#大麻

★「大麻解禁」アメリカへの留学

★「大麻解禁」アメリカへの留学

   「五風十雨(ごふうじゅうう)」は五日に一度は風が吹き、十日に一度は雨が降るという、落ち着いた天気のことを表現する言葉だ。季節的には春から初夏にかけての今ごろの天候を言う。庭にウツギの白い花が咲き、ツキヌキニンドウの赤い花も青空に映えている。二つの花を切って、玄関に生ける=写真=。赤と白の花のコントラストがまたいい。自慢話になってしまった。

   確かに植物は人に安らぎを与えてくれるが、この植物はどうだろう。アサ、つまり大麻草のこと。茎の皮の植物繊維は麻織物として重宝され、人類が栽培してきた最も古い植物の一つに数えられる (「Wikipedia」)。それを人類はいつしか「快楽の薬」として使い始めた。大麻やマリファナはアサの花や茎、葉を乾燥させたもので、細かく切り刻んで燃やして発生した煙を吸引する。薬の作用もあり、医療薬として用いられるケースもある。大麻をめぐっては、麻薬ほど強くないのでタバコと同様に認めるべきだとの声や、大麻がきっかけで他の薬物にはまっていくのではないかと懸念する声もある。

   きょうのニュースで、慶応大学の男子学生19歳が大麻取締法違反(有償譲渡)の疑いで、また、アメリカ・ニューヨーク州にある慶応ニューヨーク学院(高等部)の男子生徒18歳ら4人が同法違反(所持)の疑いで逮捕された。男子学生はニューヨーク学院の卒業生で、同学院の生徒らはコロナ禍で一時帰国していた(4月27日付・朝日新聞Web版)。

   このニュースの微妙なところは、ニューヨーク州ではことし3月31日に大麻の使用や栽培を合法化していることだ。大麻は許可を得た小売店で販売され、21歳以上の成人であれば購入できる。大麻を使用した際の車の運転は禁止されるなど規制も設けられている(4月1日付・NHKニュースWeb版)。このほか、首都ワシントンやカリフォルニア州など16の州で認められている。隣国のカナダも3年前に合法化している。

   アメリカの大麻解禁の流れには背景がある。国連麻薬委員会(CND)が最も危険な薬物に分類していた大麻および大麻樹脂をリストから除外することを承認し、大麻の医療的価値を認めたことによる(2020年12月3日付・CNNニュースWeb版日本語)。アメリカでこの動きは全土に広がるだろう。日本人が旅行やビジネスでアメリカに出かけ、大麻を勧められたとしても、渡航先での使用は現行の日本の大麻取締法では罰則対象とされてはいない。日本に持ち帰った場合、所持であっても罰せられる。

   「民主主義・人権」は共有できても「大麻」は共有できない日本とアメリカ。その是非を政治の場で議論すべき時が日本でもめぐってきたのではないか。前述の記事を読んで感じたことだ。

⇒27日(火)夜・金沢の天気    くもり

☆身近で、不可解、パラダイムシフトとは

☆身近で、不可解、パラダイムシフトとは

   社会全体の価値観が劇的に変化するという意味で使う「パラダイムシフト」は日常の言葉として発することがある。自身の記憶では、パラダイムシフト(paradigm shift)の言葉を初めて 交わしたのは、インターネットが劇的に広がった1999年だった。

   自宅を新築する際、光ファイバーケーブルを引き込み、リビングや書斎に光コンセントを設置してほしいと建築士にお願いした。すると、建築士は「光ファイバーがあれば、お部屋がオフィスに様変わりしますよ。パラダイムシフトですね」と。初めて聞いた言葉だった。確かに、完成後に自宅書斎のパソコンを会社(当時、テレビ局)のPCとつないでメールや動画をやり取りして仕事ができるようになった。画期的なことだった。それ以来、書斎を「オフィス」と呼び、パラダイムシフトという言葉を自らも使うようになった。

   もちろん、パラダイムシフトは個別の話ではなく社会全体の価値観の変化のことだが、今のIoT化やSociety5.0、リモートワークといったトレンドを考えると、当時建築士が話したように、パラダイムシフトの先駆けだったかもしれない。パラダイムシフトはIT化だけでなく、新型コロナウイルスなどに揺さぶられ、さまざまな場面で起きている。

   身近にある大きな変化では、葬儀もその一つだ。故人をしのび弔うセレモニ-は近年、会葬の規模が縮小し「家族葬」と言われるまでに少人数化した。さらにコロナ禍にあって、「廻(まわり)り焼香」と呼ばれる簡素化がトレンドになっている。廻り焼香は、通夜や葬儀・告別式に参列するが、焼香を終えた人は席に就かずにそのまま帰る。もともとは、多くの弔問客が滞りなく焼香を済ませるための会葬の流儀だったが、最近ではコロナ禍で「三密」を避ける工夫として用いられている。ドライブスルーでの焼香も可能な葬儀場もある。葬儀の小規模化と簡略化という流れは儀式のパラダイムシフトを象徴している。

   戸惑うパライダイムシフトもある。大学キャンパスで大麻をめぐるニュースが相次いだ。昨年は、日本大学ラグビー部や近畿大学サッカー部、そして東海大学硬式野球部、さらに長崎大学でも不法所持や売買などが発覚し、逮捕者も出ている。一方、アメリカでは民主党政権の復権にともない、ニュージャージー、アリゾナ、サウスダコタ、モンタナなどの各州で新たに合法化された。大麻を合法的に使えるアメリカ人は1億900万人に上り、総人口の3人に1人に相当する。ニューヨーク州でも知事が、州政府の財政を再建するため、オンラインのスポーツ賭博と娯楽用大麻を合法化する意向と報じられている(1月7日付・ロイター通信Web版日本語)。

   この背景には、国連が大麻と大麻樹脂を最も危険な麻薬に分類していたリストから外すことを承認し、大麻の医療的価値を認めたことによる(2020年12月3日付・CNNニュースWeb版日本語)。だからと言って、税収の確保のため大麻を合法化するというアメリカの動きは日本人にとっては不可解だ。アメリカでこの動きが全土に広まれば、日本の学生たちにアメリカへの留学を勧められなくなる。

⇒26日(火)夜・金沢の天気    あめ

☆大麻をめぐる是非論

☆大麻をめぐる是非論

   「アヘン戦争」(1840-42年)は日本の歴史教科書にも出てくるので誰でも知っている。イギリスの貿易商たちがインドで得た麻薬のアヘンを中国で売りさばき、その金で中国で茶葉を買うという「三角貿易」で貿易商たちは莫大を利益を上げていた。そのアヘンの取り締まりを強化した中国に対してイギリスが武力報復をしたのがアヘン戦争だと理解している。

   以下は記者時代に警察の担当者から教わった知識だ。アヘンは麻薬の一種で、ケシの実からつくられる。大麻やマリファナはアサの花や茎、葉を乾燥させたもので、細かく切り刻んで燃やして発生した煙を吸引する。薬の作用もあり、医療薬として用いられるケースもある。大麻は麻薬ほど強くないのでタバコと同様に認めるべきだとの声もあるが、大麻を吸う人のほとんどは麻薬や覚醒剤へとはまっていく。

   上記の2つのことが知識としてあったので、新聞記事を読んでアメリカは大丈夫かと懸念している。以下は記事内容。大麻の合法化をめぐる住民投票で、ニュージャージー、アリゾナ、サウスダコタ、モンタナのアメリカ各州では合法化が決まった。これで大麻を合法的に使えるアメリカ人は1億900万人に上り、総人口の3人に1人に相当する。合法化の結果、ニュージャージー州はアメリカで最大級の大麻市場になると予想される(12月5日付・日経新聞Web版)。

   同州は販売や税収などで年間1億2600万㌦(130億円)の収益を生み出せると計算している。歴史的には大麻合法化に反対してきた共和党支持者の多いサウスダコタとモンタナ州でも合法化が支持され、同党内での意識の変化が起きている。今後、大麻合法化がアメリカ国内で加速する可能性が高くなっている(同)。

   このアメリカの大麻をめぐる動きを見て笑っているのは中国ではないだろうか。「バイデンが大統領になれば、さらに加速するだろう。大麻は自由の象徴だと勘違いしているのが民主党だ」と。確かに、税収の確保のため大麻を合法化するというアメリカの動きも、日本人にとっても不可解だ。もし、アメリカでこの動きが全土に広まれば、日本の学生たちにアメリカへの留学を勧められなくなる。最近、アメリカから帰国後に自宅で大麻栽培をして使っていたというニュースも目につくようなってきた。

   無害というのであれば、堂々とカミングアウトして大麻解禁の運動を展開し、できれば選挙の争点としてほしい。日本でも、きっちりとした議論をするべき時が来ているのではないだろうか。自身は禁煙論者であり、タバコも吸わない。

⇒6日(日)夜・金沢の天気     はれ