#北朝鮮

☆核攻撃をシュミレーション 北朝鮮また弾道ミサイル

☆核攻撃をシュミレーション 北朝鮮また弾道ミサイル

          北朝鮮が深夜にまた弾道ミサイルを日本海に向けて発射した。防衛省公式サイト(31日付)によると、発射は30日午後11時38分と同午後11時46分の2回。1回目は最高高度およそ50㌔で、350㌔ほど飛翔した。2回目も最高高度およそ50㌔で、400㌔ほど飛翔した。2発とも北朝鮮西岸付近から発射され、落下したのはいずれも朝鮮半島東岸の日本海で、日本のEEZ外だった=イメージ図、防衛省作成=。

   北朝鮮は1週間前の今月24日午前3時51分、北朝鮮北西部沿岸地域から、弾道ミサイル技術を使用した衛星を発射している。発射された1発は複数に分離し、午前4時ごろまでに日本のEEZ外にあたる朝鮮半島の西300㌔ほどの黄海、南西およそ350㌔の東シナ海、フィリピンの東600㌔程度の太平洋にそれぞれ落下した。衛星の打ち上げを試みたものの、地球周回軌道への衛星の投入は確認されておらず、打ち上げは失敗したとみられる。

   北朝鮮は失敗を繰り返しながら弾道ミサイル技術を進化させ、ICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発にこぎつけている。そして、ミサイルよりさらに高コストの衛星の打ち上げにも挑んでいる。では、今回の深夜2発はどのような意図で打ち上げたのか。読売新聞Web版(31日付)によると、北朝鮮の朝鮮中央通信は、北朝鮮軍が30日夜、平壌の飛行場から北東に向け、弾道ミサイル2発を発射する「戦術核打撃訓練」を実施したと報じている。

   「戦術核打撃訓練」とはどのような訓練なのか。BBCニュースWeb版(31日付)は「North Korea says it simulated nuclear strike on South」(意訳:北朝鮮、韓国への核攻撃をシミュレーションしたと発表)の見出しで今回の発射を伝えている=写真・下=。北朝鮮の発射は、韓国軍とアメリカ軍による11日間の合同軍事演習の最終日の前日に行われた。北朝鮮はこれまで「合同訓練は戦争のリハーサル」として非難してきたが、最近では軍事行動によって明確なメッセージを送っている。「戦術核打撃訓練」は韓国軍の主要な司令部と飛行場を戦術核で攻撃する作戦のシュミレーションと分析されている。

   確かに、防衛省が作成した落下地点のイメージ図をそのまま南に向けるとソウルなどの拠点がすっぽりと入る。さらにメディアによると、今回発射された2発の弾道ミサイルは目標とした島の上空400㍍で空中爆発をさせている。これは、核弾頭の空中起爆を想定した訓練だったと、朝鮮中央通信を引用して伝えている(31日付・日経新聞Web版)。

   となれば、核兵器の開発を急ぐ北朝鮮の7回目の核実験はいつあるのか、いつ起きても不思議ではない情勢になってきた。   

⇒31日(木)午前・金沢の天気  はれ時々くもり

☆国土保全より衛星開発を優先させる隣国の事情

☆国土保全より衛星開発を優先させる隣国の事情

   北朝鮮がまた弾道ミサイルのような衛星を発射した。防衛省公式サイト(24日付)によると、北朝鮮はきょう午前3時51分、北朝鮮北西部沿岸地域のトンチャンリ地区から、弾道ミサイル技術を使用した衛星の発射を強行した。発射された1発は複数に分離し、午前4時ごろまでに日本のEEZ外にあたる朝鮮半島の西300㌔ほどの黄海、南西およそ350㌔の東シナ海、フィリピンの東600㌔程度の太平洋にそれぞれ落下したと推定される=イメージ図、防衛省作成=。衛星の打ち上げを試みたものの、地球周回軌道への衛星の投入は確認されておらず、衛星打ち上げは失敗したとみられる。

   北朝鮮は5月31日にも衛星を打ち上げたが、エンジン異常で墜落。今月22日に、24日午前0時から31日午前0時に再度衛星を打ち上げると海上保安庁などに通告していた。これに対し、内閣府は衛星打ち上げが目的であっても、弾道ミサイル技術を用いた発射は国連安保理の決議違反であると非難していた。

   朝日新聞Web版は、北朝鮮の朝鮮中央通信のきょうの発表を伝えている。偵察衛星「万里鏡1号」を新型の衛星運搬ロケット「千里馬1型」に載せ、北朝鮮北西部、平安北道(ピョンアンブクト)の「西海衛星発射場」から発射した。2段目までは正常に飛行したが、3段目の飛行中に「非常爆発システムに異常が発生した」としている。北朝鮮の国家宇宙開発局は「エンジンの信頼性とシステム上、大きな問題ではない」と主張。原因究明と対策を進め、「10月に3回目の偵察衛星発射を断行する」と伝えている。

   北朝鮮は失敗を繰り返しながら弾道ミサイル技術を進化させ、ICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発にこぎつけた。しかし、ミサイルよりさらに高コストの衛星を打ち上げたが再度失敗。そして、22日付のロイター通信Web版日本語は、金正恩総書記が干拓地の冠水を巡り金徳訓首相の対応が「無責任」だったために、国家経済に深刻な損害を与えたと強く批判したと報じている。国土保全より人工衛星が優先されているようだ。

⇒24日(木)夜・金沢の天気    はれ

★中国の不動産危機という時限爆弾 日米韓はどう対応

★中国の不動産危機という時限爆弾 日米韓はどう対応

    「中国の時限爆弾」が爆発した。メディア各社の報道によると、2年連続の巨額な赤字で経営危機に陥っている中国の不動産大手「恒大グループ」は17日、アメリカ・ニューヨーク州のマンハッタン地区連邦破産裁判所に連邦破産法15条の適用を申請した。連邦破産法15条は、再建をめざす外国籍の企業が申請する条項で、資産の強制的な差し押さえなどを回避でき、難航している外貨建て債務の再編協議の前進を狙っているものと見られる。ロイター通信Web版日本語(18日付)によると、恒大の負債額は先月末基準で3300億㌦(48兆円)にのぼっている。

   バイデン大統領が「中国は時限爆弾だ」と述べてニュース(今月12日付・読売新聞Web版)となっていたが、今回の恒大グループの破産申請を念頭に置いた発言だったのかもしれない。あくまでも憶測だ。恒大グループだけでなく、中国では不動産大手の経営危機が相次いで表面化していて資金繰りが悪化している中国最大級の不動産会社「碧桂園(カントリー・ガーデン)」に対しても市場の不安が高まっている。次なる時限爆弾なのか。

   朝鮮半島のある意味で時限爆弾と言えるのが北朝鮮問題ではないだろうか。読売新聞Web版(18日付)によると、国連安全保障理事会は17日、北朝鮮の人権問題に関する公開会合を開いた。ボルカー・ターク国連人権高等弁務官は会合冒頭に「北朝鮮で数十年にわたって人権侵害が続いている」と指摘し、子供を含む強制労働などが軍事機構と武器製造能力を支えていると強調した。11年に脱北した男性28歳が会合に出席し、「政府は私たちの血と汗を指導者のぜいたくな生活とミサイルに変えてしまう」と語った。日本と米欧各国も核・ミサイル開発を優先する北朝鮮の姿勢を強く非難した。北朝鮮の人権に関する安保理会合が公開で行われたのは2017年以来で6年ぶり。

   アメリカのワシントン郊外にあるキャンプ・デービッド山荘で、日本時間のあす19日未明、岸田総理とバイデン大統領、尹大統領との日米韓3か国の首脳会談が行われる(18日付・NHKニュースWeb版)。中国や北朝鮮の動向などを踏まえて、安全保障協力の強化を確認する見通し。また、日米韓国による半導体などのサプライチェーンの強靭化といった経済安全保障分野での連携などでも一致するものとみられる。さらに、時限爆弾となっている中国の不動産危機が3か国や世界に及ぼす影響などについても議論するに違いない。その意味で実にタイムリーな首脳会談なのかもしれない。

(※写真は、ことし5月21日、広島市でのG7サミット後に行われた日米韓首脳間の意見交換=外務省公式サイト「日米韓首脳間の意見交換」より)

⇒18日(金)午後・金沢の天気   くもり時々はれ

★「非常に強い」台風7号 北陸など直撃横断か

★「非常に強い」台風7号 北陸など直撃横断か

   台風6号は朝鮮半島に進み、北上している。今月3日時点での進路予報では北陸を直撃かと身構えたが、その後、北西方向に舵を切った。で、台風6号はその後、どうなったのか。共同通信Web版(10日付)によると、北朝鮮の国営朝鮮中央テレビは10日夕、同日午前0時(日本時間同)から午後5時の間に東部の江原道高城で274ミリの降水量を記録するなど、台風の最接近を前に各地で大雨が降っていると報じている。

   また、台風に関連して、北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は10日、台風6号の接近に警戒を呼びかける記事で、故金日成主席と故金正日総書記の肖像画や銅像などを守る対策を取ることに「最優先の関心を払わなければならない」と強調した。記事では「わが党にとって人民の生命・安全よりも貴重なものはない」とも書いている(10日付・共同通信Web版)。

   そして、台風7号は北陸を直撃するようだ。「非常に強い」台風7号は、きょう11日午前9時には父島の東南東約90㌔を、ゆっくりした速さで北へ進んでいる。中心の気圧は940ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45㍍、最大瞬間風速は65㍍で、中心から半径130㌔以内では風速25㍍以上の暴風となっている。15日から暴風が吹き、大荒れの天気となる恐れがある。盆休みのUターン移動の時期と重なり、新幹線や在来線、道路、空の便に影響が出る可能性も(11日付・日本気象協会「tenki.jp」)。

   台風と言えば、2019年10月13日、死者・行方不明者100人を出し、北陸新幹線120両を水没させた、あの台風19号が日本に近いづいてきたときが945ヘクトパスカルだった。北陸に住む自身にとっては、千曲川の堤防決壊で長野市にある新幹線車両センターの北陸新幹線の車両が水に浸かった画像はショックだった=写真・下=。

   ヘクトパスカルは気圧の単位で、中心気圧の数字が低くなるほど台風の勢いが強い。気象庁の統計資料によると、上陸時の中心気圧が最も低かったのは、1961年9月に死者・行方不明者200人余りを出した「第二室戸台風」の925ヘクトパスカルだった。ヘクトパスカルは台風の勢いの判断基準でもある。自身も970-960だと気象情報や台風進路が気になり、950を下回ると学校は休校、仕事も休みになるケースがある。今回の台風7号は940ヘクトパスカルで近づいてくる。北陸は直撃コースなのか。

⇒11日(金)午後・金沢の天気    はれ

☆いよいよヤル気か 北朝鮮がまた日本海に弾道ミサイル

☆いよいよヤル気か 北朝鮮がまた日本海に弾道ミサイル

   また北朝鮮が弾道ミサイルを発射した。今月に入り弾道ミサイルや巡航ミサイルの発射の頻度高めている。防衛省公式サイトによると、北朝鮮は深夜の24日午後11時54分と59分に北朝鮮内陸部から、計2発の弾道ミサイルを東方向の日本海に向けて発射した。日本のEEZ外に落下した。1発目は最高高度100㌔で、350㌔飛翔、2発目は最高高度100㌔で、400㌔飛翔したと推定される=図、防衛省公式サイトより=。

   今月だけでも4回目だ。今月22日午前4時ごろに朝鮮半島西側の黄海に向けて数発の巡航ミサイルを発射している。19日午前3時台には日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射、EEZ外に落下。12日にはICBM(大陸間弾道ミサイル)1発を発射している。弾道ミサイルは74分間飛翔し、北海道の奥尻島の西方250㌔の日本海のEEZ外に落下。飛翔距離は1000㌔、最高高度は6000㌔を超えると推定されている。弾道ミサイルや、弾道ミサイル技術を用いたものの発射はことし14回目だ。

   なぜこれほどまで頻繁に北朝鮮はミサイルを発射するのか。メディア各社の報道から読み解くと、一つには戦意高揚があるのかもしれない。北朝鮮は、朝鮮戦争の休戦協定(1953年7月27日)の日を「戦勝節」と位置付けていて、ことしは70年の節目に当たる。二つめは、アメリカ軍の動きに過敏になっていることがある。きのう24日、アメリカの原子力潜水艦「アナポリス」が済州島に入港している。また、今月18日から21日まで、核兵器を搭載可能なアメリカの戦略原子力潜水艦「ケンタッキー」が南東部の釜山に寄港していた。北朝鮮とすれば、こうした米韓の軍事的な連携に神経を尖らせているだろう。

   三つめは自身の憶測だが、ロシアとの連携であえて軍事行動に出て、アメリカの意識をウクライナから朝鮮半島へとそらすことを想定しているのではないだろうか。ロシアとすれば、クラスター爆弾を供与するなどウクライナへのアメリカの肩入れがハードルになっている。そこで、朝鮮半島での紛争を北朝鮮に仕掛けさせてアメリカをここに注目させる。さらに、中国による台湾への軍事侵攻を仕掛けさせて、アメリカを巻き込む。そのようなシナリオではないだろうか。まったくの憶測である。

   このところ、ロシアの安全保障担当と中国外交担当トップが南アフリカで会議を行ったり、中国共産党幹部が北朝鮮を訪問するなど、ロシア・中国・北朝鮮の外交が妙に活発化しているような印象から、上記のシナリオを勝手に詮索してみた。

⇒25日(火)夜・金沢の天気   はれ

☆また北朝鮮の弾道ミサイル 日本海側に緊張走る

☆また北朝鮮の弾道ミサイル 日本海側に緊張走る

   北朝鮮がまた弾道ミサイルを発射した。防衛省公式サイト(19日付)によると、北朝鮮は午前3時29分に1発目を発射、最高高度50㌔で550㌔を飛翔した。2発目は午前3時45分に発射、最高高度50㌔で600㌔を飛翔した。いずれも朝鮮半島東の日本のEEZ外に落下した=図、防衛省公式サイトより=。ミサイルはいずれも変則的な軌道で飛行した可能性がある。午前4時46分から浜田防衛大臣は臨時会見を行い、「我々としてはこれ容認することはできない。外務省を通じて北朝鮮に対して抗議を行う」と述べた。

   北朝鮮は今月12日にもICBM(大陸間弾道ミサイル)1発を発射した。弾道ミサイルは74分間飛翔し、北海道の奥尻島の西方約250㌔の日本海のEEZ外に落下した。飛翔距離は1000㌔、最高高度は6000㌔を超えると推定されている。北朝鮮が弾道ミサイルや、弾道ミサイル技術を用いたものを発射したのはことし13回目だ。

   「弾道ミサイル」は発射から10分ほどで日本国内へ到達する。国内に落下する可能性がある場合には、緊急情報を瞬時に伝える「Jアラート」が国から伝えられ、防災行政無線や緊急速報メールなどで緊急情報として伝えられる。

   ネットによると、きょう富山市では弾道ミサイルの落下に備えた住民避難訓練が行われた。防災行政無線で「ミサイルが発射されたものとみられます、建物の中、または地下に避難してください」と放送。住民らは近くの地下歩道などに駆け込んだ。国と県、市が共同で行っているこの訓練は今年度で36回実施される予定。昨年の12回に比べ3倍に増えている(19日付・北日本新聞Web版)。(※写真は、きょうの北朝鮮の弾道ミサイル発射を伝える地元紙の夕刊)

   自身も「Jアラート」避難訓練に参加したことがある。2017年8月30日に能登半島の輪島市で実施された。この年の3月6日、北朝鮮は弾道ミサイルを4発発射、うち1発が輪島市の北200㌔の海上に落下した。このため、避難訓練は実にリアリティがあった。午前9時に防災行政無線の屋外スピーカーから「これは防災訓練です」と前置きして、Jアラートの鈍い警報音が流れた。その後「ミサイルが発射された模様です」「ただちに頑丈な建物や地下に避難してください」とアナウンスが流れた。防災行政無線による避難の呼びかけは10分間ほど続いた。

   日本海側に住む者にとっては北朝鮮の弾道ミサイルは脅威そのものだ。

⇒19日(水)夜・金沢の天気    あめ

☆「まだ降りやまぬ」 北陸の雷雨、北朝鮮のICBM

☆「まだ降りやまぬ」 北陸の雷雨、北朝鮮のICBM

   文部省唱歌に「降っても降っても まだ降りやまぬ」という歌の一節があるが、まさこのことかもしれない。北陸は大気の状態が不安定で、いまも雷鳴が響いて強い雨が降ったり止んだりしている。午後5時までの24時間に降った雨の量は金沢市医王山で70㍉、輪島市三井と小松市で60㍉などとなっている。あすにかけてさらに激しい雨が降る見込みで、予想される1時間の降水量は多いところで加賀・能登ともに40㍉。雨は降り続く。

   さきほど気象庁は午後9時39分に「顕著な大雨に関する情報」を発表した。石川県で線状降水帯が発生し、土砂災害や洪水が発生する危険性が急激に高まっている。

   予報によると、朝鮮半島から東北地方に延びる梅雨前線が南下し、北陸地方に停滞する見込み。前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込む一方、上空5500㍍に氷点下6度以下の寒気が入り込むため、13日にかけて大気の状態が非常に不安定となる。案じるのは、5月5日に震度6強の揺れがあった能登半島の珠洲市を中心とする奥能登エリアだ。地震で地盤に割れが入っているところに大雨が続くと土砂崩れなどの二次災害が発生するのではないかと地質の専門家ではないが、そう考えてしまう。(※写真は、北陸電力公式ホームページ「雷情報」より)

   降りやまないのは雨だけではない。北朝鮮がまた日本海に向けてICBMを放った。防衛省公式サイトによると、きょう12日午前9時59分、北朝鮮の首都平壌近郊からICBM(大陸間弾道ミサイル)1発を東の方向に発射した。弾道ミサイルは74分間飛翔し、同11時13分ごろ、北海道の奥尻島の西方約250㌔の日本海のEEZ外に落下した=イメージ図、防衛省作成=。飛翔距離は約1000㌔、また最高高度は約6000㌔を超えると推定されている。

   このニュースで、北朝鮮が5月31日に「軍事衛星」を打ち上げた件を思い出した。軍事衛星「万里鏡1号」を新型ロケット「千里馬1型」に搭載し発射したが、「1段目の分離後、2段目のエンジン始動に異常があり推進力を失って朝鮮西海(黄海)に落ちた」(北朝鮮国営メディア「朝鮮中央通信」Web版)。そして、「国家宇宙開発局は衛星発射で現れた重大な欠陥を具体的に調査、解明し、可能な限り早期に2回目の発射を断行する」と述べていた。今回の発射が「2度目の断行」とどう関わっているのか。専門機関の分析を待ちたい。

⇒12日(水)夜・金沢の天気    雷雨

★北朝鮮の発射体は「はりぼて衛星」だったのか

★北朝鮮の発射体は「はりぼて衛星」だったのか

    5月31日朝、沖縄県にJアラート=全国瞬時警報システムが鳴り響いた。「北朝鮮からミサイルが発射されたものとみられます。建物の中や地下に避難して下さい」と。間もなくして、「先ほどのミサイルは我が国には飛来しないものとみられます。避難の呼びかけを解除します」に切り替わった。Jアラートを報じるNHKニュースをチェックしていたが、スピード感のある速報だった。緊張が走ったのも、これに先立って北朝鮮が4月29日に「31日から来月11日までの間に『人工衛星』を打ち上げる」と日本に通告していたからだ。

   その後に韓国メディアのWeb版に切り替えた。すると、通信社の「聯合ニュース」は、韓国軍の消息筋の話として、北の宇宙発射体が予告された落下地点に行かず、レーダーから消失したと伝えていた。

   さらに北朝鮮の国営メディア「朝鮮中央通信」Web版をチェックすると、「午前6時27分に西海衛星発射場から軍事衛星『万里鏡1号』を新型ロケット『千里馬1型』に搭載・発射した」「1段目の分離後、2段目のエンジン始動に異常があり推進力を失って朝鮮西海(黄海)に落ちた」。失敗の原因を「千里馬1型に導入された新型エンジンシステムの信頼性と安定性が低く、使用された燃料の特性が不安定であることに事故の原因があった」とした上で、「国家宇宙開発局は衛星発射で現れた重大な欠陥を具体的に調査、解明し、可能な限り早期に2回目の発射を断行する」と報じていた。

   北朝鮮の衛星発射の失敗から36日。きょう6日付の韓国メディア「中央日報」のWeb版をチェックすると、その結末が報じられている。韓国軍合同参謀本部は黄海に落下した北朝鮮の衛星の残骸を引き上げて分析した結果をきのう5日に発表した。米韓が共同分析した結果では、搭載されていたカメラは横・縦1㍍が1個の点で表示されることを意味する「解像度1㍍級」よりはるかに解像度が落ちるもので、偵察を目的とした軍事的効用はまったくないことが分かった。(※写真、先月16日に引き揚げられた発射体の残骸の一部=撮影:韓国軍合同参謀本部)

   その上で、ミサイル防衛に詳しいマサチューセッツ工科大学の専門家のコメントとして、「技術的に発展した国というこ学を見せるためのもの」と紹介し、いわゆる「はりぼて衛星」をあたかも全世界を偵察できる能力があるように見せかける意図があったのではないかと指摘した。

   ただ、北朝鮮は再度の衛星打ち上げを断行すると表明している。必要な技術と部品、装備を調達するとなれば、ロシアの支援を受けるしかないのではないか。

⇒6日(木)午後・金沢の天気    はれ

☆安倍事件まもなく1年 旧統一教会の「献金の闇」

☆安倍事件まもなく1年 旧統一教会の「献金の闇」

   これを宗教というのだろうか。宗教の名を借りた集金システムではないのか。3日付の共同通信Web版によると、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の教団トップの韓鶴子総裁が6月末、教団内部の集会で「日本は第2次世界大戦の戦犯国家で、罪を犯した国だ。賠償をしないといけない」「日本の政治は滅ぶしかないだろう」と発言していたことが3日、関係者への取材や音声データで分かった。教団側は6月中旬までに、年間数百億円にも上るとされる日本から韓国への送金を今後も取りやめると説明していたが、トップが依然、韓国への経済的な見返りを正当化したことになる。

   あれから間もなく1年になる。2022年7月8日、奈良市で街頭演説中の安倍元総理が銃で殺害された。同市に住む山上徹也容疑者が殺人と銃刀法違反の罪で逮捕された。これから裁判員裁判で審理されることになるが、殺害の動機とされるのが、母親が旧統一教会へ高額な献金をしたことから家庭が崩壊し、恨みを募らせたことが事件の発端とされる。安倍氏は祖父・岸信介の代から三代にわたって旧統一教会と深いつながりがあり、山上被告は安倍氏にも恨みを抱いていた。   

   さらに、2022年12月9日の参院消費者問題特別委員会で、いわゆる「宗教2世」の女性が訴えた。「これだけ悪質な団体が活動の一時停止もなく、税制優遇を受けていることはあってはならない」「両親が親戚中を勧誘したり、お金を要求したり、そのことで怒られているところも見てきました。また、高校生から始めた5年間のアルバイト代200万円ほどの給与も没収され、一度も返ってきませんでした」(同日付・朝日新聞Web版の意見陳述)

   多額の献金は韓国の本部に集められた。それはどこに流れたのか。「文藝春秋」(2023年1月号)は「北朝鮮ミサイル開発を支える旧統一教会マネー4500億円」の見出しで報じている。旧統一教会と北朝鮮の接近を観察していたアメリカ国防総省の情報局(DIA)のリポートの一部が機密解除され、韓国在住ジャーナリストの柳錫氏が記事を書いている。旧統一教会の文鮮明教祖は1991年12月に北朝鮮を訪れ、金日成主席とトップ会談をした見返りとして4500億円を寄贈していた、と。

   さらにDIA報告書では、1994年1月にロシアから北朝鮮にミサイル発射装置が付いたままの潜水艦が売却された事例がある。売却を仲介したのが東京・杉並区にあった貿易会社だった。潜水艦を「鉄くず」と偽って申告して取引を成立させていた。韓国の国防部は2016年8月の国会報告で、北朝鮮が打ち上げたSLBM潜水艦発射型弾道ミサイルは北朝鮮に渡った「鉄くず」潜水艦が開発の元になっていたと明かした。この貿易会社の従業員は全員が旧統一教会の合同結婚式に出席した信者だった。

   高額献金をめぐる旧統一教会の「深い闇」をどう断罪するのか。断罪がなければまた繰り返される。

⇒3日(月)夜・金沢の天気     くもり

★北朝鮮の弾道ミサイル またEEZ内に落下

★北朝鮮の弾道ミサイル またEEZ内に落下