9月21日に輪島市は48時間で498㍉の記録的な豪雨に見舞われた。両陛下は3月に輪島を訪れた際に、店舗や住宅など200棟が焼けて焦土と化した朝市通りで犠牲者の冥福を祈られた。そして今回の豪雨被害による輪島訪問で現地の二重被害の状況を実感されたのではないだろうか。
石川県危機対策課がまとめた12月17日時点での地震による死者は469人で、そのうち、家屋の下敷きになるなどして亡くなった直接死は228人、災害による負傷の悪化や避難生活での身体的負担による疾病で亡くなった関連死は241人となった。避難者は仮設住宅などに移り、53人となっている。また、豪雨による犠牲者は16人、避難者は400人余り。災害直後からその数は大きく減っていない。輪島では仮設住宅のうち584戸が豪雨で床上浸水などの被害を受け避難所に入っていたが、復旧作業が進み、住民が戻り始めている。
⇒18日(水)午後・金沢の天気 あめ
皇后さまがきょう(9日)、61歳の誕生日を迎えられた。そのお気持ちを文書で感想を公表している。宮内庁公式サイトに「皇后陛下お誕生日に際してのご感想」として掲載されている。その冒頭で「道路の寸断によるアクセスの困難さや長く続く断水など、被災された方々が、冬の厳しい寒さの中でどれほど多くの困難と御苦労を抱えながら避難生活を送られていたか、想像するに余りあるものでした」と、2度の訪問での感想が述べられている。その能登について、「私自身、学生時代に友人との旅行で能登半島を訪れたことがあり、楽しく、大切な思い出の詰まった能登の地で、多くの人々がこのような大きな試練に直面していることに、心が締め付けられる思いが致しました」とつづられている。(※ 写真は、3月22日に天皇、皇后両陛下が多くの犠牲者が出た輪島・朝市通りを訪れ黙礼をされた=宮内庁公式サイト「被災地お見舞い」より)